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更新日:2011年2月21日

平成19年度第2回懇談会

開催日 : 平成18年9月16日(日曜)14時~

開催場所 : 札幌市視聴覚障がい者情報センター 大会議室

○浅香

皆さん、こんにちは。

三連休のど真ん中の日ですけれども、休みの日にサポーター懇談会を開催していただきたいという要望がかなり出ていました。過去に一度、日曜日に開催させていただいたときもありました。また、日曜日も休みではない人がいるので夜にやってほしいということで、夜にも1回開催させていただきました。休みの日に開くのは今回が2回目になりますけれども、きょう9月16日の午後2時から始めさせていただきました。

きょうは、私たちサポーター側では、まだ1人到着しておりませんけれども、10名のうち8名が出席する予定になっております。このサポーターも2期目を迎えまして、この12月で2期目も任期切れになります。12月の初めころには4回目の提言書を上田市長に直接お渡しすることになっております。ということで、皆さんの生の声を直接聞く懇談会は今回が最後になろうかと思います。ですから、今回の皆さんの意見を含めて12月にお渡しする提言書の中身に組み込ませていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

私事ですけれども、この4月ごろから血圧がものすごく高くて、上が180の下が100くらいありまして、ちょっとずつ下がってきているのですけれども、思考回路がかなりおかしくなっております。おまけに、悪いことは重なるもので、私は子どものころに交通事故で足を切断しているのですけれども、そのときから歯が悪くて、前歯は全部差し歯だったのですが、その差し歯もとうとういかれまして、今は歯医者に治療に通っているところで、かなりお聞き苦しい点があろうかと思いますが、きょうはサポーターの皆さんにいろいろ話してもらいますので、よろしくお願いします。

それでは、きょうは、サポーター側の話より、皆さん方の意見を少しでも多く聞こうと考えておりますが、まずはサポーターの自己紹介をさせていただきます。

私は、2期目のサポーターの代表を務めさせていただいています浅香と申します。

障がいは、身体障がいの区分では右足の大腿切断です。小学校のときに交通事故で切断しまして、義足を着用して日常生活を送っております。

きょうは、2時間ほどですけれども、よろしくお願いします。

それでは、小山内さん、お願いします。

○小山内

小山内といいます。

私は、札幌いちご会の会長もやっていまして、さらに社会福祉法人アンビシャスの施設長もしております。

30年間、いろいろなことで運動をしてきましたけれども、社会は年々変わってきて、つらいこともうれしいこともたくさんありました。

きょうは、正直に、思い切り意見を言ってください。よろしくお願いいたします。

○河西

河西明と申します。

精神障がいの当事者になります。

私は、昔の精神分裂病、今の統合失調症の患者の生活ということで、現在も薬を飲んでいます。

提言サポーターは1期、2期と務めておりまして、なかなか思うようにいかないなということはサポーターみんなが考えていると思いますけれども、そういう意味では暗中模索です。懇談会でなるべく活気のある、そして実のある形になることを切に祈っております。よろしくお願いします。

○黒田

皆さん、こんにちは。

私は、西区に住んでおりまして、2期目からサポーターをさせていただいております。平成4年に交通事故に遭いまして腰椎粉砕骨折で左下肢にまひが残りまして、足を引きずるような状態です。

今回で2回目ですけれども、皆さんのいろいろなお声を聞かせていただいて、それを仲間とともにまとめて、提言に折り込みたいと思っております。よろしくお願いします。

○我妻

皆さん、こんにちは。

我妻と申します。よろしくお願いします。

私の障がいは身体障がいになります。

14歳のときに脊髄に腫瘍を持ちまして、突然、歩けなくなりました。最初にかかった病院のお医者さんの処置も悪かったようで、見事に歩けなくなって、車いすになりました。

それまでは、障がいを持つことがどういうことかわかりませんでしたけれども、それ以来、だんだん理不尽な場面が出てきまして、例えば、今まで住んでいた地域に住めなくなったり、行っていた学校に行けなくなったり、就職できると思っていたのができなくなったり、障がいを持つというのはこういうことなのだなということに気づきました。それから、それを変えていこうという人たちに大勢出会いました。そこで、自分か障がいを持っていても地域の中で生きていけるかもしれないという力をもらって、地域の中で暮らせるようになりました。

きょうは、皆さんから、障害者自立支援法の話や、本当に不都合に思っていること、それから、こう変えるともっとよくなるのではないかと思うことなど、いろいろご意見を聞かせていただければと思いますので、よろしくお願いします。

○三浦

こんにちは。

私は、知的障がいを持っています。

施設に2年間いて、いろいろな形で地域に出ることを夢見て、札幌に通勤寮ができるということで札幌に移ってきました。

今、僕は、知的障がい者の中では本人活動を重点にしまして、札幌みんなの会の会長もやっています。それから、北風の会の会長もやっています。それから、全国では本人の会やピースの会もやっています。

僕たちは、地域で暮らす中で、いろいろな意見や、僕たちの仲間の声も反映してもらって、いろいろな形でやっていければいいかなと思っています。皆さんの意見もどんどん出していただいて、まとめていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○浅香

もう一人、逆向きに座っていますが、聴覚障がいのサポーターがおります。

○山本

札幌聴力障害者協会の山本でございます。サポーターをやっております。

私は耳が聞こえません。手話通訳を通して話をつかむことがありますので、皆さん側の方に座らせていただいております。通訳や字幕を見るのに、見やすい場所はどこかなというふうに考えた結果、前の方ではなくて、皆さん側の列に座ることになりました。ちょっと邪魔になるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

○浅香

今のところ、以上の7名でお話をお伺いさせていただきたいと思います。

きょうは視覚障がいの方もかなりお見えになっていますので、まず、私から会場の状況説明を簡単にさせていただきます。

きょうは、皆さん方の方には、横に10個のいすが5列くらい並んでおりまして、大体35名くらいが座れるように会場をつくらせていただいています。ざっと見て二十数名お越しになっていると思います。私たちサポーターは、皆さんから5メートル弱離れたところに8名ほど並ばせていただいております。そういう状況ですが、私たちサポーターの後ろには、札幌市の阿部課長ほか、行政の方もお見えになっていらっしゃいます。

それから、サポーター懇談会に何回か来られている方は気づかれていると思いますが、きょうは机をなくしています。より身近に、足でも組みながら、日常の会話をするような形で討論をさせていただきたいと思っています。

今までの懇談会は、野球で言うと、皆さん方がピッチャーで、私たちがキャッチャーで、討論をするという形ではなかったのですけれども、きょうは2期目の最後ということで、皆さん方の意見を聞きながら、私たちサポーターもいろいろな障がい区分の方がいますし、施設を運営されている方とか、会社員の方とか、いろいろな方がおりますので、その中で当てはまるものなどをこちらから問いかけたりしながら進めさせていただきたいと思っています。

これから始めますけれども、前回、5月に開催したときに、上田市長が出られたときだったのですが、最初に話された方が1人で30分くらい話したのです。こちらから短く、短くと言ったのですけれども、ずっと話されて、こちらも困り果てた経緯があります。きょうは、大体1人5分程度以内で発言をいただきたいと思っています。

それから、前回は、上田市長がいる目の前で、自分の意見を言い終わると、団体さんだったのですけれども、そそくさと退席されたのです。私たちからすると、帰るなとも言えないのですけれども、できるだけそういうことはないようにしていただきたいと思っています。せっかく3障がいが一緒になったのです。自分の困ったことがおありでここに来られていると思いますが、ほかの障がいの方やほかの生活状況の方もこういうふうに困っているだなということを聞いていただいて、それぞれ個々の方が意識づけをしていただきたいと思っています。

ですから、これから2時間程度、我慢と言うと申しわけありませんけれども、気づかないことが多々あると思いますので、そういう点も皆さんそれぞれで気づいていただいて、発言をしていただければ、私たちも一層提言に盛り込みやすくなります。ご協力をよろしくお願いしたいと思います。

それから、今、私はマイクを使っていますけれども、これは必ず議事録をとって担当当局や議員さんなども見られることになっていますので、発言される方はマイクを使っていただきたいと思います。録音の関係で、必ずマイクをお渡ししますので、その後にご発言いただきたいと思います。また、言いたくないという方は別ですが、差し支えない程度でお名前や障がいを言っていただいてから発言していただければと思います。よろしくお願いします。

きょうは、本当にかた苦しくなく、肩ひじ張らず、足でも組みながら、飲み物を飲みながら、どんどん言いたいことを言いましょうという形をとらせていただきます。どんどん発言をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

きょうのテーマの一つ目は自立支援法についてです。一昨年にスタートしました。自立支援法が実際にスタートして大体2年になります。それから、二つ目は防災についてです。障がい者や高齢者などの要援護者を地震などの場面でどういうふうに避難させるべきか。この春、札幌市の方でもそういう組織ができていますけれども、その辺についてお話をさせていただきたいと思います。

まず、自立支援法がスタートして2年近くたちます。実際に暮らしてみて、施設などに通ってみてといろいろあるでしょうけれども、その中で本当にこういう点が大変だ、苦しいという面で結構だと思いますので、どんどん発言をしていただきたいと思います。

