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更新日:2011年2月24日

No18.今年は待望のヒナが!だけど…

マルッとまるごと円山動物園-札幌タイムス掲載記事

今年は待望のヒナが!だけど…

シュバシコウって何だと思いますか?「朱色のクチバシのコウノトリ」を省略してシュバシコウっていうんです。主にヨーロッパに多く住むコウノトリなんですよ。もう日本には居なくなってしまいましたが、日本に渡ってくるコウノトリは、クチバシが黒いんです。
円山にはシュバシコウが3羽います。オスが2羽とメスが1羽。特徴は、細長い朱色のクチバシから尾の先までの全長が1メートルから1・2メートルの大形の鳥で、春の繁殖期になると直径1・5メートルほどの平らな大きな巣を高いところに作ることでしょうか。
コウノトリは子宝の鳥として有名ですが、動物園のシュバシコウには長い間、新しい命が生まれることはありませんでした。オスは、20年くらい動物園にいる古株なのですが、メスとのカップリングがうまくいかなかったり、メスが早くに死んでしまったりして、ヒナが孵ることはなかったのです。
今いるメスは、03年に動物園にやってきた3歳の比較的若い個体です。今回はカップリングがうまくいったようで、昨年は初めて有精卵を4つ産み、1つは殻を内側から壊し始めていたのですが、巣から落ちてしまい死んでしまいました。
今年も、有精卵を5つ産みました。繁殖期はとてもデリケートなので、シュバシコウがいる水鳥舎を熱帯鳥類館のあたりから双眼鏡を使って見てました。けど、少し遠くてタマゴが何個か、ヒナが孵ったかは分かっていませんでした。ストレスを与えたくないのもあって、巣からタマゴを取り出して、調べる事もしませんでした。しかし、確かにタマゴを温めている格好をしているので、4月の13日くらいには産んだのでしょうね。孵化するまで33日と言われているので、5月の第2週あたりから、早く生まれないかとソワソワしたのを覚えています。ヒナの鳴き声を確認したのが5月16日。とても小さい鳴き声で巣の真下で耳を澄まして、やっと聞こえる程度でした。
ヒナが生まれてから、今まで冷凍のウグイやハタハタだったエサを、ヒナに良い物を食べさせたかったので栄養価も値段も高い生きたドジョウにしました。ですが、同じ檻にいるゴイサギやアオサギ、シュバシコウの親までもが、目の色を変えて生き餌に飛びついて、ヒナへの給餌がおろそかになってしまったのです。タマゴから孵った2羽のヒナは、充分に食べることなく2週間ほどで飢えて弱り、死んでしまったのです。
他にも考えられる原因があります。繁殖時期はとてもデリケートになるため、同じオリにいる鳥が騒ぐと落ちつきませんし、今年はゴールデンウィークまで雪が降るような異常気象でしたし、今の巣では少し小さすぎて落ち着かないのでは…と考えています。あと一歩なので、来年こそはヒナを見たいですね。
※取材対応:シュバシコウ担当

以上は平成17年5月~9月まで毎週木曜日に連載された、札幌タイムス「マルッとまるごと円山動物園」8月18日号の記事で、許可を頂き掲載しています。

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