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震災によりいったんは中止となったきよたマルシェ&きよフェスですが、10月27日に清田区民フォーラムと併せて開催され、札幌市清田区有明の大西さんが直営店で使用しているイチゴを副原料に、月と太陽BREWINGで醸造した「Strawberry Ales Forever」が提供されました。
きよたマルシェは農産物の地産地消の啓発を目的の一つとして開催しており、ビールの醸造にもその理念を取り入れたという点で、大きな進化を遂げています。この農産物の地産地消をはじめとする、地元産を大事にする文化を、英語ではLOCAL FIRST(ローカルファースト)という言葉で表現します。ポートランド市のダウンタウンに位置するポートランド州立大学では、春から秋にかけて、毎週土曜日にファーマーズマーケットを開催しており、ローカルファーストのメッカとなっていますが、きよたマルシェも、そんな取り組みに発展することが一つの理想形です。
色とりどりの農産物が並ぶファーマーズマーケット |
農産物の加工品も多数並びます |
農産物の地産地消の価値を考えてみると、まずは、輸送をしない、輸送距離が短く済むということから、取れたての新鮮さを保ったまま、消費することができます。鮮度は味に大きな影響を与えますので、これは大きな効果です。そして、消費を通じて、地元への愛着も生みます。
またコストという面で、単純に運搬経費の節約効果が生まれます。遠く離れた土地で採れる農産物の輸送コストは、意外と大きな割合を占めています。輸送コストが安い分、価格を安くすれば競争力が上がりますし、価格を下げなくとも、鮮度で勝負できるため購買されることになり、結果、農家の収入は高くなります。環境負荷という面でも、輸送が不要、輸送の距離が短いということは、トラック等によるCO2排出を抑制するため、非常に優しい取り組みになります。そして、生産・販売をそれぞれ地域で行うため、その地域に雇用が生まれるという経済効果を発揮します。
そんな地産地消ならではと言えるのが、大西さんのイチゴパフェではないでしょうか。大西さんがイチゴパフェを始めるにあたり、さまざまな種類のイチゴが選択肢に挙がる中で、パフェに求める味わいを追求した結果として、エランという品種のイチゴに行きつきました。エラン種は、強い赤色と酸味が特徴で、ソフトクリームに合わせるのにうってつけですが、十分に完熟してから摘まないとならないため日持ちをしないということと、型崩れが起きやすいという弱点を抱えています。大西さんは農園でパフェを作ることを考えていたため、その日の必要量だけ摘みますし、また、輸送の必要が無いことや加工して用いることで、型崩れも弱点になりませんでした。つまり、地産地消であるがゆえに有効活用できるイチゴであり、それが週末には行列で売り切れてしまう美味しいイチゴパフェに繋がっているのです。
このように、農産物の地産地消は良いことづくめなように聞こえますが、国土が狭く耕作面積も限られている日本で、原料生産から最終消費まで、すべてを地産地消で賄うというのは現実的ではありません。できるところから一つずつ、地産地消に取り組んでいくことが重要です。
さて、多種多様な味わいを求めるクラフトビールは、副原料の生産やビールの醸造で、ローカルファーストを具体化できるツールの一つです。札幌市の姉妹都市であるポートランド市では、ビールの消費量の60%以上がポートランド市で醸造されたビールだと聞いています。これは、市内中心部から郊外住宅地にいたるまで、70以上の醸造所があるポートランドならではの数字です。残念ながら市内の醸造所が5カ所である札幌市では、ビールの地産地消を体験できる場所は少ないですが、清田区のオリジナルビールにご協力いただいている月と太陽BREWINGの他、札幌開拓使麦酒醸造所や澄川麦酒醸造所がブルーパブ(醸造所に併設されている居酒屋)を開設しています。これらのブルーパブで、地元で作られているビールを飲みながら、LOCAL FIRSTな生活について考えてみてはいかがでしょうか。
ポートランド中心部に位置する最古のブルーパブ |
醸造設備を眺めて飲めるカウンター |
ポートランド市郊外の住宅地にあるブルワリー |
家族経営で地元に根付いています |
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