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地下鉄は乗用車などに比べてCO2排出量が極めて少ない、とってもエコな乗り物です。人や貨物の交通手段をより環境負荷の小さい手段に変更することをモーダルシフトといい、国土交通省でも身近な環境対策として、このモーダルシフトを推進しています。 例えば自家用乗用車から鉄道の利用に変更すると、1人が1km移動する時のCO2排出量は約5分の1になります。他にも札幌市交通局では地下鉄のCO2排出量をさらに削減するため、省エネルギー化に向けたさまざまな取り組みを行っています。
お出掛けの際は環境にやさしい札幌の地下鉄の積極的なご利用をお願いします。
電車用電力の削減対策として、エネルギー効率の良い車両への更新や車両の整備状態を良好に保つことで無駄な電力を消費しないよう努めています。また、車両のブレーキ時に発生する電力(回生電力)を、付近を走行する他の車両や駅舎の電力として有効利用しています。発生した回生電力は「蓄電池式回生電力貯蔵装置」で貯蔵し、必要な時に取り出すことで電車用電力のさらなる省エネルギー化を実現しています。「蓄電池式回生電力貯蔵装置」は、南北線鉄北変電所・中の島変電所では平成26年1月より、東西線南大通変電所では平成29年2月より運転を開始しています。
回生電力とは?
電車がブレーキをかけたとき、減速中のモータを発電機として発生する電力が回生電力です。 |
蓄電池式回生電力貯蔵装置とは?
使いきれない回生電力を蓄電池に貯める装置です。 一時的に電力を貯め、別の時間に回生電力を取り出せるので、これまでより回生電力を無駄なく利用できます。 |
駅舎用電力の削減対策として、これまでに次のような取り組みを実施しています。
換気用のモーターの制御方式を、従来のダンパ制御からインバータ制御へ変更しています。平成25年度に、対象設備を有する45駅(高架4駅を除く全駅)のインバータ化が完了しました。
インバータ制御とは?
インバータとはモーターの回転数を自由に変えることができる装置のことです。 この装置をモーターに取り付ける(インバータ制御)と、モーターの回転数を細かく調節することができるため、節電に効果があります。 |
従来の照明よりもエネルギー効率の良いLED照明への切り替えを行っています。平成20年度から部分的にトイレのLED化を行っておりましたが、平成25年度からコンコース・ホームのLED化を開始しました。
年度 |
採用駅 |
採用階 |
平成30年度 | 南北線 さっぽろ駅 | コンコース |
南北線 澄川駅 |
ホーム・コンコース |
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令和元年度 | 南北線 北24条駅 | ホーム・コンコース |
南北線 北18条駅 | ホーム・コンコース | |
東豊線 環状通東駅 | ホーム・コンコース | |
東豊線 北13条東駅 | ホーム・コンコース | |
令和2年度 | 南北線 麻生駅 | ホーム・コンコース |
南北線 真駒内駅 | ホーム・コンコース | |
東豊線 東区役所前駅 | ホーム・コンコース | |
令和3年度 | 南北線 北34条駅 | ホーム・コンコース |
東豊線 豊水すすきの駅 | ホーム・コンコース | |
令和4年度 | 東豊線 学園前駅 | ホーム・コンコース |
東豊線 福住駅 | ホーム・コンコース | |
令和5年度 | 東豊線 豊平公園駅 | ホーム・コンコース |
東豊線 美園駅 | ホーム・コンコース | |
令和6年度(予定) | 東西線 二十四軒駅 | ホーム・コンコース |
東西線 西28丁目駅 | ホーム・コンコース | |
東西線 西18丁目駅 | ホーム・コンコース | |
東豊線 月寒中央駅 | ホーム・コンコース |
LED照明とは?
LED(発光ダイオード)照明は白熱電球、蛍光灯と比べて少ない電力で光を出すことができ、より長い期間使うことができるという特長があります。 LED照明を採用することで消費電力を抑え、照明機器の交換回数を少なくできます。 |
連続運転方式エスカレータから自動式エスカレータへ更新を行っています。センサーにより人を感知して必要な時間だけ運転することで、使用する電力を削減することができます。
平成25年度より、従来の油圧式エレベータからロープ式エレベータへ更新を行っています。エネルギー効率の良いロープ式エレベータへ更新することにより、エレベータで使用する電力の約7割を削減することができます。
年度 |
採用駅 |
平成30年度 | 東豊線 元町駅 |
東豊線 東区役所前駅 | |
東豊線 さっぽろ駅 | |
令和元年度 | 南北線 幌平橋駅 |
東豊線 学園前駅 | |
東豊線 美園駅 | |
東豊線 福住駅 | |
令和2年度 | 南北線 南平岸駅 |
東西線 西28丁目駅 | |
東豊線 豊平公園駅 | |
東豊線 月寒中央駅 | |
令和3年度 | 東西線 発寒南駅 |
東西線 西18丁目駅 | |
東西線 ひばりが丘駅 | |
令和4年度 | 南北線 北34条駅 |
東西線 南郷13丁目駅 | |
令和5年度 | 東西線 宮の沢駅 |
南北線 澄川駅 | |
令和6年度(予定) | 東西線 宮の沢駅 |
再生可能エネルギーである太陽光を有効利用するため、平成27年3月に東車両基地の屋上に太陽光パネルを設置しました。
地下鉄で使用する電力は電車用電力と施設用電力の二つに分かれます。電車用電力とは地下鉄車両で使用する電力、施設用電力とは駅施設や車両基地などの照明や空調といった設備に使用する電力です。令和5年度は、前年度に引き続き夏期と冬期の節電対策、照明設備のLED化を始めとする設備の省電力化を進めましたが、令和5年度夏の平均気温は過去最高で推移したため、前年度と比較して電力使用量111万kWh(0.9%)の増加となりました。
平成11年度は東西線が宮の沢駅まで延長され、現在の路線長(48km)となった年度です。令和5年度の電力使用量を平成11年度と比較すると、電車用電力は864万kWh(12.9%)、駅舎用電力は2,485万kWh(28.2%)、全体として3,348万kWh(21.6%)の節減となっています。これは、平成11年度から平均するとCO2排出量が年間10,390 ton-CO2の削減に相当します。
(注1)上記グラフの数値は、合計値において一致するよう端数処理を行っています。
ton-CO2とは?
温室効果ガスの量を表す単位です。 温室効果ガス(二酸化炭素・メタン・フロン等の混合ガス)を同等の温室効果となるように二酸化炭素に換算したときの重さを示しています。 1トン分の二酸化炭素は体積にすると25mプール1杯分もあります。 |
電車用電力の節減対策として、老朽化による更新に合わせて車両本体や変電所の電源設備などの省電力化を行っています。平成27年5月8日より東豊線9000形車両が営業投入されたため、東豊線の電車用電力は従来と比較して約1割低減されました。
駅舎では可動式ホーム柵などの新たな設備の追加により電力を必要とする設備が増加しています。しかし、老朽化した駅設備の改良に合わせて省電力化を進めることで、駅舎全体の省エネルギー化に努めています。
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