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更新日:2011年2月21日

平成17年度第2回懇談会

開催日 : 平成17年10月28日(金曜)14時~16時

開催場所 : 札幌市視聴覚障がい者情報センター 2階 大会議室

香川

今日は、たいへんお忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

時間になりましたので、進めたいと思います。

約2年前に、市長から政策提言サポーターの委嘱を受けたサポーターの皆さん方と一緒に、障がいがある方のご意見を聞いて、市長に提言をいたしました。

そして、先週の木曜日の 20日ですけれども、2回目の提言をいたしまして、たいへん貴重な意見を届けることができたなと思っております。

今日は、市長に提言をした内容についての説明と、皆さん方から意見を聞いていきます。全体で聞くのは今回が最後になりますが、個別の要望については、この後も引き続き皆さん方から、提案用紙、ファックス、電話でどんどん言ってきていただきたいと思います。のちほど触れますけれども、政策提言サポーターはこのあともずっと引き継いでいきますので、ぜひ皆さん方が思ったことを行政に反映できるようなパイプを残していきたいと思っています。

今日は、貴重な時間でありますから、私の話はこれくらいにして、20日に市長に提言をいたしました内容、そのときの市長のお話等々について、今日は札幌市保健福祉部障がい福祉課の大沼課長からお話をいただいたあと、それぞれのサポーターから自分の障がいの提言の内容、それから自己紹介の際に、自分の簡単な経歴等を皆さん方にお示しをして、それぞれの障がいに関する提言の内容をお示ししたあと、皆さん方からいろいろなご意見をいただくという日程で今日は進めてまいりたいと思います。

なお、申しおくれましたけれども、私はサポーターの副代表をしています香川と申します。我妻代表が病気で入院されまして、今日はここに来られませんけれども、皆さん方の多くの意見を聞きたいと本人もおっしゃっていますので、ぜひ忌憚のないご意見、ご要望をお聞きしたいと思っております。よろしくお願いいたします。

それでは、大沼課長、よろしくお願いいたします。

大沼課長

札幌市障がい福祉課長の大沼と申します。

今日は、お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。

今、サポーター副代表の香川さんの方からご説明をしていただいたとおり、今月の20日に、サポーターの方から上田市長が、今お手元にございます平成17年度の提言書を受け取ったところでございます。

今回につきましても、サポーターの方が区の方に出向いていただいて地域の声を聞いていただく、あるいは各障がいのある方のご意見をファックスやeメール、また今回は団体の方にもご意見をいただく等々の手だてを講じまして、聞いていただいたご意見を提言の中にまとめていただきました。

市長からは、本当に一生懸命取り組んでいただいたことへの感謝の言葉と、いただいた提言内容につきましては、真剣に中身を検討させていただいて、また検討の取り組み状況については、来年の3月ないし4月になると思いますけれども、きちんとサポーターの方、あるいは市民の方にその状況をお伝えをいたしますというふうにお話をさせていただいたところでございます。

2年前に、障がいのある方のご意見、ご要望、いろいろな事柄につきまして同じ目線で聞いていただいくことを含めて政策提言に結びつけていただくということで、ここにいらっしゃる方も含めて、サポーターになっていただいた方々につきましても今回が2年度目というような状態でございます。

昨年16年度の提言書につきましては、項目数としまして約200項目にわたる提言あるいは具体的なご意見をいただいたところでございます。

その中で、平成16年度と平成17年度において、提言の中にいただいたご意見で、札幌市を含めて取り組みを進めた部分につきましては80項目ほどございます。割合にして4割くらいの部分を、すぐに、あるいは17年度、今年度に取り組ませていただきました。

今回の提言につきましても、今後、関係部局を含めて、サポーターの方の提言という、重い提言の内容ということで受けとめさせていただきまして検討を進めさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

香川

どうもありがとうございました。

それでは、それぞれの提言内容に入る前に、皆さん方のお手元にあります提言書の1枚目をめくっていただきますと、14項目の要点がございます。これは、全体の個々の項目をまとめた内容になっておりますので、概略だけを私の方から説明させていただきます。

なお、たいへん恐縮ですが、座ったまま報告をさせていただきます。

のちほど、これについてのご意見がございましたら、どうぞおっしゃっていただきたいと思います。

提言の一つ目としましては、相談体制の充実と整備ということで、本来、こういう相談が各区の福祉の窓口で、市役所の方々が障がいの方から直接お聞きして、福祉行政の屋台骨をつくるという役割を果たしてほしいのですが、なかなかそうなっていないということで、職員の意識改革も含めてでありますけれども、相談体制を充実してほしいという内容になっています。

二つ目のサービス供給基盤の整備についてですが、これも、障がいに応じてニーズが多様化している中で、これに応じられるような行政の対応をして、障がいの差に関係なく公平にサービスを提供してほしいということです。

それから、三つ目の障がいの権利法のシステムについてですが、これは皆さんが常々思っていますように、障がいに対する権利あるいは保護等についての意識がないために、いろいろな偏見、差別を受けているわけですけれども、こういった問題もなくすためにきちんとしてほしいということと、なぜそうなっていないのかということについて当事者の声をきちんと聞いてほしいということであります。仮称として、そういう審査会をつくっていただきたいという要望がございました。

それから、四つ目の障がい者差別禁止条例、これも仮称でありますが、先ほど言いましたように、さまざまな問題があってさっぱり改善されていないということにかんがみて、この項目を設けたわけであります。

次に、ホームヘルパーの関係についてですけれども、現状の時間数ではなかなか十分な社会参加並びに家庭生活が送れないという中で、サービスの支給内容の充実と現在ある規定を考え直してほしいということがございまして、ここに記述をしております。

それから、六つ目の医療費についてですけれども、これは、つい1週間くらい前からの新聞報道を見ておわかりのように、障がい者並びに高齢者に対する負担行為の政策は次から次へと提案されるやに報道されておりまして大変心配しているわけですが、障がいの程度、収入の程度に応じて、この辺も十分に配慮していただきたいということで、この関係についても記述をしております。

それから、7番目の通行権の確保についてですけれども、障がいを持つということで選択肢が狭められるわけですが、その際に、残された社会資源が利用できるように、交通権の確保―これは、車いすの方であれば歩道がきちんと整備されているとか、視覚障がい者の場合であれば点字ブロックの上に物を置かないとか、だれでも健常者と同じように社会参加ができるような通行権を守ってほしいということであります。

8番目の住居についてですけれども、これも、障がい者が住宅を確保することの難しさということから、こういう障がい者の住宅確保に対する要望が出ておりまして、8番目の項目で載せてございます。

9番目の障がい者の雇用の充実については、人が生きるための根幹となるのは、やはり社会に自分が参加しているという形なのです。参加の仕方はいろいろあるわけですけれども、やはりどういう形であっても、就労して、そこで賃金を得て、それで生活をするということが、本人の生きがいになり、自尊心を持つことのたいへん重要なファクターになるわけですが、障がい者の雇用促進、雇用開発というのはなかなか進んでいないのが現状です。特に、20日に市長に提言をする際に口頭で申し上げましたことは、札幌市の外郭団体の中に障がい者の雇用が非常に少ない、あるいは非常に軽微な事務的なもの等については、当然、障がい者の方にもできるわけですから、そういう方々の就労確保をお願いしておりまして、これは本当に障がい者の大切な要求の一つでありますので、そういう形で記述をさせていただきました。

次のページに行きまして、10番目の小規模通所授産施設への支援についてということですが、ますます福祉予算が削られる中で、こういった関係の予算などもどんどん減っているわけですけれども、まさしく社会参加をする際の一つのカギになります小規模作業所の授産施設の充実というのはたいへん重要なところでありますので、これはボランティアの団体も含めて、広く公費でもって充実させてほしいというお話がございました。

