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更新日:2011年2月21日

平成17年度第1回懇談会

開催日 : 平成17年4月28日(木曜)14時~16時

開催場所 : WEST19 5階 講堂

我妻

皆様、こんにちは。

本日は、札幌市障がい者による政策提言サポーターの平成17年度第1回の懇談会にお集まりいただき、本当にありがとうございます。

私は、本日の司会進行役を務めますサポーター委員の我妻と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、既に皆さんご承知かと思いますが、改めてこのサポーター制度について簡単にお話しさせていただきます。

障がい者によるサポーター制度というのは、上田市長が誕生しまして、その後の「さっぽろ元気ビジョン」というプランを受けて、障がい当事者の方々、家族の方々、さらに福祉に関心を持っている方々からご意見をいただき、札幌市政に反映させようと始められた新しい仕組みです。私どもサポーター12名が、札幌市から委嘱を受け、皆様方からのご意見をお聞きして、それをまとめて市長に提言するという役割を担っております。

本日の懇談会につきましては、昨年、皆様方から寄せられた要望、提言、ご意見等を私どもの方でまとめまして、9月に市長の方に提言という形で上げました。その取り組みが現在どういう状況にあるのか、札幌市から説明をいただき、また、昨年度における私どもの1年間の活動を振り返ってどうだったかというお話もさせていただき、その後に、会場の皆様から改めてご意見やご提言をいただく時間に当てたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、開会に先立ちまして、札幌市保健福祉局保健福祉部の佐藤裕光部長よりごあいさつをいただきたいと思います。

よろしくお願いします。

佐藤障がい福祉担当部長

皆様、こんにちは。

ただいまご紹介いただきました札幌市保健福祉局障がい福祉担当部長の佐藤でございます。

障がい者による政策提言サポーターの平成17年度第1回懇談会の開催に当たりまして、一言、ごあいさつを申し上げたいと思います。

本日は、大変お忙しい中を懇談会にお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

また、皆様方には、日ごろから本市の障がい福祉行政に大変なご理解とご協力をいただきまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。

さて、少子高齢化や景気の低迷、また国際化や情報化の伸展など、私たちを取り巻く社会環境は大きく変化をしてきております。このような時代の転換期を迎えまして、だれもが個人として尊重され、対話を通じて理解し合い、それぞれが個性を十分に発揮し行動できる、そういった共生のまちづくりを進めていくためには、市民の方一人一人が自分たちのまちについて考えて、その思いや考えを市政に反映させていくということが何よりも重要でございます。

そのため、札幌市におきましては、平成15年7月に策定いたしました「さっぽろ元気ビジョン」の中で、市民自治が息づくまちづくりを施策の根本に据えまして、障がい者福祉に関しましては、その方策として障がい者による政策提言サポーター制度を設置したところでございます。

この制度につきましては、今、我妻代表からもお話がありましたけれども、障がいのある方々の思いあるいはその考えを同じ目線で理解し応援することができる、障がいのある方々の聞き取り役とか取りまとめ役、こうした役割を担っていただく政策提言サポーターになっていただきまして、その意見を市政に反映していくというものでございます。昨年度は4回の懇談会を開催し、障がいのある方の意見を個別にお聞きする場を設け、さらに、郵送であるとかファクス、eメールなどによりまして寄せられた多くの意見をもとにサポーターが提言書として取りまとめられ、市長に提出された次第でございます。

本日は、まず、平成16年度における札幌市の提言への取り組み状況等について本市からご説明申し上げまして、サポーターの方がご来場の皆様のご意見をお伺いすることにしております。皆様方におかれましては、この取り組み状況をご理解いただくとともに、忌憚のないご意見をいただければ幸いと存じます。

また、2年目となりますサポーターの今年度の活動につきましてもご協力をいただきますようお願い申し上げまして、一言、ごあいさつにかえさせていただきます。

本日は、よろしくお願いいたします。(拍手)

我妻

ありがとうございました。

それでは、簡単に、私どもサポーターの紹介をさせていただきます。皆様方から向かって左側から紹介をしていきたいと思います。浅香さんです。

浅香

よろしくお願いします。(拍手)

我妻

続きまして、小山内さんです。

小山内

よろしくお願いします。(拍手)

我妻

続きまして、冨田さんです。

冨田

よろしくお願いします。(拍手)

我妻

続きまして、河西さんです。

河西

よろしくお願いします。(拍手)

我妻

続きまして、香川さんです。

香川

よろしくお願いします。(拍手)

我妻

香川さんは、副代表をお務めになっております。

それから、私、我妻です。よろしくお願いします。(拍手)

続きまして、鈴木さんです。

鈴木

よろしくお願いします。(拍手)

我妻

続きまして、小林さんです。

小林

よろしくお願いいたします。(拍手)

我妻

最後になりますけれども、場崎さんです。

場崎

よろしくお願いいたします。(拍手)

我妻

それから、きょうは、お仕事の関係で、竹田さん、三浦さん、高嶋さんという3名のサポーターが欠席されていらっしゃいます。

合わせて12名の皆様方からご意見やご要望をお伺いして、それをまとめて市長の方に提言として上げるという役割を担っております。

改めまして、どうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、昨年度、皆様からいただいた要望や提言をまとめて札幌市長に提出いたしましたけれども、その取り組み状況がどうなっているのか、札幌市の大沼障がい福祉課長からご説明いただきたいと思います。

最初に、私の方からご了解をいただきたいと思いますけれども、皆様からいただいたご提言は非常に多岐にわたっておりまして、きょうの資料をごらんになっていただければおわかりになると思いますが、物すごく分厚い資料になっているかと思います。それをまとめたものがA3判の資料になっておりまして、きょうは、皆さん方から寄せられた提言の中でも、特に私たちに関連の深い部分について簡単にご説明をいただこうと思いますので、その部分についてご了承いただきたいと思います。

それでは、大沼課長さん、早速、よろしくお願いしたいと思います。

大沼障がい福祉課長

札幌市障がい福祉課長の大沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

お手元には、取り組み状況という冊子と、A3判の大きい表の2枚物、裏表になっておりますので4ページにわたるものを置かせていただいておりますが、A3判4ページのものを中心に、私の方から取り組み状況についてご説明をさせていただきたいと思います。

A3判1ページ目の一番上に表示をしておりますけれども、今回、障がい者による政策提言サポーターの方が平成16年度提言書として札幌市長に提出いただいた項目は204項目にわたっております。このいただいた提言については、かなりの関係部局にわたりまして、札幌市では、鋭意、その取り組みについて検討させていただいたところでございます。

まず、全体の取り組み状況についてでございます。

2番目の提言への取り組み状況の全項目というところで表示しておりますとおり、五つに区分して整理をさせていただきました。いただいた提言の中で、平成16年度の中で実施させていただいた項目は71項目にわたっております。次に、平成17年度、今年度予算に計上してこれから実施させていただく予定のものは17項目ございます。また、中長期期的な観点からさらに検討が必要なものは61項目ございます。それから、いただいた提言の中でも、国の取り扱い規定、あるいは札幌市の現状の取り扱いの中で取り組みが困難ということで表示をさせていただいたものが27項目ございます。このほか、札幌市以外の部局にかかわるものについて、札幌市以外のところに伝達をした内容を中心にしまして、その他という項目が41項目にわたっております。それから、計のところは217項目と表示をしておりますが、これは、一つの項目の中で、一部分は16年度に実施しているけれども、ほかの部分については中長期期的な検討が必要だということで、一つの項目を二つに分けた重複分類という分類の仕方もございますので、実項目は204項目ですけれども、217項目で区分をさせていただいたところでございます。

続いて、3番目の提言への評価の(1)の主要提言項目への評価というところです。

16年度の提言につきましては、先ほどご説明があったとおり、懇談会、意見聴取、あるいは、障がい福祉課を中心として、郵送あるいはファクスなど、個別にいろいろな形でいただいたご意見について、まず、サポーターの方によって主要な3項目に整理していただきましたが、その主要な項目に応じた提言内容を左側に掲示しております。それから、次のところに評価とあります。ここで、先ほど申し上げた平成16年度実施済み等の評価を掲げ、その右側には、それぞれ担当課の取り組み状況を表示しているところでございます。また、一番右側に掲載しておりますのは、取り組み状況の冊子のページ数、あるいは項目の番号を表示しておりますので、後で対比させていただければ冊子との照合がとれるような形をとっております。

それでは、サポーターの方が大きく三つに分けた提言項目の中のまず1点目としまして、公平で公正な社会を築くためにという部分についてご説明します。裏側の2ページ目にもまたがりますが、ここでは、さらに4項目の区分を設けて提言をいただきました。

公平で公正な社会を築くためにのまず一番初めの項目としましては、障がい者市民の考え方に耳を傾けることが前提とうたってあります。縦で表示している部分ですが、その中の一つ目の項目としまして、一番上に、各種委員会になどにおいて障がい者の参加を進め、意見を反映させるとございます。

