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札幌市円山動物園は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための外出自粛を目的として、2020年3月1日から3月31日まで臨時休園となっています。
期間中、皆さまに休園中の動物の様子を少しでもご覧いただけるようTwitterで毎日動画「今日の円山動物園」を配信しています。このページでは、配信した動画に映っている動物について紹介します。
Twitterと共にチェックしてみてください。
今回は、3月17日の動画part2に登場したスンダスローロリスについてご紹介します。
暗闇の中でのっそりと動く様子が動画に収められていたのは、サル目ロリス科のスンダスローロリスです。このゆっくりとした動きがスローロリスの名前の由来となっており、「スンダ」はスンダスローロリスが発見されたマレー諸島のスンダ列島から付けられました。
スローロリスは、ゆっくりと動くことで他の動物に気が付かれないようにしています。スローロリスは樹上を生活の場としていますが、枝から枝へと移る時でさえ音はほとんど立てません。その動きはなんとも特徴的で、移動する時には3つの肢で木を掴んで体を支えながら、残りの1本の肢を動かして1歩ずつ進んでいきます。ただ、急いでいると思われる時には他の四足歩行の動物のように肢を2本同時に動かしているところを見かけます。
スンダスローロリスの生息地はマレーシアやシンガポール、インドネシアなどの東南アジアです。熱帯雨林に好んで生息しています。木の上で暮らす樹上生活者で、スローロリスの中でもスンダスローロリスはほとんど木から降りないといわれています。スローロリスの中には眠るときには地面で眠ることもある種もいるのですが、スンダスローロリスは木の上で枝や葉に隠れて眠ります。
動画が暗いことからお気づきの方も多いと思いますが、スローロリスは夜行性の動物ですので、眠るのは日中です。円山動物園では日中は暗く、夕方からは明るくして実際の昼夜とは逆転させることでスンダスローロリスたちが動く様子を観察していただけるようにしています。
スローロリスの特徴の1つでもある大きくて丸い目は、暗い中でもわずかな光を有効に使って物を見るために輝膜(タペタムとも)と呼ばれるものを備えています。夜に道端で出会ったネコなどの目が光って見えるのもこの輝膜があるからです。
黒いリングに囲まれた大きな目に小さな鼻と、どことなくあどけなくて可愛い印象の顔をしたスローロリスですが、サル目の中では唯一毒を持つ動物です。
スンダスローロリスを含む全てのスローロリスが毒を持っており、肘の内側にある毒腺から分泌します。毒腺から分泌された毒と唾液を混ぜることで毒性はより強くなり、この毒をグルーミング(毛繕い)で全身に塗り広げ、親は子どもの体にも塗ってやります。こうすることで、スローロリスは外敵から自分達の身を守ります。この毒はスローロリス自身の消化器で分解されるため、スローロリス自身が飲み込んでしまっても問題がないようですが、毒の成分についてはまだ解明されていません。
スンダスローロリスはカンガルー館にてご覧いただけます。展示場は暗くなっておりますので、足元等にお気をつけください。
今後も皆さまに動物達の元気な姿を伝えていきますので、開園までしばらくお待ちください。
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