11番目の災害、緊急時における障がい者避難体制の確立についてですが、もう皆さんご承知のとおり、いろいろなところで地震災害等々が発生した際に、健常者であってもそこを免れることは非常に難しい、特に障がいを持つことで避難をするということは不可能に近いわけです。平成13年度に札幌市は災害マニュアルをつくりましたけれども、この内容を見る限り、障がい者の方々がそれを見て安心するということはまずございません。北海道においても作成をしておりますが、そこの担当者が説明するには、これは田舎ならばいいけれども、札幌市では使えないということを平気でおっしゃるくらい、マニュアルは作られているけれども、マニュアルに対応できる体制ではないということが判明しております。ですから、ぜひ障がい者の声を聞いてこのマニュアルを作成し直して、本当に安心して生活ができるようなものにしてほしいという内容でそこに載っております。

12番目の政策決定過程への障がい当事者参画の義務づけでありますけれども、これは、いろいろな福祉行政がある中で、ともかく障がい者当事者の視点が抜け出ているために、せっかく作ったものが利用できないとか、ムダになっているというものがたくさんあるわけです。それで、ぜひこういう政策決定の際には当事者をきちんと入れるようにという声がございまして、この項目になっております。

13番目の障がい者理解の教育でありますけれども、障がい者問題というのは、ある意味では、車の両輪で、片側が障がい者の理解教育であれば、片方は学校教育の中でどうこの問題を位置づけるかということなのです。これは、私は昨年から皆さん方の前で何度かお話をしておりますけれども、今は、副読本で1ページから2ページくらいにわたって載っているだけで、障がい者理解教育をするかどうかということは教育委員会では強制してございません。各学校の校長にその判断を任せて、やってもやらなくてもいいよという状況なのです。これこそ、この先進諸国の中での障がい者理解教育がないために、いろいろな偏見、差別、いろいろな施策上の問題で、障がい者が抱える問題ともリンクしていますので、ぜひ教育の充実について図ってほしいということで載せてございます。

それから、14番目の法令・条例等の遵守でありますけれども、皆さんご承知のとおり、バリアフリー法、ノーマライゼーション、ユニバーサルデザインなど、さまざまな法律、条令、省令があるのですが、実はこれには罰則規定がございません。罰則規定がないということは、守らなくても特に問題がないのです。これも、まさしく障がい者の人権を考えていく立場からすると、非常に片手落ちの福祉行政であるということをここで指摘をしておりまして、ぜひこの法律等が守られるように行政としてやっていっていただきたいということで書いてございます。

最後に、「おわりに」という項目になっておりますけれども、ページをめくっていただいたところで、「行政の不作為」という言葉を使ってございます。この不作為というのは、やらないということですね。間違っているところを直さない、どうしても必要なところをやらない、ある意味では行政の怠慢という意味です。非常に厳しい内容で「行政の不作為」と書いてあるわけですが、これは、ぜひ行政側の意識改革のもとに、視覚障がい者がまさしく健常者と同じように、社会参加ができ、生きがいを持って、自尊心を持ちながら生活できるような社会にしてほしいということで、この中にあえて「不作為」という言葉を入れて市長に申し上げたところであります。

これが、それぞれ個別の要望をまとめた内容ですので、ご理解をいただきたいと思います。

それでは、皆さん方から向かって右側から順番に自己紹介をしていただいて、自分に関係するところの項目で、すべてを申し上げるのは時間的に難しいので、皆さん方がこの中で目を通していただいて、のちほど、これはどうなっているかというご意見なりご要望なりをいただけたらと思います。

なお、先ほど大沼課長がお話ししていましたように、今日、この場で回答できる部分がございましたら、大沼課長の方から回答していただくことになっておりますので、ぜひよろしくお願いします。

それでは、どうぞお願いいたします。

冨田

政策提言サポーターの冨田と申します。よろしくお願いします。

私は、障がい者自立生活センター・IL-ism(アイエル・イズム)という団体の代表をしておりまして、私たちの団体では、障がいを持っている人、特に重い障がいの方の自立支援ということで、施設から出て地域で暮らされる方の地域生活、自立生活への支援とか、情報提供、具体的にこういった制度が使えますとか、私たちの団体の障がいを持っているスタッフは、地域で長年暮らしてきた経験を持っていますので、そういった経験から、実際にこれから地域で暮らそうとされている障がいを持っている方の支援などを行っております。

私たちが一番関係のあるところといえば、私の障がいは進行性筋ジストロフィーといいまして、筋肉の力が衰える障がいなのですけれども、障がいが重い私たちにとっては、やはりヘルパーさんが24時間いなければ、食事をすることもできませんし、トイレに行くこともできません。24時間いないと私たちは命をつなげないといいますか、そういった状況です。

ただ、今、札幌市の方でも、一部の人を除いて、私も24時間介助が要るのですけれども、まだ1日にして10時間程度しか保障されておりません。それでは障がいが重い私のような者にとっては、全然地域で暮らせないということで、札幌市さんの方にもいろいろと要望を出させていただいて、福祉課の方にも頑張っていただいているのですが、まだ、なかなか保障するところまでは至っていません。まずは、ホームヘルパーの時間数をふやしてほしいというところが私たちにとっては一番の課題になっています。

私の方からは以上です。

香川

どうもありがとうございました。

それでは次に、鈴木さんからお願いします。

鈴木

政策提言サポーターの鈴木です。よろしくお願いします。

私は、西区にある0NPO法人札幌障害者活動支援センター・ライフという、「障害者ワープロフロア」、「おおぞら」、そして「ひだまり」という三つの作業所の中の「ひだまり」というお店の中のメンバーです。

私自身は、事業部の方で印刷をしているのですが、それの版下をつくったりするのをワープロフロアでやっておりまして、軽作業の仕事をしているのが「おおぞら」で、私のいるところは、物品販売をしながら、冬場の当事者活動である雪中デモや、ほかのところの勉強会やいろいろな当事者関係の集会などに出かけていったりしています。

私の障がいは知的障がいなのですが、普通の人から見ても、重い人から見ると本当に健常者に見えるのですけれども、私自身は、計算が苦手だったり、あまり体力がないので重たいものを持てないとか、そういうところで少し普通の人と違うと言われてきました。

私は、この提言書の中では、今回は募集意見で関ったのですが、知的の軽度の方だとほとんど普通の人と同じなので、(身障)手帳上では福祉のウィズユーカードを10枚いただいているのですけれども、本当に軽い人だとほとんどもらえないとか、月にお金を出さなければならないということがあります。

先ほどお話をした私の所属している団体は、いろいろな障がいの方が種別を関係なく通ってきているので、交通のところでは、目の見えない方や、耳と目と両方不自由な方もいるので電光掲示板がほしいとか、そういう意見などがありました。今回、募集意見を団体の中でまとめていくと、そういう自分で気がつかない部分がたくさんありまして、やはりこの制度自体にすごく期待していらっしゃる方がいるのだなと改めて思いました。

今日は、よろしくお願いいたします。

話を聞いてくださって、ありがとうございました。

香川

どうもありがとうございます。

それでは次に、浅香さんからお願いします。

浅香

浅香博文と申します。

勤め先は、西区二十四軒にあります身体障害者福祉センターの中に、身体障害者福祉協会というものがあるのですけれども、そちらの方に勤めさせていただいております。

顔は、若づくりの顔をしているのですけれども、昭和30年生まれで、ちょうど半世紀の50歳になりました。

私は、小学校3年生のときに、交通事故で右足大腿部から切断をしました。今は義足をはいて生活を送っています。

障がいを負ってから43年になるのですけれども、小学校3年生に交通事故で足を失うまでの記憶が、その交通事故によって全くないのです。ですから、私は、小学校3年生のベットの上で気がついてからの人生しか記憶にないものですから、障がいを負う前の便利さというか楽しさと障がいを負ってからの苦しさの違いがわからないといいますか、皆さんには失礼な言い方かもしれませんが、障がいを負ってからのことしか記憶にないものですから、自分自身としてはそんなに不自由を感じたことはありません。

傷口が固まるまでは、義足をはかないで、小学校なども2kmぐらいを松葉杖で夏も冬も通ったとか、そういう言うに言えないような苦しみはありましたけれども、そういうものも、まわりの友達などにカバーしていただいていたものですから、おかげさまで、今まで50年を生きていくことができました。

