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更新日:2011年2月21日

平成18年度第2回懇談会

開催日 : 平成18年7月29日(土曜)14時~16時

開催場所 : 札幌市視聴覚障がい者情報センター 大会議室

出席サポーター

浅香 博文(代表)

大井 暢之

小山内 美智子

河西 明

菊地 信

黒田 澄雄

鈴木 昭子

山本 浩之

浅香:

皆さん、こんにちは。これより、今年第2回目の障がい者による政策提言サポーターの懇談会を始めさせていただきます。

今日は土曜日です。今まで、平日の開催が多く、また、平日の夜にも開催していましたけれども、土曜、日曜でも開催してほしいというご意見があったものですから、ふだん会社勤めの方や小規模作業所などに通われている方々にも出席しやすくということで、土曜日の午後2時から開催させていただくこととなりました。

今日の大きなテーマは、「障害者自立支援法がスタートして」です。

この法律がスタートして、障がい者が苦境に立たされているとか、目標がなくなったとか、いろいろなことがテレビや新聞などのマスコミで取りざたされ、実態が紹介されているところです。

今日は本当は、私たちもテーブルをとり、ひざをつき合わせてざっくばらんな意見交換をさせていただきたいと思っていたのですが、失礼ながら、私たちの方だけ机を配置させていただきました。皆さんの声を一つ残らず行政に反映させていただきたいと強く思っておりますので、2時間余りの懇談会ですけれども、どしどしご意見をお寄せいただければと思います。

それでは、開会に当たりまして、札幌市障がい福祉課の阿部課長よりごあいさつをいただきたいと思います。

阿部障がい福祉課長:

皆さん、こんにちは。札幌市障がい福祉課長の阿部でございます。

今日は、土曜日の日中、いろいろな予定がおありかと思いますが、このようにお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

本日のテーマは、障害者自立支援法ということでございます。

札幌市の現在の状況を簡単にご説明させていただきますが、現在、細部を鋭意検討している最中でございます。

実は、私は一昨日も厚生労働省の方に行きまして、それぞれの課の課長補佐さん方ともお話ししてまいりました。今この時点でこのようなお話をするのは非常に心苦しいのですが、国の方でもまだ細部が決め切れていない事柄が少なからずございます。ほかの政令市や何かとも意見交換しておりますが、非常に不明瞭な部分が多くございまして、札幌市単独で全部をきちんと決め切れるという状況には至っておりません。

そういった中ではございますけれども、本日の限られた時間、皆様方と意見交換をさせていただく中で、お知恵をおかりする場面、また、ご意見をいただく中を通じて、できるだけいいものにしていきたいと、かように思っております。

限られた時間ではございますが、有意義に意見交換をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

浅香:

ありがとうございました。

サポーターは、身体、知的、精神のそれぞれの障がい当事者から10名で構成されています。きょうは、体調などの理由から2名〔我妻氏、三浦氏〕が欠席され、1名はおくれているようですけれども、8名のサポーターが出席する予定でおります。

皆さんから向かって、左側から、山本さんです。

山本:

こんにちは。山本と申します。耳が聞こえませんので、手話通訳を依頼してお話をしたいと思っております。 今年からサポーターを担うことになりました。懇談会も2回目で、皆さんから今回も積極的なご意見をぜひお伺いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。短いですが、これで終わります。

浅香:

山本さんのお隣が大井さんです。

大井:

皆さん、こんにちは。大井暢之と申します。

プロフィールにも書いてありますけれども、精神障がいで、7月に北海道精神障害者回復者クラブ連合会の会長になったばかりです。それまでは、すみれ会という患者会で会長をしていました。すみれ会は二つの共同作業所を運営しています。無認可の作業所なので、自立支援法の波がまだ来ておりません。きょう来た皆さんから、不安だとか、そういうのがたくさんあると思いますので、どしどし意見を出していただきたいと思います。よろしくお願いします。

浅香:

お隣は、河西さんです。

河西:

河西明と申します。精神の方の当事者になります。

サポーターは2期目になります。ご存じの方もいると思うのですが、障害区分の話が始まっていまして、そっちの方の区分等検討委員会の委員もやらせてもらっています。支援法に関して、また発言できればいいなと思っています。よろしくお願いします。

浅香:

ありがとうございました。鈴木さんです。

鈴木:

こんにちは。今、紹介にあずかりました鈴木です。

私は、プロフィールにも書いてありますが、西区にありますNPO札幌障害者活動支援センター・ライフの中の「ひだまり」という物販のお店をやっている作業所のメンバーです。私は知的の方のサポーターですけれども、今回は2回目ということで、自立支援法がテーマです。これから、作業所もちょっとずついろいろ変わっていくそうで、私たち当事者に関しては、とてつもなく、今、これからどうなっていくのかなという不安がある人も中にはいると思いますが、今日はちょっとずつでもいいので、たくさんの意見を聞けたらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

浅香:

そのお隣は、黒田さんです。

黒田:

黒田です。肢体障がいで下肢に障がいがあります。西区に住んでおります。皆さんの活発なご意見を伺いまして、それをまとめて、よりよい提言をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

浅香:

菊地さんです。

菊地:

僕は、視覚障がい者で50年くらい過ごしてきていて、今回、この委員会にことし初めてお世話になっております、まだ初めてのことで、わからないことばかりです。皆さん方のご意見、それから、いろいろ参考になるようなことがあればと思って同席させていただいております。ぜひよろしくお願いいたします。

プロフィールは、今のところ、札幌市の視覚障害者福祉協会という視覚障がいの福祉団体の理事を務めさせていただいております。視覚障がいだけではなく、今回、自立支援法等が変わってきて、これから障がい者の生活がほとんど変わってくる時代で、非常に大変な時代になるのかなというふうに思っていますので、皆さんとよりよい知恵を出して、行政にお願いするところ、我々がしなければいけないところを見きわめていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

浅香:

そのお隣りは小山内さんです。

小山内:

身体障がい者の小山内です。

私は、札幌いちご会という障がい者の会とアンビシャスの施設長をしています。

自立支援法には、不安なことやおかしなことがいっぱいあります。自立支援法という名前はかっこいいのですが、名前負けしています。本当にじゃまくさい法律ですね。これから2時間かけて、札幌市は、厚生労働省の顔色ばかりうかがっていないで、札幌市独自の自立支援法を少しずつ考えていかなければ、障がい者が住みよい札幌市にはならないのではないかと思っています。だから、まちづくりから変えていかないと、いろいろなケアのシステムとかを変えていかないと、障がい者が生きやすくならないと思います。だから、あまり厚生労働省の顔色をうかがわないようにしてほしいと思いますね。

浅香:

最後に、私は、身体障がいで、下肢障がい切断の浅香と申します。本日、進行をさせていただきますので、よろしくお願いします。

それではまず、最初のテーマの自立支援法に関係するご意見からちょうだいしたいと思います。その後、時間が残れば、いろいろな関係のお話を伺えればと思っていますので、よろしくお願いします。

さしつかえなければ、お手を挙げていただきまして、議事録にはお名前まではのせませんけれども、この席だけでもお名前を言っていただければ助かりますので、よろしくお願いします。

また、今日は5月の懇談会より多くの方にご出席いただいております。一人でも多くの方にご意見をいただきたいと思いますので、あまりお話が長くならない形でお願いできればと思います。あまりかしこまらず、皆さん、ほとんど障がい当事者同士の場ですので、やわらかい形で進めていきたいと思います。その意見の中で、市に強く要望するところは要望する、お願いするところはお願いするという形で私たちも取り組んでいきたいと思っていますので、細かなことでも大きなことでもけっこうですから、ぜひ一つでも多くの言葉にして私たちに伝えていただければと思います。

それでは、今日はせっかくここの場におこしいただいたのですから、ぜひ、挙手の上、ご意見を寄せていただきたいと思います。

参加者:

よろしくお願いします。

今、司会の方がおっしゃったように、私も、自立支援法については一つだけ、障がい者の皆さんに応能負担を求めること自体はできないというか、応能負担を求めること自体に疑問があるのです。障害者自立支援法自体が、私の勉強した中では、要は、国と地方公共団体は金がないから、障がい者の皆さんが生活していくために自分で応能負担、1割、市によっては5%とかありますけれども、そういうことを求めること自体が無理ではないかなと思います。