この部分につきましては、平成16年度実施済みと表示をさせていただいておりますが、取り組み状況のところを見ていただきますと、私どもが所属しております保健福祉局の中で設置している障がい者施策推進協議会、あるいは福祉のまちづくりを進めるための福祉のまちづくり推進会議の中で、障がいのある方に委員として参加していただいてご意見をいただいております。あるいは、平成16年度から18年度まで3年間の札幌市のまちづくり計画である札幌新まちづくり計画というものがありまして、ビジョン編と重点事業編の二つの項目に分けておりますが、そのまちづくり計画をつくるに当たって、市民会議の委員として障がいのある方に参加をしていただくというような形で、取り組みを進めてまいりました。今後につきましても、札幌市の会議あるいはその計画をつくる中で、障がいのある方ができる限り参加をいただけるように、庁内への働きかけについてもやっていきたいというのが現状の、取り組み状況でございます。

次に、その項目の二つ目としまして、市役所職員の意識改革です。市役所の職員はサービスを提供するという立場をきちんと持って、その観点から意識改革を進めるべきという提言をいただきました。

これにつきましては、札幌市職員の研修を扱っている職員部の自治研修センターの、取り組み状況を上段に表示し、それから、保健福祉局の取りまとめをしております総務課の取り組み状況の二つを掲示をしております。主に市民の方が満足をしていただくということで、市役所に来た際の窓口対応も含めて、市の中で必要な対応を図っていくためのサービスアップの研修です。全部の区ではありませんが、何区かでは、平成16年度の取り組みとして既に窓口職場サービスアップ研修を行っておりますが、こういうことに取り組みながら、市民の方が市の方にいらしたときに満足していただけるような接遇、対応を図っていくということで進めております。あるいは、各区役所の保健福祉職場の担当者に対して、それぞれ保健福祉関係の研修も企画して実施させてきていただいております。そういう状況の中で、サービスの提供という部分につきまして、平成16年度、あるいは、今年度も継続してきちんと取り組んでまいりたいと考えております。

それから、その項目の2点目のサービスの不公平をなくすという提言の中で、担当窓口によるサービスの不公平をなくす、あるいは、そのページの一番下に表示しております障がい等級、種別によるサービスの不公平をなくして、ニーズに即したサービスを提供すべきというところです。

この部分につきましては、2番あるいは後ろのページの上段にも掲示してありますとおり、今、札幌市では、平成16年度から3年間の取り組みとして、札幌市役所改革プランを策定して実施しており、窓口職場、担当窓口でのサービスの向上に努めているところでございます。それから、先ほど申し上げた窓口を担当する職員に対する福祉制度等の専門研修の継続的な実施も組み合わせながら、サービスアップに努めておりまして、そういう状況を表示させていただいております。

あわせて、次の裏側2ページ目の上段には、障がい福祉課からの取り組み状況を掲載しております。ここにあるとおり、私どもは、窓口を含めて、障がいのある方のニーズに即したサービスの提供に努めているところでございますけれども、公的制度の制約等の中では一定の区分を設定されているものがございます。そこに例示してあります支援費制度の中の居宅介護、ホームヘルプ等のサービス、あるいは移動介護のサービスにつきましては、重度の身体障がいの方あるいは知的障がいの方を中心として一定の区分を設けさせていただいています。あるいは、札幌市のサービスとしましても、交通費助成関係のサービスにつきましては、障がい等級、重度、あるいは中・軽度等でご利用いただくサービスの内容が違う形で設定させていただいているものがございます。いずれにいたしましても、サービスの提供に当たりましては、きちんと内容を説明する中で、障がいのある方に不公平感を持たれることがないような十分な説明を尽くしているところでございます。

それから、その下の項目のサービス状況の入手格差による不公平が生じないようにするという提言です。

これにつきまして、保健福祉局では、障がいのある方のために、札幌市のいろいろな福祉制度あるいは福祉サービスを掲載している福祉ガイドを作成して、制度のご案内に努めているところでございます。この中で、年度途中にサービス内容が変更するような場合につきましては、広報さっぽろを通じてお知らせする、また、大きな制度の改正につきましては、個別にご案内の文書を作成してお送りする、あるいは、パンフレット等を作成をするような形を含めて、必要な情報を正確に伝える努力をしているところでございます。こうした、サービス情報の入手格差によるに不公平が生じることがないような形で努力している状況を、表示させていただいております。

次に、福祉のまちづくり条例の充実についてです。

札幌市福祉のまちづくり条例が制定されてから6年という期間が経過しておりますが、この期間の経過の中で、利用されている市民の方あるいは事業者から、より実態に合った整備基準が必要だという声をいただいてきております。このことから、条例で定めている整備基準を利用実態に合うように整理していくとともに、必要性が高まっている項目についても追加していくということで、見直しを検討しているところでございます。

それから、その下の公平で公正な社会を築くための最後の提言項目ですが、障がいのある方の人権を守る仕組みが必要、あるいは、将来的な目標として、札幌市障がい者差別禁止条例を制定すべき、あるいは、権利擁護機関の創設という部分についてです。

これは、中長期的な検討が必要ということで表示させていただいておりますが、状況といたしましては、そこに何点か記載をしてありますとおり、日本政府は、国連の人権規約委員会の方から、障がいのある方の差別を禁止する法律を採択するような勧告を既に受けているところでございます。このことを含めて、障がい者差別禁止法の制定を求める動きがあるところでございます。ご案内のとおり、平成14年10月にはこの札幌の地で第6回DPI世界会議札幌大会が開催されましたが、このとき、障がいのある方のための国際権利条約の制定と、すべての国が差別禁止法を採択することが札幌宣言として採択されたところでございます。また、平成16年には、障がい者基本法が改正され、そこに表示しておりますとおり、障がいを理由として差別すること、そのほかの権利、利益を侵害する行為をしてはならないという項目が新たにつけ加えられたところでございます。自治体の差別禁止条例制定の動きとしましては、県レベルですが、千葉県や宮城県の方で検討が始められたと伺っております。

札幌市といたしましては、今後、国として法律等を制定をすべきという勧告を受けた国際的な動き、あるいは、これに対する他自治体の条例の取り組みなどに留意しつつ、今後、札幌市としての取り組みをどうしていくのか、中長期的な形でございますけれども、検討していきたいというのが今の状況でございます。

それから、2点目の大きな提言項目は、その下の一番左に表示してありますとおり、障がいについての理解と啓蒙・啓発を進めるべきということです。

ここでは、まず、障がい者に対する根強い差別や偏見をなくすためにということで、1点目として、障がいのある方とその区で活動をしている人の交流会・懇談会を各区で開催すべきという提言ですけれども、障がいのある方が生活していくためにその地域の中でいろいろな方と意見交換していただく場があることは、非常に意義があることだと考えております。障がい者による政策提言サポーター制度の中でも、こういう大きな中央での場だけではなく、区で意見聴取や話し合いの場を設ける必要があるということも、検討されてきたところでございます。最後にご説明があるかと思いますけれども、平成17年度は、市内3区で意見を聞く場を設けて、サポーターの方が活動していただくような予定になっております。そういうことも含めて、今後とも、地域での交流等の場の持ち方につきまして、検討を進めてまいりたいという状況でございます。

その次に、教育の中でさまざまな障がい者福祉についての理解を進めるために、福祉協力指定校により積極的な役割を担ってもらうべきという提言についてです。

これは、まず、市内の小学校、中学校、高等学校について、平成16年度までに373校中 318校を社会福祉協力校として指定してきております。このことにつきましては、3年間を指定期間として設定し、年額10万円の活動費の助成を行ってきております。社会福祉協力指定校の事業につきましては、各区の社会福祉協議会が実施主体になっております。札幌市といたしましても、効果的な事業が実施されるように、今後も実施主体である社会福祉協議会とも連携を図っていきたいというのが、今の状況でございます。

それから、次の児童生徒に向けて障がいのある人を講師として積極的に活用するという提言です。

これは、教育委員会の学校教育部から回答させていただいているところでございますけれども、学校としても病気休暇等の代替職員としての講師を採用してきておりますが、対応する各校種あるいは教科の教員免許状を保持している中から、代替教員を採用してきている状況でございます。ただ、採用に関しては、障がいの有無にかかわらず面接等の総合的な評価を行って選考し、適切な資質、能力を持った方の採用を進めてきているのが、教育委員会の方からの取り組み状況の回答になっております。

次に、その下ですけれども、障がい者の雇用を進めるために関係機関や企業に働きかけるということです。

率先して障がいのある方を職員として雇用するようにという提言につきまして、札幌市では、上段の方に掲載しているのは障がい福祉課の回答でございますが、保健福祉局からほかの部局に対して障がい者雇用の推進にかかわる依頼文書等の送付に努め、働きかけを行ってきております。さらに、下段の方の総務局職員部からの回答では、実際に身体に障がいのある方を対象とした採用選考を、平成15年度から実施をしてきております。15年度は7名、16年度は13名という採用を重ねてきておりまして、札幌市といたしましても障がいのある方の採用を、今進めてきているところでございます。