それでは、挙手をしていただきたいと思います。

両手がご不自由でしたら、隣の方にでも頼んでいただきたいと思います。

○小山内

市役所の方の自己紹介はないのですか。

○浅香

それでは、課長からお願いします。

○阿部課長

私は、札幌市保健福祉局障がい福祉課長の阿部と申します。

ごあいさつを兼ねて、一言だけお話しさせていただきたいと思います。

浅香会長のお話でほぼ出尽くした感じがいたしますが、きょうは、19年度2回目の政策提言サポーター懇談会ということでございまして、前回と今回、皆様方からいただいたご意見をもとに、この年末には意見を集約したものを市長に提出する予定になっております。そんなことでございますので、皆様方が日ごろお感じになっていることをお話しいただきたいと思います。

今ご紹介がありましたように、今回のテーマは、施行後1年半たちます障害者自立支援法についてと、もう一つは、障がい者の安全、防災の観点から札幌で制度をどういうふうにつくっていくのかということについてです。一応、そういうテーマでございますけれども、それに関連したことも含めて、自由闊達なご意見をいただければありがたいと思っております。

特に、本日のテーマの2点目は、防災の観点から見た障がい者の安全対策というのは、札幌市にとりまして非常に大きなテーマになっております。専門の会議を立ち上げて、役所の中の会議、それから関係当事者を交えたいろいろなお話し合いをさせていただいておりますが、つい先ごろ、新潟県の中越沖地震があって、障がいのある方々の安否確認が十分にできなかったという課題が指摘されている状況でございます。そんなこともございますので、どういうところが大きな問題なのか、そういった点について忌憚のないご意見をいただければありがたいと思っております。

長くなりますと本題に入れませんので、私の方のごあいさつは以上にさせていただきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

○浅野課長

同じく、障がい福祉課におります自立支援担当課長の浅野と申します。

忌憚のないご意見をお伺いしたいと思います。皆さん、どうかよろしくお願いいたします。

○安田係長

障がい福祉課給付管理係長の安田でございます。自立支援法の障がい福祉サービスを所管しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○庄中係長

障がい福祉課で移動支援を担当しております庄中と申します。きょうはどうぞよろしくお願いいたします。

○成澤係長

障がい福祉課で就労相談支援担当係長をしております成澤といいます。どうぞよろしくお願いいたします。

○阿部課長

それから、申しおくれましたが、きょうは、防災に関係いたしまして、市役所の危機管理対策室の担当係長も特別に参加しておりますので、一言ごあいさついただきたいと思います。

○田中係長

札幌市危機管理対策室でマネジメントの担当係長をしております田中といいます。

先ほど課長の方からお話がありましたけれども、現在、災害時に要援護者の方々をどのような形で支援するかということで、今、委員会を立ち上げておりまして、そういった仕事を担当させていただいております。きょうは、その関係もございまして、参加させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○浅香

担当係長の吉井係長はいいですか。

それでは、挙手の上で、いろいろご意見をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○参加者

去年も何回か出まして、市営住宅を希望しているのだけれども、なかなか当たらないのだという話をしておりました。役所の方では、障がいによって1個プラス、抽せん番号に1個プラス、2個プラスというふうにしているので、当たらないのはあんたの責任だよという言い放しでいたのですね。それではおかしいと。

障がい者や老人はもともと収入源となるものが非常に薄い、その中で固定している家賃がものすごくとられていて、安い市営住宅に入りたくても入れないという現状があるのだと。そして、何とか抽せん戸数を1個ふやしたとか2個ふやしたというふうにごまかすのではなくて、ちゃんと福祉枠をとってやらないのかという話を去年したのです。それに対する回答はことしの5月に出たようですが、私は、5月はぐあいが悪くて来られなかったのです。

そして、6月に送ってもらったものを見ると、結局、そういうものは非常に難しいと、ぶった切っているわけです。その中では、全体の市営住宅を希望する人の中で、一般の人の割合と障がい者の割合が違うと。障がい者の枠は応募率がパーセンテージにして少なくて、一般の人の応募率が高いのだと。倍率が高いと言ったかな。一般の人は47倍あるのだけれども、障がい者は10倍とか13倍だというふうに書いてあるわけです。だから、仕方がないのだというふうに言っているのです。しかし、一般人の中には、障がい者や市営住宅を希望する所得の低い高齢者は一般人の中では少ないのです。相対的に少ない数字を拾ってきて、だからこうなのだという言い方をここでしているわけです、市の方としてはね。それはおかしいのではないかと、持ってくる数字がおかしいと。そういうところで、再度、簡単にぶった切らないで検討してくれないかという話をしたいのです。

○浅香

それは、つくる戸数自体が少ないということも含めてですか。

本庁の個別の懇談会のときも、こういう懇談会のときも何回か出てくれているので、私は十分覚えています。おととしくらいに初めて本庁の個別懇談会に来られて、それから何回申し込みましたか。

○参加者

ことしで7年目かな。

○浅香

7年目ですか。おととしくらいの本庁の個別懇談会で私と初めてお会いしたでしょう。そのときも当たらない、当たらないと嘆いていらっしゃったけれども、それから2年くらいたって、その間に何回くらい申し込んでいますか。

○参加者

ずっとだね。8回かな。

厚別にも行きました。僕の場合は呼吸障がいがあるのです。

○浅香

1階でなければだめだと言っていましたね。

○参加者

1階でなければだめなのです。そして、厚別は、1階があれば申し込むけれども、1階がなければ帰ってくるという状態なのです。

○浅香

提言書の中でも、市営住宅については障がい者用につくる戸数をふやしてくれというふうにお願いしたのです。それで、本当は全戸をユニバーサルデザインでつくってくれと言いたかったのです。そうすると、どこでもいいわけでしょう。4階でもいいし、1階でもいいし、それは新しいところに限るわけだけれどもね。

○参加者

もう一つは、裏のページにあるように、なぜ障がい者用住宅を4%にしているかということです。床の段差をなくすのだという取り組み等を含めて、一緒に住宅に住んでいる人たちの冬期間の供用部分の清掃とか除雪などが自分たちに覆いかぶさってくるので、それができない障がい者はやはり1棟の中で4%程度にせざるを得ないのだという変な理屈を持ってきているわけです。だって、30年か40年前から札幌はノーマライゼーションのということを言っているわけでしょう。そして、道路の段差なども直してきたけれども、段差だけではなくて、一般人との心の垣根を取り除こうとして活動しているはずなのです。それなのに、そういうことを持ち出してきて、一般市民に理解がないから4%の枠内でしかやらない、それ以上は広げませんと言い切っているのです。それでは、行政としてノーマライゼーションとうたってきて何をやってきたのかと思うのです。

私は、月に2回ほど、北24条から市立病院に通っているのです。そうしたら、北24条のところに新しいスーパーができて、公営住宅のようなものが建ち始めていたのです。これで公営住宅の戸数がどっとふえるから、何とか当たる確率がふえるなと思ったのですが、開いてみたら、市の職員や道の職員の合同職員住宅だというわけです。

道の職員で、緊急で釧路に転勤しろというのなら公営住宅に入れるのはわかりますが、市の職員が市内で転勤などをしてもどこからでも通えます。それなのに、市の職員もそこに入るのだという話を聞くと、何なんだと思うよね。

だから、福祉課で返事をしろといつも言っているのだけれども、相変わらず、都市局の住宅課という関係ないところが言うから変なことになってくるのです。視点と観点が違うことを言っているわけです。

○浅香

我妻さん、障がい者の住宅関係で困ったという事例などは知りませんか。

○我妻

小山内さんがわかるのではないではないでしょうか。

○浅香

小山内さんは、過去の経験者ですね。

○小山内

過去の経験者です。私は、数え切れないほど市営住宅の抽せんに外れました。本当に腹が立ちまして、札幌市長に、当時の桂市長に100回落とす気かという手紙を書きました。本当は、先ほど浅香さんが言ったとおり、みんなバリアフリーにしたかったのですけれども、とりあえず1階の住宅だけでも障がい者住宅にしてくれということで、そのときの国の五十嵐建設大臣に手紙を書きました。そうしたら、それからは公営住宅の1階は老人や障がい者用住宅になりまして、玄関と台所とおふろは、入る人が決まってから、その人に合わせた設計をするようになりました。長い年月がかかってやりました。本当に皆さんのように何十回も落ちている人がたくさんいます。今は、景気が悪くてあまり公営住宅はふえていません。本当に大変なことです。

私は、1階だけでいいのかなと最近は考えています。それは、これから話す防災に関してですが、私の周りに5階に住んでいる人がいるのです。1階だといいのですが、5階だと、エレベーターが動かなくなったら逃げられません。そういうときにどうしたらいいのかなと思うのです。でも、死んでもいいから、5階でも6階でもいいから市営住宅に住みたいですよね。

昔は、消防署の人がちゃんと点検に来ました。あなたはここにいるのですねと。今は、そういうことがまるっきりないので、どこに障がい者がいるのか、どこに住んでいるのか、また耳の聞こえない人や目の見えない人は特に情報が入らないので、どうやってコミュニケーションをとって逃げていくかということが大事になってきます。

私は、公営住宅とか市営住宅に入れないという悔しさはわかりますけれども、本当に障がい者だけではなくて、母子家庭の人とか、お金のない老人の人とか、みんな困っているのです。母子家庭の人は本当に悲惨ですね。アパート代が高くてね。だから、もっともっと公営住宅をふやしていかなければいけない、それしかないのですけれども、これは本当に宝くじに当たるより難しいのが現状です。お役人のような言い方になりますけれども、これは皆さんが闘っていかなければいけないと思います。