うちの娘も実は躁うつ病なのです。その親なのですけれども、4月の段階では収入によって2,500円から2万円と、確かにいくら行っても2,500円で済むならいいなと思っていたのです。ところが、10月からは、例えば作業所に通ったら逆にお金を払わなければならないとか、そうなったことを考えれば、障害年金で国からお金をもらって、その中からさらに10月から払わなければならない。要するに、もらったり払ったり、そんなことをするのだったら最初から払わなくてもいいではないかという法律、先ほど小山内さんがおっしゃったように、名前だけは確かに障害者自立支援法なのですけれども、真に障がい者の自立を目指すのであれば、本当の意味の障害者自立支援法というものであってほしいと思っています。何かよくわからないけれども、すみません。

浅香:

わかりました。私もまったく、基本的にはこのサポーター懇談会でもその点が、よく新聞報道とかテレビの特集でも、一番多く意見が出されるところだと思うのです。作業所に通われていたり、仕事をされている中で、収入があって初めて応能負担があるのですけれども、収入もまだ、行政の方では、障がい者の雇用率とかなんとかと、数字的にはきれいに進んでいるようには見えますけれども、障がい者の働く場をきちんと確保して、ある程度の収入を確保しながら負担をするというのであれば私もわかるのですけれども、今は、現実的にはまだそこに一歩も進んでいない中で負担をしなければならない。形はどうあれ、就労的な金銭対価がともなって負担があればいいのですけれども、進み方が、その前後が今はちょっと狂っているかなと私たちも思っています。

わかりました。皆さん、それぞれ個人ですから、いろいろ意見があると思いますので、どしどしお願いします。

参加者:

疲れているので、座ったままで失礼します。

精神障がいの3級でございます。この法律が決まってよくなるのかなと思っていたのですが、精神障がいにとってみれば経済負担が重くなってしまったという印象が強いです。主治医と話したのですけれども、主治医いわく、「障がい者が自立しないと支援しない法だ」という皮肉を言っていました。なるほどと思ったのですが、そういうものなのかなと思いました。少子高齢化で、高福祉高負担の時代が来たのかなと思って、何か少しあきらめぎみですが、とりあえず、このあと10月から障がい者に対するサービスが始まるということで、その辺についてもちょっと期待を寄せています。

あと、8月、9月と政治的に自民党総裁選がありまして、いろいろ流れがあって、それも注目しています。私たち障がい者個人が意見を述べ合って、10月からよりよいサービスがスタートするように願っております。以上です。

浅香:

ありがとうございました。

今のお二方は精神障がい関係ということで、ご家族もおられましたけれども、ご意見をいただきました。

河西さん、その関係で何かありますか。

河西:

僕は、10代の発病で、30代の前半に年金をとりました。平成2年のときに、作業所の世界に入りましたが、今、作業所をやめています。はっきり言って、医者から作業所を勧められるケースについて、いろいろなケースを聞きました。多分、西区の先ほどの方も、作業所を利用されているという部分では、医者の目から見て、リハビリの段階として、作業所程度であればできるという形で勧められたケースを僕もいっぱい聞きました。

市内の部分では、全体のパーセンテージから見ていけば、作業所を利用できるほどある程度回復しているというのは全体の1割前後もいないくらいだと思います。すそ野には、引きこもりから何から、そういう通院がやっとという方が大分いると思うのです。ですから、制度を利用することと、リハビリである程度よくなっていくことと、ともに出てくるサービスのニーズみたいなものを満たしていく。そこになってくると、やはり年金一つとっても申請主義という形で、役所に出向いていって、自分もしくは自分の親が申請することになります。これは、札幌市の場合です。

ことしの2月の会合で、北家連の方が言っておられました。道内の169の市町村では作業所もない。これから何年も、もしくは一生にわたって作業所みたいなものを利用できない家族、当事者が道内には現実にいますという指摘がありました。 札幌市を見た場合、北海道で見た場合、精神保健福祉に関してはサービスの利用の意識は高いし、施設サービス体系もある程度整っている。ここら辺の客観的な情勢が見えていないと、ちょっと。それに厚生労働省社会保障関係費みたいな話がまつわる流れの、政治の流れと制度の歴史があるわけで、そこら辺を客観的に理解しておく一つの論議の基盤として考えていただきたいと思います。

浅香:

ありがとうございました。

今のは、私も、何人かの友達とか、また、いろいろな各団体が出されている機関誌を読ませていただく中で、本当に切実だなということは思っています。

参加者:

視覚障がいの立場から意見を申し上げます。

まず、今日は菊地さんが来られていましたね。菊地さん、ここに来られるときに単独で来られたか、あるいはガイドヘルパーの方と来られたか、あとから説明していただきたいと思いますが、実は、この建物は視聴覚障がい者の情報センターというところです。ところが、ここからどういう情報が発信されているかということを、実は、私は、自立支援法との関係でたいへん重視しているわけですけれども、残念ながら、情報が入ってこないだけではなくて、玄関では点字ブロックの上に玄関マットを敷いているような情報センターなのです。視覚障がい者のセンターで、点字ブロックの上にマットを敷いているという感覚が、実は今の日本の福祉行政の実態であります。

阿部課長、あなたが、先ほどいみじくも国の方で細部はまだ詰められていないというお話をされていました。実は、この提案は、議員提案ではなくて、行政サイドから自立支援法が提案されたわけです。しかし、残念ながら、これに関する知識は行政機関にはない。それだけではなくて、障がい者の方々にも十分伝わってこない。それと同時に、こういう問題点をチェックする議員にもその知識がない。今日ここに議員が来られているかどうか知りませんけれども、こういうときにこそ、議員が来て、皆さんの意見を聞いて市政に反映させる、あるいは国に提案するということが大事でしょうけれども、残念ながら、そういう声が私には入ってこないのです。

私は玄関の話をしましたけれども、まず、インフラの整備、基盤整備ができていない。と同時に、制度上の欠陥があるために自立ができないのです。自立ができないのであれば、できるまで整備をしてから、自立支援法を実施していただきたいというのが私の考えです。

と申しますのは、皆さんご承知のとおり、市会議員の方は、毎月40万、年間480万の政務調査費をいただいて、一昨年まで領収書を1枚も出さないで生活していました。これは給料以外のものです。こういうお金をもらって、潤沢に使えるのであれば自立できるのですよ。

ところが、国民健康保険が上がり、医療費が上がり、先ほどお話がありましたように、作業所に行って、そこで工賃をもらうよりも、逆に払わなければならない、そこを出なければならない、そういうこの制度の不備の中で自立支援法を実施しようとする暴挙に対しては、政策提言のサポーターの皆さん方、ぜひこの声を議会なり、行政なり、あるいは国の方に届けていただきたいと思います。

まだありますけれども、一人で長く話すと問題ですから、時間があればまたのちほどお話しします。以上です。

浅香:

ありがとうございました。

点字ブロックのことについては、再度、検証しながら、市の方に早急に要望させていただきたいと思っています。

それでは、次の方のご意見。

参加者:

よろしくお願いします。

障害者自立支援法が施行されて、私の生活で変わったのは、医療費が5%から10%にふえただけだというのが実態で、建前で障がい者の自立をうたうのではなくて、真の意味で障がい者の自立に協力してほしいと思います。

精神障がいの立場から言いますが、今、私は作業所に通っているのですが、正直、作業所の内容以上のことを自分でもできる能力があると思って、ハローワークの障がい者窓口にも何度も足を運んでいるのです。しかし、精神の障がいがあることを理解してもらうようにいくら努めても、精神障がい者という偏見とか差別で、ほとんどの場合、アルバイトであっても面接の機会すらもらえないのが実態です。どうか、精神障がい者に雇用の機会を与えてほしいです。

私たち精神障がい者は、あらゆる可能性を秘めていると思いますし、僕自身、大学も卒業して、パソコンもいろいろできるのですが、掃除のアルバイトであっても、ハローワークの障がい者窓口では面接の機会すら与えてもらえないので、どうか精神障がい者に金をもうけるための苦労を与えてください。よろしくお願いします。

浅香:

わかりました。本当に自立するための苦労、逆に仕事をして苦労をしたいという前向きなご意見でした。

民間の企業などに障がい者を雇用してほしいとお願いすることも前提ですが、その前に、役所や関係団体にまず見本として障がい者を必ず何人かずつ雇用してほしいということも1回目、2回目の提言書に入れさせていただいています。それは、まだ1%も進んでいない状況だと思いますが、それもまた強く推し進めていきたいと思っています。 私たちも、身体なら身体で企業さんにお願いするときに、障がいの各団体に勤めているのはそれぞれの障がい当事者が多いですけれども、それ以外の関係団体の方にも、札幌市で言えば福祉事業団や保健福祉関係でもいろいろあるので、そういうところに、1人なり、2人なりでも障がい者を就労させてほしいということもお願いしています。それをまた見本にして、民間の方でもお願いしますということはすごく言いやすいわけです。そういうことも強く進めていきたいと思っていますので、私たちも、今のご意見をもとに、再度、提言の中でも強く組み込ませていただきます。

就労について、小山内さん、事業主としていろいろな方を見ていらっしゃるでしょうけれども、何かありませんか。

小山内:

そうですね。障がい者の就労は一般の会社では本当に難しいですね。机の高さにしても、玄関にしても、トイレにしても、時間帯にしても、パズルみたいにみんな合わないことばかりです。だから、もっとみんなが考えて、小学校とか介護学校とか福祉系の学校とか、全部の学校に、障がい者がこうやって生きているよということを、世の中の障がい者の方が講義をしに行けばいいのです。あまりにも一般の子どもたちは、障がい者がどうやって生きていっているのかわからないですね。理学療法士になったり、施設の職員になったりしても、何もわからないでやっています。だから、もっと変わった仕事を考えていかないと、私たちで会社をつくっていくことも考えていかないと、一回だけの機会で働きたいと言ってもだめなんですよ。これは百年たっても無理だと思うのです、罰金制度がある限り。罰金制度をこわしたらいいのです。

だから、本当に障がい者を受け入れてくれる場所はないです。学校や会社とかいろいろな団体に、自分たちはこうやって苦労して生きている、精神障がい者になったらこうなのだと、みんなもいつなるかわからないのだと。自分たちで会社をつくっていくというような、そういうトレーニングをしていかないと、耳が聞こえない方はどういうふうな感情なのかということを話したり、精神障がい者はどういうふうな感じなのだろうということをみんなにわかってもらったりね。これは、みんないつなるかわからない。私たちは障がい者の先輩ですから、健康な人でも障がいを負って死んでいくのですから、そういう考えを持って、今の一般の社会に自分の体をムリヤリはめこもうと思わないで、自分は自分なりの生活をして、自分の生活を教えてあげるのだという考えを持っていかないと、これは自立支援法をなくしていかないとできないことなのですが、本当に生活できるだけの年金制度があって自立支援法が成り立つのですけれども、まだ生活できない年金しかもらっていません。30年前はアメ玉年金で、やっとお小遣い年金になったのです。でも、お小遣いの中から薬代やシーツ利用代とか何でも出すので、安心して入院もできない。安心してヘルパーも受けられない。本当に残酷ですね。障がい者は生きていかなくてもいいという法なのです。

来年、選挙がありますから、選挙で闘うしかないと思います。ここでああだ、こうだと言っても、サポーター会議は、全然、市長さんが来ないです。市長が来ないということを非常に不満に思っています。いろいろな政治家も来ないです。たまに来る人もいますけれども、政治家はみんな聞きに来るべきです。それが義務だと思います。選挙のときだけ手を振って、選挙が終わったらふんぞり返っている政治家ばかりです。来年は選挙ですから、皆さん、考えて投票するほかないと思います。いくら札幌市に言っても、札幌市は厚労省に聞かないとわからないということです。私は、30年間障がい者運動をやってきて、こんなに絶望したことはないですし、とても悲しいです。

だから、皆さん、怒って選挙に行って、本当に自分たちの言葉を聞いてくれる政治家にしないと、ここにいる皆さんが立ってもいいのですよ。それが闘いです。私は、それしか思いつかないです。あと、こんなことを言っても、私たちは負け犬です。負け犬だって何とか生きていかなければいけませんから、どう闘っていくか、ここにいる皆さんが力をあわせて、自分が言いたいことを言って、どれができるか政治家さんに聞きに行かないとだめなのです。そうして、精神障がい者の団体も、いろいろな団体も頑張っていかないと、声をそろえていかないとだめだと思います。

浅香:

小山内さん、ありがとうございました。

小山内さんは、恒久的なご意見だったのですけれども、エドさんの今のお話の中では、初歩的な回答かもしれませんが、ハローワークに何度通っても精神障がい者を理解してもらえないとか、身体とか知的の障がいの方もそうだと思うのですが、そういうことから、実になるか、実にならないかはハローワークさん次第ですけれども、そういうこと自体もこちらの方から訴えたり、資料を送ったりして、話をさせていただきたいという形で取り組ませていただきたいと思っております。

参加者:

肢体の方です。

何年か前に、毎年12月には、障がい者の日で、区役所の前でPRのためにティッシュとか小物を配りました。そのときに、ある職員が玄関に出てきたので、ティッシュをあげて、きょうは何の日かわかりますかと聞いたら、わからないと言うのです。福祉課の人たちはみんな知っているだろうけれども、今はそんなことはないと思いますが、市から障がい者のことを理解してもらわなければ、障がい者は大変だと思います。

それから、私は車いすですから、しょっちゅう褥瘡ができるのです。褥瘡は床ずれですけれども、病院に入院すると病院代はかかりません。だけど、うちに帰ってくると、テープ、ガーゼ、綿球と全部かかります。テープもどれでもいいというわけではありません。皮膚が弱いから1個500円のテープです。だけど、それは金がかかるので使えないのです。テープだけで月に3,000円もかかるのです。だから、わざわざホーマックに行って、80円のビニールテープを買ってきて使っています。病院ではそういうものは衛生上よくないと言うのだけれども、ガーゼも一袋500円します。それだって10日もしないうちになくなります。本当に政府がどこまで障がい者のことをわかってくれているのかなと思います。よろしくお願いします。

浅香:

テープとガーゼの予備は病院では出してくれないものですか。

参加者:

もらうとなると、病院に金を払ってもらうと。

浅香:

わかりました。

参加者:

褥瘡になっている人は大変だと思います。滅菌したものを買っている人は、毎月かかるお金はすごいと言っていました。

浅香:

次の方。

参加者:

僕は、白樺高等養護学校の方から手紙が来るのです。その白樺だよりで自立支援法に関することを見たのですけれども、卒業生の進路先が10月から変わるんです。10月から、進路先が、作業所に通っている人は大きく変わったり、施設に行っている人はちょっと変わったり、進路指導が変わるという話を学校の方から手紙が来て見たのです。進路先が変わるということについて、どうなるのか。白樺の卒業生全体も、進路先が変わるかもしれないということになると思います。

浅香:

進路先が変わるというのは、白樺養護学校を卒業した後‥‥。

参加者:

今度、10月から変わるのです。白樺の方で地方の人がいるのですね。施設とか作業所に通っている人がいるのですよ。それで、この10月からは、学校から年3回手紙が来て、白樺便りというのを卒業生の希望者だけ、新しい卒業生だったら無料で来るのですけれども、古い人たちは80円切手を学校の方に送らないともらえないという措置があります。

浅香:

学校を卒業して、小規模作業所とか会社とかに勤める、その進路が難しくなるということですか。

参加者:

そうです。難しくなるんですよ。

参加者:

親御さんの負担があるから、進路の段階で変わってきているんです。だから、白樺の便りを読んでいるわけではないけれども、一般論として、20歳までは年金がもらえないから、親御さんが、18の段階で、パートでも何でもいいからお願いだからこの子を就職させてほしいというふうにすごくなってきていると。だから、就職の希望の状況がかなり変わってきているということです。ただ一方で、年金をもらえるような環境ということもかなり厳しくなってきているので、18の段階でほんの少しでも働けていたりすると、知的障がいの方でも、今までだったら2級が何とかもらえていたかなというのがもらえなくなったり、かえって不利益になったり、そういう話が親御さんの間でどんどん広まっていっているので、逆にすごく混乱して、しばらくの間は家に置いておいた方がいいですかと、わけのわからないような相談が来ているという状況です。

