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更新日:2023年1月10日

32.北大ポプラ並木

エピソード・北区

第4章:川と並木

24.血と汗の囚人労働で25."いわれ"はあだ名から26.長い木の橋27.茨戸川の誕生28.旅人宿を営む人も29.郷愁をそそるながれ30.創成川の中に神社があった31.子どもたちの遊び場だった創成川32.北大ポプラ並木33.目的は牛馬よけだった34.屯田防風林とともに生きる人たち35.地域住民の長年の夢、ついにかなう

32.北大ポプラ並木-次世代へ受け継がれる思い-

 

植樹を行う学生や地域の人たち

成長が待たれる平成ポプラ並木。奥には現在のポプラ並木を見ることができる(2枚とも写真提供:北海道大学)

風景画や絵はがきなどの題材としてよく用いられている北海道大学のポプラ並木。その牧歌的な風景は、「さっぽろ・ふるさと文化百選」にも選ばれており、区民だけではなく観光客にも広く親しまれている。
このポプラ並木の発祥は、明治36(1903)年までさかのぼる。しかし、当時は数本のポプラが植えられていただけで、まだ並木と呼べるようなものではなかった。並木と呼べるようになったのは、明治45(1912)年、林学科の学生たちが実習の一環で45本の苗木を植えてからのことである。その後ポプラの木は順調に成長を続け、次第に市民の憩いの場となっていった。
ところが、昭和34(1959)年に最大の危機が訪れた。大型で発達した台風14号によって10本近くが倒れてしまったのだ。安全や景観などを考慮すると、残りの木も伐採した方が良いという声が上がった。
その危機から並木を救うきっかけとなったのは、なんと桑園小学校5年生の女の子が町村金五北海道知事(当時)に送った1通の手紙だった。その手紙には、「私たちのポプラがかわいそう。植え直してあげてください」と書かれていた。手紙を受け取った知事は、早速ポプラ並木の植樹を提案。その結果、北海道と北海道大学の協力でポプラが植え直され、それ以前より長い全長約300メートルの並木が出来上がった。
そのような苦難を乗り越え、市民に親しまれ続けてきたポプラ並木。しかし、現在ではほとんどの木が老朽化し、倒木や落木などの危険があるため、同大学ではその周辺を立ち入り禁止区域としている。そこで、市民がより身近に親しむことのできる新しいポプラ並木を作ろうと、同大学では創立125周年の記念事業の一つとして、平成12(2000)年10月、「平成ポプラ並木」の記念植樹を学生や地域住民ら約500人と一緒に行った。新しく植樹されたポプラは、現在のポプラ並木から枝を採取して挿し木によって育成した2世ともいえるもの。植樹に参加した学生たちは、「自分たちとともに成長するポプラが、立派な並木となるのが楽しみです」と、期待を込めて話していた。
現在のポプラ並木の遺伝子が「平成ポプラ並木」に受け継がれたように、地域の人たちがポプラ並木を愛する思いも、次の世代へと受け継がれていくことだろう。

(「新・北区エピソード史(平成15年3月発行)」掲載)

※ポプラ並木は平成16(2004)年9月8日、台風18号により半数近くが倒壊したが、倒木の立て直しや若木の植樹が行われた。
現在、これまで立ち入り禁止であった並木道にもウッドチップが敷かれ、一部の散策が可能となっている。

(平成19年3月加筆)

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