私は、15回落ちて、16回目にやっと当選したのですけれども、それは本当に闘いでした。ですから、公営住宅にこだわらないで、民間のアパートを買い取ってもらって、それを公営住宅にしている例もありますから、そういう例もふやしていかなければいけないと思います。建てていくというのは財政が苦しいですから、民間住宅を安くしていくとか、民間住宅を改造していくとか、そういうことも大事なのではないかと思います。

ですから、逃げるようですけれども、本当に頑張ってください。頑張りましょう。

○参加者

ありがとうございます。

頑張りたいと思うのですけれども……。

○浅香

時間が許せばこの問題をまた討議します。きょうは、一通り意見をお聞きしたいので、一たん我慢してください。

○参加者

札幌聴力障害者協会の者です。

さっきの市営住宅に絡むのですけれども、私も実際に9年間ずっと申し込みまして、やっと受かりました。でも、1年間で平均五、六回申し込んでいますので、9年間で何回か考えていただきたいと思います。

実際に市営住宅に住んで実感することは、高齢者、体の弱い人に合わせた建物ではありません。それから、駐車場も意外と狭いです。私は今、83歳の母と一緒に生活しております。今、少しは歩けるのですけれども、将来的には、足が悪くなったときに車いすでも乗れるように改造するつもりで、ちょっと大きい車を買いました。

そのときに、駐車場の問題で、5年間、公社ともめました。市営住宅の駐車場の幅は180センチで、私の車は182センチですから、たった2センチの問題です。幅についても、入れたときに、まあ10センチくらいの余裕はある、ミラーを倒せば両側は大丈夫なのに、きちんと事実の調査に来ないで、規約は規約だということをずっと言われてきました。でも、仕方がないので、市営住宅の前に車をとめながらという状態でした。

結局、道路交通法が変わってから、違反をして痛い出費をするよりも、車を買いかえた方がいいのではないかと思いまして、むだなお金で車を買いかえました。そういう経験をしています。

ですから、市営住宅は、健康な人に合わせた建てかえではなくて、これから体の機能も含めて、先々のことも考えながらきちんと計画を建てて建設する方が障がい者にとってもすごくプラスになると思います。

エレベーターも3階だとないとか、矛盾もたくさんあります。

ですから、健康な人、収入が安いから入りたいという人を考える前に、これからの高齢化という問題も含めて、全部を含めて考えながら、ユニバーサルデザインに合った建物が必要ではないかと実感しています。

○浅香

わかりました。

また別な観点からご意見をいただきました。

前半は自立支援法に関することですけれども、次の方はおられませんか。

○参加者

NPO法人イコールの者です。

私たちの事業所にいる利用者さんで人工呼吸器を使っている方がいまして、24時間の介護が必要なのですけれども、今、もらっている介護時間は1日約10時間程度なのです。24時間の時間数が必要なのです。そこを何とか24時間の時間数をもらえるようにしてくれませんでしょうか。

 以上です。

○浅香

これは私が苦手な分野なのですが、サポーターの方からいかがでしょうか。

○小山内

私は、この方を若いときから知っているので、とても言いにくいですけれども、24時間ケアが必要というのはわかります。私たちの仲間でも、24時間とりたくてもずっととれない人がいます。きょうは行政の人もいますけれども、今の日本の財政からいくと、24時間ケアはこれから進んでいかないのではないかと思います。

客観的に言いますけれども、これは否定しているわけではないですよ。絶対に必要なのですが、これからはもっと利口なやり方で考えていかなければいけないと思います、24時間とっている人もいるし、もっと障害が重い人でもとれない人がいるのです。脳性麻痺でいうと、不随意運動がなかったらだめなのです。不随意運動がなくて、じっとしている障がい者は24時間とれないのです。役所の言葉遊びのようですが、本当に困っている人はとれないのですね。ですから、アメリカとかデンマークとかスウェーデンのように、夜間でも電話をかけたらすぐに来てくれるような、見回りをしてくるような、そういうことも考えていかなければいけないと思います。

これから札幌市はケアのことを真剣に考えてくださると言っていますから、これからはだれでも24時間とれるというのは私は反対です。ちゃんと分けて考えていかないと、この人は24時間とか、この人は巡回型でいいとか、この人は何時間でいいのだとか、現実を見て判断していかなければいけないと思います。私でも週に1回は24時間をとります。

これからは、本当に利口なやり方を訴えていかないと、施設からたくさんの障がい者が出てきます。そうしたら、結局、24時間とれない人がいっぱい出てきて、また施設が必要になるのではないかという声も出てきます。これは、障害者差別禁止法に反しています。だから、韓国なんかは、養護学校もつくらない、施設もつくらないのです。みんな普通学校に行かせて、みんなアパートに暮らすという方向に行っています。全世界が障害者差別禁止法に向かって走っています。

日本だけが障害者差別禁止法をあまり気にしていなくて、まだ施設は必要なのではないかというお役人も議員さんもいます。施設はつくってはいけないのです。

ですから、私たちが30年前から訴えてきたケアつき住宅が必要だと思います。アパートの中にヘルパー室をつくって、何人かの障がい者のケアを引き受ける。昼間は人がいるとか、夜中は1時、2時の間とか、そういうシステムをこれから議論していかなければいけないと思います。だれでも24時間の介助がいいということは、私は役人の味方をするわけではないですけれども、そうなると自立できなくなってしまいます。本当に訴えたい気持ちはわかりますけれども、これからはもっとケアの時間について考えていく、議員の皆さんも、役人の皆さんも同じく考えていかないと、大変なことになります。

また施設がつくられています。山奥の施設ね。それはだめです。これからは障害者差別禁止法をつくって、何でこの人は24時間ケアなのかということをきちんと文章化して、それについて討論していく場が必要だと思います。これからはそういうことを真剣にやっていかなければいけません。

私も24時間欲しいですよ。私だってあなたと同じですから、とっていいはずです。スウェーデンとかデンマークはとっていますからね。でも、日本はスウェーデンのようにはならないです。国民がそこまで税金をいっぱい払ってまでしないと思います。

でも、あなたの言っている人は本当に24時間の介護が必要なのかもしれません。それは、あなた自身が一緒に闘っていく必要があると思います。

本当に24時間が必要な人はいるけれども、赤ちゃんではないのですから、ずっと介助者が障がい者のそばにいるということ自体かおかしいと思います。必要なときに必要なケアを受けるということが大切です。ずっといるのは赤ちゃんだけです。だから、私はケアつき住宅が必要だと思います。

これからどうなってくかはわかりませんけれども、山の手につくったケアつき住宅は、ケアの要らない人まで入っています。どうして直そうとしないのか、あれは札幌市の責任ですね。あの建物と土地は道のものだからどうにもできないと言っていますけれども、あれはおかしいです。本当に24時間が必要な人たちが入るところなのです。

ですから、だれでもかれでもこれから24時間欲しいというのは、私は反対です。

だれが必要なのかということを3段階か4段階に分けていかないと、幾らお金があっても足りません。24時間の介護は年間2,000万円以上のお金がかかります。これが10人いたら大変です。億単位のお金がかかります。それをかけてでも生きたいという人がいたら、やはり何か仕事をやったり、そういう価値観を持たなければいけません。

障がい者でもいろいろな考えの人がいますから、ここでどう思うか、そのことを議論しなければいけません。私の言うことはすべて正しくはないと思います。おかしいと思う人もいるでしょう。でも、日本の財政や札幌の財政から言っても、そして市長さんも本当にお金がないからできないのですと言いますけれども、これは国が変わらないと24時間制度になっていかないと思います。札幌市だけが頑張ってもちょっと難しいと思います。

○参加者

それは小山内さんの考え方で、実際に暮らしている人のことを考えると24時間は必要です。実際に欲しいという人がいるのだったら、24時間もらうしかないと思います。

○参加者

補足します。

今、話に出た方は、実は私も知っています。

今、小山内さんから24時間介護が必要な人は赤ちゃんだけだというお話がありましたが、その方は赤ちゃんと同じで、自分で動かせるところがなくて、呼吸器もつけていますし、5分、目を離すとひょっとしたら呼吸が停止してしまうというような状況です。

実際、私たちも本人と一緒に札幌市まで行って24時間をお願いしに行ったこともあります。

小山内さんの言われている24時間の考え方は、本当に利口になって、実際に必要なのか、必要ではないのか、または必要な人はどうすれば24時間介護をとっていけるのか、また、ケアつき住宅のように障がいを持っている者たちが集まって少ないヘルパーの数で介護を行っていくというのも一つの方法だと思います。いろいろな選択肢があっていいのかなと思います。今、話題になっている方は、障がいがすごく重いのですけれども、勉強をしたいという意欲を持って地方から出てきて、社会に出たいという方です。そういう方に対して、予算がないから24時間介護はできないと言い切ってしまっていいのかなと思っております。

予算がないのは、十分わかっていると思うのですけれども、本当に必要な人にはサービスの給付をぜひ行ってほしいということを言っているのかなと私は思っていますが、それでいいでしょうか。

○浅香

今の件につきましては、いろいろありますけれども、サポーターの方でもディスカッションさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○浅香

それでは、隣の視覚障がいの方、どうぞ。

○参加者

東区から来ました。目の障がいで全く見えません。

先ほどの話にあった市営住宅の件の防災に関してですが、やはり近所に避難する場所があるのだろうなという程度はわかるのですが、それ以上の情報は私の耳には全く入ってきておりません。

