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更新日:2011年2月24日

動物の子育てに学ぶ~仲直りの術2~

これは札幌市保健福祉局児童家庭部子育て支援担当課発行の情報誌「子育てさっぽろ」24号に投稿した記事です。

(筆者円山動物園動物科学館館長 長尾章郎)

動物の子育てに学ぶ~仲直りの術2~(子育てさっぽろ24号掲載)

コンピューターを操作したり字や絵を理解できるアイという名前のチンパンジーが,京都大学霊長類研究所にいます。その育ての親の松沢教授が,こんなことを言われています。アイが産んだ男の子アユムが3才になって,やっと離乳期を迎えた時に,ケンカをしてみようと思ったそうです。食べ始めたバナナを全部横から取ったところ,アユムがいきなり松沢先生の指をかみました。痛いと叫ぶと部屋の角までアユムは逃げました。その後,恐る恐る近づいてきて血が流れている指を眺め,その血をなめてくれました。もっとすごいことに,その後で背中に乗って頭の毛をグルーミングしたそうです。この行為はチンパンジーにとって御免なさいという挨拶です。松沢先生は3才の子がこんなことを知っていることに感心させられたと話しておられました。

そして現在,ケンカの後に仲直りがなかなか出来ない子ども達が多い理由の一つに,一人っ子ということがあるのではと言われていました。
昔は兄弟が沢山いて,家庭内でしょっちゅう兄弟ゲンカをしていました。しかし,いつまでもケンカをしていると遊ぶことも出来ないので,どこかで折り合いをつけて,仲直りしていました。仲直りの術を家庭で学んできました。しかし,現在の子どもはこの術を知らないことから,幼稚園や小学校などの社会生活の中でケンカしてもなかなか仲直りが出来ないのではと思います。
ですから私は「一人っ子でもいいですから家庭でお父さんやお母さんが子どもさんとケンカしてください。そして仲直りの術を教えてください」とお話しています。

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