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更新日:2024年1月31日

命を考える

「なぜ、命は大切なのでしょうか」と聞かれたら、皆さんは答えることができますか。命は、自分も相手も一つだけだから。親からもらったかけがえのないものだから。そもそも命がなければ生きていけないから。そう答えるかもしれません。でも、「命の大切さ」は伝わっていない・・・そう私は感じています。

私は、命があることは奇跡だと思っています。そう思うようになったきっかけは、母からある悲しい話を聞いたことでした。母の友達が自殺をしてしまったのです。その両親や兄弟、母を含めた友達は言葉にならないぐらいショックを受けました。その人は、生きることを言葉でどう表せばいいのかが分からないほど、辛く苦しい思いをしていたのでしょう。でも、その人を失った周りの人たちは「どうして気持ちを分かってあげられなかったのだろう」「なぜ、助けてあげられなかったのだろう」と後悔する悲しい日々を一生送るのです。一つの命が消えることはこんなにも多くの人に悲しみを与える、命は自分のものだけど自分だけのものではない。命が燃え尽きるまで、精一杯生きていたい。母が、「いつか必ず、生きていて良かったと思う日が来ると思うよ」と話してくれたとき、私は涙が止まらなくなりました。辛いことや苦しいこともあるけれど、それらと正面から向き合い、今ある命に感謝して限りある人生を全力で楽しみたいと思えたのです。

また、命の重みを感じた経験もあります。それは、一番下の弟が生まれたことです。生まれたばかりの弟を初めて抱っこしたとき、小さな体で一生懸命呼吸をしたり、自分の状態や、して欲しいことを泣いて伝えている様子を見たりして、命とは本当に尊いものだということを実感しました。出産を終えた母に「生まれたての赤ちゃんを見てどんな気持ちになったの」と聞いてみると、「小さくて可愛いよ」と笑顔で言いました。弟を抱いている母の姿をみて胸が温かくなったとともに、小さな体にも命が宿っていることやその重みを実感しました。

しかし、命の尊さや重みを感じる出来事を体験する機会はそう多くはありません。ところが、普通の生活の中でも視点を変えれば命の尊さを見つめ直すことができます。例えば、生きていることが辛い人からすると、日常生活を普通に送れているだけでも羨ましいことなのです。それにも関わらず私たちは、そのことになかなか気付くことはできません。では、命の尊さを知るために、どんなことができるでしょうか。

私はまず、信頼できる身近な人と話すことをおすすめします。お互いの経験を話し合ったり、違う立場の人から話を聞いたりすることで、私のように命の尊さや重みに対する新たな考えが生まれるかもしれません。話を聞くだけでも気付くことは、たくさんあります。私も母から話を聞いて、自分の命を無駄にしてはいけない、苦しいことや辛いことを乗り越えた先に楽しいことが待っているはずだからしっかりと向き合っていきたいと強く感じました。命は一つだけで、いつ燃え尽きるかは誰にも分かりません。一度きりの人生を楽しく後悔しないように歩んでいきたいです。

もし、命を大切にできなくなりそうなときは、思い出してください。

あなたの声に耳を傾けてくれる人が、あなたに生きていてほしいと思う人が必ずいるということを。

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