それから、今、私も東区の市営住宅に住んでいるのですが、火災警報装置がついています。ここ半年間に火災報知機が4度鳴りまして、そのうち3回が誤作動でした。だれが確認をしたかといいますと、私自身です。

つまり、ほかの人は知らないというか、音が聞こえないのか。全く聞こえなくてだれも出てこないという状況が4回ありました。音が悪いのか何が悪いのかわからないのです。ランプが煙を感知してドアが閉まるような状態になっているのですけれども、それがどこの階で閉まっているのかをランプで知らせるようになっているのですが、音声では全く出ないのです。4回鳴ったときに119番を3回ほど押しましたけれども、それ以上のことは私として知らせることができなくて、非常に残念だったなと思います。

先ほど、ユニバーサルデザインという観点から考えまして話があったのですが、火災報知機も音声が出るようになっていればもっといいのかなと感じました。

でき得るならば、火災報知機の音がどこまで聞こえているか、実際に聞こえているかどうかという確認を、緊急というのか、近々でも行ってほしいなと思っております。これが各市営住宅をやっている自治会から住宅課に行っているのかどうかさえ私自身はわかりません。ここ最近に起きた話です。

もう一つ、違う話ですが、自立支援法に関してです。

移動支援ということで、昨年、市役所で阿部課長とお話をさせていただいたのですけれども、事業所の認識不足のせいか、受けられないというのか、まだまだそういうことがあるようです。

最近、乗降の方も、今後は2種免許を持っていなければできないような話を聞きました。そうなると、事業所も乗降という手段から撤退しなければならないという話も耳にしました。これが本当なのかどうなのか、うわさ話だけでここで終わらせてしまっていいのかどうなのか、皆さんが情報を持っていればいただきたいと思っています。

あとは、また時間があれば質問、要望を出したいと思います。

○浅香

移動支援の事業所の方は、何がなければということですか。

○参加者

移動支援は、視覚障がい者の場合においては、居宅ということで、家から家へという形になってしまうのです。つまり、家から病院へ行って、病院から私自身がタクシーに乗ってどこかへ行くというのはだめなのです。

○浅香

家から目的地に行って、目的地から家へということですね。

○参加者

病院へ行って、そこから家へ戻るということです。

だから、その後に家族や友だちに用事があって一人で帰るにしても、一人で帰るのだったら最初からできませんという形で断られる事業所があるということです。

あとは、入院や退院のときもだめな事業所もあります。

その辺をQ&Aのような形で何か例を出してくれるとありがたいのです。ただ居宅と言われてしまうと、どうも事業所の方も認識しづらいのかなと思っております。

○浅香

事業の名称が居宅介護支援事業となっているからね。

○参加者

そうですね。区の窓口に行きますと、どうしても居宅だけで終わってしまうのです。それ以上の知識を窓口の担当者が持っていないというのも不安なところではあります。

○浅香

わかりました。

最初の火災報知機の話ですけれども、4回のうち3回が誤作動だったのですね。1回は本物だったのですか。

○参加者

はい。1回はぼやで煙程度です。隣は火災でした。この1年間に起きました。

ですから、地震や大災害になる前に、まず日々の火事をきちんとする方が大事かなという感じがします。

○浅香

その辺は、後ほど防災関係のところで討論したいと思います。

今、行政の方から居宅介護のことを説明してくれるそうです。

○庄中係長

今の居宅からという移動支援のお話ですけれども、原則といたしまして、居宅に行って、目的地に行って、また居宅に戻るという一連の流れを総合的に評価して移動支援事業を行っております。

今のお話にあった、居宅に行って、目的地に行って、違う目的地に行くという場合については、原則としては認めておりません。入院や退院についても一連の流れの中で移動支援事業を行っておりますので、家から目的地に行って、また家に戻るという一連の流れのうちの片道については認められるのですけれども、初めから片道だけという目的については移動支援事業の対象としては行っていないという現状でございます。

○参加者

例えば、ここの情報センターに病院の帰りに寄りたいとなったときには、病院からあるところでヘルパーとさようならするのはだめだということですね。

○庄中係長

例えば、こちらの会場に来るときに、ほかの方についてきてもらって、帰りについては必要ですというように、一連の流れの中では認めることができるのですけれども、一連の流れではない場合については現状では認めていないのが実態です。

○参加者

認めていない理由を言わなければいけないでしょう。

○庄中係長

移動支援は、家から出る場合に介助する方が必要になるということになりますので、介助する方が家から出て、家まで戻ってきてもらうということを総合的に評価するというのが原則になると考えております。

○参加者

視覚障がい者の場合においては、知っているところは自分で歩ける、または、知っているところをもっとスムーズに歩きたいために頼む場合があるのです。ですから、知らないところはもちろんお願いしたいと思いますけれども、あるところに来たら、知っているからこれでいいですよという場合でもずっとついてもらわなければいけないという状況でしょうか。

○浅香

原則、私のところでも実際にやっているのですけれども、責任問題もありますね。それぞれ利用する側のご都合もあるのでしょうけれども、結局、自宅から目的地で、その間にどこかに寄るにしても、きちんとヘルパーが引率してまた自宅まで送り届けるということが原則だと思っています。

○参加者

事業所によっては、長時間の派遣は無理だから途中で交代というところもありました。例えば、私は北大に通っていますけれども、6時間ほどかかる場合もあるのです。そうすると、長時間の派遣は無理だということで、行きと帰りの2人分の交通費も含めてという形もあるようです。事業所の勝手というか、どっちの勝手なのかわからないですけれども、そういう場合、税金という観点からすると、片道の方が安いのではないかと私は思うのです。どうでしょうか。

○庄中係長

長時間にわたるということで、ヘルパーがかわるのは問題ないかと思います。

ただ、その中の6時間はヘルパーさんがついていないということであれば、それは移動支援費の算定の除外になりますので、行きと帰りということで違うヘルパーが交代で移動の支援を行うことはあり得るかと思います。

○浅香

それは、その中の6時間もきちんとついていなければならないということですね。それで、どこかで交代するということですか。

○庄中係長

6時間ずっとそばについていなければいけないという状況であれば必要ですけれども、もしその時間は介助が要らないということであれば、その6時間は移動支援の算定時間から除いてもらう形になると思います。

○参加者

中抜きという言い方もしますけれども、当然、そうだろうと思います。

ただ、今のお話だと、その病院の玄関で「私はタクシーで違うところへ行くから」といって別れるような前提のもとでは、通院の介助はできないということですね。

○庄中係長

病院の後はタクシーでどこか違うところに行かれるのでしょうか。

○参加者

もしくは、自分自身で出るというか、動くというか、例えば、私の場合は、札幌駅の改札までをいつも使っているのですが、もしこれがだめならまずいのではないかと私自身は考えています。つまり、いつも片道で終わりです。

前回、市役所にお話をしたときに、担当の職員からはオーケーをとりました。

○庄中係長

帰りというのは、目的地まで行って、タクシーで自宅まで……。

○参加者

私の通院を時間的に言いますと、朝8時に出まして、病院に寄って、札幌駅で別れまして、その後、私自身はここの情報センターに来ます。私自身の足で家まで帰ります。

だから、介護移動支援をしてもらうヘルパーさんは、家から病院へ行って、札幌駅で別れるという形です。今のお話の中では、この使い方ではまずいということですね。

○浅香

そうですね。お家から目的地、目的地からお家までというのが原則ですからね。

○参加者

そうすると、算定できないということになってしまうのかな。

○庄中係長

片道を全く否定しているわけではありません。今の場合も、帰りは安全に一人でお帰りになれるという状況ということでしょうか。

○参加者

市役所で昨年お話ししたときには、当然ながら自己責任です。私自身もそう思います。本人が「ここでいい」と言ったら、その時点から自己責任で、自分自身で歩いてくださいという形ですね。ヘルパーの責任ではないということを重々承知の上で、理解した上でという形になるでしょうね。

○浅香

朝は逆に単独行動はしないで、いつもヘルパーを利用されているということですか。

○参加者

病院の行きは使います。時間を間違えてしまって予約の時間に間に合わない場合があるのです。やはり、時間どおり動くためには目をかりなければいけないということがあります。過去に、焦ってどぶに落ちてしまったとか、道に間違えてぐるぐる回ってしまったとか、いろいろとあったのです。でも、帰りは、のんびりと、間違えてもいいかという自己責任のもとでやっています。

そういう使い方をしているということを認識いただいた上で、だめだと言うならば、どうするのだろうということですね。

○阿部課長

ちょっと補足説明をさせていただきたいと思います。

基本的には、先ほど申しましたように、圧倒的に多くの方の利用形態がそうなのですけれども、家を出られて、目的地に行かれて、目的地で用を足されて家にお戻りになるという一連の行動が移動支援の基本的なパターンになるのです。これは従前からそういうふうに考えております。

ただ、お話にありましたように、当然、仕事で移動支援を使われるとか、使われ方が多様になってきているという事実はございます。そうした中で、あくまでもご本人が了解した上で、ご本人の責任において、お話にありましたように、自宅から北大病院に行って、北大病院から札幌駅まではヘルパーについてもらったけれども、そこから先は自分で移動できるし、自分の目的のためにということでそこでヘルパーと別れるということも現実にあろうかと思います。

