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更新日:2011年2月22日

平成16年度提言書

『障がいのある札幌市民の社会参加を進めるために』

平成16年(2004年) 9月22日

政策提言にあたって

地球規模で拡大する産業構造の変化により、生産拠点の移動など国内産業の空洞化が加速し、地域の人たちの就労環境や就労形態にも大きな変容が起きている。このような社会環境のもと、障がい者を取りまく地域環境も大きな変化がおしよせ、国内はもとより、札幌市においても人口動態面では未曾有の少子・高齢社会を迎えており、福祉行政の中でも、とりわけ障がい者福祉のあり方は、自立・共生が叫ばれる中、核家族化の加速など、支援体制のあり方についても大きな課題に直面している。

札幌市は、このような社会環境の変化に鑑み、平成15年(2003年) に市民が主体となる街づくり「さっぽろ元気ビジョン」を提唱、従来はともすれば当事者の視点が欠如していると指摘されていた障がい者福祉の問題を、障がい者が直接当事者から意見を聞き行政に反映させることを目的に、政策提言サポーター制度を発足させた。

上田札幌市長より委嘱を受けた私たちサポーターは、限られた期間の中で誠心誠意、障がい者の声に耳を傾け、本日1回目の政策提言書提出に至った。

去る平成14年(2002年) 10月、札幌市では、日本初開催となる「第6回DPI世界会議札幌大会」が開催され、多くの市民、企業、行政の協力のもとに過去最高の110の国と地域から、3,113名が参加する大会となった。この大会では障がい者を恩恵的福祉の視点でとらえるのではなく、一人の人間として尊厳ある人間としてとらえるという「人権」の視点から様々な議論がなされた。

その議論から導き出されたのは、障がい者のかかえる問題は障がい者自身にあるのではなく、環境によって作られているものであり、その環境を変える上で「障がい者の権利擁護システム」は重要であり、さらに「施設ではなく、地域で生活できるように様々な社会基盤の整備」などを通じて誰もがともに暮らせる環境整備を進めることが急務ということであった。

また、国が平成15年(2003年) から始めた障がい者の基本計画の概要で、4つの横断的視点とした『(1) 社会のバリアフリー化、(2) 利用者本位の支援、(3) 障がい者の特性をふまえた政策の転換、(4) 総合的かつ効果的な施策の推進』等々について、札幌市においては以前から指摘されながら「縦割り行政の弊害」が改善されないことにより、当事者不在の障がい者福祉が続けられており、人や資金、物や制度等の多様な社会資源を有効活用することによる自活、自立を促進する取り組みが緊要に求められている。

社会構造の変化にともない、障がい者がかかえる課題も多様化しているが、障がいの有無にかかわりなく公平で平等な社会をめざす「ノーマライゼーション」実現のために、本提言が札幌市の障がい者福祉行政に反映されるよう望むとともに、さらには第6回DPI世界会議札幌大会や現在国連でもとりあげられている障がい者の人権保障の議論なども注視しながら、札幌市においても「障がい者差別禁止条例」や「脱施設宣言」を検討することが必要と考える。

以上

平成16年(2004年) 9月22日

札幌市障がい者による政策提言サポーター一同

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