私が、おととしの12月から最近までサポーターの委員の一人として、いろいろ提言書づくりに当たらせていただきましたけれども、この2年近くの中で一番感じたことは、ソフト面が醸成されなければハード面がなかなか育っていかない。つまり、障がいのない人が、障がいのある人のどういうところが苦しいか、困っているのかというのは、やはり身近に接して、また自分も体験してみなければわからないと思うのです。ですから、そういう気持ちがないと、これをやってほしい、これを直してほしいという陳情なりお願いをしても、なかなか育っていかないと思います。

私の意見としては、行政さんにしても、民間の方にしても、それを率先してといいますか、体験学習のような形でやっていただきたいというのが一番の願いですし、私もやっていこうと思っています。

よろしくお願いします。

香川

それでは、高嶋さんからお願いします。

高嶋

私は高嶋と申します。

私は耳が聞こえない、ろうあ者です。身障手帳では2級ろうあ者といいます。耳が聞こえないので、音声言語を発することができません。

生まれたとき、3歳で失聴いたしました。

教育をきちんと受けられておりませんので、わざわざ田舎から離れて旭川へ行き、口話教育を受けました。(口話=聴覚障がい者が、相手の音声言語を読話によって理解し、自らも発話により音声言語を用いて意思伝達を行うこと)

今は、札幌聴力障害者協会事務局で仕事をしております。

仕事の内容は、聴力障がい者団体の要望、もう一方では、情報提供施設関係の事業、字幕制作、ライブラリー、社会生活教室等々の業務を行っております。

提言サポーターに応募をし、2年間担当してきて感じることは、ろうあ者だけではなく、難聴者の方々もコミュニケーション保障がまだまだ十分ではないと感じております。

そのような中で、個別相談でいらっしゃった方から、札幌市外から転入され、まず難聴の方だったのですけれども、その方がどのような福祉制度があるのかということを知らなかったのです。

区役所の方に相談に行っても、区役所側の方々に十分な知識がなかったのでしょうか、アドバイスができなかったということで、通ってはいたのですけれども、結局、福祉制度があるということを、サポーターの相談に来てやっと知ったのです。役所に行っても制度について分からなかったということです。

ほとんどの情報がなく、情報不足から制度のことを知らなかった。大切なことは、区役所の窓口業務がきちんと情報提供していく役割があるのではないかなと思って、その辺も提起していきました。

以上です。

河西

河西と申します。

私は、精神障がい者の公募ということで、一般からの応募で政策提言サポーターをさせていただいております。

いわゆる精神医療の患者でありまして、現在も通院しています。発症は17歳です。

早生まれの17歳なものですから、東京の大学へ行った1年生の満17歳のときの夏から秋にかけて、統合失調症、昔の精神分裂病の患者となりました。

いろいろありまして、平成2年に、提言書4ページにある小規模通所授産施設(小規模作業所)に飛び込みまして、平成7年に共同住居が出発しまして、平成8年にグループホームになったのですが、平成7年の共同住居の世話人ということでやらせていただきまして、平成11年に、平たく言えばソーシャルワーカーですが、精神保健福祉士の資格を取りました。平成14年に、作業所とグループホームの世話人をやめまして、独立しまして、一種の自営のような形ですが、細々とやっております。

作業所の流れの延長上で、当事者の団体である札回連―札幌市精神障害回復者クラブ連合会の略ですが、そこの副会長もしております。

今年から高齢の方の福祉パスの問題で、5万円の方は1万円負担のような形の交通費になりますけれども、平成14年の4月か5月から、精神障がい者が、市内に関して、福祉パスですか、福祉乗車証を年金の1級と2級に関して支給されることになりました。3級は、今はウィズユーカードの対応になっているのですが、そちらの運動の旗頭になったのが札回連という当事者団体です。

ですから、僕も、そういう運動的なものにいまだに関っていまして、僕は満51歳ですけれども、東京の大学を退学してから、昭和50年の春に北星大学の社会福祉学科に入りまして、特に心理学が高校のときから好きだったものですから、その延長上の研究のようなものもやっています。

最後に、僕を含めて、同年代、もしくは僕より10から15くらい若い30代以上ですね、最近、痛切に感じるのは、親亡き後の経済的な保障とか法的な問題とか社会的な問題を考えたときに、いわゆる民法の形にはなるのでしょうけれども、相続とか遺産、遺言、そういう法的なものの手だてに関して、自分たちはどうせ精神障がい者だからということで兄弟に譲ってしまうというか、気持ちを譲ってしまうということです。これは、家族にもあり得ることなのです。家族に精神障がい者がいることによって、親戚、家族、兄弟から、一定の法的な部分で負い目を感じてしまうということです。根っこには偏見、差別があるのですけれども、そういう形で自分の権利を放棄しかねないような負い目の部分があります。精神障がい者は、法的な部分では人一倍、知的障がい者や身体障がい者の方よりも法的なバックアップを厚生労働省がこれから徐々にやっていくということで、今日の新聞にも精神障がい者の年金支給の記事が載っておりましたが、これから権利擁護に向けて、精神障がいは他の障害者福祉法よりも、ざっと3、40年の遅れたスパンでやっと始まった状況です。ここに参加している方には、そういう時代状況を理解していただければと思います。

以上です。

香川

どうもありがとうございました。

最後になりましたけれども、私は、さきにお話をしましたように、このサポーター制度の副代表をしています香川と申します。

私は、小学校のころからあまり視力がよくなくて、それでも、それなりに自分で頑張ってきたつもりですが、障害者手帳をもらうことにたいへんためらっておりました。しかしながら、障害者手帳をもらったことで、多くの人が心を開いていろいろなことを言ってくれたということが、私にとっては、今後の生活を送る上で大きな意味になっております。

何とか社会生活を送っていたのですが、こういう状況になりました。実は、私はもともとマスコミの世界にいました。物も書いていましたし、新聞も1日最低5紙以上は読んでいました。ところが、視覚障がいというのは、皆さんご承知のとおり、全体の情報の約8割強がなくなってしまうのですね。先ほど高嶋さんがおっしゃっていましたけれども、コミュニケーションをとることの難しさというのは非常に大きいです。

この提言書の中にあります提言内容の約3分の1くらいは、実は視覚障がいに関する提言なのかなと思うくらい、たくさんの方からいろいろな意見をいただきました。実は、提言をいただいた内容は、その場に行ってデジタルカメラでその写真を全部撮りまして、提言書に貼って役所の方に出しました。

言葉で書いてもなかなか行政に理解してもらえないのですね。ここに、その全部がありますけれども、もし皆さん方も関心をお持ちでしたら、視覚障がい者というのはこういうことがあったのだなということが分かると思います。

ちなみに、今日初めてこの建物の2階に来て驚いたのですが、壁も床もみんな白色系なのです。皆さん方も、高齢社会になっていくと、病気ではなくても視力が落ちていきますが、同系色と言うのは非常にストレスがたまります。また、市立病院もそうですけれども、白衣も壁もトイレの入り口も全部白色系です。清潔という意味でそうなっているのだなと思いますが、これは逆に言うと、高齢社会や視覚障がい者にとってはたいへん危険でストレスのたまる場所になっているのです。

この話をしましたら、言われるまで気がつかなかったと。それから、提言の中にありますけれども、皆さん方がよく銀行でATM(現金自動預け払い機)を使いますね。これも実は視覚障がい者にとってはたいへん不便なものなのです。まず、液晶がわかりません。それから、かなりの強度になってきますと、数字の配列が機械によってマチマチなのです。それから、硬貨と紙幣を入れるところがマチマチです。左右が違います。同時に開くところがあって間違えます。間違えたらどうぞインターホンでお知らせくださいと書いてありますけれども、高嶋さんのように聴覚障がい者がインターホンを使えるのでしょうか。使えませんね。こういうところがやはり欠けているのです。

これは、本当に皆さん方の親、あるいは仲間、皆さん方自身も、将来、年をとっていくと日常生活を送ることが非常につらくなってきます。そうすると、子どもや孫にそういうことをお手伝いしてくれといっても、お金もおろしにいけない、振り込みもできない、窓口に行って紙をもらっても、赤やグリーンで色分けをしていますけれども、これも視覚障がい者にとっては分からないのです。