そこで、お話にありましたように、事業者の方にもこの辺は混乱がありますし、私どももまだ十分に整理し切れていない面がございます。できるだけ早い時期に、今時点における我々の考え方を各事業者にお伝えするという形で作業を進めておりますので、もうしばらく時間をいただければと思います。

○参加者

わかりました。

○阿部課長

それから、ヘルパーの資格についてです。

これは、昔も今も基本的には変わっておりません。実際問題として、最近、資格のないヘルパーが従事していたというケースが散見されたということもございますので、いま一度、改めて移動介護にかかわるヘルパーの資格についても事業者の方には徹底したいというふうに考えております。

○参加者

病院の通院の場合においては、移動のガイドの資格が要らないという話を聞いたのです。他の移動はいるけれども、病院の通院においては要らないという話を聞いたのですが、違いますか。

○庄中係長

移動支援を行う場合につきましては、視覚障がいをお持ちの方に対しては視覚障がいに関する研修を修了しているということが必要になります。

○参加者

わかりました。

それから、乗降に関してですが、2種免許がなければ、今後、できなくなるというお話はどうなのでしょうか。ドライバーさんですね。2種免許を持っていないと乗降の仕事が―要するに、これは事業所ですね。多分、旅客法か何かにひっかかるのかと思っております。

つまり、何が言いたいかというと、もし、そうなって事業所が撤退すると、乗降をする事業所が少なくなるのかなという心配をしていたのです。

○浅香

それは、居宅支援事業とはまた別の話ですか。

○参加者

私の知識の中では、乗降の場合は自立支援法も介護支援も両方ともあったと思ったのです。車に乗せて入口まで、もしくは病院のカウンターまでという仕事があるはずなのです。

○浅香

準タクシーみたいな格安の福祉有償運送車両という……。

○参加者

その事業所自身が行っている仕事です。それは2種免許がないとできなくなるという話を聞いたのです。

○浅香

居宅支援事業と有償運送車両を一緒にやっているところもあると聞いておりますけれども、そこのドライバーは2種免許がなければいけないというのは初めて聞きました。今はセダン型でも料金を取るわけですから、普通のタクシー事業形態になれば2種免許は必要だと思うのですけれども、そこまでは情報不足です。調べておきます。

○参加者

ここ1週間ぐらいで聞いた話です。それも事業所から聞きました。うちの方としてはなくなりますという話です。ただ、この乗降を使っている方は大変になるのかという心配をしたのです。

○庄中係長

今の関連ですけれども、事業所で運輸局に許可をもらって2種免許で人を送り運びしているところに関しては問題ありません。しかし、1種だけの場合は、人を運送するに当たっては福祉有償運送という形になりまして、福祉有償運送運営協議会というところで承認をもらった上で行わなければいけません。その協議会で承認を得られなければ、いわゆる白タク行為という扱いになって、運輸局から指摘を受ける形になっております。そのことなのかなと思います。

○参加者

多分、タクシー協会が大分強く出てきている感じはするのです。

今のところ、先ほどのお話の中の流れでしかないということですね。2種がなければだめだという話ではないですね。

○浅香

それは調べて、後日、回答させていただくような形にさせていただきます。

○参加者

長くなって済みませんでした。

○浅香

それでは、そろそろ第2問の防災関係に入りたいと思いますが……。

まだありますね。

それでは、この方を最後にして、次の防災関係に入りたいと思います。

○参加者

お願いがあるのですけれども、障がい者といっても、知的障がいの方も、視覚障がいの方も、私たちのような全身性の方も、みんなそれぞれ抱えている問題は違うのです。ですから、福祉の方とお会いするということはめったにないので、今後、そういう時間をもうちょっととっていただきたいと思いました。

例えば、視覚障がいといっているけれども、それぞれ違うと思うし、私たち車いすの場合は、外に出たら、スロープとか、段差の問題とか、それから歩道の点字ブロックがありますね。きょうもそうだったのですが、信号を渡って縁石に上がろうと思ったら、点字ブロックのところでヘルパーが押すのにひっかかったりするのです。でも、点字ブロックは目の悪い方にとってはすごく大事なことだから、それを取り除けとは言えないのです。車いすは、本当に押してみたらわかるのですけれども、ヘルパーは斜めにして上げるときに点字ブロックがひっかかったりするのです。ですから、障がい者と一言で言っても、その人によって違うことがいっぱいあると思うので、こういう全体的な会も大切だと思うのですけれども、もうちょっと個別の集まりを持っていただきたいのです。私は南区から地下鉄に乗ってきたのです。本当は南区とか豊平区とか、もっと近くでこういう集まりを持ってくださるところがふえれば、すごく楽なのです。

それから、この間、地下鉄にあるエレベーターに乗ったのですが、子ども連れのお母さんがいたのです。そして、私とヘルパーが乗っていたので、小学校1年生くらいの子どもがぐずって、狭いとかきついとお母さんの方を見て言ったのです。だから、私は、そういうことを言うものではないよと言ったら、後からお母さんがその子どもを連れて追っかけてきて、今、そう言ってくれる人が少ないから、もっとどんどんと言ってくださいと言われたのです。

○浅香

本当はお母さんが言わなければいけないですね。

○参加者

そうなのですけれども、お母さんが言わないから私が言ったのです。

例えば、夏休みでも、子どもとお母さん、子どもだけでもいいから、障がい者にもっともっと子どものころから接して、いかに大変かということを、夏休みの間にどこかに行って遊んでいるだけではなくて、夏休みのどれぐらいの期間かわからないけれども、1日でも2日でもいいから、障がい者の施設とか、障がい児の施設とか、お年寄りの施設などに行って、大変さをわかってもらいたいのです。

それから、資格、資格と先ほどおっしゃっていましたけれども、ヘルパーの数がすごく足りないのです。だから、資格、資格でやってしまうと、特に今、やっとヘルパーがなれてきて、これから少し楽できるなと思ったら、今度はサービス提供の責任者になるから今までどおりの私たちに対する介護ができないという話になってくるのです。そうすると、新しい方が来て、また一からやるという形なのです。

昔は全身性障がい者の制度がありました。私は、トイレに行きたくなっても、お腹が痛くなっても、ヘルパーさんが来るまで我慢していかなければいけないけれども、全身性障がい者の制度があったときは、ヘルパーの資格がない方でも、近所の方でも、区の方にきちんと登録さえしていれば、お腹が痛いから来てと言えば来てくれて、その分、区の方からお金が出るという時代があったのです。

こういうことをほかの障がい者の方に言ってもわからないと思うけれども、自分でトイレに行けないとか、ベッドから降りれないとか、そういうことは全身性の障がい者の人でなければわからないと思うから、私は個別にそういう話を聞いてくれるところがもっともっとあってもいいと思うのです。

○浅香

周知不足もあるのですけれども、各区役所でも個別の対応でいろいろご意見を聞く機会も設けております。

○参加者

ただ、市の方が来てくださいませんよね。

○浅香

それは、基本的には私たちが対応させてもらいますけれども……。

○参加者

私は前に一度行ったことがあるのです。前は、地下鉄の職員の方に鎖みたいなものを一々あけてもらって、そこから出入りしていたのです。

何年も前に区役所で集まりがあったときに行って、あそこの幅をもうちょっと広げてくれれば車いすのまま通れるのです。ですから、一々職員の方に来てもらわなくても私とヘルパーさんでできるから、もうちょっとこの幅を広くしてくださいと言ったら、広くしてくださったのです。しかし、それから何年もそういうことはないです。

例えば、毎日来てくださいと言われても、私は自分では行けないから、ヘルパーさん都合を聞かなければいけないので、そのときを逃してしまったらもうお話しする機会がないのです。きょうは、たまたま時間をとれるヘルパーさんがいたから来れたのです。ですから、そういう機会をもっともっと持ってほしいのです。

トイレとかエレベーターとかスロープとかいろいろついていても、結局、実際に使ってみたら、障がい者のトイレだって使いづらいところがいっぱいあります。なるべく自分でできるところは自分でしたいのです。なるべくヘルパーさんの手をかけないように、自分なりに工夫してやっているのだけれども、どうしてもというときに、ほんのちょっとしたことでできないことがいっぱいあるので、何のための障がい者トイレなのかなと思うことがあるのです。

私たちを連れて、実際にどんなものか、やっているところを見てもいいし、つくりっ放しではなくて、つくった後に本当にそれが活用されているかどうか、税金を使ってつくっているわけだから、そういうものをもっとチェックして、もっともっと住みやすい札幌市にしてもらいたいと思います。

○浅香

わかりました。

今のように内容が具体的だと、うちの方としても盛り込みやすいという言い方は荒っぽいですけれども、車いすの方と視覚障がいの方というのはいろいろと相反することがあります。視覚障がいの方は、先ほど言われたような車道と歩道の段差があった方が区別がつきやすいとか、点字ブロックは歩きやすい、これは命綱だということで、相反することが多いのです。それは、お互いに許容範囲を認めながら、視覚障がいの方では段差は2センチまでつけてほしい、車いすの方も2センチなら何とかできそうだというふうに、接点を見つけて、今、札幌市の方でも直してもらっています。

