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ホーム > 動物紹介 > 飼育員のおはなし > No19.昆虫を通して子どもたちに環境教育を

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更新日:2011年2月24日

No19.昆虫を通して子どもたちに環境教育を

マルッとまるごと円山動物園-札幌タイムス掲載記事

昆虫を通して子どもたちに環境教育を

手稲山でギラファノコギリクワガタが見つかったって市民のかたから教えて頂きました。それはもう、大ごとですよ。本来外国にいたギラファノコギリクワガタが、この北海道の土地に順応して住み着いてしまったら、どうなることか。
多分アイツらは、業者が売れ残ったからとか、そういった理由で森に放たれて、うまい具合に越冬したんでしょう。材木加工所などのオガクズの中だとマイナスにはなりませんから、そうやって増えているんでしょう。外国の昆虫は、手の先の爪の部分が取れてしまう病気を持っています。日本のように離れ小島の中で進化してきた昆虫たちは、体も小さければ、そういった病気に免疫を持っていません。病気にかかると、引っかかる部分がないので交尾ができなくなり、種の絶滅も充分考えられるのです。動物園は「種の保存」が最大のテーマです。それを知ってもらうために、昨今の昆虫ブーム以前から、動物園では、外来種を含めたカブトムシやクワガタなどの展示を始めたのです。
普段見慣れないいろいろな種類の様々な虫に興味を持って寄ってきた子どもたちに対し「外国の虫を森に放してはいけない」という環境教育を行いたかったのです。
しかし動物園に外国の昆虫をたくさん購入する予算は組まれていませんでした。そこで、民間の昆虫ショップの店長に掛け合って、破格値で提供して頂いたり、種の保存のために、寄与されたものなど、市民の理解を経て、現在の昆虫館が成り立っています。他にも、昆虫が生きる上で必要になる植木や植物、市民の情報提供、ボランティアさんたちの協力がなければ、今の昆虫館はありません。
昆虫館では、何種もの昆虫がいますが、ほとんど沖縄で生息する種です。
これも環境教育の一つで、珍しい種だからといって持ち出す人も少なくないのです。ギラファクワガタのように北海道に住み着いてしまわないように、温かいところでないと生きられないような種を扱っているのです。
しかし沖縄の種を扱うのは簡単なことではなく、寿命の短い昆虫たちを常にお客さんに見せようとすると、個体やエサになる草木を頻繁に沖縄から取り寄せなくては行けません。そうすると「種の保存」どころか「自然界の消費者」になってしまう。そうなってしまうと環境教育どころではないので、ここでは、常に見てもらえるように人工飼料で蝶などを増やしています。
人工飼料は、乾燥させて長期保管が出来るようにしますが、専用の機械は百万円もします。簡単には買えませんので、ここでも電子レンジとスリコギとボランティアさんに手助けしてもらっています。昆虫館は、本当に市民に支えられて今に至っています。
ケースに入ったクワガタ以外にも、温室には15種を超す昆虫が放たれています。木の裏のナナフシを探すのも面白いですよ。
※取材対応:昆虫館担当

以上は平成17年5月~9月まで毎週木曜日に連載された、札幌タイムス「マルッとまるごと円山動物園」9月1日号の記事で、許可を頂き掲載しています。

飼育係のおはなしへ

このページについてのお問い合わせ

札幌市円山動物園

〒064-0959 札幌市中央区宮ヶ丘3番地1

電話番号:011-621-1426

ファクス番号:011-621-1428