そういう意味では、私は実は、今、北海道大学の大学院で障がい者と社会資源、言うなればまわりにあるこういう制度、施設、法律、こういったものと障がい者がどういう関係があるかということを大学院で学んでいまして、仲間に、北星大学の社会福祉学科の方、医療大学の福祉の関係者とか、そういう先生方と一緒にこの問題を勉強しているというか研究している立場ですけれども、当事者の声を理解してもらうのはたいへん難しいということが私もわかりました。

また、皆さん方にお配りのものは、視覚障がいの方には点字もお配りすることになっているのですが、最後の個別の内容については点字になっていないのです。これも、視覚に障がいを持つことで情報が途絶えるわけですから、ぜひ点字でつくってほしいということを昨年からずっと言っていますけれども、今回も、最初の説明をした、1番から「おわりに」を含めた15番までの部分は点字でありますけれども、それ以外の部分については点字がございません。これは残念です。

皆さん方は、これを読まれて、あと1時間ございますから、ぜひ皆さん方から貴重なご意見を賜りたいので、それぞれのサポーターの話はこれで終りたいと思います。

それでは、休憩を取りませんので、皆さん方には挙手をしていただいて、どういう障がいかということ、お名前は言っていただいても言っていただかなくても結構ですが、ご意見なりをお聞かせいただきたいと思います。

それでは、皆さん方にマイクを回しますので、よろしくお願いします。

参加者

南区に住んでおります。

私は、視力障がい者1級ですが、まず、今日は市役所の方が来ておられるはずですから、その人たちにお願いします。

私たち視力障がい者用のいろいろな国からの補助金、そういうものが次々と支給される場合がありますが、市役所の担当者の方からは、今度こういうものができたから、あなたたちは使いませんかというPRは一切ないのです。行って初めて、いろいろ聞くと、こういうものがあったとか、ああいうものがあったということを言ってもらえるということです。

これはとんでもない話で、まず市役所の方が、こういうものができたから皆さん使いなさいよというようにPRをしてほしい。あまりにも金のかかるものはオレは一切言わないのだと言わんばかりの姿勢、これは絶対に直してほしいと思います。

それから二つ目は、地震などのときに、南区では、名前は忘れてしまったのですが、そういう場合に「私があなたのところに補助に行きます」と、地震があった場合に家に行って補助をしてくれるそうです。これは、今、札幌市は全部そういう形でやっているのでしょうか、確かめたいと思います。

最後に、私が今やっていることを少し言いますと、僕は網膜色素変性症という目の患者の「ひまわり会」という家族の会というものをやっております。もう11年になるのですが、毎年、この研究をしている先生を呼んで講演会をしております。今年は12月4日に大阪のバイオサイエンス研究所の所長さんを呼んで、この人はいわゆる遺伝子の再生医療の研究をしてくれておりますので、その講演会はここで12月4日の1時からやりたいと思っております。

何と言いましても、我々の目は、薬もなければ治療法もないということから始まったものですから、札幌の眼科の先生は何も知らないのです。おまえの病気は全く治らないのだよということを患者に言うのです。そうすると、ガックリきてしまって、自殺する人もいるのです。そういう人たちを集めてやっているのですが、まず先生たちに勉強をしてほしいのです。今、再生医療や人工網膜の研究も進んでいる中で、もう少しすれば目が見えるようになるよということすら先生は全く知らないのです。そういうことで、これから札幌の眼科の先生たちにもぜひ聞いてほしい、そのためにはどうすればいいのかということを自分で考えてこれからPRしようと思っております。

やはり、30歳、40歳になると全く仕事に行けません。私のように70歳になるとそんなことは関係ないのかもしれませんが、ぜひ一つ若い人たちが働く場所をつくっていただければありがたいと思います。

以上です。

香川

ありがとうございました。

ほかにございませんか。どんなことでも結構です。この提言の内容でも結構です。

参加者

私は、香川さんと同じように、目が不自由です。5級程度ですけれども、眼鏡で補強して両眼とも0.06という状態です。

初めてここの建物に入ってきたときに気づいたのは、まず左側に休憩できるスペースがあるようですが、階段になっているのです。身障者のための建物なのに、なぜこんなところに階段があるのかなと思いましたのと、エレベーターの場所がわかりませんでした。地下鉄大通駅の下は、黒い線でエレベーターの位置を教えてくれるようになっています。ああいうふうに黒を最初に使ったから黒で統一してもいいかなとも思うのですが、エレベーターのところへ行く通路を黒い線で案内してくれると助かるなと思います。それで、地下鉄駅のいろいろな駅に降りても、そういう案内の黒い線というのは大通にしかないのです。せっかくあちこちにエレベーターがあるので、地下鉄を降りたら、各駅にエレベーターがあるところまで黒い線を引いておいてくれると助かります。

それから、ここの建物でいうと、トイレもわかりませんでした。聞きながらやっと行きました。それも、統一した色で矢印か何かがあると、私のような5級くらいの身障者にはわかりますので、お願いしたいなと思います。

それから、今非常に不便を感じているのは、市民ギャラリーというものがありますが、あそこの正面玄関の階段が3段しかないのですが、上がるときは大丈夫なのですが、降りるときは同じ色なのです。くすんだような赤レンガ色ですが、上も下も同じ色なものですから段差がわからないのです。ここから階段になっているよということがわからないのです。降りるときにつまずいて転んだりしていました。あそこは、外れたところにスロープがあるのですが、たいていの所はスロープは正面ではないので、気がつかないこともあるし、使うのに不便を感じます。

それから、市役所本庁舎のところも、私が3年前に札幌に来たときに、やはり降りるときにひっくり返ってしまいました。そのときは、すぐに言いに行きまして、今は黄色いテープを端に張ってもらいました。ペンキで塗ってあるのかわかりませんが、堂々とは塗ってくれていないのです。言ってから2年くらいたったせいか、もうペンキもはげてしまって今はわかりません。

私の場合は色盲ではないので、黄色でも赤でもわかるのだけれども、色盲の人もいるので、端のこういうところにテープなりペンキを塗るとすれば、下の色と境目の端の色は濃淡をつけてくれると、色盲の人も助かるのではないかなと思います。全く同じ色というのは、ちょうど香川さんが言われたように、病院へ行くと、ここも真っ白、あそこも真っ白という状態で、ああいうのは本当に分からなくてぶつかるのです。

雪まつりに行ったときに、白い洋服の女の人が前にいると、雪も白い、その人も白いということでわからなくてぶつかってしまったことがありますので、濃淡で区別してくれると助かるなと思います。

まだまだたくさんありますけれども、この辺にしておきます。

香川

今のお話の中で、若干説明をしておきたいと思いますのは、個別意見の2ページの真ん中付近にこの視聴覚障がい者情報センターの項目がたくさんございますが、この中にも書かれていますように、実は、ここはもとは女性センターだったのです。2年間かけて、全盲の方、ボランティアの方、そういう方々を含めて運営委員会というものをつくって、この建物を障がい者施設にしようということでやったらしいのですが、残念ながら、でき上がった結果はごらんのとおりです。

あそこは昔レストランだったのですが、あれも段差をなくしていただければいいのですけれども、テナントも入らない、なおかつ、あそこで休憩するにも手すりがなく段差があるために、視覚障がい者の施設だと思えないのですけれども、金がないからできなかったという話でした。また、テナントも入らないので、あそこは空いたままになっています。休憩室ではないのです。一番いい場所がそういう状況です。

もしこれが民間であれば、こんなことをやっていたら社長はクビですよ。役所だからこそ、こういうスペースをムダな状態で、せっかくやるのであれば、まさしくこういうところを利用できる、あるいは皆さん方が来たときに休憩できるとか、フロアにいすやテーブルを置いて、皆さん方がだれかと落ち合うこともできるのですが、それもないのです。

それから、ここの1階のトイレはセンサーでドアを開けるのです。目の悪い人は、どうやってセンサーのある場所がわかりますか。私も開けられなくて困ったのですが、そういう状況です。

