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更新日:2011年2月22日

平成16年度第3回懇談会

テーマ : 就労問題と支援費制度について

開催日 : 平成16年6月29日(火曜) 14時~16時

開催場所 : 札幌市社会福祉総合センター4階 大研修室

≪開 会≫

我妻

これより、障がい者による政策提言サポーター第3回懇談会を開催させていただきます。

私は、サポーター委員の我妻と申します。本日の司会進行役を務めますので、どうぞよろしくお願いします。

最初に、このサポーター制度について少々お話をさせていただきます。

この障がい者による政策提言サポーター制度は、皆さんもご存知のように、昨年、上田市長が誕生し、その後に策定されました「さっぽろ元気ビジョン」というプランを受けて、障がい当事者の方々、また家族の方々、さらに福祉に関心を持っている方々からご意見をいただいて札幌市政に反映させようと始められた新しい仕組みで、私たちは昨年の12月に任命を受けました。そして、皆様からいただいたご意見をお聞きして、まとめて、市長に届けるというのが私たちサポーターの役割となっています。

皆さん方からのご意見やご提案については、幾つかの方法でいただけるようにこちらの方で用意をしております。

まずは、本日のような懇談会です。これは、テーマを決めて、広く皆様から意見をいただくというものです。過去に2回ほど、このような大きな懇談会が行われております。1回目につきましては、「障がいのある方の地域生活を充実するために」というテーマで行われました。2回目につきましては、「教育問題とバリアフリー」というテーマで行いました。そして、今回3回目が、「就労問題・支援費制度について」ということで皆様方から意見をお伺いするということになっております。

また、こうした広い会場ではなかなか発言しづらいという方のために、毎月月末の水曜日に、札幌市役所3階の南東会議室で、個別に皆様方から意見を伺う意見聴取という場を設けております。これは、札幌市の広報「広報さっぽろ」でも紹介しておりますので、こちらの方をごらんください。

さらに、こうした大きな会場、または個別の意見聴取でもなかなか自分の意見をうまく伝えることができないという方がいらっしゃるかと思います。その方につきましては、郵便やファックス、メールでもお受けしております。

ぜひとも、皆さん方のご意見、ご提案をお寄せいただければ幸いだというふうに思います。

これら、皆様方からいただきましたご意見、ご提案につきましては、私どもサポーターが政策提言書という形でまとめて、9月に上田市長の方へ直接提出することになっております。

ぜひ、今お話しましたことを、会場にいらっしゃることができなかった皆さん方にもお伝えください。広く皆さん方からの意見をお寄せいただければと思います。

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≪サポーター委員紹介≫

我妻

それでは、本日出席のサポーター委員を紹介させていただきます。

お時間の関係がありますので、私の方から簡単に紹介をさせていただきます。

皆さん方から向かって右側の方から紹介していきたいと思います。

高嶋さんです。

河西さんです。

小林さんです。

鈴木さんです。

私の隣ですが、香川さんです。

富田さんです。

場崎さんです。

最後になりますが、浅香さんです。

また、本日はご病気、またはお仕事の関係で、小山内さん、竹田さん、三浦さんの3名のサポーターの方が欠席でございます。

我々サポーター委員は12名でこの役割を担っているということになります。どうぞよろしくお願いします。

それでは、早速本日のテーマに入っていきたいと思います。

本日のテーマは、「就労問題と支援費問題について」ということで予定をしております。

もちろん、後ほど会場の皆様からご発言をいただくことになりますけれども、このテーマ以外のことでも構いません。また、発言が難しければ、後からファックスで寄せていただいても構いませんし、手紙でも結構です。個別の意見聴取でもお受けしておりますので、ぜひご意見お寄せいただければと思います。

本日は、過去2回ほどサポーター委員が問題提起という形でお話をさせていただいて会場の皆さんからご意見をいただきましたが、今回は、札幌市の課長さんに札幌市の取り組みについて少々お話ししていただいて、その後に皆さん方からご意見を伺うという形で進めていきたいと思います。よろしくお願いします。

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≪資料説明≫

我妻

それでは、札幌市の取り組みについて、札幌市保健福祉局保健福祉部障がい福祉課の大沼課長さんの方から説明をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

大沼課長

ご紹介いただきました札幌市障がい福祉課長の大沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日のサポーター懇談会につきましては、ご来場の皆様とサポーターになっていただいた方々との懇談が主になりますので、入り口の方で既に配布させていただいた10ページ物のレジュメに沿って、札幌市の状況も含めて、簡単にご説明させていただきたいと思います。

