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更新日:2019年8月28日

オランウータン「レンボー」が妊娠しました

オランウータン「レンボー」メス 20歳

ボルネオオランウータン「レンボー」(メス、20歳)

 このたび、円山動物園のボルネオオランウータン「レンボー」(20歳)の妊娠が確認できましたので、お知らせします。

 出産予定は来春で、無事に生まれれば第3子の誕生となります。これまで円山動物園では、2000年にオスの「弟路郎」、2009年にメスの「レンボー」を迎え、絶滅危惧種である同種の繁殖に取り組んできました。

 今回の繁殖では、ハズバンダリートレーニング(受診動作訓練)により、生理周期を正確に把握し、発情・排卵に合わせて雌雄の同居を行うなど繁殖技術の確立に向け、取り組んできました。また、トレーニングにより腹部エコー(超音波検査)の撮影にも成功しており、尿による妊娠判定と併せて、妊娠の確定診断も得ることができました。

 今後、レンボーと胎児については、定期的に超音波検査等を行いながら、レンボーの健康と胎児の成長を観察・記録し、見守っていきます。


【円山動物園のオランウータンの飼育管理の取り組みについて】

 オランウータンは生息地の破壊などの影響で絶滅が心配されている絶滅危惧種であり、動物園では域外保全や保全教育活動が積極的に取り組まれています。

 これらの活動にあたっては飼育する動物の精神的・肉体的な健康が不可欠であり、当園では栄養管理をはじめとした日々の飼育管理はもちろんのこと、環境エンリッチメントと呼ばれる飼育動物の日常生活における行動の多様性を引き出し、その福祉を向上させる取り組みについても積極的に取り組んでおり、過去には市民ZOOネットワークの主催するエンリッチメント大賞を受賞したこともあります。


【ハズバンダリートレーニングについて】

 ハズバンダリートレーニングは受診動作訓練とも呼ばれ、飼育動物の協力に基づいて検査や治療、健康管理を行うもので、近年多くの動物園水族館において、取り組みが行われています。

 無理に押さえつけたり、いわゆる体罰などによって行動を矯正するのではなく、応用行動分析学などに基づき、動物が自発的に検査や治療を受け入れる行動をとるよう訓練するものです。大型・危険な動物であっても麻酔をせずにできる検査や治療手段が増えるため、動物への負担を大幅に軽減できるとともに、飼育者・獣医師にとっても、動物と同じ空間に入ることなく檻越しで安全に積極的な治療・健康管理を行うことが可能になります。


【オランウータンのトレーニングについて】

 オランウータンは極めて力が強く、その飼育管理上の安全確保には最大限の注意を払う必要があります。このため、動物の突然の行動による事故防止のため、トレーニングは必ず2名以上で実施するとともに、トレーニング時の基本姿勢の定着には特に留意して行っています。

 また、オランウータンは思考力・記憶力が高く、新しい事柄を覚えていくのも得意ですが、訓練の仕方を誤ると、飼育者と動物との間で誤解が生じ、意図しない行動が定着したり、安全上の問題が生じることもあるため、特にトレーニングの初期段階においては、トレーニングの様子をすべて撮影し、飼育者の些細な身振りや行動が動物の誤解を生じさせていないか振り返りを行いながらトレーニングを進めました。

 当園のオランウータンについてはこれまでに、唾液の採取、口腔内検診(歯科検診)、体温測定、経血採取を含めた陰部の確認、尿の採取、筋肉注射、腹部エコー、体重測定などをハズバンダリートレーニングで行っています。


【他の動物種のトレーニングについて】

 当園においては、その進行状況は様々ですが、オランウータンのほか、ホッキョクグマ、アザラシ類、シンリンオオカミ、レッサーパンダ、キリン、アムールトラなどにおいてトレーニングを行っています。

腹部エコー写真

腹部エコーの写真(胎児は赤丸部分)

トレーニングの様子

トレーニングの様子

同居の様子

弟路郎とレンボーの同居の様子

このページについてのお問い合わせ

札幌市円山動物園

〒064-0959 札幌市中央区宮ヶ丘3番地1

電話番号:011-621-1426

ファクス番号:011-621-1428