また、大通の黒い線の話が出ていましたが、大通というのはいろいろな色があちこちに走っていますけれども、これは電車の色を表しているようです。東豊線なのか、東西線なのか、これを伝って行ったら行けますよということのようですが、これは観光客もわかりませんし、一般の市民の方もなかなかわかりません。

そして、今度は黒が出ました。黒が点字ブロックの横に張ってありまして、張ってあるところまではいいのですが、先ほどおっしゃったように、エレベーターにつながっているものですから、途中で切れてしまっているのです。

こういうものが本当に視覚障がい者、あるいは視覚障がいまでいかなくても高齢者の方で視力が落ちてきた方が安心していけるように、障がい者の意見も聞きながらやっていくと、税金を使ってみんなが利用できるようになっていくのですが、そうなっていないのです。

それから、市役所のお話もありました。私も何度も言っておりますけれども、本当に下から行くときはまだいいのですが、上から見ると真っ平なのですね。手すりが切れてついていないところもあります。転倒したり、そこでいろいろなトラブルが起きて、そこを通るのが怖いという人がたくさんおります。

こういうことを行政の中できちんと組み入れて、財政難で(お金が)ない中で、緊急性のあるところからやってほしいと思います。

しかしながら、点字ブロックも、二重に貼ったり、マチマチに貼っているために使えないのです。この間、市長に提言するときにその話もしました。金がないのだったら、わずかな税金で効果的な工事をしてほしい、直すのも金がないからできないとなったら、これは本当に踏んだりけったりなのです。

まさしく今おっしゃるように、当事者の視点を組み入れて、窓口を含めて市役所の職員の意識改革と、市長は当選したときに自転車でパフォーマンスをしましたけれども、私は昨年提言をしたときに、ぜひ福祉担当の部長なり課長なりが直接車いすに乗ったり、あるいは目隠しして階段を下りるとか、いろいろなことを経験してほしいと言ったのですが、残念ながら、1年たってもこれをやったといったというお話は聞いていません。当然、当事者の視点は理解されていないのだと思います。

次の方、どうぞ。

参加者

私は精神障がい2級の者です。よろしくお願いします。

先ほど河西さんがお話ししていましたように、2級ですと乗車パスの無料パスなのですけれども、3級になりますといわゆるウィズユーカードということで、ある程度自己負担の部分が出てくるわけです。

それが、社会復帰ということに関しましては、小規模授産施設や支援センター、デイケアへ通うにもなかなか行きづらいのです。行くまでにお金がかかり、自費負担でなければなかなかできないという部分が発生しているということが、最近、皆様から聞かれています。

また、私が行っている支援センターの女性の件ですが、就職斡旋といいますか、就労というのですか、何回も面接に行くのですが、やはり間口が狭くて、いつもションボリ帰ってくるのですよ。ですから、もっと雇用促進の充実を図ってほしいと思います。

もう一点は、ヘルパーさんのからみだと思うのですが、障がい者の住民型のボランティア・ホームヘルパー派遣など、札幌市は一定の評価を受けていることは受けているのですが、もう一度原点に立ち返って福祉の充実に努めてほしいと思っています。

私事なのですが、こういうセミナーや懇談会などに参加するのですが、今日は無料ですけれども、いろいろな福祉関係とかセミナーもお金もかかるのです。わずかですけれどもね。特に、そういうふうにお金をかけて福祉というか、私のように、何かボランティア活動したい、そういうセミナーに行きたい、講演を聞きたいなといっても、お金がかかってしまうので、なかなか苦慮しているところがあります。

ありがとうございました。

香川

どうもありがとうございました。

それでは、次の方、どうぞ。

参加者

私は、障がい者でありながら、ここに来て、障がい者のことを全く知らないでいたと言っても過言ではないなと思いました。障がい者一人ずつみんなそれぞれ違いがあるなということを強く感じております。

私自身は、肢体不自由といいますか、子どものときからの股関節脱臼というもので、50代くらいまでは、ほとんど健常者と同じようにきておりましたが、徐々にそれが出てきまして、今年の1月から6月までに、両足を人工股関節に入れかえて、3級の身障手帳を持っています。

去年まで、自営業として、全道を車でくまなく仕事で歩いておりまして、物品販売でしたので、一番助かったのは駐車許可証なのです。身障者の助成とかいろいろなものがあると思いますが、私はこれが一番、荷物の出し入れ、あるいは店の前に車を置くということもできたので、それで身障者手帳を取ったようなものです。これは、自分で自営をして独立した40歳の時ですが、初めて駐車許可証というものがあるということがわかったので、身障手帳をもらいました。

それが、年とともに歩行も大分悪くなってきて、ことし初めて、両足に人工股関節を入れて、非常によくなったのですが、よくなった部分となお弱くなった部分と両方あります。見た目は非常に皆さんによくなったねと言われます。しかし、非常に弱い面もあります。陶器が体裁よく直ったような感じですけれども、実際問題、壊れた陶器を接いだようなもので、落としてしまったらすぐに壊れるというところがあるのですが、年からいって、仕事の方も休業状態で、実際にはやめたようなものです。無職と丸をつけるのが嫌なものですから、今のところはまだ休業としているわけです。

今日、来てみまして、私自身も障がい者でありながら障がい者のことを全く知らないでいることが多いのです。ですから、障がいを持っていない人は障がい者のことを知らないというのは、まさにそうだろうと思います。

私は、今年の1月から6月まで入院しておりまして、人工股関節を両方に入れました。6ヵ月入院していたわけではなく、1ヵ月半、1ヵ月半、あとは自宅リハビリで6月までなのですが、今日は、何か私にもできることがあればと思いまして参加してみたのですが、いろいろと勉強にはなりました。

私が一番言いたいことは、とにもかくにも、この9番にある障がい者雇用の充実ということです。この辺のことは、私も不勉強で全然わからないですが、一般の企業も何パーセントかは入れなければならないというのがあると思います。日本という国は、何でも制度としてはあるのだけれども、実際問題、それが実行されていないのがほとんどだと思うのです。ですから、これは市、道、国、こういう行政側からとにかく雇用促進をやると。特に、札幌市はどうなっているのでしょうか、市では身障者は何パーセントくらいを雇用しているのでしょうか。その辺を少し聞きたいなと思います。

私は常日頃ごろ、市の施設などへ行っていますと、ここで例を挙げるのはまずいかもしれませんけれども、例えば図書館などへ行くと、図書館の本の出し入れ、ただ受け付けをしている、こういうところなどはほとんど身障者でもいいように思います。こう言ってしまうと、そこで仕事をしている人は、それは私たちでなければできないのだよと言うかもしれませんが、多くの市の施設でも身障者をどんどん使えということをもっと声を出してやっていかなければいけないと思います。

ですから、極端なことを言いますと、札幌市あたりは30%くらい、いろいろな身障者がいると思いますが、先ほど言いましたように一人ずつ違うので、私たちくらいの少し足が悪いくらいの方には窓口での対応はいくらでもできるわけですからどんどん使うということをしてほしいと思います。

それともう一つは、障がいそれぞれのことについてはわからないでいるというのは、私たちも不勉強ですけれども、先ほど色盲の話が出ました。私も色盲なのです。色盲といいましても、色の赤と緑がわからないということではないのです。色盲検査表がありますね。あの検査表が複雑に色がまざっていて、あれを間違えるだけなのです。これについては、はっきりした数字は忘れましたけれども、日本では10人に1人くらいいるはずなのです。赤と緑を間違うような色盲は何百万人に1人くらいなのです。ですから、識別をしなくてはならないというところまでは必要ない。

ですから、あの色盲検査表ですね、最近はあれはあまりやらないと思います。私から言わせますと、色盲などというのは、ちょっとした特色であって、それぞれみんな目も耳もいろいろな特色がありますので、色の感じる力が人によって、緑の反応がちょっと悪い、あるいは黄色の反応が悪い、茶の反応が悪い、いろいろあるのです。ですから、色盲ではない人が、色盲といったら色を全部間違うように思っているということからも、身障者同士もお互いのことがわかっていないのだなと思います。

