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更新日:2023年2月10日

札苗再発見その10

札苗にかつて地下鉄車両が走っていた!?

札苗試験場(実験場)の写真

毎年「燃えれ!わが街」の会場にもなっている札苗中央公園(札幌市東区東苗穂7条2丁目)。今から約40年ほど前、この辺りを地下鉄車両が走っていました。
この写真は、札幌市交通局の資料から複写したもの。昭和40年代初期に撮影されたものと思われますが、右下に写っている札苗小学校の南側に、札幌市が地下鉄を導入するにあたって、試験車両を使った走行試験を実施するための「札苗試験場(実験場)」がありました。
次の写真は、当時試験車両が走っていた様子を示すものです。

 

廃車バスを利用した第2次試験車。まるで、DMVのようですね。

青空の下を走る第3次試験車「はるにれ」

 

では、具体的に現在のどの辺りを走っていたのでしょうか?
手掛かりを求めて、札苗小学校を訪ね、郷土資料室にあった古い写真を見せてもらいました。下の2枚の写真がそうですが、先ほどの写真とあわせて見比べると、現在の札苗会館の辺りに電車の車庫があって、そこから試験軌道が、ゆるやかなカーブを描いて市営札苗団地、札苗中央公園の北側を通り、札苗中学校の南側まで延びていたことが分かると思います。また、札苗中央公園の辺りも、円形の軌道になっていました。

 

昭和40年代後期と思われる空撮写真

昭和40年代後期の写真でしょうか?

緑豊かな札苗中央公園

 

昭和62年に撮影された空撮写真

昭和62年に撮影されたもの。試験場跡が市営住宅や公園になっているのがわかりますね。

公園北側のカーブした道路が試験軌道跡

 

走行試験が始まったのは昭和39年。札幌市の人口が73万人を超えた頃でした。手探り状態の中で廃車バスを改造した第1次試験車が製作。交通局の東苗穂自動車訓練所の敷地に直線150メートルの試験軌道を敷き、走行テストがスタートしました。
翌年には、軌道を延長し1周約400メートルの循環軌道を建設。第2次試験車に続いて、札幌独自のゴムタイヤを用いた第3次試験車「はるにれ」が製作されました。
昭和41年には、S字型カーブを含む全長676メートルの新たな試験線が建設され、冬期の試験も実施されました。
昭和42年には、変電設備や転てつ器なども建設され、第4次試験車「すずかけ」が製作。試験は昭和44年頃まで続いたそうです。
当時札苗を走っていた試験車両は、今でも、地下鉄南北線「自衛隊前駅」の南側シェルター下にある交通資料館で目にすることができます。

 

ゴムタイヤを使用した第3次試験車「はるにれ」

約5万キロメートルを走行した第4次試験車「すずかけ」

 

市民の期待を集めた地下鉄南北線12キロメートルは、冬季オリンピック大会の開催や政令都市・区制への移行を翌年に控えた昭和46年に営業を開始します。当時の乗車運賃は1区間30円でした。
前例のない地下鉄走行試験が行われた試験場は、その使命を終えた後、付近一帯の区画整理、宅地化の進行とともに姿を消してしまいましたが、その先駆的なスピリットは、今でも「燃えれ!わが街」をはじめとした札苗地域のまちづくりに息づいています。


【平成20年(2008年)9月記】

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