浅香:

20歳前に、今言われたようなアルバイトで働いていて、いざ年金がもらえる20歳になったときに、成人前に働いていたら年金のもらえない障がい区分にされてしまう可能性が大きいということがひとり歩きしているということですか。

参加者:

両方の親御さんがいて、全体としては費用負担のかからないような就職の方に向かわせてほしいという希望が何年か前よりはすごくふえてきた。ただ逆に、違うところから、年金をもらうことが大変になってきているという話が伝わってきて、そういうことがいったん伝わり出すと、やっぱりしばらくは家でというようなことで希望調査が変わったりとか、そういう感じのように聞いています。

浅香:

今の方、ちょっとすみません、今みたいな実態が現実に起きてきているのですか。

参加者:

白樺は、北広島にある知的な障がいを持っている人の養護学校です。北海道の中でも義務教育化される前からあった一番最初の学校かと思います。昔は、ここに行けるということがすごく就職できる方が多かったりして、6割程度くらいはずっと一般企業への就職率があったと思います。それが景気が悪くなってきて、ずっと下がってきているのが現状です。 知的障がいの場合の進路先は、札幌市内の高等養護学校というのはほとんどないので、地方の寄宿舎に行かなければいけない。それで、白樺は、今でも相当に能力の高い方しか行けないような状況があって、けっこう遠くの、今金とかいろいろなところに行かなければならないという状況があります。それがイヤな人はどうしているのかというと、例えば札幌の北高の定時制に行って、作業所に行っている方も最近はふえてきています。状況としてはそうです。

あとは、札幌もそうですし、札幌市内近郊も含めて短大のようなトレーニングをしてもらえるところというような、もう少しトレーニングしたら20何歳くらいになったら就職できるのではないかなとか、そういうトレーニングは何とかできませんかとか、どうしても今すぐ入所したいということではないのだけれども、家でブラブラさせておくのも違うと思うし、何かを練習できたりすることはないですかという問い合わせはすごく多いです。

ただ、知的障がいの子どもとか虐待も含めて、子どもに関しての相談場所は、ここに電話すれば大丈夫というところがなかなかなくて、児童相談所や“まあち”なども含めていろいろな方が何回も何回も同じところに電話しているような感じで、話を聞いていてもすごく申しわけないというか、ここはこうだと思います程度しかわからなくて、あとはここに聞いてくださいというような答え方しかできないのが現状です。子どもについては、かなり厳しい状況かなと思います。

浅香:

わかりました。ありがとうございました。

そのほか、自立支援法に関係するようなご意見はありませんか。

参加者:

子どもが肢体不自由児で肢体不自由児の通園施設に通っている親です。10月から肢体不自由児の通園施設の利用料金が利用契約制度に替わって、それにともなって利用料がかなり増額になるので、そのことで減額をお願いしたいと思っているのです。

どれくらいふえるかというと、今までは所得に応じて決まっていた金額が、これからは一律で利用料が303円と食費が650円で、1日大体1,000円弱かかることになります。毎日通うことになると、月に2万円から25,000円くらいの負担になってきます。そうなってくると、経済的な理由から、通わせたくても通えないという状況に陥るようになりますので、食費が650円というのは成人も同じ金額ということを聞いていて、子どもだと量も違いますから、そういう面で減額をしていただきたいと思っているのです。

浅香:

食事代というのは給食費みたいな感じですか。

参加者:

はい。

浅香:

ちょっと不勉強ですけれども、普通の学校の給食費はいくらくらいですか。

参加者:

小学校は、大体、月に3,350円、1日170円で、市立幼稚園は場所によって違うのですが、200円から300円と聞いています。

浅香:

養護施設だけが……。

参加者:

札幌市が運営している通園施設の「みかほ整肢園」です。

参加者:

私は、もう一つある「ひまわり整肢園」という肢体不自由児の子どもの通園施設の保護者でございます。

先ほどのように、お金がかかる、自立支援法の関係から、契約に替わって、応分に負担をしなさいと。皆さんのように、直接、本人にかかってくるものではないのですけれども、保護者の負担がどんどん上がってくると、訓練を受けさせたくてもさせられなくなるかもしれないということが最大のポイントで、言い方は失礼ですけれども、今こうやってこちらにいらっしゃるような状態にまで私たちは持っていきたいのです。

私の子どもは、健康ですけれども、寝ていることしかできない。おすわりができないのです。ちょっと移動するのですけれども、背ばいするか、ようやく寝返りができるかです。3歳になりますけれども、赤ちゃん言葉もまだ言えない。それを毎日訓練していって、話せる、話せないにかかわらず、人とコミュニケーションをとれるようになりたい。自分で車いすでも何でもいいから移動できるようになりたい。そういう訓練の場とか、あと、情緒を育てて、皆さんと楽しくコミュニケーションがとれるようになっていきたいのですが、養育の場を奪われかねないと思っているところです。これは、私たちが市役所の方にぜひお願いしたいという要望です。

先ほど言いました給食につきましても、摂食が難しい子どもが多いのです。本当に何でも食べられますという子が少なくて、うちの子どもなども摂食困難です。3歳ですけれども、離乳食の中期くらいが何とか食べられるという状態です。そこを、そういう方が、摂食療法とか訓練を兼ねた形で食事を与えてくれる、あるいは、先生方が一緒に楽しく食べようねということで、そういう情緒を育てる場でもあるのです。ただ、ご飯を食べておしまいということでないので、自立支援法に直接かかわる話ではないのですけれども、そういうことからも見直していただきたい。さらに言えば、今、「子どもの権利条例」というのを札幌市でつくるということですけれども、障がい児も子どもなのだと。区別しなくてはいけないことはあると思うのです。でも、差別はやめてほしいと思っております。よろしくお願いします。

浅香:

基本的なことですと、先ほどの「みかほ整肢園」の親御さんとか、「ひまわり整肢園」の方も含めて、リハビリテーションを受けることは負担が大きくなるということですね。わかりました。

菊地さん、今のお話で何かありますか。

菊地:

今までずっとお話を聞かせていただいて、本当にもっともだなと思いました。これは、昨年来、自立支援法というのがだんだん聞かれるようになってから言われていたような懸念、さらに法律が定まってきて、そして、今度は10月にという段階に来て、みんなが本当に不安に思っているようなことを、今、当事者、親御さんも含めて聞こえてくる、これが実感なのだなということを今日感じたのです。

確かに、きちんとした区別はつけてほしいというのはそのとおりだと思います。でも、何々障がい者だからとか、精神障がい者だからとかという一つのレッテルだけで分けられることについては、僕らもぜひ声を出していかなければいけないと思っています。差別は排除しなければいけない。区別という言葉はちょっと際どいところですけれども、基本的には、皆さんが言われているように、この世の中に生まれてきて、生きていく中で、僕も含めてそうですけれども、小さいお子さんもそうですが、みずから望んで障がい者になった人は一人もいないはずです。これは、一つの運命の歯車の中でそれぞれができてきたのだと。では、その中で生きていくことは本当に当たり前のことで、国、自治体、社会はそれは保障しなければいけないのです。これに、大体、応能負担だの、収入がどうだのという制限項目をつけてくること自体、本当に間違っていると思うのです。ですから、今の現実社会の中でどういうふうに受け入れながら、また僕らの要求も聞いてもらえるかというのは、これからの運動につながっていくことですけれども、基本的なことは、絶対に社会の一員として生かされるべきだし、生きるべきだし、その保障は国、自治体、社会がするべきだということは常に思っています。

その中で、先ほど、10月以降、今まであった就職の道も変わるのだといった一つの原因は、授産所や作業所等で働く収入と、今まではそんなに大きくなかったのが、負担する額が同じ、もしくはそれ以上になる、負担する方が多くなるということが言われているのですね。実際、月15,000円稼いでいて、負担が25,000円といったら、何もしないでいた方がいいわけです。ですから、先ほど自宅で待機していた方がいいという結論になるのかなと。こんな制度はあり得ないです。僕は、少なくても、負担というのならば本人に対する負担の原則であって、それを見ている親御さんや身内の人たちの所得を対象にした負担をかけるというのは、もってのほかだと思っています。