まず1ページをごらんください。

本日のテーマの一つである障がいのある方の就労関係についてでございます。

景気の動向については、依然として厳しい状況になっております。民間企業におきましては、新規採用を手控えするという状況も発生しております。この状況の中で、障がいのある方の雇用環境については、より厳しい状況が続いてきております。

レジュメの1の「国等の施策」の(1)に法定雇用率というものがありますが、これは障がい者の雇用の促進等に関する法律で規定をされている障がいのある方の雇用の法定の率であります。民間企業におきましては、1.8%の規定がされております。しかし、実際には全国で1.48%、札幌圏では1.56%ということで、法定雇用率のパーセントには到達しておりません。

公共職業安定所で、札幌圏の雇用率の表示をしております。江別、北広島、石狩等々、札幌市という限定ではなく、札幌圏で取りまとめることになっておりますので、このような表示になっております。

したがいまして、未達成企業の割合も全国で57.5%、札幌圏で57.1%というような状況になっております。

法的には、未達成の企業から雇用納付金を徴収するということになっております。これは、300人を超える企業に対しまして、月額1人当たり5万円という雇用納付金を徴収するということです。その反面、法的な仕組みとしまして、300人を超える企業で、一定数を超えて採用している企業には、1人当たりにつき雇用調整金として月額2万7,000円、それから、300人以下の企業に対しまして、奨励金として1人当たり月額2万1,000円という金額が支給されることになっております。

民間企業は1.8%ですけれども、国、地方公共団体につきましては、2.1%という民間企業よりも高い率での法定雇用率の定めとなっております。

札幌市は、平成15年6月現在、2.34%という率で表示をしており、本年6月に障がいのある方の札幌市職員の雇用、採用を行っております。これは、札幌市の一般の採用試験とは別に、障がいのある方を対象とした採用試験を実施いたしまして、6月1日に7人の方を採用したところでございます。

2点目の事業主に対する助成としまして、これは札幌市ではございませんが、北海道障害者雇用促進協会が、障がいのある方の雇用にかかわる施設、設備の整備等の金額の補助をしております。

3点目の障がいのある方に対する就労支援としましては、基本的には国の制度の中で就労政策が運営されておりますので、公共職業安定所、障害者職業センターで取り組みが行われております。

公共職業安定所は、札幌市内ではそこに表示してあります3ヵ所であります。地域的な区分を設けておりまして、札幌公共職業安定所の管轄区域は中央区から手稲区まで、札幌東公共職業安定所は白石区、厚別区、豊平区、清田区、札幌北公共職業安定所は北区、東区となっております。

北海道障害者職業センターにつきましては、北区にあります札幌サンプラザ内に設置をしておりまして、ここで障がいのある方の職場適応訓練事業などを行っております。

4点目は、公共職業安定所における職業のあっせんですが、今申し上げた市内の3ヵ所の公共職業安定所、ハローワークで求職登録を行っておりまして、障がいのある方の就労に結びつける展開を図っているところでございます。

2点目としましては、札幌市の施策の何点かを表示しております。

まず、1点目としましては、さっぽろシュリーへの支援です。シュリーの店は、身体に障がいのある方が市内19ヵ所の店舗でカサや靴の修理を行っているのですが、札幌市は、そこに稼働に応じた補助を行っております。

2ページに移りまして、2点目ですが、知的障害者職親会というものが札幌市内に設置されております。障がいのある方を雇用している企業主を対象とした会ですが、ここに知的障がいの方が企業で働く中で、適切な職場環境が保持され、稼働が継続されるということを、就職予後指導事業として展開しております。また、障がいのある方を雇用されている企業に、障がいのある方がきちんと働いていけるのかという相談、指導を担当していただく相談主任を設置していただいて、主任手当ての支給事業の補助を行っております。

(3)の方に移りますが、障がい者就業・生活支援センター事業です。

これは、国の施策で申し上げますと、旧労働省の労働政策と旧厚生省の保健福祉施策が合体した事業の展開でありまして、就労面では国の方の補助を受けまして、2人の相談委員の配置をしています。それから、生活面では、札幌市が委託しまして、1人の方が生活の相談に当たっております。ここは、通勤寮を東区で経営しております社会福祉法人愛和福祉会というところが、事業、センターを実際に運営しておりまして、そこに対して補助を行っております。

