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白石中学校2年 谷津花純
「七十三万二千五百六十八件」
これは、令和5年度に行われた文部科学省による『いじめ認知件数』の調査結果です。
皆さんは、この数値を聞いて、どのように感じましたか。私は、この数の多さが信じられませんでした。「いじめ」は、今や世界の深刻な問題であり、日本でも、政府が、いじめの要因分析を行う専門家会議を設置したり、インターネット上での誹謗中傷対策の強化を行ったり、SOSを出しにくい子どもの声を拾いあげるための対策が取られてきました。さらに、私が通っている中学校でも、いじめアンケートを定期的に行っていたり、毎朝自分の心身の状態を記録し、先生方がそれを確認できるようになっています。しかし、このようないじめへの対策をしているにもかかわらず、いじめの件数は年々増加しているのです。
これはいったいどういうことなのだろう。
実際に、こんな出来事がありました。ある人がSNSで悪口を書き込みました。すると、それを見た別の人たちもそれに加担して、次々と悪口が書き込まれていきました。私はそれを見て、「これは駄目だ」と思い、書き込んでいた人に注意をしようと思いました。しかし、関係のない人が割り込んだら、余計に事態が悪化してしまうのではではないかと思い、結局私は何もできませんでした。見て見ぬふりをしてしまったのです。
このような大人の目に届かないところで起きているいじめは、誰かが大人に知らせなければ、一生気付かれないままになってしまいます。だから、誰にも相談できずに、一人で抱え込んでしまう人がいるのではないでしょうか。
私も同じような経験をしたことがありました。小学校低学年のころは「いじり」のようなものでしたが、学年が上がるにつれて、ヒートアップしていきました。私が視界に入ると、悲鳴を上げたり、暴言を吐かれたり、仲間はずれにされたり。あの時のことは、忘れたくても、忘れることはできません。明日も何かされるかもしれないという怖さが次第に大きくなって、どんどん胸が苦しくなりました。しかし、それを先生や家族に相談する勇気はありませんでした。
そんな時、声をかけてくれる人がいました。「私がいるから大丈夫だよ。」そう言われた瞬間、気持ちがふわっと楽になりました。それから彼女は、私の相談にのってくれたり、いつもそばにいてくました。そんな日々を送るうち、私の学校生活は、少しずつ楽しくなっていきました。
彼女は、思いやりの気持ちに溢れていて、みんなに信頼されるような温かい人です。私にとっては、まさにヒーローのような存在でした。私は彼女のことを心から尊敬していて、私も彼女のように、みんなの助けになりたいと思うようになりました。
私は、自分自身のこれらの経験から、「いじめ」という環境に置かれた時に大切なことは、「誰かに相談すること」と「心を休める場所を作ること」だと思うようになりました。誰かに相談することで、相手が何に腹を立てていたのか、自分は何をされて傷ついたのかを、冷静に考えることができ、相手や自分を客観的に見ることで、相手を攻撃せずに問題と向き合うことができるのではないでしょうか。そして、気持ちが軽くなることで、安心できる場所が増えていくと思うのです。
私の願いは、「生きにくさを減らすこと」そして、「命を守ること」。私は今年、生徒会役員になりました。その中で、全校生徒が少しでも安心して学校生活を送れるようにする活動を、仲間と共に取り組んでいきたいと考えています。「いじめ」の問題を変えるためには、数人の意識が変わるだけでは足りません。しかし、私は、困っている人がいたら、勇気を出して声をかけるようにしています。悩んでいる人がいたら、全力で相談にのるようにしています。あの時、私を助けてくれた彼女がしてくれたように、まずは自分の目の届く範囲から、手を差し伸べるようにしています。これは、本当に小さな小さな一歩かもしれません。でも、小さな一歩が積み重なっていくことで、みんなの意識が、少しずつ変わっていくかもしれません。そして、みんなの意識が変わっていくことで、いつかは、世界を大きく変えていくことができるかもしれません。
みんなの意識が正しい方向に向かっていれば、七十三万二千五百六十八人の「生きにくさ」を減らすことができたのかもしれません。だからこそ、私は、今、自分にできることを大切にしていきたいと思います
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