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更新日:2024年1月31日

僕にとっての「主人公」

「主人公」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?アニメや漫画に登場する主人公はもちろん、世界で活躍するスポーツ選手や有名人、皆に頼られ、カリスマ性やリーダーシップを持ち合わせ、逆境にも負けずに立ち向かっていく、「この人についていきたい!」と思わせる、そんな「主人公」達に、僕は憧れてきました。しかし、現実には、そんなに簡単になれるものではありません。では、僕達は「主人公」になれないのかというと、そんなこともないと思います。なぜなら、現に僕が学校生活の中で、たくさんの「主人公」達と出会ってきたからです。

僕は、中学校に入学する前から、生徒会に強い憧れを抱いていて、一年生の後期から、生徒会役員として活動してきました。しかし、生徒会に入ったばかりの僕は、臆病で、自分の考えがなかなか言えませんでした。消極的な自分の欠点を克服したいと思いながらも、そのことから逃げていました。そんな僕を見て、声をかけてくれたのは、当時の生徒会長でした。僕は、その人から、とてもたくさんのことを学びました。いつも堂々としていて、冷静で、誰よりも仕事をこなす姿は、生徒会という物語の中のまさに「主人公」でした。他の先輩方も、みんな個性的で優しく、そんな輪の中に入れてもらえたことが嬉しかったです。そして、気がつけば、今度は自分達が学校を引っ張っていく番になっていました。

僕は、前生徒会長への強い憧れから、生徒会長になりたいと思うようになりました。僕は一年という生徒会の経験で、前よりも積極的に行動できるようになり、今の自分なら、生徒会を引っ張っていくことができると思うようになりました。しかし、僕の他に二人、生徒会長になりたい、という人が出てきました。僕は悩みました。そして、自分よりも積極的でリーダーシップがあり、周りからの信頼も厚かった二人に対して、それでも生徒会長の夢を諦めず、挑戦するという、勇気も自信も僕にはなく、中学校生活で一度きりの、生徒会長に立候補するという大きなチャンスを逃してしまいました。この時僕は、逃げてばかりいる自分は、自分が憧れている「主人公」にはなれないのだ、と思い知りました。結局僕は、副会長に立候補しました。

無事に生徒会役員選挙が終わり、僕達の代の生徒会がスタートしたものの、新しい生徒会の中で、生徒会役員の経験があるのは、自分だけでした。今まで先輩方を頼ってばかりだった自分が、今度は頼られる立場になったことを自覚しました。それから僕は、「新しくなった生徒会に、誰よりも貢献しよう」と心に決めました。前生徒会長のように出来るだけ多くの活動に参加し、生徒会長や周りのサポートに力を入れました。活動が長引き、帰りが遅くなる日もありました。それでも、辛いと思ったことがなかったのは、生徒会の皆の存在が、僕にとってかけがえのない宝物になっていたからです。互いに同じ志をもち、協力できるところは、旧生徒会と通ずるものがあり、僕にとっての憧れが、少し現実に近づいた気がしました。

こんなに楽しく生徒会活動ができるのは、何よりも、生徒会長の存在があったからです。そして、誰よりもメリハリがあり、人柄も良い彼女は、「生徒会長」だから信頼されるのではない。紛れもない「彼女」だからこそ、皆が絶大な信頼を置いているのだということに気がつきました。安心して背中を預けることができたから、新しい企画も、多少無理をしてでも実行することができました。

それは僕だけでなく他の人もそう思っていることでしょう。

そのように活動していくうちに、周りから頼られ、時には尊敬してもらえるようになり、僕自身も全校生徒のリーダーとして、周りを引っ張っていく力をつけていくことができました。一方で、自分は生徒会長よりも、それを支える補佐役の方が向いていることに気がつきました。僕が向かった道は、僕にとって、最初に描いていた「主人公」の道ではなかったけれど、それは間違いで、選んだ道で、どう輝き、どう「主人公」になるかが重要だと分かりました。

今、僕は、僕の物語の「主人公」として、大勢に向かって自分の考えを発信することができるようになりました。ここで僕は、多くの同年代の人達に伝えたいことがあります。何かに挑戦することは素晴らしいことです。しかし、時には逃げてしまうこともあると思います。しかしそれは、悪いことではありません。そこから自分のできる最大の行動をしてみませんか?そうすれば、僕達は、一人一人が、自分自身の物語の「主人公」になれるのです。そして、自分のやりたいことに熱中したり、部活動や勉強に本気で打ち込んだり、今しかできないことに全力で挑戦する。そんな「主人公」達の、一度きりのかけがえのない学校生活を、少しでも支えることのできる生徒会こそが、僕が「主人公」になれる場所なのです。

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