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更新日:2011年2月24日

動物園で学ぶ「生命の尊さ」

これは札幌市保健福祉局児童家庭部子育て支援担当課発行の情報誌「子育てさっぽろ」24号に投稿した記事です。

(筆者円山動物園動物科学館館長 長尾章郎)

動物園で学ぶ「生命の大切さ」(子育てさっぽろ24号掲載)

日本の動物園でこども動物園を最初に作ったのは,昭和23年の東京上野動物園です。当時の園長の古賀忠道さんは,本の中でその頃は二通りの子ども達がいたと書かれています。一つは本当に動物をかわいがる子,もう一つは徹底的に動物をいじめる子だそうです。今もこの二通りの子ども達はおりますが,もう一つのパターンがあります。それは動物が恐くてこども動物園に入っていけない子です。ヤギやヒツジ,ニワトリ,ウサギなどかわいい動物しかいないのに,恐くて入れないのです。都市に人口が集中し身近に生き物がいない生活がこんな結果で現われています。

私は多くの方に「生き物(ペット)を飼って下さい」とお話しております。その理由はごく一部の生き物(ゾウガメなど)を除いては,寿命が人間より短いために先に亡くなります。この時に死・別れ・生命を感じてくれればと思います。
そしてまた,こども動物園で手をかまれたといって,泣いている子どもを連れて事務所に文句を言ってこられる親がおります。ヤギにさわりたい場合は,少し待つか静かに近づくことですが,それができなくていきなり首に抱きつくのです。少し離れているとヤギは額で突くことができますが,いきなり抱きつかれると,最後の抵抗は口でかむことしかできません。またウサギを抱きたいといって,耳を持ったり後ろ足を引っ張ったりします。5人も10人もでされると,さすがにおとなしいウサギでもかむことがあります。大切なことは,この時に動物たちは嫌だというサインを全身で出しています。これを子ども達だけでなく若いお父さんやお母さんもくみ取ることができないのです。
また、こども動物園で,悲しい会話を耳にします。子ども達がヤギやヒツジにふれようとすると,「汚いからさわるな」という母親がおります。生き物にふれない,生命を感じないで育った子ども達が,人の生命を簡単に奪ってしまうという痛ましい事件が起きています。生き物を飼うことができないときは,ぜひ子ども動物園で動物とふれあってください。動物園はそんな生命の大切さを知ることができる役割も担っています。

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