(4)から(7)につきましては、市内の福祉的就労関係で事業展開されている状況を表示しております。

(4)の通所授産施設につきましては、それぞれの障がい種別に応じた通所授産施設を設置しております。

あわせて、知的障がいと精神障がいの部分につきましては、小規模作業所から法定の施設に移行していただくということで、小規模通所授産施設の設置も図っているところでございます。

福祉工場につきましては市内で2ヵ所、小規模作業所、正式な名称は心身障がい者のための小規模授産事業、精神障がいの方につきましては、精神障がい回復者小規模共同作業所という名称の表示をしておりますが、いわゆる小規模への補助を継続的して実施しております。

今現在の設置数と、利用人員につきましては、そこに表示をしてある通りでございます。

3ページ目の方に移ります。

きょうのテーマのもう一つの部分ですが、障がいのある方への支援費制度でございます。

支援費制度については、3ページ目の方に表示しておりますとおり、福祉の制度は、これまで行政が福祉サービスに結びつく対象者を限定し、なおかつサービスの内容、サービスを受けられる事業所等々も行政が指定をする、いわゆる措置制度が戦後ずっと続いてきたという状況でありました。

この状況を、社会福祉基礎構造改革と表現されておりましたけれども、社会福祉の基本的な構造を変革する、端的に申し上げると、利用者主体にサービスを提供する福祉制度に変革するということです。これが、平成8年、9年のあたりに議論として展開されました。

障がい者の福祉施策におきましても、障がい者の自立と社会経済活動への参画の支援、あるいは、主体制選択制の尊重、地域での支え合いを理念とする改革の方向が示されてきたところでございます。

今、申し上げた社会福祉基礎構造改革の具現化の中で、平成9年12月に介護保険法が成立いたしました。施行は平成12年4月からでございますが、介護の問題を社会全体で支える仕組みとして導入されました。

一方、平成12年には、社会福祉事業法が法律の名称として、社会福祉法と変わり、社会福祉の基本的な法律についても変更したところでございます。

平成15年度からは、従来の行政主導による措置制度にかえて、利用者自らがサービスを選択できる自己選択、自己決定を尊重する支援費制度を導入してきたところでございます。

5ページ目ですが、支援費制度の概念図を表示させていただいております。

4ページから5ページにかけては、皆様、既に支援費制度をご利用いただいている中で、制度の基本的な仕組みはご存知と思いますので、詳しく説明はいたしませんが、こちらでは、支援費の支給申請から代理受領までの流れを表示しております。

次の6ページから8ページ目につきましては、措置の制度と支援費の制度、介護保険の制度について、制度上、どのような相違があるのかということを表示しております。

簡単にピックアップしてご説明します。

6ページ目、サービスの対象者の決定、平成15年3月まで続いておりました措置制度は、市町村、一部都道府県の措置の決定という状況でございましたが、真ん中のところの支援費制度につきましては市町村の支給決定、介護保険におきましては市町村の要介護認定等という状況で、制度の成り立ちが違っております。

決定の手続き、判断基準につきましては、措置制度におきましては、個々のサービスの種類、量及びサービス提供事業者について決定の内容としておりました。

支援費制度におきましては、支給決定は個々のサービスの種類及び量について決定をさせていただいております。

介護保険につきましては、そこに表示してありますとおり、要介護度に応じたサービスの上限が設定されているところでございます。

次の7ページ目は、今のサービスの内容の続きになりますが、支援費制度におきましては、サービス提供事業者につきましては、利用者が決定、契約を経た中での決定を行うことになっております。

ケアマネジメント制度につきましては、措置、支援費とも制度化という形にはなっておりません。ただ、介護保険制度につきましては、ケアマネジャーの制度が介護保険制度の中で制度として位置づけられている状況になっております。

利用者の負担の上から2番目の負担の基準ですが、措置制度も支援費制度も応能負担という制度になっており、介護保険につきましては、応益負担、原則1割負担という制度になっております。それぞれ限度額は設けられておりますが、制度上の負担の違いがあります。

以下、8ページ目までにつきましては、それぞれの違いと同一性を表示しております。

最後の9ページ目は、支援費制度移行後のサービス利用者の推移をまとめた表でございます。ご存知のとおり、支援費制度の部分につきましては、大きくいいますと居宅生活支援費と施設訓練等支援費の二つに区分されます。

