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ホーム > まちづくり・地域の活動 > 清田区オリジナルビール > クラフトビール業界における2018年問題

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更新日:2019年3月5日

クラフトビール業界における2018年問題

前回のコラムの最後で、平成30年4月の酒税法施行がクラフトビール業界における2018年問題に繋がることを示したところです。そのまま、更新の機会を逸してしまい、平成30年4月を迎えてしまいました。

さて、4月に改正酒税法が施行されたことで、いろいろな媒体で、新しいビールの定義が紹介されています。これにより、改めてクラフトビールに大きな注目が集まったことは、業界にとっては非常に喜ばしいことでしょう。その裏で、2018年問題とも言えるのが、多くのクラフトビールがビールと位置付けられることで、その醸造免許のハードルが高くなってしまうことです。

というのも、発泡酒の免許は年間6キロリットルの醸造で取得できましたが、ビールの免許は年間60キロリットルの醸造が必要になります。

「60キロリットル作れるような体力のあるところが作っていけば良い話でしょ。副原料の自由化で「ビール」と表記できる方が、大手も参入してくるし、メリットが大きいのでは?」というご意見もあるかもしれません。均質なビールを定期的に提供するという観点から言えば、こういったご意見が正しいと考えられます。

一方で、前回のコラムに書いたとおり、1日に160リットルも消費を行うためには、販売ルートも広く持たなければならないことから事業規模の拡大が必須となりますし、スタートアップの段階で億単位の莫大な投資が必要になります。

そして、一定以上の事業規模を全ての生産者に求めることが、多種多様なビールを提供するという観点から考えた場合、本当に正しい選択なのかと考えると疑問符がつくことになります。

以前のコラムでご紹介したとおり、ポートランド市には70以上の醸造所があります。各醸造所が、それぞれに試行錯誤を行って、様々な製法や原材料でビールを醸造できるからこそ、ビールの味に多様性が生まれ、文化として発展しました。そのためには、醸造規模が小さくても認められることが必須となります。

清田区20周年記念LAT43を醸造した月と太陽BREWINGも、現状では年間で60キロリットルの醸造はできません。しかしながら、既に取得済みの発泡酒の醸造免許で、従前の基準に基づく発泡酒の醸造を行うことが可能ですから、ご安心ください。この既に取得済みの発泡酒醸造免許が有効となることを狙って、2018年3月までに、全国で相当数の発泡酒醸造免許が取得されたと言われているように、今回の酒税法改正については、クラフトビール業界の中でも、個性的なビールを醸造するマイクロブルワリーにとっては、死活問題と言える内容なのです。

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