条文目次 このページを閉じる


○札幌市オンブズマン条例
平成12年12月12日条例第53号
札幌市オンブズマン条例
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 責務(第5条―第7条)
第3章 オンブズマンの組織等(第8条―第13条)
第4章 苦情の処理等(第14条―第25条)
第5章 補則(第26条―第29条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、札幌市オンブズマンの組織、職務等に関し必要な事項を定めることにより、市民の権利利益を擁護し、並びに市政を監視し、及び市政の改善を図り、もって開かれた市政の推進、市民の市政に対する理解と信頼の確保及び市民の意向が的確に反映された市政運営に資することを目的とする。
(設置)
第2条 前条の目的を達成するため、札幌市オンブズマン(以下「オンブズマン」という。)を置く。
(所轄事項)
第3条 オンブズマンの所轄事項は、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為であって、次に掲げる事項に該当しないもの(以下「市の業務」という。)とする。
(1) 判決、裁決等により確定した権利関係に関する事項
(2) 判決、裁決等を求め現に係争中の事項又は監査委員が請求に基づき現に監査を実施している事項
(3) 議会に関する事項
(4) 職員の自己の勤務内容に関する事項
(5) 札幌市子どもの権利救済委員に救済を申し立てた事項
(6) オンブズマン又は札幌市子どもの権利救済委員の行為に関する事項
(オンブズマンの職務)
第4条 オンブズマンの職務は、次のとおりとする。
(1) 市の業務に関する苦情の申立てを受け付け、簡易迅速に処理すること。
(2) 常に市政を監視し、自己の発意に基づき、市の業務に関し事案を取り上げ調査すること。
(3) 市の業務に関し、是正等の措置を講ずるよう勧告し、及び制度の改善を求める意見を表明すること。
(4) 勧告、意見表明等の内容を公表すること。
第2章 責務
(オンブズマンの責務)
第5条 オンブズマンは、公正かつ適正にその職務を遂行しなければならない。
2 オンブズマンは、その職務の遂行に当たり、市民の権利利益を擁護し、並びに市政を監視し、及び市政の改善を図る他の諸制度と有機的な連携を図ることなどにより、その役割を効果的に果たすよう努めなければならない。
3 オンブズマンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
(市の機関の責務)
第6条 市の機関は、オンブズマンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重するとともに、積極的な協力援助に努めなければならない。
(市民等の責務)
第7条 市民その他この制度を利用するものは、この条例の目的を達成するため、この制度の適正かつ円滑な運営に協力しなければならない。
第3章 オンブズマンの組織等
(オンブズマンの定数、任期等)
第8条 オンブズマンの定数は、3人とする。
2 オンブズマンは、人格が高潔で、行政に関し優れた識見を有する者のうちから、議会の同意を得て、市長が委嘱する。
3 オンブズマンの任期は2年とし、1期に限り再任されることができる。
(兼職等の禁止)
第9条 オンブズマンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員を兼ねることができない。
2 オンブズマンは、市と特別の利害関係を有する法人その他の団体の役員を兼ねることができない。
(秘密を守る義務)
第10条 オンブズマンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(解嘱)
第11条 市長は、オンブズマンが心身の故障のため職務の遂行ができないと認めるとき、又はオンブズマンに職務上の義務違反その他オンブズマンたるに適しない非行があると認めるときは、議会の同意を得て解嘱することができる。
2 オンブズマンは、前項の規定による場合を除くほか、その意に反して解嘱されることがない。
(代表オンブズマン)
第12条 オンブズマンのうち1人を代表オンブズマンとし、オンブズマンの互選によってこれを定める。
2 代表オンブズマンは、オンブズマンに関する庶務を処理する。
3 代表オンブズマンに事故があるとき、又は代表オンブズマンが欠けたときは、あらかじめ代表オンブズマンが定めるオンブズマンがその職務を代理する。
(オンブズマン会議)
第13条 次に掲げる事項を協議するため、オンブズマン会議を設ける。
(1) オンブズマンの職務執行の一般方針に関すること。
(2) 活動状況の報告に関すること。
(3) その他オンブズマンの協議により必要と認める事項
2 オンブズマン会議は、代表オンブズマンが招集する。
3 前項に定めるもののほか、オンブズマン会議の運営に関し必要な事項は、代表オンブズマンがオンブズマン会議に諮って定める。
第4章 苦情の処理等
(苦情の申立て)
第14条 何人も、オンブズマンに対し、市の業務について苦情を申し立てることができる。
(苦情の申立手続)
第15条 前条の規定による苦情の申立て(以下「申立て」という。)は、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、オンブズマンが当該書面によることができない特別の理由があると認めるときは、この限りでない。
(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 申立ての趣旨及び理由並びに申立ての原因となる事実のあった年月日
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項
(調査対象外事項)
第16条 オンブズマンは、申立てが、オンブズマンの所轄事項でないもののほか、次の各号のいずれかに該当するものであると認めるときは、当該申立てに係る苦情について調査しない。
(1) 申立てを行ったもの(以下「苦情申立人」という。)が、申立ての原因となった事実についての利害を有しないとき。
(2) 申立ての原因となった事実のあった日から1年を経過しているとき。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
(3) 虚偽その他正当な理由がないとき。
2 オンブズマンは、申立てがオンブズマンの所轄事項であって、かつ、前項各号に該当しない場合においても、調査することが相当でない特別の事情があると認めるときは、当該申立てに係る苦情について調査しないことができる。
(調査の開始・非開始に係る通知)
