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更新日:2011年2月24日

No7.アムールトラのお嫁入り

マルッとまるごと円山動物園-札幌タイムス掲載記事

アムールトラのお嫁入り

アムールトラは、トラの中でも最も大きい種で、体重は300kgを超えます。ワシントン条約でも希少動物に指定されていて、野生下でも2百頭ほどしかいないとされています。2百頭というのはほとんど居ないのと同じです。
動物園の役割というのは、そういった絶滅に瀕している動物保護の啓発や、飼育技術の伝達、種の保存などがあげられます。
去年(2004年)の6月、アムールトラのタツオに待望のお嫁さん・アイが来ました。
まず、タツオとアイを別々の部屋に入れ、互いに姿を見せないようにしました。急に同じ部屋に入れてしまうと、殺し合ってしまうからです。
「お見合い」というと、同じ部屋に放りこむみたいですが、トラはワイルドな性質ですから、急にいっしょにするわけにはいきません。お互いを好き同士になってもらわないといけませんからお互いにストレスを与えない程度に少しずつ慣らしていきました。
まず、アイが外にいる「トラ」に興味を持ったタイミングを見計らって、ほんの少しだけ互いの姿を見れるように仕切りを外します。ほんの20秒くらいでしょうか。アイは「ああ。やっぱり外にトラがいたんだな」と安心した程度でやめてしまうんです。あまり長い時間やってしまうと、楽しさや興味が薄れてしまい、さらには「嫌なこと」になりかねない。始めるのとやめるタイミングを見極めるのは本当に難しかった。お陰で動物舎でひとり昼飯を食ったり、帰りもビアガーデンにも寄れなかった。
次の日につなげるには、興味津々最高潮のタイミングでやめてしまうわけです。だんだん間隔が長くなってきたのを見計らって、仕切りを無くし柵越しに生活できるまでにしました。
次は同じ部屋に入れる作業です。これもまた難しく、2頭の調子が良くないといけません。一緒にした瞬間、トラたちの機嫌が悪いと、こっちも落ち着きません。そういう時は無理に続行せず、オヤツのニワトリをおりに放り込んでそっと仕切りを入れるのです。互いを良いコンディションで終わらせてあげないと、次の日はその調整からしなくてはいけませんから。オヤツで満腹にしてあげて、幸せな気分で昼寝して、さっきの嫌な気分の事を忘れてもらうのです。
いっしょの部屋に入れられるようになったあとも、アイがネコパンチをくらう事もありましたね。すごいですよ。トラのネコパンチは。
お見合いの結果はどうかというと・・・それは動物園に見に来てください。
取材対応:アムールトラ担当
補足1)お嫁さんの愛称募集を行い、「アイ」に愛称が決まりました。補足2)17年春には繁殖行動の様子が見られました。

トラ1

トラ2

トラ3
アイは水浴びが結構好きです。

トラ4
室内収容後は、間近で観察できます。

以上は平成17年5月~9月まで毎週木曜日に連載された、札幌タイムス「マルッとまるごと円山動物園」6月16日号の記事で、許可を頂き掲載しています。

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