その中で、障がい者が働く場を得て、そしてその中で生きがいを感じていく社会にするために、今もっともっとしてほしいこと、国としてしなければいけないことはあると思うのですけれども、今、国は半分放棄しているのではないかなと思っていまして、また後の方の皆さんの意見も聞かせていただきたいと思っています。ちょっとまとまりのない話になりました。

先ほど、ここに来るのにどうやってきたかと聞かれましたので、お答えします。僕は、ここに来るとき、地下鉄や、周囲に敷かれている点字ブロックを頼りに来れば、通常は一人で来られます。きょうは、仕事の関係でギリギリまで職場にいたものですからタクシーで来たのですけれども、基本的にここには一人で来られます。

以上です。

浅香:

自立支援法に関する意見、またそのほか、今まで、それぞれの方の周りに起こるご意見がいっぱいあると思うのですけれども、始まって1時間5分ほどたちましたので‥‥。

参加者:

菊地さんに聞いたのは、一人で来られるかどうかではなくて、この玄関に点字ブロックにマットを敷いていることについてどう思うかということを聞いたわけです。

私は、昨年12月31日まで、皆さん方と同じようにサポーターの役目を仰せつかっていましたから、非常に多くの方から学ばせていただきました。それで、非常に多くの意見が政策提言で出されたわけです。その中で、市長からは、緊急性の高いもの、そして、緊縮財政の中で有効な財政運営をしていきたいというお話を何度も聞かされました。

しかし、実際はどうでしょうか。菊地さん、後ほど説明していただけたらありがたいと思うのですが、地下鉄の改札を出ると、視覚に障がいのない方には見えるような周辺の案内図があります。ところが、改札口から約20~30m離れたところに点字用の案内版があります。私は、何十人もの全盲者の方に歩いてみてもらいましたが、ある場所がわからない、そして、点字の取りつけがまずいために非常にわかりづらい。それで、どうしてこういうものをつけたのだろうかと思って調べました。これは、国土交通省の外郭団体がつくって、地下鉄を運営している地方自治体にぜひ使ってほしいという案内が来ているのですね。これは、実は大変に莫大な金がかかっているのです。ここに緊急性があるのだろうか、緊急性があるのであれば、有効的に使えるよう駅の改札口の前にあればいいのです。そうすると、まさしく自立支援ですから、自立できればいいのです。でも、ガイドヘルパーの方が一緒に来て、そこにさわるのであれば意味がないわけです、あるいは、ここに来るのも、単独で来れたら初めて自立できるのですけれども、介護の方がいなければ来られないのであれば、それは自立にならないのですね。

つい最近も、ある区役所で、階段のところまでわずか2、3メートルの点字ブロックがないのでと言ったら、これも緊急性にかんがみてと言っていました。あるいは、手すりが途中で切れているので、これも緊急性が高いのではないかと言ったのですが、残念ながら、この1年間で何がなされたかというと、各フロアに喫煙室が設けられているのです。喫煙室を設けることと、階段の手すりの切れているところを直すことと、緊急性はどちらが高いのでしょうか。

この政策提言サポーター制度ができて約3年たちましたが、緊急性が高いという言葉はもっともですけれども、残念ながらこれが実施されていない。緊縮財政と言いながら、非常にムダな金が使われている。こういう当事者の声を聞かないで、国の外郭団体にお金を使ってこういう行政をどんどん進めるのか。私は、正直申し上げて、これだけのお金がない中で、今、自立支援法が実施されようとして非常に不安に思っています。札幌駅と大通駅の間に地下街をつくろうと言っています。200億円かかるということですが、これは200億円ではできないでしょう。北1条通の駐車場も400億と言っていましたが、その倍くらいかかりました。これも全く利用されていません。これは全部税金で負担しているわけです。私は、大通と札幌駅の間の地下街をつくるのであれば、これを中止して、我々が住んでいる地域の道路を、子どもも障がい者も皆さんが安心して歩けるようなまちにすることが先ではないかということを提言したいと思います。

以上です。

浅香:

わかりました。ありがとうございました。 それでは、10分ほど休みます。20分から後半の部を始めます。

〔 休憩 〕

浅香:

それでは、後半を進めさせていただきます。

これから、残すところ40分ほどですけれども、自立支援法に関することでも、どのようなことでも結構です。思いの果てを私たちにぶつけていただきたいと思います。

大井:

前半ずっと聞かせていただきましたが、僕が言いたいことをずいぶんしゃべっておられました。まず一つは、作業所に通って、今、給料をもらっている人たちが、お金を払って働くというのは考えられないというのは、うちのすみれ共同作業所の総意であります。もう一つ、小山内さんもちょっと触れていたのですけれども、差別です。特に学校などでいじめからうつ病になったり引きこもりになったりということがあるので、ぜひ義務教育の段階で、精神障がい者の人と触れ合ったり、話を聞いてもらったり、実際に見てもらうことが一番の早道だと思うのです。うちの作業所には、医療大学とか医療関係の大学の学生がけっこう見学に来ます。そういう人たちは、即、次の年、その次の年に病院などで働く人がほとんどです。そういう人たちから僕たちを理解してもらって、病院でも実習はあると思うのですが、地域で生活している精神障がい者の実態をわかってもらうためには、そういうことが必要だと思います。

最後に、今調べたりしているのですけれども、自立支援法で三障害一元化ということです。一元化はいいのですが、悪い方に一元化しているのですね。サービスの高い方に一元化してもらうために、精神障がいの場合ですが、知的、身体の方は手帳を見せるとタクシーが1割引きになります。僕たちは、人ごみが怖くて地下鉄に乗れないとか、バスに乗れないという人がけっこういるのです。そういう人たちは、タクシーを使って病院に行ったりしているのです。けっこう頻度が多いのですが、川崎などでは既に1割引きの助成を実施しているので、札幌市も、この間まで運動をして1級、2級の人は福祉乗車証とタクシー券を選べることになったのですけれども、知的、身体の人たちと同じようにタクシーの一割引きを、市として、タクシー協会になるのですか、よくわからないのですけれども、そういう運動を始めようとしています。

以上です。

浅香:

今の話は、前回、5月のときも航空機の割引運賃のこととか……。

参加者:

タクシーは、それよりやりやすいのではないかと思います。

浅香:

タクシーの割引きは、単費でやっているのですか。

阿部課長:

あれはハイヤー協会です。

大井:

負担はハイヤー協会がやっているということですか。これは、知的、身体が始まったときには、やはり札幌市から要請してということでは……。

阿部課長:

手帳はご承知のように身体、知的、精神とそれぞれあるわけですけれども、まず一番先に行われたのが、身体障害者手帳に基づく割引です。例えばJRとか、バスなども手帳の提示によって割り引かれます。

これの仕組みは、手帳制度が発足してから、旧厚生省が各交通事業者に対して割引の要請を行いました。それで、あくまでも、交通事業者が主体的に行うという形になっておりまして、これは全国共通のルールという形になっております。

それで、精神障がいの方の手帳についても、同じような割引制度を設けるようにというお話はずいぶんいただいおりますが、従前、精神の手帳には写真がなかったという問題がございました。それで、この10月の省令改正で、精神の方も、任意ということですが、手帳に写真を貼付するように仕組みが改められたということで、私も、一昨日、東京に行った際に、国の方でほかの障がいの方と同じような手だてを講じるようにという形でお願いをしております。今、実際に厚労省の方でどの程度気合いを入れて動いているかは承知しておりませんが、あくまでも交通事業者が自主的に行うという扱いになっております。

大井:

写真を貼ってメリットがあるのであれば、写真を貼ることもいいと思うのですけれども、それは選択制にすると聞いています。

阿部課長:

おそらく、まだ最終的な国からの通知が来ておりませんので、札幌市としての細目は定めておりませんけれども、写真の貼付については、特性から非常に抵抗感をお持ちの方もいらっしゃるだろうと思われますので、その辺はある程度尊重していきたいというふうに思っております。

浅香:

ありがとうございました。

ハイヤーの割引は、札幌ハイヤー協会さんがという形でやっているのですね。ハイヤー協会さんの方に調べてみます。

先に、サポーターさんからお話をいたしましたけれども、どうぞ。

参加者:

今年の春に子どもが真駒内高等養護を卒業しまして、身障の1級ですが、先日、市の職員の方が来られて認定調査をやっていただきまして、2時間ビッチリかかったのです。それで、市の職員の方は、市外の施設に入所している方の調査にも出張して出向かれているということで、新聞報道でも9月いっぱいで間に合わないのではないかということが出されていました。それで、私は今日初めて参加させていただいたのですが、こういう場なので、本当に間に合うかどうかということで、実態を市の方から何かお話があるのかなと思って期待もしてきたのですが、10月の本格実施というのは実際には間に合わないのではないかと思うのです。冒頭に阿部課長さんもお話しされていましたように、国の方がまだ制度の細部をきちんと決めていないと。私たち親も、いろいろ流れてくる情報を聞いていて、どれが決まったことで、どれが推測なのかよくわからなくて、金額なども聞くたびに違ったり、戸惑いながらやっているのです。ともかく、国が遅いということが最大の責任なわけで、そのツケを札幌市や我々がこうむる必要は全然ないわけですから、いっそのこと10月実施を延期してしまったらどうなのだろうなと。ゴチャゴチャしてムリヤリ進むより、その方がいいのではないかなというふうに今思ったりしています。

それから、先ほどからお話がありましたように、負担がふえるということで、私の聞いていた範囲では、精神障がいの方で頑張って自立しようということでグループホームに入られた方が、負担がふえるということで、また実家に戻られて、先ほどから話があったように病院にも行けなくなってしまっているという実態とか、認定調査をやってみてわかるのですけれども、8割方が介護保険と同じと言われていますので、うちみたいに身体障がいの場合はいいのでしょうけれども、知的の方々はどうしても軽く出るということで、特に知的の施設に入所されている方々の6割、7割が施設入所対象でなくなってしまうということで、これまで受けていたサービスが受けられなくなってしまうということが、もう既に4月以降に発生しているのだと思うのですが、その辺の実態について、札幌市や我々がどう考えるかということも今大事なところに来ているかなと思っています。新しい制度が始まったときに、いろいろなことがそうですけれども、始まって半年なり1年たったら検証して、これは本当によかったかどうかということをきちんと見ていかなければならないということは必ずあると思うのですが、本格実施する前に既に被害が出ているということがはっきりしているので、繰り返しになりますが、無理して10月にやる必要はないのではないかと。やってほしいと言っている当事者はだれもいませんから、延期してもいいのではないかと考えております。こういうことを言っていいかどうかわかりませんが、ぜひご検討いただければと思います。よろしくお願いします。

浅香:

ありがとうございました。

私も、昨日、山本さんと窓口業務の対応の検証ということで厚別区役所に2時間ほど行っていたのですけれども、その折にも区の認定調査の現場のこともお聞きしました。もう死ぬ目にあっていますと職員さんは言っていたのですけれども、また、私たち受ける側は別問題だと思いますので、進捗状況を阿部課長の方からお願いします。

阿部課長:

施設を除きまして、いわゆる10月の二次施行までに認定調査を受けていただかなければならない方は市内で約4,000名いらっしゃいます。先週末段階で大体半数、50%の調査が終了いたしております。10月ではなくて延ばしたらどうだというお話がございますが、その点につきましては、私も実はそちら側に座りたいという思いは持っております。しかし、そうは申しましても、これは全国一律にヨーイドンの話になりますので、札幌市としては、少なくとも4,000名の方については10月までにすべて完了させるということで調査を進めております。

ただ、現実問題、一つ懸念されますのが、いわゆる二次判定、最終的な障害程度区分を出すまでには、区の職員による調査と主治医による意見書というものがセットになって審査会で判定を受ける仕組みになっております。それで、ちょっと問題になっているというか、現場で苦労しているのは医師の意見書がちょっとおくれ気味なのです。職員による調査が終わっても医師の意見書が出てこなければ、要するに審査会にはかることができないわけですから、医師意見書のおくれによって、9月いっぱいで最終判定が出ないケースも想定されます。 これにつきましては、私ども札幌市だけの問題ではなく、全国的に同じで、特に大都市では同じような問題を抱えておりまして、厚生労働省の方にも二次判定が完了しない方について、経過的、特例的な扱いを一定期間はするようにという形で強く申し入れをしております。恐らく、近々、何らかの判断が示されるものだと思っておりますし、少なくとも、現在、各種のサービスを利用されている方が、判定が間に合わなかったということで不利益をこうむることだけはないように万全を期していきたいと思っております。

ただ一つ、不安材料としてあるのは、特に小規模作業所が、10月以降、いわゆる訓練給付の支給対象になる事業所、あるいはそういう施設に転換するというお話を数件いただいております。そういう施設が多数に及んだ場合、これはちょっと10月に間に合わない。あくまでも居宅系のサービスを利用されている方を中心に認定調査を進めているという関係で、そうした場合にも、何らかの別段の措置を講ずる必要があるなと考えておりますが、とりあえず、10月までは居宅系のサービスを利用されている方の調査、それから、支給量の決定については万全を期して完了させるという方向でやっておりますので、ご協力をよろしくお願いしたいと思います。

浅香:

ありがとうございました。

参加者:

主治医意見書のことですけれども、実際うちもそうですが、主治医というのはいるようでいないのです。だれが主治医なのだということがあって、ムリヤリお願いして、受診できないものだから電話でやりとりしてやっと書いてもらったということがあったりしました。身体の場合は、先生に意見書を書いてもらいなさいと言われるのですが、先生と言われると、医者でなくてリハビリの技師だったりするのです。リハビリの技師に書いてもらおうとする人がいて、ちょっと実情に合わないなということがあるので、ぜひその辺はご検討いただきたいところであります。

それから、うちは、週に定期的に4ヵ所通っているのです。それは、1ヵ所では定員がオーバーになっているので、デイサービスと通園事業と共同作業所と病院のリハビリと4ヵ所通っているのですけれども、そのコーディネートをする人がいないのです。春に卒業したときに、自分が4ヵ所に通って、四つのところプラスアルファですから10ヵ所くらい通ってどうするかと考えなければならなかったということがあります。介護保険の場合ですと、ケアマネジャーの方がいて相談できるのですけれども、そういう窓口は全然ないし、区役所の方にもそんなことは相談できないし、学校にいる間は学校の先生に相談すればよかったのですが、卒業してしまうとそれもなくなるということがあるので、何かあったときに相談するところはここだよということを札幌市にもきちんと示していただかないと、特に始まるときはすごい混乱するなというふうに改めて思いました。

浅香:

お医者さんというのは、市長の委嘱する方ですか。

阿部課長:

皆さんご承知のとおり、障害程度区分、障害者自立支援法による新たな認定の仕組みというのは、かなりの部分を介護保険のシステムと同じようなつくりをしております。全体で調査項目が106項目あるわけですけれども、そのうちの79項目は、介護保険における調査項目と全くイコールです。残り27項目が、身体、知的、精神という障がいに特化した調査項目という形で言われております。

それで、お話にございましたように、傾向として79項目が主として身体状況をチェックする中身になっておりますので、知的、精神については低く出るのではないかということは制度発足前から言われておりますし、私どもも、皆さんがそういう不安感をお持ちだということは、再三、国にも伝えております。そう遠からぬうちに国も見直しをするのかもしれませんけれども、とりあえず、現時点においては、全国共通の106項目で行かざるを得ない。 医師意見書につきましても、制度発足前から、高齢者の方であれば、大体どこか不調があって病院にかかっていて主治医の先生というのが大体決まっていらっしゃる方が圧倒的に多いです。それと比べますと、身体、知的の方などは、特にどこか悪いところがなければそんなに病院にかかることもなくて、医師の意見書が介護保険と同じようには出てこないのではないかと。いわゆるかかりつけ医がいない方が圧倒的に多いのではないかということは、これはもう制度が始まる前から各方面から指摘されておりました。実際にふたをあけてみますと、そういう不安というか、指摘されていた内容はかなり現実のものであるという課題はあると思います。この辺も、来月、国の方で会議をやりますのでお話ししたいと思っております。これは私の個人的な意見ですけれども、その辺の仕組みをちょっと考えてもよかったのかなと、そういう面はあろうかと思います。