第17条 オンブズマンは、前条の規定により苦情を調査しないときは、苦情申立人に対し、理由を付してその旨を速やかに通知しなければならない。
2 オンブズマンは、申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)について調査を開始するときは、関係する市の機関に対し、その旨を通知しなければならない。
(調査の中止)
第18条 オンブズマンは、苦情等について調査を開始した場合においても、調査を続けることが相当でない特別の事情があると認めるときは、調査を中止することができる。
2 オンブズマンは、前項の規定により苦情等の調査を中止したときは、次の各号に掲げる苦情等の区分に応じ、当該各号に掲げるものに対し、理由を付してその旨を速やかに通知しなければならない。
(1) 申立てに係るもの 苦情申立人及び前条第2項の規定により通知した市の機関(以下「調査対象機関」という。)
(2) オンブズマンの発意に基づくもの 調査対象機関
(調査の方法)
第19条 オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、調査対象機関に対し、説明を求め、その保有する文書その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地に調査することができる。
2 オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に対し、質問し、事情を聴取し、又は実地に調査することについて協力を求めることができる。
3 オンブズマンは、専門的又は技術的な事項について、特に必要があると認めるときは、専門的機関に対し、調査、鑑定、分析等の依頼をすることができる。
(出資団体等の調査への協力)
第20条 市が出資又は補助その他の財政的援助を行っている団体であって規則で定めるもの及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者は、前条第2項の規定による調査について、協力するよう努めるものとする。
(調査結果に係る通知)
第21条 オンブズマンは、苦情等の調査の結果について、次の各号に掲げる苦情等の区分に応じ、当該各号に掲げるものに対し、速やかに通知しなければならない。
(1) 申立てに係るもの 苦情申立人及び調査対象機関
(2) オンブズマンの発意に基づくもの 調査対象機関
(勧告及び意見表明)
第22条 オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、当該苦情等に係る市の業務について是正等の措置を講じるよう勧告することができる。
2 オンブズマンは、苦情等の調査の結果、その原因が制度そのものに起因すると認めるときは、関係する市の機関に対し、制度の改善を求める意見を表明することができる。
3 オンブズマンは、申立てに係る苦情について前2項の規定により勧告し、又は意見を表明したときは、苦情申立人に対し、その旨を速やかに通知しなければならない。
(勧告又は意見表明の尊重)
第23条 前条第1項の規定による勧告又は同条第2項の規定による意見表明を受けた市の機関は、これを尊重しなければならない。
(措置の状況の報告)
第24条 オンブズマンは、第22条第1項の規定による勧告又は同条第2項の規定による意見表明をしたときは、当該勧告又は意見表明を受けた市の機関に対し、その是正等又は改善の措置の状況について報告を求めるものとする。
2 前項の報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日の翌日から起算して60日以内に、オンブズマンに対し、是正等又は改善の措置の状況について報告するものとする。
3 オンブズマンは、申立てに係る苦情について前項の規定による報告があったときは、苦情申立人に対し、その旨を速やかに通知しなければならない。
(勧告等の公表)
第25条 オンブズマンは、第22条第1項の規定による勧告若しくは同条第2項の規定による意見表明をしたとき、又は前条第2項の規定による報告があったときは、その内容を公表するものとする。
2 オンブズマンは、前項の規定による公表をするに当たっては、個人情報等の保護について十分な配慮をしなければならない。
第5章 補則
(活動状況の報告)
第26条 オンブズマンは、毎年、その活動状況について、市長及び議会に報告するものとする。
(市民との交流)
第27条 オンブズマンは、前条の規定によりその活動状況を市長及び議会に報告したときは、これを公表するものとする。
2 オンブズマンは、前項に掲げるもののほか、その活動に関し、積極的に市民に情報を提供するとともに、市民の意向を把握する施策を講じるなど市民との交流に努めるものとする。
(専門調査員)
第28条 オンブズマンの職務の遂行を補佐するため、専門調査員を置くことができる。
2 専門調査員は、行政に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。
3 第5条、第9条及び第10条の規定は、専門調査員について準用する。
(委任)
第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例の施行期日は、市長が定める。ただし、附則第3項の規定は、公布の日から施行する。(平成13年規則第6号で平成13年3月1日から施行。ただし、第4章の規定(苦情に係る部分に限る。)は、同月5日から施行)
(経過措置)
2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の1年前の日から施行日の前日までの間にあった事実に係る苦情についても適用し、当該1年前の日前にあった事実に係る苦情については、適用しない。
(準備行為)
3 第8条第2項の規定によるオンブズマンの委嘱のために必要な行為は、この条例の施行前においても行うことができる。
(オンブズマンの任期に係る特例)
4 この条例により最初に委嘱されるオンブズマンのうち市長の指定する1人の第1期の任期は、第8条第3項の規定にかかわらず、これを1年とする。
(検討)
5 市は、施行日から5年以内に、この条例に基づくオンブズマン制度の運営状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附 則(平成15年条例第33号抄)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成20年条例第36号抄)
(施行期日)
1 この条例は、市長が別に定める日から施行します。(平成21年規則第7号で平成21年4月1日から施行)



このページの先頭へ 条文目次 このページを閉じる