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2008年11月10日のララ
ララの出産の兆候・世界の熊館の閉鎖について
札幌にも初雪が降り、本格的な冬が訪れようとしています。今冬、注目を集めているのがホッキョクグマのララです。
彼女は2008年3月~4月にオスのデナリと繁殖行動をし、5月に別居させて以後、悠々自適の落ち着いた単独生活を送っていました。
ここ数日になって、寝室に併設している産室内を出入りしたり、中に入っているチップを掻き出したりと、いつもとは違うソワソワした行動が見られ、さらに、陰部の脹れ・乳首の張りを確認しましたので、出産準備に入ることになりました。(ちょっとふっくらしているようにも見えますが、出産と育児に向けて夏季の2倍ほどにエサの量を増やしていたためです。ホッキョクグマの赤ちゃんはとても小さいので、お腹を見ても判断はできません)
ここ数年、日本の動物園でホッキョクグマの自然繁殖に成功しているのは円山動物園だけですので、多くのクマファンと他の動物園から期待の声が数多く寄せられています。
ホッキョクグマの出産・育児には、暗く、静かな環境が不可欠です。
野生下では、母熊は深閑とした北極圏の雪原に狭い巣穴を作って子を産み、生後3ヶ月程度が経過するまで外には出ません。
飼育されているホッキョクグマは、人間のたてる物音や、周囲の動物の動向にストレスを感じると、子育てに適した環境ではないと判断するのか、育児放棄してしまうことが多々あります。
極力野生に近い環境をララに提供するため、しばらくは世界のクマ館周辺をお客さまも職員も立入禁止とし、ララのみならずほかのクマたちにも会えなくなります。
来年3月末にはララがかわいい赤ちゃんと一緒に皆様の前に姿を現わしてくれることを期待して、静かに見守っていきますので、何卒ご理解くださいますようお願い致します。
【産室への出産準備開始日】 11月11日(火)夕方の予定 ※ララを産室内に収容します。
【世界のクマ館立入禁止開始日】 11月17日(月)から ※状況によっては早まる可能性があります。
【ララの自然繁殖履歴】
平成15年(2003年)12月11日ツヨシ出産→平成17年(2005年)1月22日 釧路市動物園へ
平成17年(2005年)12月15日ピリカ出産→平成19年(2007年)2月2日 おびひろ動物園へ
野生下の一般的な巣穴
チップを敷いたララ用の産室
■ホッキョクグマの繁殖準備についての関連リンク
ぜひご一読ください。
平成16年6月の(社)日本動物園水族館協会北海道ブロック春季飼育技術研究会におけるホッキョクグマの繁殖と環境整備に関する河西飼育員の発表 出産準備についての詳細
ララを産室に収容しました(2007年11月20日) 昨年同時期の記事
ララ、頑張って
水分だけを摂取して、出産・育児に専念します
ヒグマの栄子
他のクマたちにはしっかりとエサを与えますのでご安心を
(2008年11月11日・記)
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