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直近のオオワシのヒナ
今年3月に孵化し、以来人工育雛で育てておりましたオオワシのヒナが死亡しましたので謹んでお知らせいたします。
当該個体は今年2月に非公開の野生復帰施設にいるペアが生んだ卵をふ卵器で温め、3月18日に孵化したものです。
当園では2017年にも同じくオオワシのヒナを人工育雛いたしましたが、生後1か月で死亡しておりました。今回の育雛ではその際に得られた様々な知見を活かし、今度こそ無事に成長させたいと取り組んでおりましたが、大変残念な結果となってしまいました。
今回得られた知見をしっかり残し、次の機会が得られた暁には活かしていきたいと考えておりますので、これからも応援よろしくお願いいたします。
【これまでの経過】
3月18日の孵化以来、毎日手渡しで餌を与えながら、状態観察を欠かさず行ってまいりました。
特に温度管理と衛生管理が肝となると考えており、特に幼鳥期は代謝も不安定で体温コントロールも未熟であることから、呼吸などの状態を見ながら時間帯によって飼育場所を調整するなどしておりました。
孵化時は100g程度であった体重も、見る見るうちに増え、4㎏を超えるまでとなり、フワフワだった綿羽もすっかり大人らしい成羽になり、顔つきも凛々しくワシらしい顔つきになっておりました。
まだ空を飛ぶ練習には至っておりませんでしたが、5月ごろからは、自ら羽ばたき時にはジャンプしたりすることもあるなど、我々も楽しく成長を見守っていたところでした。
しかしながら、6月に入り、急激に気温が上昇したことに伴い、体に大きな負担がかかったようで、食欲が大幅に低下し、その後開口呼吸など呼吸器症状も呈するようになりました。
暑さを避けることができる場所に移動するとともに、投薬、輸液、酸素吸入などを行いましたが病状は一進一退を繰り返し、一時は自ら採餌する様子も見られましたが、6月9日には再び状態が悪化し、翌6月10日朝死亡が確認されました。
当園獣医師による病理解剖(肉眼)の結果、重度の真菌性肺炎等が認められました。
免疫力が通常通りであれば発症に至らないケースが多いものですが、今回の事例では気温上昇に対応することが出来ず、体調を崩したところに、日和見的に感染・発症したものと推察されます。
生年月日 2020年2月12日産卵 2020年3月18日孵化
死亡年月日 2020年6月10日(水曜日)
死亡原因 真菌性肺炎
生後1日目
生後14日目
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