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更新日:2011年12月22日

エキノコックス症を防ぐには~予防の大切さについて

キツネはある程度の割合でエキノコックスに感染していることが、北海道の疫学調査で分かっています。このたびの動物園生まれのダイアナモンキーの事例では、園内に野生のキツネの出没があったということですから、キツネの糞便中の虫卵が感染源となったと推測されます。

しかし、感染したモンキー体内では幼虫でとどまるため、虫卵は排出されません。従ってこのモンキーから人や他の動物への感染はいたしません。来園者の方が感染の危機にあっているとは考えられない、ご心配はないといえます。

さて、エキノコックス予防ですが、虫卵を排出するおそれのあるキツネを遠ざけることが大事です。円山動物園ではキツネの侵入防止策を強化するということであり、それが最も重要といえます。

そして、われわれは豊かな北海道の自然に恵まれた大地に暮らしていますが、生活習慣として、野山に入った後はよく手を洗うこと、山菜などはよく洗ったり熱を加えたりすること、沢水や湧水を生のまま飲まないことなどを徹底して、野生のキツネの糞ベん汚染から身を守ることまた、生ごみなどはキツネの餌とならないよう放置せず処理することが、エキノコックス予防として極めて有効です。

なお、エキノコックスは感染から5~15年は無症状の時期(潜伏期)です。この時期でも血液検査で発見することができます。血液検査後の診断方法は、いま飛躍的に向上しており、肝臓の超音波エコー検査を行うことでも確認できるようになりました。また病巣については完全切除することで根治的に治療することが可能となっています。北海道大学病院では1936年に初めての手術を行い、今日約半世紀余を経て、外科手術例も集積されております。

まず、キツネとの接触をおこさないよう野生動物との距離を保って、エキノコックスの予防に努めることを、北海道に住む我々の日常的な習慣とすることが必要といえます。

 

北海道大学病院診療教授 佐藤 直樹(さとう なおき) 専門は消化器外科学

聞き手:円山動物園飼育展示課長柴田千賀子

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