長くなりまして、取りとめのない話でしたが、以上です。

香川

ありがとうございました。

今、この中で役所がどのくらい障がい者を雇用しているかというお話がございましたが、国の基準の中に障がい者の法定雇用率というものがあります。

表向きは、札幌市としては法定雇用率は守っていると言っています。しかし、この20日に市長に提言した際に、障がい者が仕事につくことによって、生きがいを持ち、社会参加をしているということの自覚を持てるわけで、軽微の仕事、コピー取りとか、各部局の連絡とか、書類を持っていくとか、こういうところにぜひ障がい者を採用してほしいというお話を申し上げました。

これは、北海道庁も札幌市も全部調べました。どのくらい障がい者がいるのか、道警も教育委員会も議会も全部調べましたが、まさしく今お話のように、肝心なところでは採用されていないのです。札幌市の障がい福祉課の中に、障がい者は1人だけだと思います。大沼さんがおりますから、間違っていましたら訂正してほしいと思います。それから、教育委員会の主管課である総務課などは、障がい者を使ったら仕事が進まない、そのために障がい者に1人つけなければならないから障がい者は使えないというお話もされていました。それから、大沼さんではないですが、前任の障がい福祉課長からは、障がい福祉課に障がい者が勤まると思いますかと言われました。それは、夜遅くまで残業しているのだというお話でした。何も、障がい者が夜遅くまで残業しなければならないということはないのです。まさしく、こういう感覚では、障がい者の雇用促進というのはなかなか図れません。

そして、日本の場合は、雇用率を達成しなくてもペナルティとしていくらかのお金を払えば何の罰則もないのです。役所から仕事をいただいている建設会社とか、こういうところは本当に障がい者を使ってほしいと思うのですが、これなどもきちんとしたデータがなかなかなくて発表されていません。これも、私がこれからいろいろと調べて世間にきちんとした数字を知らせていきたいと思っています。

皆さん方の意見はたいへん貴重な内容ですから、私の話より皆さんの意見を聞くことにしましょう。

次の方、どうぞ。

参加者

先ほどから聞いていまして、障がい者というのは、僕が住んでいる北区で、北区役所の‥‥ドアがあるのですが、ちょっと狭くて、手すりがあったらいいかなと思います。なぜかといいますと、車いすが簡単に入らないので、できたら北区役所のところにも、できれば手すりをもっとつけてくれたらいいなと思います。

香川

ありがとうございます。

前の方で、手を挙げた女性の方がいらっしゃったと思います。

参加者

今まで、いろいろな障がいの方から、いろいろご自分が感じられていることの発表がありました。

その中で、高嶋さんが先ほど発表なさいましたが、同じように私は聴力障がい者です。途中までは聞こえておりましたが、聞こえなくなってから20年ほどになります。

今、私の耳では、皆さんのおっしゃっていることは、直接には何も聞こえておりません。けれども、皆さんもご存知だと思いますけれども、手話通訳者、それから向こうのステージで書いておられます要約筆記者の方、皆さんの発言は、あそこに字でもって書き表わされることによって内容を知るわけです。

自分ではこのように話すことができます。というのは、途中まで聞こえておりましたから、学校も普通に出ておりますし、社会生活も普通に送ってきました。

私たちの仲間は、耳に障がいを持っている人は、札幌では6,000人もいるという話です。けれども、聞こえないために、皆さんの中には出て行けないわけです。先ほど高嶋さんの話にありましたように、コミュニケーション障がいですから、相手の話していることは全然わかりません。どなたかの力を得なければ話し合いができないわけです。そういうことをどうしたらよろしいかということを、聞こえない私たちが、みんな仲間で話し合っております。

高嶋さんは聴力障がい者協会、私たちは途中から聞こえなくなりましたので、中途難失聴者協会という会を持っております。

途中から聞こえなくなった人たちはどうぞそこへいらしてください、悩み事は何でもお聞きしますということをいろいろな方法で市民の方に広げました。それでも、現在、私の会に集まっているのは140人ほどです。

本当は、障がい者というのは、その地区地区で皆さんでの交流ができるとよろしいのですけれども、どうしてもそれができませんので、私たちは札幌身障者協会という協会の事務所の中に一つの部屋をいただきまして、そこで活動をして、去年に30年のお祝いをしたところです。

私たちがそのように活動できて、仲間と話し合いができるようになったのは、とにかく手話通訳者、それから要約筆記者、この方たちのおかげなのです。このようなことを私たちにしてくださるようにお願いした先は市役所です。私たちが自分でお金を出さなくても、市役所の福祉のお仕事によって、こういう手話通訳などの方たちを、聞こえなくなった私たちのために派遣してくださる制度をつくってくださったわけです。けれども、今、障害者自立支援法の中で、いろいろな面で障がい者に対して今までできたことができなくなってきました。その一つに、この要約筆記者の派遣、手話通訳者の派遣、私たちが必要としたときにも、全部無料でこのように派遣してくださるわけではなくて、自分たちで負担をしなければならなくなってきているのです。それでは困るということで、今、全国的に運動を進めております。

それが、私たちの現状で、皆さんに知っていただきたいことです。

私は、今回、仲間を連れてきました。いい勉強会だからずっといてちょうだいということで、初めて参加してもらいました。

先ほどどなたかがおっしゃいましたように、障がい者というのは、自分の障がいだけではなく、ほかの障がいのことを自分たちも勉強しなくてはいけません。どのような障がいを持つとどういうことに不便なのかということもみんなで勉強をしなければいけないのです。私は、1回目の会に出ましたときに、自分の耳のことだけ、こういうことが不便だなどと言っていてはいけないと思ったのです。それで、今日は、皆さんがその後どのように感じられたかということも聞きたい、見たいという気持ちで参加しました。

今、皆さん個人個人の提言はまだ読んでおりませんので、個々のことは家へ帰ってから読ませていただきます。

そういうわけで、障がい者というのは、みんなそれぞれの障がいを理解しなければいけないと思います。

それから、障がい者なのだから何でも役所にお願いして、何でも助けてもらわなくてはという考えだけではいけないと思うのです。やはり自助努力も必要です。これは障がい者にとってはちょっときつい言葉ですけれども、役所にお願いお願いだけではなく、ある程度まではお願いしたいということは言わなければいけませんが、それを実現するまでには自分たちも努力が必要だと思います。

私は相談員をしております。つい20日ほど前に、東北と札幌が集まりまして、相談員の発表会があったのです。私は、相談員の立場で、札幌市の民生委員の方たちともおつき合いを持って、障がい者というものを理解してもらおうと思って集まりを持ったことを、札幌市を代表しまして発表しました。

そうしましたときに、東北の方から私に質問がありまして、「自分が障がい者だということを皆さんに発表したり、そこで話し合ったときに軽蔑を受けませんか」と、200人近い参加者の中で言われました。私は壇上におりまして、それは私の考えかどうか分かりませんが、障がい者であるということに軽蔑の目で見られるということは体験しておりませんとハッキリと答えました。

私は、その言葉を聞いたときに、障がい者というのは軽蔑の目で見られる、なるほど、そういうところもあるのだな、札幌でも障がいの種類によってはあるかもしれません。でも、それを見られた、感じた私たち障がい者は、そういうことに引っ込んではいけないのです。好きで障がい者になったわけではないのです。だから、自分は障がいは持っているけれども、自分のできることはこのとおりやるのだという強いものを持ってほしいと思いました。それは会場では申しませんでしたけれども、私の自分の気持ちです。

皆さんも、自分の障がいというものにくじけないでほしいのです。言うべきところはハッキリと言ってほしいのです。そのかわり、やれることはやりましょう。

それから、私は会場で申しましたが、自分ができること、ほかの障がい者に自分でお手伝いができること、手助けできることはお互いに助け合いましょう。私たちは聞こえませんけれども、持って歩くことはできます。そういう面で、できない方にお手伝いをしたいと思っています。ですから、皆さんも、こういうことはあの人に頼めば何とかなりそうだなと思ったら、遠慮しないでどんどん言うべきです。