次に、3ページ目に移っていただきたいと思います。

主要な提言項目の中で一番項目が多いのが3点目の障がい者の社会参加に向けてということで、障がい者の社会参加を進めるために札幌市としてはきちんと手だてを講ずるべきということでございました。

その一番上は、重度心身障がい者医療費助成制度の中で、精神障がい者への適用も検討することが必要ということでございます。

重度心身障がい者医療費助成制度につきましては、北海道の制度として運用してきているところでございますけれども、北海道からは、財政状況や他都市の実施状況などを勘案しながら、精神障がいのある方への助成については、将来的な検討課題として認識しているというような回答をいただいているところでございます。札幌市としては、道のそういう状況を見ながら対応してまいりたいと思いますが、今の札幌市の財政状況の中では、市単独で精神障がいのある方を重度心身障がい者医療費助成制度に結びつけるのは、難しいところでございます。

その次の項目としましては、障がいのある方の住居の充実を図るという提言項目の中で、一番上は、民間住宅を借り上げる上での公的保証人制度の創設でございます。

これは、中長期的な検討が必要と表示させていただいておりますが、公的保証人制度ということで自治体が連帯責任を負うのは、現在の札幌市では難しい状況にございます。

ただ、現在、通常国会に提案されております障害者自立支援法案の前段として、国が掲げております今後の障がい保健福祉施策についての改革のグランドデザインの中で、今後、障がいのある方の居住サービスを進めていくための具体的な項目の中で、民間住宅を借りる上での保証人制度も、居住サービスの一つに掲げてきているところでございます。この法案の推移、あるいは改革のグランドデザインの今後の実施状況に合わせまして、札幌市も必要な取り組みを検討させていただきたいと考えております。

それから、その下は市営住宅の障がい者枠の増設です。

市営住宅のバリアフリー化につきましては、そこに表示してありますとおり、緊急通報ブザーあるいは手すり、床の段差解消、点字ブロック、音声つきエレベーター等の手だてを講じてきております。車いすを利用される方に対応した住宅につきましては、昭和56年度から提供してきておりまして、16年3月末では220戸を提供しているところでございます。今後につきましても、車いすを利用される方に対応した住宅供給については、新規の市営住宅の着工戸数の4%に当たる戸数を目標として計画を進めております。

それから、次の新設のグループホームに対する支援と市営住宅のグループホームへの積極的な転用という提言項目につきましては、項目として二つに分けております。上段の方は、新設のグループホームへの支援でありまして、これは、今後の障がいのある方の地域生活の中核になる施策という認識をしており、グループホームがより拡大をするための手だてとして、共用備品や改修、新しくグループホームを始めるに当たって必要となる経費について、1カ所当たり50万円を限度とした補助制度を平成17年度に新たに設けたところでございます。

もう一つは、市営住宅のグループホームへの転用でございます。

知的あるいは精神に障がいがある方のグループホームにつきましては、公営住宅法が改正をされた中で、目的外使用をすることができるという規定が設けられたところでございます。ただ、現状の市営住宅の空き家の応募倍率が、表示してありますとおり、40倍から60倍というような高い倍率で応募が継続してきております。こういう状況の中では、なかなか転用ができる空き家がないというところで、現状はなかなか難しい状況をそこに表示させていただいております。今後の空き家が生ずる状況に応じながら、保健関係部局と住宅関係部局で連携をとりながら進めてまいりたいというのが、そこの取り組み状況でございます。

それから、次の就労の促進の部分で、一般企業に、障がい者や企業が利用できる既存制度の周知を図るべきということです。

これにつきましては、札幌市としましても、個別の問い合せにつきましては、制度の周知等を行っているところでございますけれども、今後とも周知方法については検討が必要ということで、表示をさせていただいております。

2点目は、福祉的就労の場として経済的基盤の弱い小規模作業所への支援が必要という部分でございます。

これについては、17年度に小規模作業所の補助基準の改定を行っております。従前の小規模作業所の補助基準を現状に適合するよりよい補助基準に改正するということで、平成16年度に、小規模作業所を運営されている方たちと行政で何回かの検討会議、打ち合わせの場を持ちながら、必要な補助基準の改正を図ってきたところでございます。

それから、次の項目は、障がいのある方がホームヘルパーとして就労できるように取り組みをすべきということです。

ご存じのとおり、ホームヘルパー制度では、介護保険制度、それから、障がいの方の制度である支援費制度、どちらにもホームヘルパーの資格の規定がございます。いずれにいたしましても、必要な研修を受けていただいて、その資格を具備していただく、あるいは、障がいの方の支援費制度は、介護保険の制度にないような移動介護あるいは全身性の方の日常生活支援の研修等もございます。こうした研修制度についての必要な要綱等の整理は平成16年度に行っておりまして、研修を実施できる研修実施校、研修を実施する施設につきましては15カ所の指定を完了したところでございます。

これらの研修につきましては、障がいの有無は要件には全く掲げておりません。障がいの有無にかかわらず受講が可能ということで、受講できるような形態になっております。ただ、実際に研修を受けていただいて修了された後につきましては、その事業を取り扱う事業所で稼動をしていただくということで、職域拡大への理解促進につきましては、今後、図っていく必要があるというふうに考えております。

次の大きな項目の中のユニバーサルデザインの視点に立ち、バリアフリー化を進める部分でございます。

まず、だれもが使いやすいユニバーサルデザインを基本として、それだけでは対応できないバリアフリーが必要という提言につきましては、札幌市では、これまでも、都心まちづくり計画、交通バリアフリー基本構想、公共サインの基本計画等、こういう計画、構想等の掲載に当たりましては、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れて策定をしてきたという状況と、今後もユニバーサルデザインの考え方をまちづくりに反映させてまいりたいというような取り組み状況を、表示させていただいております。

次に、だれもが使いやすい「まち」「公共交通」にするため、より一層ユーザーからの声を反映させるべきという提言項目につきましては、まず、上段のところに掲げておりますのは、札幌市の中でも多くの方が利用する施設を新設する場合につきましては、設計の段階で障がい者団体等のご意見をいただく、あるいはチェックをしていただいてきておりまして、今後もこういう取り組みにつきましては継続をさせていただく。下段の方に掲載してありますのは、札幌市交通バリアフリー基本構想の検討をさせていただいたときに、実際に現地を歩いていただくことによって、バリアフリーにかかわる課題を整理することを目的にフィールドチェックを実施をしてきております。今後とも、こういうような形でバリアフリーの取り組みについては進めていくことを掲載させていただいております。

一番下の障がい者福祉の関連する委員会、担当部局との連携を強化し、トータルなまちづくりを目指すという項目につきましては、福祉のまちづくりの事業を行うに当たっては関係する部局が多数ございます。こういう多数の関係部局と連携を密にして、一番初めにご説明したような福祉のまちづくり推進会議等の関係する委員会とも連携しながら、まちづくりのための取り組みを進めていきたいということを表示しております。

最後に、その裏側の4ページ目ですけれども、障がい者の社会参加に向けての最後の項目の生活の質の向上を目指してというところです。

大きい1点目としましては、支援費制度の充実が掲げられております。

支援費制度については、平成15年4月から、従来の措置制度にかわって、障がい者の新たな福祉サービスの制度として実施してきております。利用される方につきましては、旧措置制度の時代から見ると格段に増加しているという現状でございます。この中で、例えば全身性の重度障がい者の方の居宅介護、ホームヘルプサービスの時間の拡大、あるいは、ガイドヘルプの事業として障がい児の対象年齢を段階的に引き下げてきております。平成17年度におきましては、障がい児ガイドヘルパーの派遣の年齢制限については、撤廃をするという形まで改善を進めてきております。そういった意味では、支援費制度につきましては、段階的ではございますけれども、改善に努めてきているところというのが現状でございます。先ほど申し上げました国会に提出されております障害者自立支援法案につきましては、今後、国会の中でどういう取り扱いがされるのか、この推移を確認していく必要があります。札幌市としましては、今後も障がい福祉サービスの水準の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。

項目の2点目としまして、札幌市手話通訳、要約筆記派遣制度の充実でございますが、手話通訳の制度の中で、事業としての取り扱いは大きく二つございます。

まず、手話奉仕員の養成事業についてですが、札幌市では、初心者向けの手話講習会、中級者向けの中級手話講習会、それから、手話通訳者を目指す方のための手話通訳養成講座の三つの養成事業を行っており、毎年度、たくさんの方が受講されているところでございます。これにつきましては、毎年、聴覚障がいの関係団体の協力も得ながら、期間あるいは回数の見直し、講義内容の改善を図ってきているところでございます。