それでは、残り40分ぐらいしかなくなりましたので、防災関係の話に入りたいと思います。

先ほど、阿部課長から、危機管理対策室の方がお越しになっていますという話がありました。この春、ようやくと言うと申しわけないのですが、札幌市で災害時要援護者支援検討委員会というものが立ち上がりました。災害というのは、一番大きなものは地震になるのでしょうけれども、先ほどの視覚障がいの方も言われたように、隣が火事になったとか、隣に強盗が押し入ったとか、自然災害だけにかかわらず、人災も含めて、犯罪も含めて、今はそういう時代になってきているのではないかと思っております。

そこで、今年度、札幌市では、どういうふうに緊急時に援護の必要な人を見つけ出して助ける手段を講じていくべきかということで委員会を開いています。私も一部会の委員になっていまして、その部会も二、三回開かれています。

ご存じの方もいるでしょうけれども、手上げ方式とか、同意方式とか、共有方式という形で、障がい者がどこにいるか、個人情報保護法とか、障がい者側も知られたくないとか、支援しなければならない側と支援を受けたい側のギャップもかなりあるものですから、その辺も会議の中で話し合っています。

札幌では、一応は、手上げ方式と言いまして、何かの広報なりいろいろな情報手段を通じて助けてほしい人は手を挙げてくださいという形で、それぞれの地域、地域で障がい者や援護の必要な人の所在をつかんでいくと。その上で、次のステップとして同意方式に持っていこうかと。まだ確定ではなくて話し合いの段階ですけれども、その方向で進んでいることは確かだと思っております。

また、全国的にそういう方式があるということも含めて、皆さんの中で、障がい者の所在を掘り起こしていくいい手段があるとか、いろいろとご意見をいただいて、逆に私たちに教えてほしいと思っております。

○小山内

今まで大きな地震のあった神戸などにはそういう委員会があるのですか。

○浅香

係長、あったのですか。今までは、どちらかというと消防とか警察とか……。

○田中係長

札幌市では、こんなに大がかりな会議は今回が初めてです。

○小山内

全国的にも初めてなのですか。

○浅香

私の知っている限りでは、全国的にもようやく数年前からぼちぼちこういうことが動き出したところで、都道府県や政令指定都市でやっているところは両手で数えられるぐらいだと思います。

○田中係長

阪神の震災など、今までたくさん災害を受けたところは、市や県も一生懸命早目に対応を考えてきていました。ところが、16年に大きな集中豪雨があって、そのときに災害弱者の方や要援護者の方々の被害がたくさん出たのです。16年の集中豪雨、暴風雨等による被害の状況に皆さんすごくショックを受けていまして、国の方ではそのためのガイドラインづくりを進めましょうということを全国的に流したのです。今、まさに、災害が起きたときにどのような支援が必要かということを、いろいろなまちや県がここ1年で急速に検討を始めているところでして、札幌市も、ことしの3月に検討委員会を設けて動き出したところです。

札幌は、これまであまり大きな災害や地震はなかったのですけれども、そうかといって起きない保障は何もありませんので、札幌もそういうときの備えのために何か仕組みを考えましょうということで、1年ぐらいかけて、来年の3月までに一つの方向性を出そうと思っています。

札幌市としては初めての取り組みです。

○小山内

その委員会に障がい者として出ているのは浅香さんだけですか。

○浅香

一応、私は身体障がいの代表といったらおこがましいけれども、障がい当事者としては私だけです。あとは、精神の団体と知的の団体の代表の方が出ていると思います。

○小山内

やはり、聴覚障がいとか視覚障がいの方が……。

○浅香

そうですね。情報の出入りが一番重要になりますからね。

○小山内

耳が聞こえなかったら、災害が起こってもわからないですからね。

○浅香

テレビでピンポーンと鳴ったとしても、テロップが流れるだけですからね。あれは、10月からは音声で伝えるのでしたか。

○田中係長

そうですね。緊急地震速報は10月からです。音声でも伝えます。

○浅香

音声と文字ですね。

○小山内

この前、精神障がいと薬の問題もありましたね。

○浅香

精神障がいだったら常備薬という問題とか、人工ぼうこうなどの収尿器の予備だとか、障がいによっていろいろ違いますけれども、それはそれとして、やはり最初は命あっての物種ですから、どういうふうにお助けするかということで、どこに支援の必要な障がい者がいるかということを掘り起こしていかなければならないのです。それを今は第一優先課題としてやっているのです。

○小山内

委員会に障がい者が入らないのですね。

○浅香

それで足りるか足りないかの問題はありますが、私がスピーカーになるので、本日、いっぱい意見をお聞かせ願いたいと思っていました。

札幌市も、あまり大きな自然災害がないところなのでしょうけれども、私も暮らして30年ぐらいたちますが、この間の新潟の2回目の地震の後、今後、6強以上の地震が起きやすい場所に石狩平野も入っているのです。どこが起きやすいかというと、昔は海だったところらしいのです。だから、石狩平野は6強以上が起きてもおかしくないということで、札幌市も現実に入っていました。もちろん、関東などの平野もそうですけれどもね。だから、幸い、今までなかったのかなと。いつ起きてもおかしくないです。ましてや、半年は冬の札幌ですからね。真夏は1日ぐらい飲まず食わずで着なくてもいいのでしょうけれども、もし冬に起きたら大変です。阪神・淡路大震災は1月17日でしたから、あんな時期に起きて生き埋めになったら、数時間でカチンカチンになってしまいます。

○参加者

NPO法人札幌障がい者支援センターライフの者です。

先ほど、防災の係長さんからもお話がありましたが、緊急地震速報はNHKだけなので、ほかの民放でも緊急地震速報を出した方がいいと思います。また、災害の情報があった方がいいと思います。そういう緊急速報は民放の方にも流れた方がいいかなと思います。

また、民放の方も、緊急の災害時には、すぐに放送を終了して速報画面に切りかえて、新しい情報が入ったらすぐに伝えるように、一報で流せるようにしてほしいと思います。

○浅香

これは、民放はそういうものは全く対象外ですか。

○田中係長

当初はなかったのですけれども、今、少しずつ民放もご理解をいただいている動きはあります。

それから、テレビだけでなくて、今、私は危機管理対策室にいるのですけれども、ミニFMをご存じですね。今、いろいろな区にFM局がたくさんできてきているのですが、そこともいろいろ協定を締結しています。この間、市長と協定を結ばせていただいたのですけれども、災害時には緊急的な放送を優先して地域の皆さんにご提供すると。その点で札幌はすごく進んでいるのかと思っていますけれども、今、ミニFM局の皆さんとも協力しながら緊急時にすぐに出せるような体制づくりを始めております。いろいろとあの手この手で出していかなければならないと思いますので、今のお話は非常に貴重なご意見だと思いました。ありがとうございました。

○参加者

今のお話の中では、聞こえる立場での情報が多いです。聞こえない立場での情報をもう少し考えてほしいです。

私が不思議だと思うのは、札幌市には地下鉄がありますね。以前、人身事故があったときに、私は別の駅にいました。地下鉄が来るのを待っている間、テロップが流れます。普通は二つ前の駅をスタートしましたというようなテロップが流れるのですが、人身事故のときには役に立っていないです。待っても地下鉄が来ないときに、不思議だなと思って周りを見ると、みんな人が動くのです。私もまねをして一緒に動いていくのですが、そこで人身事故があったのだというふうにわかるのです。

ですから、できるだけテロップで事故が起きましたという情報もきちんと報告できるように変えてほしいです。

もう一つは、この間、市営住宅で、聞こえない人のためにということで火災報知機をつけました。びっくりしたのは、部屋四つに一つずつつけたのです。私は、「もし自分の部屋が火事になったときに鳴るのはわかるけれども、隣の部屋が火事になったときに役に立ちますか」と聞いたら、「役に立たない」と言われました。意味のないものにお金をかけるのはおかしいと思います。もうちょっと有効に情報をとれるようにきちんとお金を使ってほしいと思います。それだけをお願いしたいです。

○浅香

通訳さん、よろしいですか。

四つの部屋に火災報知機がついていて、1カ所で火災が起きたら、その部屋しか鳴らないということですか。

○参加者

そうです。

○浅香

その建物全体で……。

○参加者

聾唖者なので光だけです。音はありません。

○浅香

その光もその部屋だけですか。ほかの三つの部屋は光が出ないのですか。

○参加者

そうです。もし2階で火事になったときは教えてくれません。

○浅香

普通は、その建物の1カ所で火事になったら、全館に音が流れてフラッシュがたかれるのだと思っていました。

その建物はどこですか。

○参加者

札幌市の市営住宅はみんなそうだと思います。

○浅香

市営住宅ですか。なるほど。

難しいと言えば難しいですね。

○阿部課長

実際、ほとんど役に立たないものをつけているのは変な話ですね。

○浅香

とりあえずと言ったら変ですけれども、その部屋の情報に関しては消防の方に流れるのですね。ただ、別の階とか、近いところの住民には、実際に煙が出たり、熱くなったりしない限りわからないということですね。

これも、後ほどサポーターでディスカッションしてみます。

もう一つですね。短くお願いします。

○参加者

例えば、地震が起きたときに、避難場所はわかっていても、聞こえない人の場合は情報がないので必ず避難場所にも情報保障があるように、そこら辺も頭に入れていただきたいと思います。

○浅香

それは、先ほどの障がいの薬とか補装具と同じことだと思います。最初は、いかに命を助けるかということです。結局は、10人中10人、100人中100人、例えば地震だったら震災に遭っているわけだから、今までの大きな地震と同じように、何十時間後になるか、できるだけシステム化をすると思いますし、危機管理対策室でもそういうときのためにどうしたらいいかということを練っていると思いますが、要は向こう三軒両隣だよねということしかないのです。