札幌身障協会では、七つの障がい者の集まりがありますので、年に1回、障がいの発表―障がいの発表というのはおかしいですけれども、先ほど皆さんがおっしゃった体験談のようなことを発表する機会があるのです。私もいる場所に恵まれているものですから、こういう障がいの方はこういうことが大変なのだなということを15、6年見て理解してまいりました。ですから、皆さんも頑張ってほしいと思います。

市役所の方にもよろしくお願いしたいです。

先ほど浅香さんがおっしゃったように、体験学習をやってほしいです。読んだだけ、聞いただけではわからないのです。この障がいはどういうことが不便なのかということをわかってほしいと思います。

よろしくお願いいたします。

香川

どうもありがとうございました。

たいへん意味のあるお話をいただいたと思います。

障がい者としての自覚、自助努力、最近では個の責任ということがずいぶん言われています。やはり、個の責任という言葉の意味を真剣に考えていかなければいけないと思います。だからあなたは自分で責任を負っていないじゃないかというふうになってしまうと、福祉行政などというものはないに等しくなってしまうのです。今お話しされた方のように、そういう気持ちを持てる方はいいです。でも、個々人の障がいの程度や、周りとの関係や、経済的な問題や、さまざまな要素が重なる中で、自分の障がいをどの程度認めて、そこから行動への動機が持てるかというのは一人一人違います。そのために、最低限度の社会生活を送れるような法律もあるわけですから、これはこれとして、きちんと行政として守っていただきたいと思います。同時に、自分たちのことは自分たちで、お互いに協力し合ってやっていくということは忘れてはならない問題なのかなと思いました。

次の方、どうぞ。

参加者

内容は、小規模作業所授産施設への支援ということなのですが、僕は厚別区から通っています。なぜ厚別区からわざわざ西区の作業所に通っているのかといいますと、厚別に小規模作業所がないのです。

札幌市のウエブサイトの中に共同作業所を紹介するページがあるのですが、それには西区にはものすごくいっぱい作業所があるのですけれども、厚別区には二つしか紹介されておりません。清田もあまり紹介されていないみたいで、手稲もあまり紹介されていません。

本当に普通の企業に雇用してもらえるのでしたら、それが一番いいのかもしれませんが、そうではない場合は、小規模共同作業所に通うしかないわけです。

そのような地域格差があると、最近の情勢では賃金が少ないですから、僕の場合は2級なので福祉パスが使えるのですけれども、そうではない、もうちょっと軽度の人ですと、かえって交通費の方がかかってしまうという状態がけっこう見られるようです。

それで、この10番の中では、作業所への運営補助は必要であるとは書いてありますが、運営だけではなく、作業所の少ない地域への設立のための補助をもっとつくってほしいということを言いたいわけです。

それともう一つ、同じようなことですけれども、道でもって障がい者のための職業訓練学校というものを設立してほしいなと思っております。

香川

どうもありがとうございました。

ここで、大沼課長から、今までお話をいただいた中で、市役所として皆さん方に説明ができるところがございましたらお話をいただきまして、最後にまた課長からお話をいただきたいと思います。

先ほど、自立支援法のお話が少し出ておりました。あっという間に廃案になったかと思いましたが、あっという間にまた再提出されて、これが通るとどういう問題が起きるのかということがなかなかつかみ切れない部分があるのですが、情報がなかなか入ってこないのです。私は、行政が、国がこの問題について取り組もうとしたときに、その地域の行政が積極的にこの中身を当事者に説明していくということが必要なのだろう思っております。

こういうことも含めて、大沼課長からお話をしていただきたいと思います。お願いします。

大沼課長

札幌市障がい福祉課長の大沼でございます。

本日は、今までたくさんのご意見をいただきまして、本当に札幌市の障がい福祉課を中心とする福祉行政はまだまだ力が足りない、あるいは至らないところがあるというふうに改めて感じている次第です。

それで、ご意見につきましては、特に提言書の部分につきましては、障がい福祉課だけではなくて、多くのセクションにかかわる部分がございますので、前段にも申し上げたとおり、本当に真剣に取り組みの状況を検討させていただくというふうに再度申し上げることになりますけれども、今お話があった中で、何点か私の方からお話をさせていただきたいと思います。

まず、札幌市に対して端的に問われた、市の職員の中で、障がい者の法定雇用率を上回った形で障がいのある方を雇用しているのかということに対してのお答えです。

法定雇用率は、民間企業の場合は職員数に対して1.8%になっていますけれども、市役所、道庁等の公共機関につきましては、2.1%と民間よりも高い法定雇用率の定めをされております。

札幌市もそうですけれども、どの行政機関も、いわゆるこの法定雇用率の報告を公共職業安定所の方にしておりまして、2.1%はクリアさせていただいております。

あわせて、2年前から身体に障がいのある方の採用を積極的に進めておりまして、年によって採用の人数は違いますけれども、毎年5人から10人くらいの幅の中で別枠的な採用を続けさせていただいております。

それから、全部をお答えするような場でございませんので、何点かピックアップさせていただきたいと思います。

まず、最初の方のご発言の中で、PRが不足している、市のいろいろな事業が開始したり、障がいのある方の制度の拡大が図られたら、まずPRをすべきではないかというご意見でございました。それは、私も本当にそのとおりだと思っております。PRが足りない部分につきましては、これからも取り組みを強く進めていかなければならないと思っています。

例えば、視力障がいの方のご発言でしたので、視力の方の日常生活用具の給付事業というものがありまして、視力の方の給付品目もございまして、新たに給付品目が拡大をするという場合につきましては、基本的には広報さっぽろで、制度の拡大と、どの障がいの方にどういう品目が拡大になったかというようなことをお伝えするようにしております。

広報さっぽろは、必要な情報につきましては、点字の広報等もございます。視力障がい者の福祉センターのボランティアの方に点字広報等をつくる作業に携わっていただいていますので、そういうような形で、できるところから伝えるべきものについては伝えるというような手法はとっていますが、さらにPRの仕方で不足している部分を今後もっと強化できるような形を考えていきたいと思っております。

併せて、地震等の災害の関係で、災害時に、地域の方が自分のところがきちんと関りますよ、あるいは自分のところに声をかけてもらいたい、これは南区のことだと思うが、全市的にはどうなのかというお話がございました。地域で生活をしていく上で、地域での支え合いというのが一番大事なことだと私も思っております。地域の中では、民生委員の方が全市に配置されていますので、その方を中心にして、地域高齢の方、あるいは障がいのある方を含めて、福祉的な観点を中心に、地域できちんとした生活を送っていっていただけるような、そういう支え合いの活動の中心になっております。その方たちの活動の中で、それぞれの地域によって活動の違いはあると思いますが、できるだけ、そういう緊急時を含めて地域の中で支えていけるような活動が行われていると思っておりますし、南区の場合もそういう例だと思っております。

私ども行政を含めて、プライバシーの問題がございます。個人のプライバシーに土足で踏み込んでいくという形はなかなかとれません。言葉が適切ではないかもしれませんが、そういうこととの兼ね合いも含めて、地域の中でどう生活をしていけるのか、まちづくりセンター等もできるだけ地域の中の核になることで、今、体制整備を図ってきております。

できるだけ、自分の住みなれた地域で生活をしていける、日常の中でも緊急時を含めてどうやって生活を継続していけるのか、そこを地域的に、今後、札幌市も体制の充実を図っていきたいというふうに考えています。

それから、ここのセンターについてですが、先ほど香川さんからもお話があったとおり、女性センターであった建物を改築して、今は視聴覚障がい者情報文化センターとして、ことしの5月にオープンしております。提言書の中でも何点か、このセンターを使う上で不都合がある部分の取り組みを図るようにという直接的な言及もございます。それから、今日会場でいただいたご意見もございます。

センターをつくるに当たって、視力の方、聴覚の方、身体障がいの団体の方も含めて、検討委員会の中でいろいろ議論していただいたことを踏まえてセンターをつくったのですけれども、やはり不備な部分については、これからどう改善を進めていけるのか、そこは検討課題としてさらにやっていこうと思っております。

これは言い訳になるかもしれませんけれども、このセンターをつくるに当たって、こういう施設をつくるに当たっては国の補助が定例的にあるのですけれども、国の方の財源不足によりまして、ここは市の単独事業ということで、市費を全部投入して、基本的に補助なしでつくった施設です。