それから、手話通訳者の派遣事業でございますが、専従手話通訳と登録手話通訳という両面からの派遣制度の対応を進めてきております。専従手話通訳につきましては、これまで9名で通訳業務に当たってきておりましたけれども、平成17年、ことしの1月1日から2名増員して11名の体制に充実を図ったところでございます。手話通訳の派遣件数につきましては、平成12年度時点では約3,600件であったものが、平成15年度では4,500件と件数的にもかなり増加し、これに対応するような制度の充実を図ってきているところでございます。

それから、手話習得の困難な中途失聴者・難聴者のコミュニケーションを図るために、札幌市は要約筆記奉仕員養成派遣事業にも取り組んできております。要約筆記奉仕員の登録者数は、16年4月時点で55名でございます。派遣件数は、平成12年度時点では734件でございましたが、平成15年度では827件と増加してきております。それに合わせた制度の充実についても努めているところでございます。

最後の項目は、家族への支援、いわゆるレスパイトサービスです。

これについては、現状の支援費制度を中心とした公的サービスの中では、レスパイトサービスのみを目的としたサービスメニューはございません。ただ、短期間入・通所施設で障がいのある方が生活をしていただくための制度として短期入所事業という制度がございます。それから、日中の活動の場としてのデイサービス事業も実施をしてきております。そういう事業の一つの役割としてレスパイト的な要素も考えられるところでございまして、現状としてはそういうようなサービス状況として表示をさせていただいているところでございます。

(2)の個別の提言項目につきましては、時間の関係もございまして、後でお渡ししている冊子を見ていただきたいと思っております。

今申し上げたような主要提言項目への取り組みでございますけれども、札幌市といたしましては、16年度のサポーターの提言を受けまして、17年度予算の組み立てをするに当たりまして、ここに掲載をしていない予算的な反映にも努めてきたところでございます。今、申し上げた大きな1点目の公平で公正な社会を築くためにの中のサービスの情報の入手格差をできるだけ是正するという観点の中で、これは表示しておりませんのでご説明だけさせていただきますけれども、特に聴覚に障がいのある方の福祉的な取り組み、サービスの状況につきましては、もっと進めるべき状況がございまして、この建物のすぐそばですけれども、来月には視聴覚障がい者情報センターを、旧女性センターの跡施設を改修してオープンする予定になっております。このオープンに合わせまして、聴覚障がいの方の字幕あるいは手話が入ったビデオカセットを自主制作する場所を設け、それを制作する事業も新たに始める、あるいは、制作したビデオ等あるいは必要な情報機器等を貸し出す事業も、新たに17年度から始めてまいります。

それから、先ほどの大きな2点目の障がいについての理解と啓蒙・啓発の中で、17年度の取り組みとしまして、障がい者理解促進事業につきましては、障がいのある方、あるいは市民の方を含めて、交流を促進るためのセミナー等を開催するための必要な経費につきまして、17年度予算に計上しているところでございます。

それから、先ほどの最後の障がい者の社会参加に向けての中で、17年度の事業としましては、先ほど申し上げました支援費制度の改善等の事業あるいは障がい者グループホームの新しい補助制度の創設、この事業のほかには、ITを活用した事業、これは、今までITサポートセンターというセンターを設けて、障がいに応じたITの講習等の事業を行ってきましたけれども、これをさらにレベルアップして、パソコンのボランティアの方を自宅に派遣するような事業も17年度で新たに取り組む、あるいは、ITを活用した在宅就労、この取り組みを札幌市でもしていけないか、そのことを検討するための検討会議で、在宅においても障がいのある方が就労ができるような検討をさせていただくための17年度経費を計上してきております。

あるいは、地下鉄のエレベーター等の整備につきましても、17年度におきましては3駅で整備を進める、あるいは、新たに3駅で整備のための設計を行う、そういうふうに地下鉄駅のエレベーター未設置の状況をできるだけ解消していくための経費を、新年度予算には計上してきたところでございます。

このように、障がいのある方の社会参加に向けて、そのほかにもサポーターの方たちの提言もきちんと踏まえさせていただきながら、17年度予算の計上に努めたところでございます。

多くの提言をいただいた中で、本当に少しの項目しか具体的にペーパーとして用意できない状況で説明させていただきましたことをおわび申し上げますけれども、取り組み状況の個々の部分については後で見ていただきたいと思っております。

以上でご説明を終わらせていただきたいと思います。

ありがとうございました。

我妻

ありがとうございました。

細かく説明をいただきました。

関連するご質問とかご意見は後ほどいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、ここで、昨年度の活動を通じて感じたことを、それぞれサポーターから簡単にお話しさせていただきます。その後に、会場の皆様方から、先ほどの取り組み状況のことについて、また、新たに今年度に要望したい点等々がございましたらお話しいただきたいと思います。

それでは、早速、サポーターそれぞれから、昨年度の活動を通じて感じたことをお話ししていただきたいと思います。

浅香さんからお願いをしたいと思います。

浅香

浅香と申します。

昨年からですけれども、いろいろな障がいといろいろな団体の垣根を取り払ったこの制度によって、本当に多くの意見が寄せられました。提言書の内容も、ごらんのとおり、余りに膨大な中身となっており、私自身も、半分以上、ほとんど気づかなかったことも多くありまして、本当に勉強させられました。私たち障がい当事者でもこれだけ多くの気づかないことがあったということですから、ふだん、障がい者福祉にあまり携わっていない福祉関係以外の行政の方にとっても、いろいろ知ってもらう意味で大変大きな一歩になったのではないかと思っております。

今年度、新たな意見を聞かせていただくことはもとより、今回、初めて提出した提言書の中身が今後どう反映されていくか、どう取り組まれていくか、そのチェックを怠りなく進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

我妻

続きまして、小山内さん、お願いしたいと思います。

小山内

去年は入院していて、このサポーター会議に出席できなかったことを申しわけなく思います。上田市長さんの公約として障がい者の意見を直接聞くということでしたが、これが実現できたことは大変うれしく思います。

ただ、この提言書を読むと、本当にこれは、50年かかるかな、60年かかるのかなと思うくらい、すごく矛盾を感じることばかりです。また、この報告書は、表紙と目次だけにルビがついていて、あとは全部、漢字ばかりです。本当にここにいる人みんなが読めるのかなと思っています。それから、報告書はすごく難しい言葉です。難しい言葉を、学力の高い方は当たり前に使っているでしょうけれども、本当に、私などは、これはどういうことかと、時々、読んでくれる人にその意味を聞きながら考え込んでしまいます。この提言書をつくった後でも、本当にここに並んでいる皆さんの中で理解できていない方もたくさんいると思います。ですから、わからないことをわかるようにすることから始めていただかないとだめなのではないかと思います。

それから、先ほどおっしゃったように、ここには6種類の障がいを持った方がいて、それぞれの意見を聞いていますけれども、とても勉強になります。ああ、そうだったな、わからなかったなと。本当に、役人さんを抜きにして、このメンバーだけで語り合いたい、そういう時間があってもいいのではないかと思います。

宮城県では、こういう書類は、余り学校教育を受けていない障がい者のために、小学校の先生がかみ砕いて書いていて、そうしたらわかるようになってきたと。小学校の先生がつくり直して、知的障がい者の方とか学歴のない人に配っているということも現実にやっています。こういうことは、札幌市でもこれからやらなくてはいけない問題だと思います。

私も少しずつ勉強して、提言書のアプローチとして、これを書いてもらって、福祉の各分野に送ってお返事をいただこうかと思います。

でも、この会議は、福祉課だけではなくて、いろいろな課の人が来るからすごくいいですね。ぜひ、きょう来てくださった皆さんは本当にラッキーで、来ていない方は本当に残念でたまりません。いろいろな課からいろいろな答えが返ってくるということは、これから何年間も続けていかなければいけない市長の使命だと思います。

それから、私が一番感じることは、具体的なことを言うと、札幌市の顔である市役所の1階のトイレについてです。ここは、男性はわかりませんけれども、女性用はカーテンです。私は、20年以上も前から、この設計を直してきちんとドアにしてくれと言っているのです。20年たっても、アコーデオンカーテンになっただけです。そこは、ちらちら見えるし、すぐカギがとれるようになっていて、一般の人はあいていてもそこのトイレは使いません。私は、しょうがなくそこを使っているのです。いくら言っても、それを直してもらえない。道庁では、横路知事のときに1カ月で直しました。これは本当です。

障がい者トイレといっても、一般の人が使ってもいいのです。あいているのに使わないというのは、みんなが恥ずかしいと感じるからあいているのです。あのトイレは何とかしてもらえないかと、どこに言ったらいいのかわかりません。これから闘わなければいけませんが、ここにいる皆さんたちも一緒に闘ってください。お役人さんは絶対に敵ではありません。ただ、わからないだけであって、わかったときには、すぐ異動してしまいます。かわってしまうということが残酷なのです。だから、私たちの思いがなかなか届かないのが現実だと思います。