そうは申しましても、全国共通の仕組みの中でやらざるを得ないということで、今、札幌市医師会の方にも改めて協力をお願いしておりますし、認定調査の最終判定に影響の出ることのないような方向で、改めて、ドクターの方にはお願いしたいと思っております。 もちろん、全体の結果はまだ出ているわけではないのですが、これまで審査・判定を受けられた方については、少なくとも非該当という形で制度が適用にならないケースはないようです。

浅香:

ありがとうございました。

どうぞ。

小山内:

障がい者の人たちによりますけれども、知的障がい者の人たちとか、私たち脳性マヒの人たちは、本当に内科のお医者さんや整形外科のお医者さんが自分の病気を把握できるかということがすごく疑問なのです。私みたいにうまく説明できるかどうか、調子の悪いときはご飯を食べられないけれども、調子のいいときは食べられますということを細かく説明できてやっとわかることであって、説明できないと思うのです。内科のお医者さんに脳性マヒの診断書を書けというのはムリだと思うのですよ。胃が痛いとか、腸が痛いとか、頭が痛いのと違うのです。非常にデリケートなものであって、本当は脳性マヒの人をすごく研究した人が書いてくれるのだったらわかりますけれども、ただカゼをひいていく病院に書いてくださいというのは、あやしげで、何となくデタラメなことを書いてもらっている人がいっぱいいると思うのです。私みたいにああ書いてください、こう書いてくださいと説明できる方はいいですけれども、できない方はどうしたらいいのか。トイレにどうやっていくのかとか、脳性マヒというのは、調子がいいときは何でもできるけれども、調子が悪くなると何もできなくなってしまいます。そういうことを理解できないと思うのです。それでホームヘルパーの時間を決められて、削られたりしたら、本当に自分のことが自分で決められなくなってしまうというか、私は、やっぱりリハビリの先生が身体障がい者を見るべきであって、かかりつけ医ではないと私は思うのですね。精神障がいの人はどう考えているかわかりませんけれども、それぞれ障がい者によって違いますが、整形外科にかかっている人は整形外科医にかかればいいし、病院に行っていない人が一番問題です。医師会に任せているというのはこわいことですね。だから、本当にどうしたらいいのか。自分でできるかできないかチェックするのだったらいいけれども、相手が来て、勝手にチェックされるということは、福祉先進国においてこういう国はあるのでしょうか。それは全く不思議な現状だと思います。

浅香:

むずかしいお話でしたけれども、例えば小山内さんとか私の場合は整形に行く形ですね。

小山内:

でも、整形でも脳性マヒのことはあまりわからない先生がいっぱいいます。

参加者:

今、小山内さんは非常に大事なことをおっしゃったと思うのです。実は、私は、視覚障がいの中でも緑内障という形で視野が狭いわけです。緑内障で視野が狭いというのは、上下が切れる人もいれば横が切れる人もいるのですが、眼科の先生によってまったくちがうのです。と同じように、リハビリをやった人でないとわからない症状があると思うのですが、これをすべて内科の先生に委託するという自立支援法の片側にある医療との関係、医者との関係について、国あるいは地方自治体でも、議会でも問題になっていないところが非常に問題で、今、小山内さんの言ったことを、ぜひ全国の市長会とか、こういうところに反映していただきたいと思うのです。

それから、先ほど障害者手帳の話がありましたので、これは提言としてご提案申し上げたいと思うのです。障害者手帳には、その方の住所、氏名、写真、病名が書かれています。手帳を見せるたびに全部見られてしまうわけです。一面で個人情報ということを言われながら、全部ハダカになってしまう。女性の方は、場合によっては、どこに住んでいて、年齢はいくつでということが全部わかってしまうのです。障がい者に関して、こういうところを保護しようという考えが行政にまったくないのはたいへん残念です。

10月1日以降の身体障がい者以外の方の障害者手帳の交付も含めて、障害者手帳についておおやけに出す場合には、番号と名前と住所で十分なわけですから、せめて、その分だけカード式にして入れかえて相手に見せるような工夫をしていただきたいという提案であります。

実は、障害者手帳というのは全国一律ではありません。先ほど阿部課長が、自立支援法は厚生労働省が一元化でやっているので地方自治体単独ではどうしようもないという話がありました。しかし、障害者手帳の交付の様式については市町村が単独で決められる話ですから、ぜひ、このことは人権尊重という立場から考えていただきたいということであります。

それからもう一つ、保健福祉部に対して申し上げたいのですが、札幌市は政令指定都市ですから、皆さん方は警察とは関係ないのではないかと思われるかもしれませんが、政令指定都市には交通部というのがあって、道警本部の中に札幌市交通部長というのがいることになっています。この方々を含めて、ここを窓口にして、道警の幹部と保健福祉部の幹部、副市長の方々、両方で約30名くらいの方々が、年に1回から2回、顔合わせをやっているわけです。これは、道警本部の幹部の方からもお聞きしましたし、市の幹部の方からもお聞きしました。ここで話されることは単なる顔合わせで、具体的に歩道に置かれている自転車の問題とか、信号の問題とか、あるいは、私の目の前に実際にお子さんがいて痛切に感じているのですが、無灯火の自転車がこういう子どもに当たったら障がいになるかもわかりません。こういう問題を考えていくと、保健福祉部の方々が、ホテルの一室で30人近くも飲み食いするお金があるのだったら、こういう切実な声を道警本部の方に申し上げてほしいと思うのです。

私も、実は白杖を持って歩いた際に自転車にぶつけられました。逃げられたらわからないのですよ。白杖を持っていなければ、そこで止まることがあるのですけれども、持っていると逃げられています。そういう意見を非常に多く聞いていますが、小さなお子さんですと、そこでもし打ちどころが悪かったら本当にいろいろな障がいになります。

阿部課長、帰られたら、道警本部との顔見せ興行か何か知りませんが、単なる顔見せではなくて、実のある、福祉行政に役立つような顔見せであってほしいことをお願いしたいと思います。

以上です。

浅香:

ありがとうございました。

それでは、残す時間もわずかとなりましたけれども、あと一つ、二つ……。

参加者:

(手話通訳を通して)よろしいでしょうか。

私は、初めて参加しました。

ろうあ者として、手話通訳をしてもらうときに1割負担になってしまうととても困ります。理由は、知的、ろうの方、いろいろな意見の方がとても多いですね。ろうあ者の立場で出している意見は非常に少ないと思います。障がい者はみんな同じ均等にサービスが受けられるようにしてほしいと思っております。

浅香:

ありがとうございました。

参加者:

東区に住んでいます、みかほ整肢園に子どもが通っている親です。さっき前半で、みかほやひまわりのお母さん方がお話ししたのですけれども、私たちは普通にして、知的障がいの方や精神障がいの方がどのようなことで困っているかということを全然知らなかったのですが、今ここに来て、お話を伺って、初めてほかの障がい者の方のご苦労などもわかることができました。ついでに、私たちみたいな障がい児のことも少しわかっていただきたいと思って、お話ししたいと思います。

さっき、整肢園に通うお金が2万円近くになるというお話をしたのですけれども、親の収入によって、うちなどは月収24万くらいで月額600円くらいで今までみかほに通っていました。それが10月からいきなり2万円です。それも、今まで1ヵ月びっちり通って600円で子どもの保育や訓練を受けられたのですけれども、それがたった20日通っただけで2万円になります。これは、正直言って、月給24万円の普通の家庭ではなかなか痛い出費です。でも、訓練をしなければならないので、頑張っていかなければと思うのです。

2万円に、さっき言っていた給食費650円というのは、お父さん方も650円のお弁当はなかなか食べないと思うのですが、これをちょっとしか食べない小さい子のために650円払うのです。この金額は、例えば食事をつくる方の人件費や光熱費なども入っていると聞いています。おなかを満たすための給食で小学生が月3,000円なのに、この子たちは生きるために、食べることを学ぶために650円というのは、650円と聞いて大したことはないかもしれませんが、かなり心の痛い数字だと思っています。

