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更新日:2024年2月10日

アカハナグマの治療について(第6報)

【2024年2月10日(土曜日)掲載】

アカハナグマ「ボニータ」の展示再開についてお知らせいたします。

2024年2月9日の血液検査の結果、貧血の指標となるヘマトクリット値が39%でした。検査結果も良好であり、「ボニータ」も元気に過ごせているため、本日、熱帯鳥類館の展示場へ戻り、展示を再開しております。

今後も貧血の再発やてんかん発作の発現など、心配な点はありますが、日々観察し、必要な治療を実施してまいります。


【2024年1月27日(土曜日)掲載】

アカハナグマ「ボニータ」の現状についてお知らせいたします。

2024年1月5日の血液検査では、貧血の指標となるヘマトクリット値が6%(正常時は30%ほど)まで低下していたため、免疫抑制剤とステロイドによる治療を継続していました。貧血により呼吸が苦しくなってしまうため、しばらく酸素室から出られない状態が続いていましたが、徐々に呼吸状態や食欲が改善し、1月26日の血液検査ではヘマトクリット値が29%まで上昇しました。

貧血については、くり返し再発する可能性があり、予断を許さない状況が続きますが、「ボニータ」が展示場での生活に戻れるよう、引き続き治療と看護を続けてまいります。


【2024年1月3日(水曜日)掲載】

アカハナグマ「ボニータ」の現状についてお知らせいたします。

2024年1月1日(月曜日)に再び重度の貧血が認められたため、免疫抑制剤による治療を再開しています。現在は、動物病院内の集中治療室に酸素室をつくり、その中で治療中です。

しかし、免疫抑制剤の投与によって感染症にかかりやすい状態であり、食欲が減退気味であるため投薬が難しく、2017年から続けていたてんかんの治療ができておらず、看護が必要な状況です。

引き続きできうる治療と看護を続けてまいります。


【2023年9月4日(月曜日)掲載】

 アカハナグマ「ボニータ」の現在の状況について、9月4日、下記のとおり熱帯鳥類館の展示スペースに戻りましたので、お知らせいたします。

 アカハナグマ「ボニータ」は、これまでお知らせしていたとおり、7月28日から食欲廃絶となり、翌29日から園内動物病院で継続治療中(診断名「再生性貧血」)でした。

 8月18日に実施した血液検査では、ヘマトクリット値(貧血の指標)が33%と正常値の範囲に回復し、元気や食欲もあり、歩行時のふらつきも落ち着いてきています。

 その後、展示場に戻るために、動物病院から熱帯鳥類館内のスペース(非展示)に移動し、歩行状態を確認中でしたが、治療前と同じ程度の動きが確認できたことから、ボニータは9月4日から熱帯鳥類館の展示場に戻りました

 ボニータの貧血については、再発する可能性もありますが、展示場で過ごしながら、今後も投薬による治療を続けていきます。


【2023年8月14日(月曜日)掲載】

アカハナグマ「ボニータ」と「ベロニカ」の現在の状況について、下記のとおりお知らせいたします。

「ボニータ」につきましては、展示場に戻れるようになるまで、いましばらくの時間がかかります。引き続きご覧いただけない状況が続きますが、ご理解のほどよろしくお願いします。


1 アカハナグマ「ボニータ」の治療について

アカハナグマ「ボニータ」は、現在も園内動物病院で入院治療中です。治療経過は良好であり、元気も食欲も回復してきています。貧血の指標となるヘマトクリット値は、8月12日の血液検査で25パーセントまで上昇しました。

懸念点としては、以前から度々認められていた脊椎の病気の際に認められる歩行時のふらつきが観察されています。こちらについては、安静が何よりの治療となりますので、引き続き動物病院内で治療を続けることになります。展示に戻るまでには、少なくとも2~3週間は必要であると考えています。


2 アカハナグマ「ベロニカ」の治療について

アカハナグマ「ベロニカ」は、治療経過が良好で、元気食欲ともに回復し8月3日に熱帯鳥類館の展示場に戻っています。

治療としては、慢性腎不全の進行を遅くするために、血管拡張作用がある内服薬の投与を実施しております。また、慢性腎不全は完治する病気ではなく緩やかに進行していく病気なので、体調が悪くなった際には再び入院治療になる可能性があります。


【2023年8月1日(火曜日)掲載】

アカハナグマ「ボニータ」と「ベロニカ」が現在体調を崩し、園内動物病院に入院中です。現在の様子について下記のとおりお知らせします。

なお、「ボニータ」と「ベロニカ」がほぼ同時期に体調を崩したことから、感染症や中毒などの可能性も考慮していましたが、検査の結果、それぞれ別々の病気であることが分かりました。予断を許さない状況が続くため、非公開の動物病院内での治療となっています。そのため、展示を中止することになり、お客様にはご迷惑をおかけしておりますが、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。


1 アカハナグマ「ボニータ」の治療について

(1) 経過について

7月28日に食欲の廃絶が認められました。7月29日も食欲が回復せず、更に重度の下痢もあったことから、緊急の麻酔下検査を実施しました。血液検査の結果、血液中の赤血球の濃さの指標となるヘマトクリット値が14%(正常時は30%ほど)と非常に低い数値でした。顕微鏡で血液を確認したところ、血液が再生していることを示す網状赤血球(もうじょうせっけっきゅう)が多数認められました。

(2) 診断名:再生性貧血

貧血は血液が再生される再生性貧血と、再生されない再生不良性貧血に分類されます。「ボニータ」に認められたのは再生性貧血です。原因としては、体の内部のどこかで持続的に出血が起こっていることや、自己免疫疾患(免疫が血液をこわしてしまう病気)が考えられます。

(3) 治療について

検査の結果をうけて、出血、自己免疫疾患を疑い、ステロイド剤と抗生剤、皮下補液による治療を実施しています。

(4) 現在の状態について

治療の効果が認められ、元気食欲は回復傾向にあります。しかし、万全の状態には程遠いため、動物病院内の集中治療室に酸素室をつくり、その中で治療中です。また、食欲が安定しないため、2017年から治療中のてんかんの治療薬が十分に飲めていないことも懸念点です。

引き続き、十分な治療と看護を実施してまいります。

 

2 アカハナグマ「ベロニカ」の治療について

(1) 経過について

7月31日に食欲の廃絶が認められました。また、普段に比べて呼吸が早い状態もありました。呼吸状態が悪かったため、麻酔による身体への負担を考慮し、緊急で麻酔を使わないでできる範囲の検査を実施しました。

(2) 診断名:慢性腎不全

血液検査とレントゲン検査の結果、腎機能が低下していることが分かりました。これまで元気に過ごしていた経過から、緩やかに腎機能が低下してきていたのであろうと推測しております。

(3) 治療について

腎機能の低下による脱水症状を改善させるために、皮下補液を実施しています。また、食欲が回復した場合には、腎臓の血管を拡張させ血流量を増加させる内服薬の投与を開始する予定です。

(4) 現在の状態について

涼しい病院内で治療中であるため、呼吸状態は落ちつきました。引き続き皮下補液による治療を継続する予定です。

 


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