皆さんも、言い続けることが大切です。100年、200年生きても間に合わないかもしれないけれども、言い続けなければと思います。もっともっと、こんな広い会場ですから、障がい者の方がもっと参加できるように、こういう会議に来ることもプログラムとしてつくっていかなければいけないと思います。そうしないと、せっかくいいことをやっているのに、市民の皆さんがわかってくれないと思います。もっと新聞に大きく出すとか、NHKのコラム欄に出すとか、もっとさまざまな機会を持って、だれでもいいからいらしてください。高齢化社会は全部福祉ですから、福祉に関係ない人はだれ一人いません。17年度の提言書でも、おかしいなと思うところは全部書き出して送っていただきたいと思います。皆さんも、ただ、これでいいと思うだけでなく、書いて送った方がいいと思います。

最後に、この会場ですが、声が響き過ぎますから、言語障がいの人たちに向くのかな、会議をやるところかなとちょっと不安に思っています。余り響かない部屋の方がいいのではないかと思います。これは私のわがままでしょうか。

我妻

続きまして、冨田さん、お願いします。

冨田

冨田です。

私は、この政策提言サポーターを通じて、私も含めて、ほかの障がいを持っている方の思いを市の方々、行政サイドの方にいかにお伝えして、私たち障がいを持つ側と、市の側で制度をつくるお仕事をされている方と一緒になって、障がいを持つ人の意見を一つでも形づくっていければなという思いでいました。私自身も、皆さん一人一人の言葉をすごく重く受けとめていたのですけれども、私自身も知らないこととか、精神障がいの方とか、知的障がいの方とか、そういうことですごく嫌な思いをしたりとか、生活で困っているのだなということを、自分と障がいが違うという面で、時には、当事者という顔をしてここに座っていていいのだろうかというような、それは自分自身への問いかけでもあったのです。そういう重い言葉を一つ一つ受けとめながら、私自身もいろいろなことに気づいたりさせていただいていました。

今回、こういう形で提言書の方がまとまりましたが、これは、まだ言葉だけといいますか、家を建てる過程で言うと土台の部分でしかないと思います。その土台の上にどんな家を建てていくかは、まだこれからだと思います。どんな家を建てていくかというときには、私たち障がいを持っている人の意見がますます重要になってくると思います。これから、この土台の上にどんな家を建てていくかということについて、また皆さんといろいろお話ができればと思っています。

皆さんですばらしい家を建てていきましょう。よろしくお願いします。

我妻

続きまして、河西さん、お願いいたします。

河西

おととしの12月の任命になると思いますが、1年と何カ月になるのでしょうか、その間、市民サイドで見ていた場合、市の広報の中で、エコ社会、リサイクル社会ということを念頭に置いた市民の提言の部分と行財政の反映の部分が結構なウエートを占めていて、目新しい部分ですごいなと思ったのですけれども、こういう福祉の政策提言サポーターもそんな取り上げ方をしてくれたらなという感じがしました。

ただ、こういう福祉の部分は、これから財政がますます厳しくなるだろうと予想されるさなかですので、どこまで現実の問題になるか、心配な部分はやはりありました。ただ、身体・知的・精神の3障がいということで、障がい者福祉というのは3障がいバラバラに進んでいった歴史的経過が何十年もあるわけです。現実は、市民として、札幌市で3障がいがこういう形で一堂に、そして、当事者が自分のニーズを語っていくことによって、行政が、それを、よりもったいない社会のために効率的な行財政をどう運営していくかという部分の取り組みの最初の記念すべき1年目だったと思います。行政からの公正とか公平なやり方の部分で、当事者のことを聞いてくれるということについて、これからますます厳しい財政運営の中で、仕事として取り組んでいただけると思います。そういう中で、当事者の本音として言うべきことはもっと言いつつ、市民としての責務という意味で、障がい者でもこれだけのことが言えるという部分を残していきたいと思っています。

以上です。

我妻

それでは、続きまして、鈴木さんにお願いいたします。

鈴木

今までの活動を振り返って感じたことですけれども、この制度に関心を持ってくださっている市民の方々や、サポーター制度ができたことで、今まで意見があってもなかなか言うことができなかった方が、昨年の懇談会や意見聴取にたくさん来てくださったのかなと感じました。そして、自分とは違う障がいを持った方の意見を聞けて勉強になりました。それから、この制度に関心を持ってくださっている障がいを持った市民の方々が、この制度に期待してくれていることも改めて実感しました。

提言や意見を聞いていると、いろいろな障がいを持った方がいるので、もちろん幅広さもそれと同時に感じましたし、それだけ市民の皆様が感じているものやこと、問題などがたくさんあるのだなと思いました。いただいた提言や要望の数が多く、勉強になりました。それから、札幌ですと、ほかの政令指定都市とは違って、冬になれば雪が降るし、雪のことも問題として出てきますし、ほかにも交通のことや差別問題など、さまざまな提言があることへの驚きにも気づかされたような気がします。

昨年、提言書を提出したことによって、これを踏み台にして、今までのまちづくりがもっといいものになってくれればいいなと感じています。去年はできなかったのですけれども、今年度は、行政が当事者に向き合う体制づくりや、各障がい者団体の意見を取り入れることができたらいいなと思っています。

きょうは、話を聞いてくださって、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

我妻

続きまして、小林さん、お願いいたします。

小林

私が一番感じたことは、皆さんが足を運んでくださったなと。障がい者の中には、車いすだったり目が不自由だったり、出歩くのは気分がすぐれないとか、そういう人も多くいると思うのです。そういう人が出向いてきて意見を言ってくれたということを、すごくうれしく思っています。

私自身については、この提言を作成する過程、まとめる過程で、そんなに力を発揮できなかったことを皆さんにおわびしたいしたいと思います。我妻さんとか札幌市の人たちがすごく力を尽くしてまとめてくれたことが、大きな力になっていると思いますが、私自身はそのことを反省しています。

去年1年を振り返って、政策提言サポーターで一番感じていることは、私は精神障がい者ですけれども、精神障がいの分野というのはすごくおくれている分野です。しかし、この提言の中にすごくいろいろな意見が出てきています。これがすぐに具体的に現実となるものではないにしても、そういう意見が出てきたことはすごくよかったことではないかと思っています。例えば、重度心身医療費助成の問題について、精神障がい者も加えてほしいという声が出てきました。これは、去年の前半ですけれども、大きな闘いがあったのです。これは道の制度なのですが、それが一部負担になるということで、障がい者団体がまとまって大きな反対運動を繰り広げる中で、精神障がい者も声を上げていったのです。そして、精神障がい者もこの制度に加えてほしいというふうに言って、提言書にも盛り込まれています。

あと、交通費の問題ですけれども、3級の身体障がい者の人たちと知的障がい者の人たちとは、ウイズユーカードの枚数に差があり、精神障がい者はウイズユーカード3枚だけで、これは差別なのです。しかし、そういうことが差別なのだという意識がだんだん広がってきているというか、そういうこともこの提言の中であらわれてきていて、すごく前進ではないかと思います。現実的にするは財政的な問題もあるので困難な面もあるのですけれども、そういう声を上げてきているのが大事なことだと思うのです。

冨田さんがおっしゃったのですが、この提言というのは土台だと思います。この上にどんな家を建てるのかというのが大きなビジョンで、それは、個々の問題についてどうこうというのではなく、ヨーロッパとか北欧のいろいろな制度に学びながら、障がい者が生きるためにどういう社会をつくっていくのかとか、もっと大きなビジョンを私たちは考えていく必要があると思います。お金のことを抜きに、どんな社会をつくっていくのかというビジョンをつくる必要があると思います。自分たちがどんなことを望んでいるのか、どんなふうに住みやすい社会にしていくのかというビジョンをつくる必要があると思っています。ことしは、このことを土台にして、私自身もそのために力を尽くしたいと思っていますし、勉強もしたいと思っているのです。

もう一つは、去年の大きな闘いの中で、支援費制度というのは介護保険制度に統合されようとしたのです。支援費制度がなくなるということで、障がい者の人が、それでは介護保険とは違うということで声を上げて、国の制度としては介護保険と統合しなくなったのです。

しかし、国ではグランドデザイン案ということで、障がい者のこれからの方向性を左右する大きな法案を出してきたのですけれども、それは、障がい者自立支援法案と言うのですが、名前のとおり、自立を支援する法案かどうかということをきちんと見なくてはいけないと思います。札幌市もこのことはきちんと見ているとは思うのですけれども、やはり、障がい者自身がきちんと見なければならないと思うのです。例えば、精神障がい者の場合、現在、精神保健福祉法で医療費は5%の負担で、さらに札幌市の助成があって、札幌市にいる精神障がい者は医療費はかかりません。しかし、この法案が通ると1割負担になります。1割負担ということは、精神障がい者は簡単に医療にかかれなくなるというか、本当に病状が悪くなるまで放っておくとか、そういう負担も出てきますし、精神障がい者の福祉サービスであるホームヘルパーの制度にもお金がかかってきます。これは、精神障がいだけではなく、もっと身体とかいろいろな人たちにも負担)がかかってくると思います。こういう制度は、本当に障がいが重いほど受益者負担ですから、応益負担ですから、サービスを受けただけ負担しなければならないわけだから、障がいが重い人ほど負担が多くなるのです。こういう制度を本当につくっていいのかどうか。介護保険がきのうあたりに国会を通りまして、今度、自立支援法案が審議されていくと思います。その推移を見ながら、私たちは声を上げていく必要があると思います。やはり、いい法案とは言えないと思うのです。ですから、中身を押さえながら、反対とか、いろいろな学習会とか、そういうことをしていく必要があるのではないかと思っています。