あと、自立支援法で、車いすや装具にかかるお金が1割負担になるという話を聞いています。この車いすは、小さいけれども全部お金を払うと30万くらいかかっています。それを助けていただいて、何千円とか多くて1万円くらいです。それが1割負担となると、30万の車いすを3万円で手に入れなければならなくなります。子どもが大きくなってくるので3万円の車いすをつくっても、またつくらなければならないし、足に装具をはめるのですけれども、うちの子はちょっとゴツイ靴みたいなものをはいていて、これがないとまともに立てないのです。足にけいれんというかマヒがあって、こういうものをはいて足をかためないと立てません。これはまともにつくると10万円です。小さなねじ1個が3,000円くらいします。これを、手帳のおかげで何千円かで安くいただいているのですけれども、これも10万円として1万円かかりますね。うちの子は大きくなるのが早くて、半年に1回はかえています。半年前はこんな小さな靴をはいていたのですけれども、今度はこんな大きな靴になります。これをたった半年でかえなければなりません。これを普通の子で考えると、半年で1万円の靴は買いませんから靴代はこんなにかからないのですけれども、これはこの子が必要なものです。自立支援はみずから立つと書きますけれども、本当に文字どおりに自分で立つためにこれが必要なのです。でも、普通の給料しかもらっていない家では大変な出費だなと思っています。

自分で働く障がい者の方とか、年をとった親御さんのご苦労も聞いていてすごく切ないなと思っているのですけれども、自分たちの子どもも、自分も、そういうふうに将来は苦労するのが目に見えているなというこの自立支援法が、親としてはとても切ないですね。だから、どうにかうまく子どもたちも療育を受けられるようにお願いしたいと思っています。失礼しました。

浅香:

ありがとうございました。

これも私見ですけれども、自立支援法イコール悪法だというのは、多分、1,000人中999人の障がい当事者また家族の方は思われているのではないか思っていますし、そう言われています。

先ほど、課長さんとの立ち話でも、早急な見直しもされるのではないかとか、精神、知的、身体のそれぞれの全国的な障がい者団体も、法をなくすことは難しいかもしれないけれども、中身についてはどんどん前進的なよい方向に向いていく形で持っていくように、かなり運動も展開されていますので、私たちもその一役を買えたらいいなと思っています。 そろそろ時間になりましたので、7月のサポーター懇談会は終わりにさせていただきたいと思います。

今日、何人かにお話しいただいたのですけれども、サポーターの方でお話をいただいていない方もおりました。

山本さん、先ほど聴覚障がい者の方もご発言されましたけれども、全体を通してでもけっこうですので、何かお願いします。

山本:

いろいろご意見をありがとうございました。

まず、一つ目は、私は耳が聞こえません。聞こえないだけではなく、ほかの障がいをあわせ持っている人がたくさんいます。ろうあであることと、プラス知的、精神、肢体等の障がいをあわせ持つ人たち、その方々が、今、会場から寄せられているご意見と重なって考えたことがいくつかあります。とても勉強になりました。

先ほどお話しされていましたが、手話通訳の関係の負担は非常に不安が広がっております。自立支援法関係の10月から、手話通訳事業、コミュニケーション事業という名前が位置づけられておりますが、1割負担とはまだ決まっておりませんけれども、市町村が判断をすることと定められていて、国は決めません。市町村にお任せしますということになっております。今、札幌市は考え方を示しているわけではありませんが、全国を見ていましても、ほかの市町村はどのような動きをするのか、負担額を示すのか、このまま無料で行くのかということで、お互いにそういった状況を見きわめようとしているところが見受けられます。

手話通訳者の自己負担があちらこちらの市町村で起こる一方、手話通訳派遣事業は絶対有料化にいたしませんと議会で採択されたところも全国の中であるわけです。普通に話をするところに金をかけるということも基本的におかしいと僕は思います。実際に有料化する場合、だれがそのお金を負担するのか、聴覚障がい者でしょうか。浅香さんと僕とお話をするときに、手話通訳をお願いする僕が金を払う。困るのはどちらでしょうか。僕が困るのですか、話をする浅香さんも困るのではないでしょうか。それでは、お互いに負担しましょうかということになるのでしょうか。一方的に聴覚障がい者が負担と言われても困ります。プラス、先ほどお話し申しましたが、障がいをあわせ持っている方々は、さらなる負担を強いられるわけです。こういうところもちょっと認められないと思っております。

きょう、たくさんのろうあ者の方がこちらの会場にいます。これからも、このような場所に来ていただいて、積極的なご意見をいただきたいと思います。小規模作業所の関係のろうの方もいますね。その関係者の方もいますね。よろしくお願いいたします。

浅香:

ありがとうございました。

それから、鈴木さん、全体的でも何でもけっこうです。

鈴木:

前半からずっと聞いてきて、やっぱりこの法律は、私たち当事者にものすごく負担がかかるものなのだなということを改めて知りました。私自身も、今、小規模作業所に通っていますけれども、10月から変わると聞いたときには、ちょっとずつはこちらでいろいろ勉強させていただいていましたが、具体的にこうだよと提示されてしまうと、皆さんもきっとそうだと思うのですけれども、また負担がふえるのとか、ひとり暮らししている仲間もうちのメンバーの中にもいますし、私自身も勉強の身なので何とも言えませんが、やっぱりもっと声を上げていかなければならないのかなと思いました。

きょうは、ありがとうございました。

黒田:

今、仲間と話し合っていることを、二点ばかり、お知らせということでお話しさせていただきます。

先ほど来、お子さんの訓練の場がなくなるかもしれないというお話がありました。そのことについてですけれども、今、ハンデがあるお子さんは、小学校に入るときに普通学級に入るということで養護学校がけっこうあいてきているのです。養護の先生も、仕事が手持ちぶさたになってきているという状況になっています。それで、そういう場を利用して、個人的にはある先生にお話ししていますけれども、その場を使わせてほしいということで、それは一般の方も一緒に使わせてほしいということで、あそこにはプールもありますし、そういうことで大いに活用したらいいかなと思っています。

二点目は、今、札幌近郊の複合施設ということで、ハンデのある方や高齢者の方等も集える場を宿泊施設も兼ねてつくりたいと思っています。それには、当然、資金がかかりますので、土地は私の友人が農家をやっていまして、農地は、そういう施設であれば市街化調整区域でも建てることができますから土地代はかかりません。あと、建物だけです。

それで、今、考えているのは、これはどこでもいいのですけれども、一つ例としては支笏湖、あそこは周囲が63kmあります。そこを1m=1,000円として、皆さんに千歳市と一緒になって地図に落として、500円でもいいですが、1,000円とすると63kmですから6,300万のお金が集まるわけです。500円にした場合は半分のお金が集まります。そういうふうな集め方をすると、例えば三越の前でこういう建物を建設するのでお願いしますと言って、ああいいですねと言ってくれるけれども、それだけのお金は集まらないと思います。ですから、自分が寄附して協力したお金については、どこからどこまでの範囲については黒田澄雄とか名前を書いて地図に落として、建物ができ上がった時点では、その建物のメーンのところに張り出すようなことでやったらどうかという話をしています。

それは、ぜひ実現しようと思っています。支笏湖は千歳市が管理していますから、千歳市にも内々に話はしてあります。そうしたら、おもしろいねということで、千歳市もいくらか協力してくれるのではないかなと思っていますので、これは近い将来というか、来年くらいに行動として動きたいと思っています。

それから、話は戻りますけれども、訓練の場は、養護学校とか、今、札幌市では小学校でも空き教室があります。私の友人は理学療法士でもう仕事をしていないのもいますし、仲間とボランティアでやってもいいと言っていますので、それを大いに活用をして、できることはみんなで協力し合って、汗をかいていけばいろいろなことができるのではないかと思います。絵に書いたモチにならないように、今、肉づけしている状況です。また、ある程度具体的になりましたらお知らせしたいと思っています。

浅香:

ありがとうございました。

それでは、最後になりますけれども、アンケート用紙を皆さんにお配りしたと思います。お帰りのときにご記入いただいて、私たちにお渡しいただければと思います。また、今書けない、うちに帰って書きたいという場合は、お住まいの区役所や行政の建物や施設に渡していただければ届くと思いますので、ぜひ記入してご意見をお寄せいただきたいと思います。

それでは、時間も過ぎましたけれども、これで閉じさせていただきたいと思います。

今日まで暑い日が続きまして、また、明日からは気温も下がるというふうに聞いています。まだまだ暑い日も続くと思いますけれども、障がいによって体温調節の難しい方も中にはおられると思います。どんなことがあっても、何はさておき健康が第一です。十分に気をつけて、この夏を乗り切っていただきたいと思います。

今日は、どうもありがとうございました。

以上

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