居宅生活支援費ですが、居宅介護等事業、ホームヘルプ、ガイドヘルプの部分と、デイサービス短期入所、知的障がいの方につきましては、地域生活援助事業、いわゆるグループホーム事業、この事業がそれぞれ法別に、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福祉法に区分されておりますので、資料としましては、平成15年3月末の支給決定者数、支援費制度を廃止した15年4月の支給決定者数、1年経過した16年4月の支給決定者数を表示しております。

一番下の三法合計のところを見ていただくと、15年3月の居宅生活関係での措置時代の支給決定者数は全市で4,223人でしたが、支援費制度が開始した15年4月には5,165人となりまして、950人くらいの利用者が増加したという状況です。

1年経過した今年4月の利用者状況を見ると7,339人ですので、1年前の4月から比べても2,174人が増加しております。

表の中身を見ていただきたいと思いますが、特に知的障がいの方の居宅介護等事業の利用者が大幅に増加しております。措置時代には、サービスの限定により受けづらかった、あるいは、サービスそのものを行う事業者が存在していなかった等々の事情の中で、支援費制度の開始以降、利用できるサービスが現実の状況になった、あるいは事業者がふえてきたことで実際の利用に結びつく、そういう状況の中で利用者がふえております。

利用者の増加傾向につきましては、今後も今までと同じくらいの増加の幅か、ある程度落ち着いた幅かは別として、利用者が増加していくことを見込んでおります。

施設訓練等支援費につきましては、身体障がい者、知的障がい者の入所施設、通所施設の利用者でございますので、施設設置等にあわせた利用数の増が表示されております。

最後の10ページ目につきましては、事業者の指定状況を表示しております。

札幌市におきましては、指定都市でございますので、札幌市が事業者の指定を行っている状況でございます。1番目も下の指定居宅支援事業者につきましては、それぞれのサービスごとの事業者の指定状況になりますので、例えば、(1)の指定居宅介護事業者、身体障がい、知的障がい、児童ごとに分けて事業者の指定状況を表示しております。計のところをみていただきますと、ことしの6月1日現在で328の事業者を指定しているところでございます。

以下、デイサービス事業、短期入所、グループホーム等々の事業者の状況、区別の状況を表示しております。

(3)の指定施設についてですが、これは入所、通所の施設の指定でありますが、現実に札幌市内に存在する施設の指定の状況も含めて表示しております。

雑駁ですが、私の方からの概略説明とさせていただきます。どうもありがとうございました。

我妻

ありがとうございました。

それでは、せっかくですので、大沼課長さんにもう少しお時間をいただいて、今ご説明いただいた部分について、聞き足りなかったこと、この部分についてもう少し説明してほしいという方がいらっしゃいましたら、二、三お受けしたいと思います。

いかがでしょうか。

どうぞ。

参加者

北海道障害者職業センターでどのような訓練が行われているのか、具体的に教えてください。例えばパソコンとか、詳しく教えてください。

大沼課長

障害者職業センターにつきましては、札幌市の機構ではありませんので、私の方から全部をご説明する状況にはないのですが、ただ一つ、ジョブコーチの支援事業を障害者職業センターで行っているという情報は私の方でも受けております。

この部分につきましては、札幌だけということではないのですけれども、障がいのある方の就労支援のメインテーマとして職業センターが取り組んでいるということです。

15年度の予定としては、障がいのある方96名に対するジョブコーチとしての就労訓練を行うというふうに聞いております。

職業センターの詳細につきましては、きょうは用意しておりませんので、私の方からはお答えし切れません。

我妻

私からも若干補足をさせていただきます。

職安とか障害者職業センターは国の管轄になっておりますが、札幌にもありますので、札幌市の担当者は知らないというわけではなく、会議等で常に情報交換はしております。

それでは、横の方、続けてどうぞ。

参加者

支援費制度に関して二つ気になることがありますので、質問したいと思います。

まず一つは、この資料の中に措置制度、支援費制度、介護保険制度の比較とありまして、措置制度と支援費制度の比較はわかるのですが、なぜその横に介護保険制度の比較があるのかがわかりません。

もう一つは、この支援費制度の中で、なぜ精神障がい者が入っていないのかということです。

以上2点です。

大沼課長

介護保険制度をここに網羅しましたのは、先ほど申し上げたとおり、社会福祉基礎構造改革の一環として、まず介護保険制度が導入されたということで、支援費制度の先の制度の状況と、介護保険制度が適用される方については、優先的に介護保険制度に移行していただくという制度的な状況を含めてこの表の中に表しました。

