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更新日:2024年1月31日

私からのバトン

突然ですが、皆さんは、今、世界でいくつの紛争や内戦が起こっているか、知っていますか?なんと五十六もの争いが、アフリカや西アジアなどで多く起こっているのです。このように争いが絶えず続くのは、なぜでしょう。もしかしたら、「不安」が鍵になるかもしれません。

争いには、なにかしらの不安が関係していると考えます。例えば、ロシアのウクライナ侵攻もそうです。NATOへの加盟を目指したウクライナが、欧米側についてしまうという不安を抱き、ロシアは侵攻を始めたのです。

また、不安が不安を呼ぶこともあります。関東大震災での朝鮮人虐殺事件が一つの例になります。朝鮮人が井戸に毒を入れた、というデマが広がり、その話を信じ込み、関東大震災での混乱も相まって、強い不安を抱いた人々が、罪のない朝鮮人を虐殺したのです。このように、不安が不安を呼び、さらなる悲劇を生み出してしまうことがあるのです。ネガティブな考え方は、争いを起こしやすいとも言えるでしょう。

そこで、私は考えました。不安が不安を呼ぶなら、優しさが優しさを呼ぶことはないのかと。相手が何か困っていたら、助けることで、相手からも優しさが返ってきます。それを利用し、優しさで人との関わりをもっていけば、争いの原因の一つである不安も、少なくなるのではないでしょうか。

優しさが優しさを呼ぶ?そんなの綺麗事だ、と思うかもしれません。確かにその通りです。しかし、その優しさで成り立つものがないわけではないのです。

優しさで成り立っているものの一つとして「家族」が挙げられます。家族も立派な社会です。前に、父がこんなことを言っていました。

「親が子供に優しくすることは、意図的にしてることではなく、普通のことなんだよ。パパも親にしてもらったことをしてるだけだし。」こう言っていたことを覚えています。

親が子に見返りを求めず、無償の愛という名の優しさを与えます。そして、それを与えられてきた子供が、親の立場となったときに、自分の親がやってくれたように、自分の子に優しさを注ぎ込むのです。この連鎖は、完全に優しさだけで成り立っていると思いませんか。

また、先ほど話をしたウクライナ侵攻では、戦争に加担したくない兵士や、侵攻に反対をして拘束された国民たちもいます。家族の場合、信頼関係があるので、不安は少なくなります。ですので、ロシアとウクライナの人々も、お互いを知る必要があると思います。

さらに、胆振東部地震でのブラックアウト時に、ある焼き鳥屋さんが、「肉が傷んでしまうから」と言って、外で焼き鳥を焼いて、無償で配ったそうです。震災で不安を抱いている人達と関わりを持ち、不安を取り除こうとした優しさの行動だと思います。きっともらった人たちは、その優しさに感謝したと思います。

このように、大きな平和の実現はできなくとも、まわりの小さな社会を平和にすることはできるのです。

私は、いろいろな人からたくさんの優しさを貰うだけでなく、優しさが優しさを呼ぶということを実践するために、どんな小さなことでも、一日に一回は必ず誰かに優しくするように心がけています。例えば、黒板消しを手伝ったり、プリントを一人で配っているところを見かけたら一緒に配ったりしています。他にも、塾帰りに、道路の端に通帳が落ちているのを見つけたときは、交番に届けたこともあります。後日、通帳の持ち主から手紙が届きました。手紙には、通帳を拾ったことに対するお礼が書かれていました。私は胸がいっぱいになりました。私の小さな優しさが、顔も分からない誰かを救ったのです。優しさで関わることが小さな平和を実現した瞬間でした。

私一人が人に優しくしたところで、世界を変えることは難しいかもしれません。しかし、だからといってやらない理由にはなりません。優しさの連鎖を広げるには、皆さんの協力が必要です。少しずつでも実践してみて下さい。どんな小さなことでも大丈夫。その優しさが、優しさを呼び、それが小さな幸せとなって生み出されるのです。

今から皆さんに「優しさのバトン」を渡します。そしてそのバトンを、皆さんが他の人へ渡してください。そのバトンを、白石を超えて、日本中、いや世界中へ、一緒に広めていきませんか。

私たちのバトンを。

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