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更新日:2023年8月24日

ホッキョクグマ「デナリ」の検査結果について

ホッキョクグマ「デナリ」

ホッキョクグマ「デナリ」

【令和5年8月24日掲載】

8月24日に北海道大学獣医学部と共同で実施しました、ホッキョクグマ「デナリ」の麻酔下検査の結果についてお知らせします。

なお、「デナリ」は無事に麻酔から覚めております。

本日の検査で得られた所見は以下のとおりです。

1 肝臓に多発する嚢胞(のうほう=液体で満たされた袋が肝臓に多発した状態)

2 血液検査における肝臓の数値の異常

以上の結果から、嚢胞性の肝疾患である可能性が高いと考えられます。腹部膨満については、嚢胞の多発で腫大した肝臓が原因と思われます。腫瘍の可能性は否定できませんでした。

また、腹水の貯留も認められ、腹水は血液と同じ色をしており、肝臓から徐々に出血した血液と考えられました。

このため、今後肝機能が著しく低下する恐れがあり、予後は悪いことが予想されます。

今後は、肝臓を保護する薬の投与、痛みが生じた際は鎮痛薬の投与などの治療を行っていきます。

引き続き、「デナリ」の状態を見ながら、適切に看護、治療を進めてまいりますので、「デナリ」への応援をよろしくお願いいたします。


【令和5年8月19日掲載】

ホッキョクグマ「デナリ」(オス、29歳)の麻酔下検査についてお知らせします。
現在、痛み止めを投与しており、食欲についてはやや回復傾向にあります。しかし、8月10日に診察したところ、腹部膨満(ひどくお腹が張り、大きく見える状態)の症状が8月8日に比べより顕著になり、8月18日の診察でも継続していました。腹部膨満は、肝臓や脾臓などの内臓が大きく腫れている場合や、お腹のどこかに腫瘤が存在する場合、大量の腹水(病気によりお腹に水がたまった状態)が存在する場合等に見られる症状です。

「デナリ」は高齢であり、麻酔による身体への負担が心配されますが、原因を調べ、より的確な治療をしていくため、また、大量の腹水がたまっていた場合、腹水をある程度抜くことでデナリの体への負担を軽減することを目的に、万全の準備を整え、8月24日に麻酔下の検査を実施いたします。

この検査に伴い、一時展示を中止いたしますので、お知らせいたします。
なお、検査結果等につきましては、随時、ホームページにてお知らせいたします。


【令和5年8月9日掲載】

ホッキョクグマ「デナリ」(オス、29歳)の体調不良についてお知らせいたします。
8月8日に「デナリ」に以下の症状が見られています。

1 長時間プールに入り出たがらない。
 また、プールから出てもすぐにプール内に戻ってしまう。
2 お腹が張っている。
3 採食にムラがある。
4 段差をきらう。

以上の症状から、関節の痛みなどを疑い痛み止めの投薬を行っております。また、本日以降も観察を続け、関節の痛み以外の病気が存在する可能性や、更なる治療法についても模索をしていく予定です。
現在、「デナリ」は空調が効いている寝室と屋外放飼場を、出入り自由に過ごしています。寝室に入っている際にはご覧いただけない場合もございますが、ご理解のほどよろしくお願いします。

デナリの肝臓の超音波検査画像

2023年8月24日 「デナリ」の肝臓に多数認められた嚢胞と腹水

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