もし必要がなければ、これは見なくて結構です。

2点目ですが、支援費制度については、全国的な制度の規定を受けまして、自治体としての札幌が事業を展開しています。今現在、精神障がい者の方が制度に加わっていないというのは、もともとの国が設定している支援費制度としての事業項目の中に、身体障がい者、知的障がい者、障がい児童の施設についての入・通所の部分は支援費制度からは外れているとか、もともとの国の制度上の仕組みが、今現在は精神障がいの方が加わっていません。制度的な意味だけです。

我妻

どうぞ。

参加者

先ほど障がい者職業訓練センターの話が出ましたが、私は8年か9年前に行ったことがありまして、訓練をしました。今はどうかわかりませんが、ボールペンの組み立てとか、箱折りとか、そのような作業をやっておりました。

それで、北海道職業訓練センターは北24条西5丁目の札幌サンプラザ内にあるということですが、これは1ヵ所しかないのでしょうか。

大沼課長

札幌市内には1ヵ所だけです。

我妻

そのほか、どなたかいらっしゃいますか。

どうぞ。

参加者

精神障がい者の制度というものが国で定められていないので、市ではやっていないというような言い方をされていたと思いますけれども、やはり、それは差別だと思うのです。国がやっていなくても、同等に不遇な目に遭っている者には支援するべきではないのでしょうか。

大沼課長

支援費制度の中で精神障がいの方への制度上の仕組みについては、先ほど申し上げたとおりです。ただ、札幌市、国が政策展開を全く行っていないかというと、例えば、ホームヘルプサービス、短期入所事業等々は、支援費制度という枠ではございませんが、札幌市では実施をしておりますし、それに対しては国の補助も受けております。

我妻

それでは、ここで一区切りさせていただいて、意見交換に入りたいと思います。

大沼課長さん、どうもありがとうございました。

大沼課長

前段の貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

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≪意見交換≫

我妻

それでは、引き続き、きょうの大きなテーマである雇用問題や支援費制度の問題について、皆様方の方からご意見、ご提案をいただいていきたいと思います。もちろん、きょうのテーマ以外のことでも結構です。こんな制度があればいいのにな、現状でこんな制度があるけれども、これをこのように改善してほしいとか、もろもろのご意見、ご提案を受けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

それでは、早速、会場の方でご意見等はございませんか。

参加者

就労についてですが、僕らが仕事をすると考えたときに、まず、病気のことをオープンにするか、もしくは隠すかということを考えます。といいますのも、僕らの病気は偏見、差別が非常に多い病気でございまして、仮に面接のときに精神障がい者であると言うと、それだけで面接が終わってしまうのではないかということを想定してしまいますので、オープンにするか、クローズにするかということは非常に重要な判断になっていると思います。

僕の知っている話を申しますが、まず、札幌の場合は、職親が少なく、札幌市に精神保健福祉センターが移ったときに、事務上の手続きで札幌の方に職親が移ったということで、実際にそれが稼働しているかどうかということに関しては、4~5カ所しか稼働していないという状況だそうです。これでは、僕ら精神科にかかった病気の方は、職親選びをしてでさえも仕事につくのが難しいのです。5~6カ所で僕らをまかないきれる問題ではないと思います。

ただ、最近聞いた話によりますと、サポートイン札幌では、ハローワーク以外の求人、求人雑誌等を持っていくと、相談に乗ってくださったり、作業所にも行ったりして、ここでしばらくどうかなというような相談にも乗っていただけるということで、少し枠が広くなったかなと思います。

それから、ジョブコーチですが、例えば、僕らが会社に勤めていて、薬の時間なのでとか、調子が悪いのでというところで、たださぼっているとか疲れやすいという判断ではなく、就労する意思はあるけれども、その時々でちょっと休憩したいというときにジョブコーチが間に入ってくれれば、安定して就労できるのではないかと思っております。

それから、これはかなり大きな問題なのですが、雇用率に精神障がい者は含まれておりません。僕が就労を考えているときに、9月に、障がい者雇用月間ということで、サンプラザで雇用促進会というものに出たことがあるのです。その場では、もちろん病気をオープンにして面接に臨みました。その時に、ちょっと意地悪をして、雇用率のカウンターのために来ているのですかとお聞きしましたら、そうだと答えられ、僕は精神障がい者なのですがだめでしょうかとお聞きしましたら、雇用率のカウントにならないので困りますとはっきり言われたこともあります。