○田中係長

一つよろしいですか。

今のことに関係して、災害の起きたときの避難の支援ということに関しては、支援の仕方は大きく二つあると思います。

一つは、どんな手助けが必要かという支援の中身そのものなのですが、それは避難行動支援というふうに言ってもいいと思います。それから、幾つかお話が出ていますが、例えば障がいのある方はいろいろな個別事情がおありでしょうけれども、そのときに、情報の伝達をどういうふうにするかということが大きな課題になりますので、情報伝達支援というものがあります。例えば、情報をお知らせする場合に、文字でお知らせする部分も必要でしょうし、それぞれ個別の事情によっては音でもお知らせしなければなりません。そういった課題についても、今、検討委員会のお話し合いの中で話題にさせていただいております。

それから、災害というのは、地震と風水害という大きく二つがあります。地震の場合は急に来てしまいますので、どの人にとっても避難支援は大変な状況になると思うのですけれども、水害の場合は、経過時間があるといいますか、台風が近づいてきているとか、地震に比べて余裕時間があるのです。そういった場合に、札幌市の方でこの1年、別に検討していることがあるのですが、ふだん皆さんにお知らせする避難情報よりも少し早目の避難準備情報を出そうということで、今、その基準づくりをしております。

例えば、障がいをお持ちで避難するのに時間がかかるような方々に対しては、避難準備情報を1時間なり1時間半なり早目に出します。隣近所で見守りをする地域の方々を中心として、あらかじめ早目に移動してもらうというシステムを1年間かけて考えております。地震については、突発的な状況なものですから、なかなか対応が難しいところもありますけれども、水害や台風については、あらかじめ見込まれる経過時間やリードタイムがありますので、そういう部分では避難支援という仕組みがうまく働く部分があるのだろうと考えて、今、検討委員会で進めているところですので、よろしくお願いいたします。

○小山内

ちょっとお聞きしたいのですけれども、私たちは車いすに乗っているので、助けてあげなければということがすぐにわかると思うのですけれども、耳が聞こえない人や目の見えない方は、一見、ぱっと見てもわからない方がいるのです。ですから、災害時には一緒に手を引っ張って逃げてくださいという合図になるようなバッチやハンカチを身につけるのは嫌なものでしょうか。

○浅香

日常的にですか。

○小山内

そうです。嫌なものでしょうか。

○浅香

どうでしょうか。視覚障がいや聴覚障がいの方に限らず、ほかの障がいで、私は心臓ペースメーカーを入れていますというカードを持っているとか、私は喉頭摘出者の障がいで口から呼吸をしておりません、のどからの気道でやっておりますので人工呼吸のときはここからお願いしますというカードとか、いろいろとあるわけです。視覚障がいと聴覚障がいの方はそういう手帳はあるのですか。

○参加者

ふだんは障がい者手帳を持っております。

○浅香

障がい者手帳はみんな持っているだろうけれども……。

○小山内

もっとわかりやすいものを持つのは嫌なのですか。

○山本

質問です。

○浅香

サポーターから質問が出ましたね。

○山本

質問ではなくて、確認です。

今、小山内さんが言われたのは、ふだんから腕章やバッチを貼っておいてほしいということではなくて、災害が起きたときだけそういう目立つようにしてもらいたいということですね。

○小山内

はい。

○山本

それならいいと思います。

○浅香

それは私もいいと思います。

○小山内

そういうものがないと、逃げていくときに、てきぱきと連れていってもらえないです。

○浅香

嫌かもしれないけれども、聴覚障がい者だとか、視覚障がい者だとか、ストマの障がい者だとか、呼吸器障がい者だという形で何かで明示していた方が、避難場所の係の人も対応しやすいと思います。

○小山内

何かを首からぶら下げるなどすれば、逃げていくときに一緒に連れていってくれると思うのです。

○浅香

いい案かもしれないのです。

○小山内

でも、そういうのは嫌なのかなと思って質問したのです。

○浅香

僕個人としては全然嫌ではないのですね。

○小山内

世界的にはそういうものはないのですか。

○浅香

僕も、夜寝ているときに地震が起きたら、義足なんて履いている暇はないから、かみさんに義足を抱えてもらうか、そのまま置き去りにしてけんけんをしながら、けんけんが可能な30メートルぐらいまではとりあえず外に逃げるか、家が壊れてしまったら義足がなくて途方にくれるという感じですね。これは例えであって、僕の場合ですけれどもね。今、ここで起きたとしたら、こういう立派な施設だから、逆に外に出ないで、この中でじっとしている方が安全でしょうね。

○小山内

それでも、札幌市で考えた方が成功するかもしれないと私は思います。ただ、耳の聞こえない人などは嫌なのでしょうか。

○河西

PTSDをこちらの打ち合わせ会議でも話したのですけれども、新聞にも出ているので知っておられる方もいると思います。ポスト・トラウマティック・ストレス・ディスオーダー、心的外傷後ストレス障害ということで、端的に申しますと、1872年にボストンの大火があって、その大火で環境が激変して、肉親や親、恋人、子どもが死んでいく中でうつ状態に入って、それを公衆衛生の研究者がグリーフワーキングと名づけた嘆き作業という過程に入っていくわけです。

これは日本でも、阪神・淡路大震災を契機にして、PTSDの状態になって、いわゆる急性のうつ状態になっていくわけですが、危機管理対策室の方でそういう問題にも対応されているかどうかを聞きたいのです。

ある意味で、そういう状況になったときにだれでもなる可能性のあるという話では、統合失調症が精神分裂病と言われていたときも、だれでもなる可能性のあるという指摘はあったのです。

ここら辺の問題で、一般の人の理解を得られるような形で、PTSDに対する危機管理の部分も札幌独自の施策の中で盛り込めないかなと思いました。

お願いします。

○田中係長

今、おっしゃっていたPTSDの関係については、正直に申し上げて、具体的な検討はまだ札幌市ではやっておりません。今は、専ら災害時の要援護者支援という中で、避難支援の後の避難生活の過ごし方という中で、障がいをお持ちの方のケアとか、障がいをお持ちでない方についても、いわゆる災害に関連して精神的な状況が皆さん出ていらっしゃるというのは、今のお話のとおり、いろいろな例が出ておりますので、そういうところの対応の仕方ということも先々の議論としては出てくると思います。

今は、専ら避難所までどうやってお連れしてくるかとか、避難所の中で要援護者の方に特化したような形での窓口の設置や支援のあり方をどうするかとか、大まかなプランについての議論が進んでいるところでございます。

今、おっしゃったようなPTSDの関係や、その他のものについては、先進的な他都市ではさらに掘り下げて進めているところもありますので、我々も先々にはそういったことも踏まえて検討していかなければならないのだろうと、今のお話を聞いていて思いました。

○参加者

今、どこにどういう人がいるかわけがわからないみたいな言い方をしているけれども、僕の場合は、身障者手帳を区に申請して、区が掌握していますね。療育手帳もそうだろうし、精神障がい者の方が持っているものも区で掌握しているだろうし、老人の方は介護保険で、それも区を通して申請しなさいということですから、全部の情報は区が持っているので、どの程度の障がいをお持ちの方に優先的に避難していただこうというそのラインをどこに引いているかが問題なのです。最低限、手帳を必要として、日常的に社会的援助を必要としている人も対象なのだといえば、それは区に聞けば簡単にわかるわけでしょう。あとは、そういう人たちに個別に、今、こういう取り組みをしていて、あなたは避難のときに介助を必要としますかということだけではないのですか。

○浅香

それが、今は個人情報保護条例というものがあります。今言われたのは、共有方式と言いまして、私が知らないうちに、浅香はどこどこに住んでいるということを知らせることも、緊急のときにはできるのです。しかし、浅香がここにいますということを、民生委員か町内会長かわからないけれども、そういうものを近くの人に知らせておかなければ何にもならないわけです。

○参加者

そうではなくて、福祉と災害の方と、まず役所の中で情報を共有できるでしょうと言っているわけです。だったら、どの辺で線引きするか知らないけれども、身障の場合は4級以上の重い人に対して、各自に手紙を出して、こういった場合にあなたは介助や介護は必要ですかとお尋ねして、ノーと言えばそれでいいですし、はいと言えば、近くの民生委員にあなたの存在を知らせて、緊急時にこういうふうにしたいのだけれども、知らせていいかというふうにすればいいではないですか。手続をそうやって踏んでいけばいいではないですか。

○田中係長

そうですね。個人情報保護というのは大切なことでありまして、自分が知らないところで情報が動き回るというのも皆さんは困りますね。ですから、おっしゃったように、そういう支援を求めている方の同意といいますか、災害が起きたときにぜひ助けてほしいのだという方の同意さえあれば、それは何の問題もないわけですから大丈夫だと思います。

○浅香

私も、どこにボーダーラインを引いたらいいかという意見は、この間の委員会でかなり言わせてもらいました。例えば、耳が不自由な場合の度合いにしても、片方ずつの方もいます。視覚障がいの方も、何級までといっても、いろいろな部分が欠けている方とか、色素の方とか、いろいろといるわけです。逆に言うと、助けてほしいという人はみんな助けてやったらと、私も強く意見を言わせてもらいました。

