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北海道登別明日中等教育学校 外山ひより
「なんで私がやらないといけないの?今は無理!!」
気がつけば仕事で疲れ切って帰ってきた母に、私はそんな冷たい言葉をぶつけていました。
学校の課題もやらなきゃいけない!習い事も行かなきゃいけない!私だって疲れたから休みたい!そんな思いが私の頭の中をぐるぐると渦巻いていました。
令和3年8月に行われた道の調査では、ヤングケアラーに該当する生徒は中学校2年生で3.9%、全日制高校2年生で3.0%いるという結果が示されました。
そのヤングケアラーの学校での課題には、「遅刻」「提出物未提出」「忘れ物」「授業中の居眠り」「部活や習い事が思うようにできない」などがあげられています。
私の家族は、私が登別明日中等教育学校に進学することをきっかけに、父が単身赴任し、家族バラバラで暮らすことになりました。
母は仕事をしており、一人で仕事と家事を同時にこなさなくてはならなくなったことから、家族全員が揃っていた時と違い、私たちは何かと不便な思いをすることが多くなりました。
ある時、私たち家族全員が風邪をひき、全員が体調が悪く、動けない状況になりました。
しかし、しなければならない家事はいつもと変わらず、誰かがやるしかありません。そんな時、母は辛そうに顔をこわばらせながらも、いつものように家事を独りでこなしていました。
そんな母の姿を見ても、私はこう思っていました。
「私だって具合悪いんだから、手伝えなくても仕方ないよ。」と。
実はこのとき、私は家族で支え合うべきだとは頭では分かっていました。でも学校の勉強や部活動、習い事などもあったため忙しく、母から手伝ってと言われても「今、忙しいし、しんどいのに、そんなの無理!」、その思いが口をついて出てしまったのです。
今回、このテーマで発表するに当たり、私はこのことを振り返り、気付いたことがありました。
母は、休日や夜間でも体調を崩した私、弟や妹を通院させたり、習い事の送迎をしてくれたり、友達と遊びに行くときに送ってくれたりしました。毎日の仕事で疲れているのに懸命に私たちや家のことをやっているそんな母に、私はそんなことを言える立場ではなかったのだ、ということです。
もしあの時、母が倒れていたら、短期とはいえ、私も事実上、ヤングケアラーになっていました。もし母が何らかの理由で長期に渡って動けなくなり、私がヤングケアラーになったら…。私はとても不安になりました。もしそうなったら私は果たしてどれくらい耐えられるのだろうか、と。
今回はことなきを得ましたが、今回のことから私は普段、生活する上でほとんど不自由を感じることがなかったのは、私が見えないところで母が全部、背負ってくれていたからだと分かりました。そしてそれを「やってもらって当たり前」と思い込んでいた自分がいて、あのような冷たい言葉が出てしまったのだと思いました。
今回の私の経験を通して、私はヤングケアラーの問題を解決するヒントとして、家族内でやらなくてはならないことはできる人が平等に、できる範囲で責任をもって対応することが大切だと改めて考えました。
私は私の周りでもし、そんな状況の人がいたときは、放課後の係をできる範囲で代わったり、SNSで宿題の相談に乗るなど、自分の時間も大切にする工夫をしつつ、できる範囲でサポートしたいと考えています。
北海道では令和4年4月に「北海道ケアラー支援条例」が施行され、ヤングケアラーを含むケアラーを支援する姿勢が明確化されました。ヤングケアラーという現代社会の問題を解決するため、私自身も自分の経験を踏まえて、相手が困っているのに気付く感覚を高め、見て見ぬふりも無理することもせず、たとえ小さな取り組みであっても自分ができることを責任をもって行動に移します。人が真に支え合い、気持ちのあたたかくなる社会を目指して。
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