私自身は、個人的にはこの法案には反対です。この法案を通すと、私たちが暮らしにくくなると思っています。ですから、そういうことを皆さんと一緒に運動していきたいと思っていますし、札幌市に対しても、国の動向に横並びにするのではなく、札幌市独自としてやっている施策は堅持していくというか、医療費助成をしていることは、国がそういうふうにやったからといって札幌市も横並びで1割負担にするのではなく、札幌市は独自に公的な負担をしてくというか、そういう制度を残してほしいと思います。

私は、この1年間、障がい福祉課の人と接していて、すごく熱意を感じました。今の制度の範囲内で、施策を後退させないという気持ちのあらわれというのはわかりました。ただ、今、私たちに求められているのは、後退させないだけではなく、前進させなければならないと思うのです。そういう面ではもっと努力してほしいというふうに思っています。

以上です。

我妻

続きまして、場崎さん、お願いします。

場崎

座ったままで失礼いたします。

私も、小林さんと同じで、政策提言書に関しては何もしませんでした。代表、副代表、また障がい福祉課の方たちが本当に一生懸命つくっていただいたので、今、ここでお礼を申し上げます。

障がいを持っている私自身は、自分の障がいだけのことで見方も狭くて、浅くて、本当に自分のことしか考えなかったのです。しかし、サポーターになりましての1年、たくさんの障がいを持っている方の話を伺い、そして、サポーター同士がいろいろと意見を交わしまして、いろいろな問題をお聞きしました。そういう中で、障がいというのは決して特別なことではないのだ、そして、障がいを持っていらっしゃらない方も特別な人ではないのだということがすごく自分の身でわかったのです。特別なことではないのだから、特別なことではないということは普通ですよね。普通に生活できる場がこれからどんどんできて、何も特別なことがなくできればなと。それを何とかできるように、少しでも前進したいなと感じた1年であり、これからの1年です。

ありがとうございます。

我妻

続きまして、香川さんにお願いしたいと思います。

香川

まず、皆さん方にお礼を申し上げたいと思っていますけれども、多くの障がい者の意見を聞くことで、随分いろいろなことを学ばせていただいたサポーターの一人です。この席をおかりしてお礼を申し上げたい。

全般的な印象として、私は、当初から、厳しい意見を吐く立場でいたというよりも、大学でこういう問題を研究して、実際、行政がどういう形で施策を実施することで、障がい者がノーマライゼーションと言われる健常者と同じような社会参加ができ、生活ができるかということを研究する立場から、少々厳しくなりますけれども、二、三申し上げたいと思います。

まず、最初に、きょうここに来られた方の中に、私と同じ視覚障がい者がいるわけですが、全く全盲の方が数人来ております。配付された資料は、墨字といって、目の悪くない方は見えるのですが、視覚障がい者の方は全くこの資料は見えません。こういう方々が来るということがわかっていながら、点字の資料を用意できないという福祉行政です。まさしく、これはノーマライゼーションでも何でもありません。

それから、きょうの配付資料の中に、もう既に実施したもの、あるいは、これから予算を計上して実施するものが約4割あるわけですけれども、既に実施したものというのが33%あります。これは、政策提言という形をとらなくても、各区の福祉の窓口で日常的に聞いていて早くできたことなのだと思うのです。そういう意味では、この中に実施困難なものが12%あって、全く見込みのないものも含めると20%を超えますけれども、これは先ほどから出ていますように、いろいろな緊縮財政の中で予算的には難しいものもあります。したがって、視覚障がい者の立場から言うと、点字ブロックを当初からきちんとやっていれば、やり直す費用も要らない、手間もかからない、そして、そこを何度も歩くことで自立もできるわけですが、そういうことがされていないために、金がかかる、お金がないと。こうなっていくと、福祉行政というのはだれのためにやっているかということが、わかると思うのですけれども、こういうものが非常に多いのです。

したがって、私は、先ほど課長が市役所職員の意識改革ということを話していましたけれども、この点が、この1年間、サポーターをやっていても非常に多く感じます。職員の方々が一生懸命やっていることはそれなりに認めますけれども、やはり視点が違うのだなということがよくわかりました。1週間ほど前に、私たちサポーターは、各部局の方々から政策提言についての説明を受けました。その際に、ある局の課長さんが、もう終わったことは仕方ないでしょう、やってしまったことは仕方ないでしょう、これからどうするかだという話をされたのです。最初からきちんとやっていれば、ちゃんとできて使えたものが、今使えなくてむだになっている、それは仕方ないでしょうと言われたら、これから何を言ってもそういう形で処理をされてしまうのです。そういう意味では、私は、福祉行政であるからこそ、全体を縦割り行政ではなくて、交通局も道路行政も含めて、福祉局がそのトップになって、全体を見渡してむだのない行政執行をしてもらいたいというのが、この1年間、痛切に感じたところです。

最後になりますけれども、1950年代にノーマライゼーションということがアメリカで言われて、世界各国でこの問題について論議されていますけれども、こんなに高度に発達した経済大国の中で、人権とかこういったことについて批准していないのは日本だけです。そういう意味では、皆さん方一人一人がきちんと自分の人権を主張し、国にも守らせる、あるいは、いろいろな場でこういう発言をしていくということが大事なのだろうと思います。今月はもう既に4月で、あと2カ月後には今年度の政策提言をする時期になりますから、実質的な活動の時期としてはあと2カ月少々しかありません。きょう来られている方はもちろんのこと、来られていない方々にも声をかけて、多くの意見が出されることを期待いたします。

私は、常日ごろから、声なき声と。実は、札幌市内に全体の障がい者は7万人近くいるわけですけれども、こういうところに来られる方、あるいは、いろいろな場に行っていろいろな発言をされる方がいる一方で、全く外に出られない方、こういうところに提言もできない方がいるわけです。そういう意味では、各区の福祉の窓口が日常的に障がい者の声を聞くシステムをつくっていただきたいということが、私がサポーターとして今までやらせていただいて強く感じたことです。

以上、申し上げて、終わります。

ありがとうございました。

我妻

私の方からの感想は時間の関係がありますので割愛させていただいて、今年度のサポーターの取り組みの予定について皆様方にご報告させていただきます。

きょうが今年度の第1回目の懇談会ということになります。第2回目の予定は、ちょっと期間があくのですけれども、10月中旬に予定しております。これは、今年度、皆様方から寄せられた提言をまとめて、どういう提言を行ったかということを報告する場に当てたいというふうに考えております。それから、昨年も市役所本庁舎で個別に意見聴取を行っておりましたが、今年度も3回を予定しています。昨年は、各区から皆さんに市役所本庁舎の方へ出向いていただいてご意見をお伺いすることにしていたのですが、今年度は、私たちの方から区に出向いていこうというので、第1回目の意見聴取を、5月24日、手稲区民センターで行うことにしております。第2回目は、6月28日、南区民センターで行います。第3回目は、7月28日、北区民センターで行う予定にしております。それから、今年度の提言書の作成ですけれども、大体の予定としては7月から8月下旬ぐらいになるでしょうか。その前から、少しずつ、このサポーターの中でどういう提言書をつくっていくかという議論をしていかなければなりません。最終的に提言書を市長の方に提出するのが、予定としては8月下旬から9月上旬ごろになろうかと思います。それから、繰り返しになりますけれども、その後にどういう提言を出したかということで、第2回目の懇談会を行おうという予定で考えております。去年に比べますと、懇談会と意見聴取の回数が減っております。けれども、なるべく皆様方からの意見をいろいろな形でいただく方法を考えていこうということで動いていきたいと考えております。

先ほど、それぞれのサポーターの方々からもありましたように、非常に限られた時間と場面だったのですけれども、私どもは皆様方から寄せられた意見にできるだけ真摯に耳を傾けてきたつもりです。しかし、何でもすぐに実現可能ということはありません。ですから、引き続き声を上げていただき、私たちサポーターを通してそれを市の方に上げていくこと、これが一番大事なのではないかと感じています。あきらめるのではなく、何人かのサポーターからも声として出ていましたけれども、言い続けることが必要だと思いますので、ぜひ声を上げていただきたいと思います。