○参加者

それはとても大事なことだけれども、私が最初に言った公営住宅の話に戻るけれども、札幌市としては30年も40年も前にノーマライゼーションという言葉を引っ張り出してきて、やるのだと言っていたわけでしょう。いまだに言っています。だったら、あまり線引きしないで、見ていて、この人は助けが必要なのだということがわかると思うので、そのときにすっとやれるような仕組みにしていかなければならないのです。そのためには、公営住宅ですよ。隣に、あそこのこういう人が住んでいるのだ、あの人は助けが必要なのだということは、障がい者に言わせるのではなくて、親が言うべきだという話のとおり、日常の中でそういうことをしていかなければならないと思います。そこに話が戻るのです。僕たち自身がそういうことをやっていかないと、周りの人に理解してもらえないだろうと思います。幾ら障がいを理解してほしいと言ったって無理です。一緒に暮らさないと無理です。そう思っているのです。

○参加者

私たち、ここの3人は、今話題になっております耳の聞こえない人間です。ですから、皆さんの話は要約筆記を見て理解しているのです。盛んに聞こえない人、見えない人、そういうときにはどうするのかということで、小山内さんから、私たちのことを大変考えてくださってお話しいただいて、ありがたいと思いました。

私は、身障協会の相談員もしております関係で、中央区なのですけれども、二、三回、一般の民生委員の方たちと話し合いをする機会がありました。民生委員というのは役所の人たちと密接につながっております。社協ですね。そこでは、今、テーマになっております防災、災害についてということも当然話し合っております。

その中で、私たちは3人とも、恐らく見てくださっただけではどこが障がいなのだろうとお感じになると思いますが、聞こえないのです。ですから、皆さんは、災害のときには本当にどうするのだろうとお考えになると思います。私たちは、自分たちで考えまして、これからは、だれかに守っていただかなければならない立場の人間は積極的に地域の方とつき合わなければいけないのです。自分は聞こえません、何かがあったときには助けてくだいということを伝えなければいけないのです。今までは、障がいを持っていることを隠していたのです。聞こえない人は、黙っていれば皆さんにはわかりませんから、隠している方が多かったのです。でも、こういう世の中になりましたから、これからは隠していてはだめなのです。そういうときに、みんなが逃げて行っているときに、知らなくてもいいわ、助けてもらわなくていいわという人は放っておいてもいいです。けれども、これからは自立、共助です。お互いに助け合わなければ生きていけない時代なのですから、私は耳が聞こえませんので、何かあったときにお願いしますと、隣近所の皆さんにはっきりとお願いしておくのです。そのためには、ふだんの何ともないときは、自分ができるところは、皆さんの役に立つところは役に立っていきたいと思っております。

民生委員の方たちのお話の中で、回って歩いて、確かに名簿としては上がってきていないけれども、この方はこういう障がいなのではないかと思っていても、なかなか民生委員の立場からも相手の方に言われる問題ではありません。だから、何か弱いところをお持ちのようであれば、それなりの話題を提供しましても、いざというときには、私は大丈夫です、家族もおりますから、皆さんに助けていただかなくても大丈夫です、皆さんお忙しい中一生懸命回ってくださるのはありがたいけれども、自分は自分で考えていますからという方が障がい者の中にはまだたくさんいらっしゃるそうです。そういうときに、民生委員の方たちに対して、正直に、何かありましたらお助けくださいね、お世話になるかもしれませんからと言うべきではないかと思うのです。障がいを持っていることを隠していたのでは、結局は自分がこれから困るのです。

私は今、相談員をしていまして、うちの仲間にも言っていますけれども、聞こえないということをせめて自分の近所の人には言っておくこと。そうすると、あそこの人は聞こえないのだなということで皆さん助けてくださいます。先ほどの話の中にありましたが、市営住宅の中で火事があってもわからない、自分だけが聞こえていない、そういうときのためのいろいろな方法も提案されましたけれども、ふだんから近所の方に私は聞こえませんのでと話しておくのです。話しておくと、あの人の姿が見えないとなれば、だれでも呼んでくださると思うのです。だから、障がい者は、もう少し自分から皆さんの中に積極的に出て行くことが必要なのではないかと思います。

それから、小山内さんがおっしゃったように、私たちも耳の聞こえない人間ですというバッチを持っています。これは全国的に統一されたものです。今、私はつけておりませんけれども、私はどこへ行っても耳が聞こえませんと言います。

主人がこのごろびっくりするのですが、病院へ行って私は耳が聞こえませんと言いますと、周囲の方がびっくりしたような顔で私に注目します。私は一番前に座っておりますから、私を呼んでくださるときには目を見て教えてくださいと言うのです。そうすると、周囲の方まで一緒になって私の動作を見ています。

そのくらいしなければいけないのです。これからは自分の障がいを隠していたってだめなのです。そういうことを皆さんでやっていきたいなと思っています。お互いに障がい者とは言いながらも、やはり求めるところは違います。目の方、耳の方、それぞれ違いますけれども、自分たちがまだ役に立つところはあるのです。お互いに助け合って生きていかなければいけません。今、日本は、本当に近所でもどこにだれがいるのかわからないという状態ですが、そういう中では生きていけません。そういうことを再認識していきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○浅香

ありがとうございました。

時間ももう過ぎましたけれども、何かあれば、もう一つだけお受けします。

○参加者

私も、聴力障がいで、身体障がい者手帳の6級をもらいました。本来はもっと聞こえが悪いのですけれども、幸いにして性能のいい補聴器をつけておりますので、補聴器をつければ聞こえます。幸せだというふうに思っております。

私は、町内会にずっと長い間かかわっているのですが、今の話をずっとお聞きしていて、町内会がしっかりしてくれれば、こういう問題は解決するのではないかと思っています。

自分の町内会を考えますと、防火・防犯部というものはあるのですけれども、災害対策部というものはないのです。ほかの町内会はどうなっているのでしょうか。

そして、きょう、はっと思いつきました。私は町内会の役員をやっていますから、災害対策、特に障がい者に対する対応をどのようにするか、町内会でひとつ検討しようではないかということを提案しようと思っております。

そういうことで、先ほどもお話がありましたけれども、町内会との連携というのは、とても大事だと思います。私たちだけではとても手に負えない場合も起きてくると思います。特に、阪神・淡路大震災は早朝でした。朝の5時でしたか。あるいは、夜中となったときには大変だと思うのです。昼間なら何とかということはあるのでしょうけれども、とにかく、災害はいつ襲ってくるかはわかりませんし、忘れたころに来るということわざもありますので、ふだんからの連携が必要だと思います。

それから、もう一つ言いたいのは、町内会に全部が入っているわけではないのです。どこの町内会もそうです。特に、私どもの町内会の例を言いますと、山鼻の昔の教育大学の奥の方にあります幌南町内会というのですが、アパートがどんどん建ってきたのです。持ち家の人たちは連携してやっておりますが、アパートの人たちは入らないのです。会費はたった200円なのですけれどもね。移動もあるから、入ったってしょうがないと。しかし、入ることによって、明るい街灯をつけることができて、夜も外を安心して歩ける。お祭りがあれば、みこしが回ってきて、子どもたちも出てきて喜びます。盆踊りもあります。いろいろと町内の恩恵を受けているというか、市民、住民として一緒にやっているのですけれども、町内会に入らないのです。ですから、顔がわからないのです。

そのような状況なので、これからぜひひとつ町内会の関係でこの問題を検討していただけませんか。

私どもの地域にも、福祉の関係の活動をやっている者がたくさんいるわけです。そういう人たちも巻き込んでいい町内会をつくると。福祉のまちづくりというのはそういうことではないかと私は思うのです。

○浅香

本当に貴重なご意見をいっぱいいただきまして、ありがとうございます。

今、言われたとおり、町内会の話になると、先ほどもお話がありけれども、顔を覚えてくると、「こんにちは」とか、「おはようございます」とか、「元気ですか」とか、「いいダイコンがとれたね」という話に自然となってくると思うのです。190万人になろうという都市ですけれども、逆にそういういいところを再構築していくいい機会になったらなと思っております。

ありがとうございました。

時間も過ぎました。

また言い足りなかったとか、こういう人前で話すのはちょっと苦手だという方は、私たちは10分ぐらい残っていますので、この後に言っていただいても結構です。また、廊下に記入用紙がありますので、それに書いていってくださっても結構ですし、後ほど障がい福祉課にファクスや郵送で送っていただいても結構です。いろいろ手段があると思いますけれども、提言書づくりの関係もありますので、そういう方はなるべく今月いっぱいぐらいまでに提出していただければと思っております。

きょうは、これで締めたいと思います。

障がい福祉課の皆さん、どうもありがとうございました。

また、危機管理対策室の田中係長も、突発的な助っ人をありがとうございました。

サポーターの皆さん、発言機会をあまり与えないで申しわけなかったですけれども、来られた皆さんから貴重なご意見をいつも以上にいただけたのではないかと思っております。私も、心おきなく、あさってから再び歯医者に通えるなと思っております。

きょうは休みで、あしたもお休みの方がいると思います。まだ暑い日も続いております。ことしは特に暑くて、私も夏ばて気味ですが、食中毒はこれからが多いそうです。そういう点も気をつけていただきたいと思いますし、お帰りの際は本当に気をつけていただきたいと思います。

きょう一日、どうもありがとうございました。

以上

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