何を申し上げたいかといいますと、札幌市が税金等も含めて、限られた財源が、最終的な財源になったと。その財源を充てるために、旧女性センターを改修すると、基本的には女性センター開設から20年くらいたっていたものですから、新しい施設として使うためには給湯管などを取りかえなければならなかったのです。それから、視力障がいのセンターというのは、そこで持っていた機能をここのセンターでもきちんと配置して、さらに拡大すると。それから、高嶋さんもいらっしゃっていますが、聴覚の方の情報提供施設は今までなかったものですから、新たにそこをきちんと配置をすると。いろいろな優先度のつけ方がございまして、優先度の高い方から、先ほど申し上げた検討委員会の中でも検討していただいて、この施設をオープンする形になりました。

今後も検討していく部分がまだ残っていることは私どもも存じておりますので、財政的な観点もございますけれども、今後も検討させていただきたいと思っております。

それから、交通費助成の関係で、重度の方には福祉パス、これはタクシー券とガソリン券の選択制という部分と、中度の方、身体障がいで申し上げると3級、4級の方、あるいは精神障がい手帳の3級の方にはウィズユーカードということで、そういう交通費の助成を受けられるという違いがあるので、そこを改善してほしいというご意見は、今日もいただいておりますし、これまでも障がい福祉課の方に寄せられております。

札幌市としましては、福祉パスの関係につきましては、重度の障がいの方の社会参加のすべてを交通費の助成でカバーするという形ではなくて、社会参加の支援の一手だてということでずっとやってきております。重度の方には、交通費助成の助成の比率を高くして、そうではない中度の方にはウィズユーカードという手だてで支援の一部にしていくという形は、札幌市としては今までも継続してきましたし、それをすべて一律福祉パスという形にはならないというふうには考えております。

いずれにしましても、交通費助成につきましては、私ども障がい福祉課が制度のあり方そのものを全般的に検討していく立場にございますので、制度全体の中で今後どういうふうに支援をしていけるのかということも検討課題だと思っております。

最後に、小規模作業所ですけれども、小規模作業所そのものは、従前から、地域で障がいのある方が授産活動を行う場、あるいは日中の活動を行う場として非常に貴重な位置づけを札幌市もしてきたところです。

地域的な配置に偏りがあるという部分は、小規模作業所というのは、行政が施設をつくってそれを運営していくという形ではなくて、それぞれ人数的な違いはございますが、地域の中で行われている活動に着目をして、行政が補助を適合していくという形なものですから、どこの地域で従来から活動が行われてきたという経過などの部分がありまして、どうしても地域的に均一な形はとれないと思っています。ただ、そうであっても、地域的なバランスというのは札幌市として考える必要がありますので、地域的に数が少ない部分を数の多いところよりも優先していくという考え方を持っていくということが、選択肢としては必要なのかなと思っております。

香川

たいへんありがとうございました。

このあとに、大沼課長にまとめのお話をしていただこうと思いましたが、もう時間がございません。

実は、私たちサポーターはこの12月で任期が切れます。ですから、最後に1分くらいずつで、高嶋さんの方から順番に、今日の話も含めて述べていただいて、この会を終わりたいと思います。

高嶋さん、よろしくお願いします。

高嶋

皆さんの意見をお聞きして、札幌市の制度はまだまだ十分ではないなということを感じました。

最後なのですけれども、新しい方にまたバトンを渡して、こういった提言サポーターを終わりにしないで、継続していってほしいなと思っています。

ますます福祉制度が改善されていって、いい条件になるようにと思っております。

2年間、本当に勉強になりました。ありがとうございました。

河西

精神障がい者ということで、最近は、精神障がい者みずからの回復の過程での自分の気持ちとか、本音の部分が出てくるようになったのですが、一方では、反精神医療という形の患者の運動があります。特に、行政、医療、国、自治体に関して、非常に攻撃的な運動、活動をする団体があります。僕は批判的に見ています。

そういう意味では、活動とか、こういう形の行政との接点の部分で資格を生かした仕事をしていきたいなと考えています。その中で、言うべきことは言い、やるべきことはやるということを貫いていきたいと思っています。

以上です。

浅香

昨年、今年と2回の提言書を提出させていただきましたけれども、昨年の提言書以降についても、けっこう実現できた問題もありますし、もう実現は不可能だという回答をいただいたものもあります。また、今年出したものにつきましては、これから回答をいただくこととなると思います。

12月で私たちの任期は終わりますけれども、昨年、今年に出した提言書の未解決部分について、これからも引き継いでいただいたサポーターに検証していただきながら、みんなが住みやすい福祉のまちになるように願っています。

ありがとうございました。

鈴木

今日は、皆さんの意見をお聞きして、私たちのサポーターの任期は終わりますけれども、すごくいい経験をさせていただいたなと思いました。

2年間活動をしてきて、いろいろな懇談会に参加してきて感じたのですけれども、やはり自分の中でも発見があったり、札幌市に対してというか、2回提出した提言書を見ても感じていたのですけれども、まだまだなのだなと思いました。

私たち自身は12月で任期が終了になりますが、次の方に、この提言書の中でまだできていない部分、そして、これからまた上がってくる提言を次のサポーターさんに、ちょっとバトンは重いですが、渡していければいいなと思いました。

2年間、本当にありがとうございました。

冨田

私自身、2年間、政策提言サポーターとして関らせていただいて、いろいろな障がいの方のいろいろな話を聞けて、よかったなと思っております。

私は身体障がいなので、ほかの聴覚や視覚、精神の方のことはほとんど知らなくて、私自身、こんな前で偉そうに話を分かったふうに聞いていいのかなと、自分の中でいろいろと思ったりした時期もありました。

やはり、こういう場で、今日も皆さんに話していただきましたけれども、いろいろな方の声が聞けるということ、声を出せるということ、そういう場が必要だなと思いました。こんな場がなければ、なかなか話せなくて、でも話したいというところで葛藤しておられた方もおられたのではないかと思います。こういう場があることで、この場で話されて、それが結果的に札幌市の政策に反映されたということもあります。しかし、まだ反映されていない部分も多いかと思います。

今後、次のサポーターさんに期待することは、私たちの提言を引き継いでもらって、より具体的な形で進めていただけるようにお願いしたいなと思っております。

今後は、皆さんの方でも、いろいろな人にこういう場があるということを伝えていただいて、ぜひこれからもいろいろな意見を出していただけたらと思います。

私たちにとっては、まず声に出すということが外のいろいろな方に知っていただくという原点になりますので、やはり、そこを大切にしたいなという思いがあります。

皆さん、今日はありがとうございました。

香川

どうもありがとうございます。

サポーターの方がお話をしましたように、このサポーター制度が意義あるものなのかどうかというのは、皆さん方一人一人の参加意欲というか意識の問題なのです。サポーターが何人いても、何十人いてもこの目的は達成できません。そういう意味では、中には引き続きサポーターとして活躍される方もいるでしょうけれども、広報さっぽろの11月号が間もなく発行されまして、この中にサポーターの応募内容が示されると思います。ぜひ、今日ここにお越しの方で、サポーターをして、皆さん方の意見を吸い上げて、行政に反映し、障がい者福祉の一役になりたいという方は、個人応募でも結構ですし、団体推薦でも結構ですので、出していただきたいと思います。

今日は、大沼課長にはたいへん忙しい中を来ていただきまして、たいへん厳しい意見もありましたし、要望もございましたけれども、ここで出された意見並びに提言書の中に書かれている内容は、たいへん切実なことで、日常生活を送るためには必要な内容であります。優先順位という問題もありますし、予算、財政の逼迫という問題もあります。しかしながら、最大公約数で、すべてが満点にいくということはないわけで、誤解されている部分もありますので、やはり情報をきちんと提供していただくということも含めて、今後の福祉行政をつかさどっていただきたいと思います。

今日は、たいへんお忙しいところをお集まりいただいた方に感謝を申し上げまして、この会を締めくくりたいと思います。

どうもありがとうございました。(拍手)

以上

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