それでは、限られた時間ではありますけれども、会場の皆様から、札幌市に対して要望、提案したいことがございましたらお話をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

参加者

先ほどの就労促進の中で、ホームヘルパーさんという就労の取り組みがございますよね。その中で、私も精神障がいを持っているホームヘルパーを利用しているのですが、確かに資格者は増大しています。でも、実際のすそ野の方を見ると、資格は持っているけれども、働き口が、例えば2級を持ったとしても、なかなか受け入れ態勢の確立が図られていないというのが現状ではないかと思いました。

もう1点は、先ほど話していた地下鉄の改修工事の問題です。市では徐々にやっているということですが、交通局との関連もありますけれども、エレベーターを設置していないところ、特に障がい施設のある箇所は早目にやってほしいと思います。

それと、ITの取り組み検討の中で、皆さんは、最近、パソコン教室などでかなり多く学んでいます。3級なりそれ以上のものを持っていますけれども、なかなかそれを生かしてくれるところがない。それがもう1点です。

もう一つは、私は、先般、福祉課あてに手紙を出しました。内容は一部省略させていただきますが、現在の札幌市の財政状況は出費が大きくなる一方で収入が小さくなり厳しい状況になっていますけれども、福祉サービスの向上という見直しの観点から、現在展開している生活支援センター、ここにもありますが、その生活支援センターも収入が少なくてスタッフが一丸となって体制を維持しているのです。現在、多くの会社、企業では休日・祝日にも仕事をしています。さて、生活支援センターの利用者としては、生活支援センターに通うようになり体調がよくなっている状態ですが、やはり休みがあると体調のバランスを崩す人もいるのです。ぜひ、休日と祝日の開所及び人員体制の見直し、福祉サービスの向上を来年度の予算に計上していただきたいと願っております。

以上です。

我妻

ありがとうございました。

ご提言、ご要望として承っておきます。

そのほかいらっしゃいませんでしょうか。

参加者

二つあります。

一つは、グランドデザイン案とか、今、国会で論議されていて、きのうなどは委員会を通った法案があると言っていました、新法案でしたか、介護保険ですね。すみません。その法案は、来年の4月実施予定ということを聞いています。しかし、もし改悪されてしまって使いにくくなってしまったら、札幌市独自の案で前のようにするとか、あるいは、改善されたら改善されたままそれを実施するというふうにしたり、あるいは、一番の問題になってくるのはやはり応益負担で、応益負担になったら膨大な金額になるらしいのです。そういうふうなときには、札幌市独自で軽減してもらうというふうなことをやってほしいです。

もう一つは、ウイズユーカードの話ですけれども、僕はBバーなのですけれども、知的Aはただパスをもらえるのです。そして、Bは、各区役所で福祉ウイズユーカード10枚受け取れるのです。ところが、Bバーはそういうものがないのです。駅とかで購入するしかありません。10枚まではいかなくても、Bバーでも半分の5枚ぐらいもらえるようにしてほしいという気がします。10枚もなくてもいいから、何枚ぐらいがいいのかわかりませんが、そういうことです。

以上です。

我妻

ありがとうございました。

補足させていただきますけれども、介護保険については、国会の議論は大分進んでいますけれども、私たち障がい者に関係ある自立支援法というのはこれから審議が始まるところですので、ぜひ国会の動きなどにも注目をしていただきたいと思います。

ただ、そういう動きは私たちの方になかなか伝わってきませんね。この部分についても、私たちサポーターの中で皆さん方にお伝えする役割ができるのであれば、そういうようなことも取り組みの中でぜひ考えていきたいと思いますので、それもよろしくお願いしたいと思います。

そのほか、皆さん方の方から何かございませんでしょうか。

参加者

ちょっとした質問ですけれども、難しいところがあって聞いていてもわからなかったので、紙に書いてまとめてきました。僕も2級の精神障がい者で、共同作業所に通っています。今、こうして立ってしゃべっている時点でも物すごい緊張して、しゃべるのがやっとなぐらいです。

今、札幌市でやっていることなのか、道がやっていることか、よくわからないのですけれども、敬老パスというのが制限されたというニュースを聞きました。もしかすると、僕は今2級で福祉乗車証というものをもらっているのですけれども、今、非常に財政難ということですので、将来的には2級の福祉乗車証も、先ほど小林さんが言ったように、3級は今はウイズユーカードが3万円ぐらいしか出ていないと、実際に共同作業所に3級の方もいるものですから、そういうことを僕は知っているのです。そして、今どんどん厳しい状況になっているということも伺っているのですが、将来2級の福祉乗車証がなくなってしまうというか、3級のようになってしまうのではないかと非常に心配しております。

それから、長くなって申しわけないですが、障がい者年金というのがあって、一時金というのがあったのです。一時金は、将来、返さなくてはいけないかもといううわさ話が出たのですけれども、それがよくわからないので聞いてみたかったのです。

それから、今、僕はすごく働きたいのです。前もアルバイトをしていて、精神病で医大に入院したこともありましたが、何とか立ち直ってここまでくることができたので、近い将来、社会復帰を目指しています。しかし、仕事をするときなどに、精神障がい者と言うと特殊な目で見られるものですから、肩身が狭いということもあるのです。お店の方では、僕が障がい者であるということを言ってしまうと非常に険しい顔をして、それが理由だったのかはよくわからないのですけれども、雇ってもらえなくなりました。雇用する側も不景気ということで厳しい状況にあると思うのですけれども、募集しているからには行きたいなと思って、何十回も行っているのですが、アルバイトでもパートでもするときには、障がい者ということは言わない方がいいのかなと思いました。

こんな質問でも聞いていただけるのでしょうか。

終わります。

我妻

もう二、三の方からご意見をお伺いして、最後に札幌市の大沼課長さんの方からお話をいただこうと思いますので、よろしくお願いします。

参加者

こんにちは。

私は、現在21歳でして、○○病院というところに入院中で、精神障がい2級です。病名は統合失調症、心因反応という病気を持っています。以前は肝機能障がい、また薬物性パーキンソン症候群という病気で体が動かなくなったりするときもありまして、救急車で二、三回運ばれたこともあります。

きょう、この懇談会に出させていただいて個人的に思っていたのは、これは過去のことですけれども、私は幼いころからいじめに遭っておりまして、友だちとかいじめや危害を加えた方から、精神科の病院に行けと何度も言われていました。この懇談会に出させていただいて、今思えば、その発言をしていた人自体が、精神障がい者に対してバリアを張っている状態になっているのではないかと。精神障がい者でない人は、精神障がい者として扱われることに不安を感じているのではないか、そういうことを強く思ったわけです。経済面や就職や結婚のことなどです。安心して精神科の病院に行けないという人はたくさんいます。精神障がい者ではなくて心の問題を抱えている人はたくさんいると思います。私は、その病気になる前にそういう経験をしてきましたし、そういう思いを抱えている人もたくさんいると思われるのです。

これは個人的な思いですが、精神障がい者ではない人が私たちのことをいろいろ理解することを求めることは、確かに大切ですけれども、私たちも精神障がい者でない人たちへの差別というものを持っていると思うのです。まず、それを完全になくしていかないと、そうでなければ、精神障がい者でない方も精神障がい者の方々も、お互いが和解して話し合っていけないと思うのです。これは難しくて、長年かかっていく問題だと思うのですけれども、私たちは、障がい者ではない人たちへの差別、差別という表現が正しいのかどうかわかりませんが、そういう人たちに対して苦手意識を持っている人は私だけではないと思います。そういう根本的なものから解決していかなければならないのではないかとの思いを、私は抱いています。

以上です。

ありがとうございました。

我妻

ありがとうございました。

非常に大事な部分をご提言いただいたのではないかと思います。

参加者

年齢は53歳で、障がいは躁うつ病です。僕も20年前に発病しまして、今は作業所に通所しています。それと、NPO法人で、移送介護のサービスドライバーとしても活動しています。

いろいろな意見があったのですけれども、理想と現実があって、僕もその中で悩んできたのですけれども、精神障がいがあっても障がい者が働ける社会をつくっていこうという気持ちはわかります。それと、差別されているのではないかという気持ちもわかります。しかし、自分から理解してもらおうという気持ちがなければだめだと思います。実際、自分がここまでできたのも、自分の気持ちをある程度変えてきたからだと思っています。何でも与えてくれと甘えの中でいるから、いつまでたっても精神障がいのところはよくならないと思います。やはり、当事者みずからが変わっていかなければ、ある程度はよくならないと思います。

