~札幌市埋蔵文化財センター~※本イベントの応募は終了しました
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スタッフならではの見どころ解説をぜひご覧ください!
札幌市埋蔵文化財センターは、札幌市内にある遺跡(埋蔵文化財)の保存に関する相談や発掘調査、出土品や測量・写真記録などの整理・研究、収蔵・展示を行う施設として、1991(平成3)年に開館しました。
大昔の人々が生活していた痕跡である住居跡やお墓の跡などを「遺構(いこう)」といい、土器や石器などの道具類を「遺物(いぶつ)」といいます。
これらの遺構・遺物は土の中に埋もれているため「埋蔵文化財」と呼ばれています。
埋蔵文化財は、先人たちの歩みが記録されたタイムカプセルのようなもので、大切に未来へと引き継いでいかなければならない私たち人類の貴重な文化遺産なのです。
[上写真:JR桑園駅の近くで見つかった擦文文化の竪穴住居の跡(C504遺跡:中央区)]
札幌市内では、1万数千年前にさかのぼる旧石器(きゅうせっき)文化から、縄文、続縄文(ぞくじょうもん)、擦文(さつもん)、アイヌ文化期まで、途切れることなく人々の暮らしの痕跡が残っていて、それは現在まで続いているのです。
では、大昔の人々は、どんなところで、どんな暮らしをしていたのでしょう?
例えば、縄文の人々は、日当たりが良くて水場が近いなど生活に便利なだけでなく、川の氾濫や津波がとどかないといった“防災”のことも考えて丘陵や台地の上に集落をつくるなど、環境を上手に利用して暮らしていました。
現在、札幌市内には542か所の遺跡がありますが、そのうち中央区内では82か所の遺跡が見つかっています。
一体、どこにそんなに遺跡があるのでしょうか?
中央区で見つかっている遺跡は、大きく2つのエリアに分かれます。
ひとつは「藻岩・円山山麓から中央卸売市場にかけての界川(さかいがわ)沿いの地区」、もうひとつは「知事公館や植物園にあった湧水池周辺のエリア」です。
縄文の中でも、中期に相当する今から約5000年前ころから、藻岩・円山山麓(さんろく)から流れ出す界川沿いに、点々と小規模な集落が営まれ、今の啓明地区から円山小学校辺りを通って中央卸売市場まで、途切れることなく縄文の人々の生活の舞台が広がっていました。
その後、縄文文化の後の「続縄文文化~擦文文化」になると、知事公館や植物園などは湧き水の出る水源地帯になっていて、そこから流れ出る大小の川に沿うように、たくさんの集落が作られるようになります。
[上写真:円山のふもとにある縄文遺跡の調査の様子(C143遺跡:中央区)]
では、中央区で発掘された遺跡から、大昔の人々はどのような暮らしをしていたのか、その様子を見てみましょう。 中央区で最初の発掘調査が行われた遺跡は、円山のふもとにある「C143遺跡(南7西23)」です。 この遺跡は、縄文後期(約4500年前頃)の小規模な集落跡で、竪穴住居跡や屋外のたき火跡とともに、たくさんの土器や石器が見つかりました。 それまで、中央区内で発掘調査が行われたことはなかったため、この地区での具体的な縄文の生活の様子がわかった貴重な調査となりました。
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一番最近では、2014(平成26)年に「C551遺跡(北1西9、現在のNHK札幌放送局)」の発掘調査が行われ、続縄文文化の墓跡やたき火跡とともに土器、石器などが見つかっています。
これらのほか、中央卸売市場(C424遺跡、北12~14西20)やJR札幌駅(K135遺跡、北5西5)などの地下でも縄文・続縄文・擦文文化の遺跡が見つかっているのです。
驚くことに札幌駅の地下には、今から約1700年前の続縄文文化の遺跡が眠っていたのです。
[上写真:中央卸売市場の遺跡で見つかったたくさんの土器(C424遺跡:中央区)]
実は、埋蔵文化財センターの中では、この展示室以外でもいろいろな仕事をしています。 まず1階の「埋蔵文化財展示室」では、札幌市内で見つかった旧石器文化、縄文文化、続縄文文化、擦文文化、アイヌ文化期、それぞれの文化を伝える遺跡を紹介しています。展示されているものは、全て遺跡から出土した実物が飾られています。 |
[写真:埋蔵文化財センターの地下にある収蔵室]
地下1・2階は、発掘調査で出土した土器や石器などの収蔵室になっていて、札幌市で発掘調査を行った約50年分の出土品が保管されています。
そして、2階には整理作業室があり、発掘調査で持ち帰った土器や石器を分析して、報告書にまとめています。
さて、遺跡から出土した土器や石器は、どんな風にして分析しているのか知っていますか? 発掘調査で見つかった土器や石器などの出土品は、すべて測量器械を使って出土した位置を3次元で記録してセンターに持ち帰ります。これらの破片一つ一つを壊さないように水で洗い、すべてに個体番号を書き込んでから復元作業を行います。 遺跡から持ち帰ることのできない住居跡や墓跡などは、位置や形を測量し、3次元で記録することで、出土品と併せてコンピューター上で復元することが可能になります。こうすることによって、発見された住居やお墓、土器や石器が、いつ、どこで、どのように作られて使われたのか、あるいはどう廃棄されて、どのように埋もれたのかといったことを分析することができるのです。 これらの調査成果をまとめて報告書を刊行した後に、収蔵室で保管・管理し、その一部をセンター1階の展示スペースを活用して、誰でも見て学ぶことができるようにしているのです。
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私たちが誕生するずっと前の縄文時代。その頃のまちや人々の生活を想像しながら展示を見てみると、違った見え方や発見があるかもしれませんよ。
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