それから、応益負担ですけれども、高齢者の方が年金を受けている中で、今まで無料で受けることができた老人乗車証が、今、応益負担となって、何万円であれば何千円の負担ということになっています。僕たちも、3級の方が3万円しか援助してもらえないと言われたのですが、僕は2級なのにフリーパスをもらっていて、逆ではないかと思うのです。障がいが軽くなれば軽くなるほど、軽いかどうかは担当の先生にもよると思うのですけれども、3級になれば、自活したい、自立したいという活動で交通費がかかって、すごく活動範囲も広くなってくると思うし、障がいの程度が重くなれば外に出る機会が少なくなります。失われてはいけないと思いますけれども、症状として、なかなか外出しにくくなる方に対してフリーパスはどうかなと思います。その中で、僕たちも、財政困難な中で、応益負担ではないですが、そういう負担もある程度していかなければならないのではないかと思います。なかなかうまく言えませんが、欧米や北欧の方でも、障がい者はある程度負担しながら生活している社会になっているので、僕たちは甘えの中にいると思います。

それから、損害保険の件です。その他の項目の中に入っていると思いますが、実際、僕が自分の車で1週間ぐらい旅をしようと思い、小旅行の損害保険をかけようと思いましたけれども、できませんでした。できるところもあると思いますが、まだまだ損保関係の方でも種類があると思いますので、そちらの方も直していただきたいと思います。

以上です。

我妻

ありがとうございました。

それでは、端の方の女性にお願いします。

参加者

サポートセンターに入所している者です。

さっき小林さんも、病院の医療費のことを言っていましたね。私も、薬を飲んでいるのですよ。医療費がこれからどんなふうになるのかなと、今、心配しているのです。さっき、言っていましたね。ちょっと心配だな、どんなふうにとられるのかなと心配です。

それから、地下鉄とかJRとか、エレベーターがついていませんね。田舎に行ったらもっとついていません。私は、YOSAKOIソーランをしていてとても感じるのです。どこかの駅でやりますと言われても、そこまで行くのに地下鉄がなかったり、エレベーターがなかったら乗れません。もっとたくさんつけてほしいなと思います。

終わります。

我妻

ありがとうございました。

それでは、真ん中の奥の視力障がいを持っていらっしゃる女性の方、何かご意見はございませんか。

参加者

先ほど香川さんにおっしゃっていただきましたが、点字の資料があればいいなと思いました。

それから、外出において、私は、15年間、白いつえでひとり歩きをしておりますが、本当に、階段、手すりもそうですが、弱視の方には、区切り、色のコントラストというか、それから点字ブロックがあればいいなと思うところがたくさんあります。地下鉄の入り口とかもそうです。階段のところでは命にかかわりますので、何とか早急に改善していただけるところは改善していただきたいと思います。

それからもう一つ、仲間のことですが、市営住宅に何年も前から申し込んでいるのに、ほとんどかすりもしないという感じです。去年からサポーター会議、懇談会でも出ておりますが、何回申し込んでも入れなくて、あきらめまして、施設を10人待ちという形で待っております。そんなわけで、「行きたくないんだ」と言っています。だから、何とかしてあげられたらよかったなと、とても残念に思っております。

以上です。

我妻

ありがとうございました。

本当はまだまだ皆さんからご意見をいただきたいところですけれども、会場の時間の関係がございます。そこで、きょう、受付の方でお配りしたかと思いますけれども、それに書き込みをしていただける方はぜひ書き込みをしていただいて、ご意見、ご要望を出していただきたいと思います。また、書くことが苦手だという方がいらっしゃいましたら、障がい福祉課の方までお電話をいただければと思います。もちろん、郵便、ファクス、メール、何でも結構です。ご自身のお名前は書かなくても結構です。障がいの部分だけ書いていただければ、こちらで資料としてつくっていく上で役立てることができますので、障がいの部分だけ書き込んでいただければ幸いだと思っています。あと、直接サポーターに渡していただいても結構です。サポーターに声を上げていただいても結構です。皆さん方の声を上げやすい方法で、ぜひ声を上げていただきたいというふうに思っています。

参加者

ちょっといいですか。

最後に、ついでですけれども、ぜひサポーターの皆さんも、それから札幌市としても、首都圏では24時間体制を確立しているので、ぜひ研修等に行っていただきたい、それをつけ加えておきます。

我妻

それでは、最後になりますが、皆様方から一部ご質問などもありましたので、大沼課長の方から簡単にお話をお願いします。

大沼課長

ご質問いただいたものに全部お答えできる形にはならないと思いますけれども、何点か、私の方からご説明させていただきたいと思います。

まず、本日の資料につきましては、言いわけになりますけれども、大量の資料だったものですから、点字版まで作成することができなかったもので、本当におわび申し上げます。簡略化したA3版の資料については、もし可能であれば住所等をお聞かせいただいて、簡略化版の点字ができた段階で送らせていただきたいと思います。担当の方がお席の方にお邪魔しますので、よろしければ住所を教えていただいて、点字版ができ次第送るような形をとらせていただきたいと思います。

それから、交通費の助成の関係ですけれども、敬老優待乗車証につきましては、皆様も広報さっぽろ等を含めてご存じとは思いますが、ことしの4月から制度の見直しを行っております。金額の上限があり、かつ一部自己負担が発生するというような形に変えさせていただいております。これは、制度を持続する上でこの方法をとることが必要であるということで、市民の皆様あるいは議会を通じまして議論をしていただいたものを、今回、4月から適用させていただいております。これにつきましては、制度を持続するという観点に立ちましてご理解いただきたいと思っております。

ただ、障がいのある方の交通費助成の制度につきましては、障がいのある方の社会参加を進めていくという観点から、4月からも従前の制度と変えておりません。かつ、70歳以上の方につきましても、従前は制度として敬老パスの方に移行していただきましたけれども、基本的には障がいのある方の交通費助成を継続してご利用いただく形での取り扱いをとったところでございます。

ただ、現行の制度の部分でも、障がいがある方の交通費助成に係る経費につきましては、膨大な経費がかかっているところでございます。現行の制度につきましては、お話もありましたとおり、障がいの等級によって交通費助成の制度の適用が違うところは確かにございます。例えば、精神の方の手帳で言う1・2級の方につきましては福祉乗車証を交付する、あるいは、福祉タクシー利用券、あるいは自動車燃料助成券、その部分を選択していただきます。ただ、3級の方につきましては、ウイズユーカードの定額の部分を交付をさせていただくというような制度の違いがございます。私どもは、現状の制度を維持する、今そのことを進めさせていただく立場にございますので、現在の制度の適用ということでご理解をいただきたいと思います。

それから、その後の方のお話にもございましたが、今、申し上げたのは障がいの等級が重度の方で、そういう方につきましては福祉パスとかほかの部分も含めて適用しているのですけれども、軽度の方、中程度の方につきましては、重度の方より交通費助成の制度上の取り扱いが少ないという部分でございます。私どもは、社会参加をする観点の中で、この部分につきましては外出をするための手助けをする、援助をする一部分ということで制度を取り扱わせていただいております。その中で、やはり重度の方に手厚い形で制度の適用をさせていただくという観点を従前から継続しておりまして、その観点につきましては、私どもは現状としては継続させていただきたいと考えております。

それから、働きたいという部分で、障がいのある方の働く場の難しさという面はございます。就労につきましては、どこが責任を持ってご相談をお受けするかということになりますと、これは、障がいがあるなしにかかわらず、公共職業安定所が就労の接点になります。北24条のサンプラザの中には、障がい者職業センターというセンターもございます。これは国の機関でございますけれども、そこではジョブコーチ制度等の制度上の運用も行っております。また、市としても、精神の障がいのある方のご相談をお受けする場はご存じかとは思いますけれども、保健センターの中に精神福祉相談員がおりますので、そういうところも相談の場所として活用していただきながら、必要な相談をしていただきたいと思っております。

また、障がい者年金の一時金の関係は、年金の種類によってどこに聞いていただくかということもあるかと思いますが、年金の担当部局の方に確認していただきたいと思います。申しわけありません。

ほかにもあったとは思いますけれども、個別にご意見ご質問をいただく中でお答えさせていただきたいと思っております。

我妻

ありがとうございました。

それでは、予定していた時間を少し超過してしまいましたが、進行の不手際で申しわけありません。

先ほどもお話しさせていただきましたが、きょうなかなか発言はできなかったけれども、意見や要望を上げたいという方につきましては、入り口で配付しました用紙等に記入いただいて、ファクスや郵便、または、直接、障がい福祉課の窓口でも結構ですし、メールでも結構ですし、それから、サポーターに寄せていただいても結構ですので、ぜひ、皆さん方の声を上げていただきたいと思います。

それから、本日配付しました平成16年度提言書と札幌市の取り組み状況については、必要な方はぜひ障がい福祉課までお問い合わせください。

さらに、きょう会場にいらっしゃることができなかった方、もっと多くの市民の方へ伝わるような方法も、現在、市の方では検討してくださっているようですので、それにつきましても、私たちサポーターも、引き続き、どういうような取り組み状況にあるのかというようなことが広く市民に伝わるような方法を考えていきたいと思いますので、こちらについてもどうぞよろしくお願いしたいと思います。

皆さん、本日は本当にありがとうございました。

以上をもちまして、平成17年度第1回懇談会を終了させていただきます。(拍手)

以上

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