もちろん、先ほど札幌市の方がおっしゃっていたとおり、5万円の納付金を支払えばそのペナルティーをクリアするという恐ろしい現実があります。

ですから、僕らが仕事に出るということに対して余りにも理解がありません。わからないところに踏み込んで精神障がい者を雇用しようという意思が感じられません。

他の病院のソーシャルワーカーの方に、来年あたりの通常国会で話が出るかもしれないと聞きしましたが、そうなれば雇用率の換算、枠はクリアできますから、ジョブコーチのこととか、雇用主さんの方の理解が深まれば、少なくとも今よりはましになるのではないかと思いますが、僕はそう安心はしておりません。

僕ら精神障がい者というのは、主に小規模作業所と、札幌に2ヵ所しかない授産施設で暮らしております。作業工賃も本当に少ないです。それが現状です。ですから、これを打破するような大きな動きが出てくればいいなと思っております。

最後に、精神障がいの場合は福祉工場すらありません。福祉工場ですと、授産施設や小規模作業所よりもうちょっとお金がもらえると思いますので、ぜひ、札幌市の方に、若い方も含めて、福祉工場等をつくっていただき、また、授産施設への補助金を減らさず、授産施設へ移るバックアップをしてもらう中で、デイタイムで働いてお金をもらうというシステムをつくっていただきたいと思います。

以上です。

我妻

ありがとうございました。

幾つか問題の提案をしていただきました。

もともと精神障がいの方は、就労の問題で、病気のことをオープンにするか否かということがまず大きな問題であると。

それから、現状として、会社の方でもきちんと理解されていないので、雇用の問題も雇用率の問題についても、数字、話、議論する以前の問題にあるというお話がありました。

また、職親制度もあるけれども、職親自体が少ないということも聞いていると。また、実際に障がいを持っていて就労している人たちが少ないので悪循環であるというようなこともお話はされていました。

それから、ジョブコーチがもっともっとふえてくると、これが障がいを持っている人たちの様々なサポートになり、雇用の安定化につながっていくのではないだろうか。

さらに、現状として札幌市内では、精神障がいを持っている方は、福祉的就労という言葉はおかしいですが、作業所が中心になっており、福祉工場もないという現状であるので、福祉工場はぜひつくっていただきたい、また現在ある作業所につきましても補助金の増額を検討していただきたいというお話だったかと思います。

それでは、そのほかの方、いらっしゃいますか。

参加者

支援費のことについてお伺いしたいと思います。

施設に入っている障がい者から聞いてほしいということで、お聞きします。

それは、支援費は施設の中でしか使えないのかということです。例えば、施設の中から1週間に1回でも表に出たいと。どこへ行くのかは本人の自由ですけれども、ガイドヘルパーが必要です。そのガイドヘルパーを自分で探して、それは資格がある人でなければだめだと思いますが、施設の職員ではなくて、友人にもいますので、私が資格を持った人を探して、施設への送迎をしてもらいたいのです。そして、それを支援費でやってもらえないだろうかということです。

それを、市側でどのような形で実現していただけるのか、だめなのかということです。よろしくお願いします。

我妻

今ご発言いただいた方のところに、施設に入所されている方から声が寄せられたということで、ぜひこの場で挙げてくれという要望があったそうです。

現状では、その方は施設にいらっしゃるけれども、外出をする際に、ガイドヘルパーを支援費を使って利用できない。施設の中では支援費を利用できるのだけれども、外出に際してのガイドヘルパーは利用できないので、結局のところ、施設側も動いてくれない。結果、ガイドヘルパーを独自に見つけて、その方と連絡調整をしてやっているということです。これを、ぜひ施設利用者にも対応できるようにしてほしいけれども、現状としてできないものなのかどうなのかというお話だったと思います。

これについては、後ほど個別にお話ししたいと思います。よろしくお願いします。

そのほかの方、いらっしゃいませんか。

どうぞ。

参加者

支援費制度の資料が手元にあります。私は支援費制度のこういった資料を何回も見ていますが、この資料自体が非常にわかりにくいです。もう少し図解化といいますか、わかりやすく書いてもらいたいです。

我妻

ありがとうございました。

支援費に関してのパンフレットやチラシ等、他に今日配った資料以外で札幌市の何かごらんになったことがありますか。

参加者

ありません。

我妻

きょうの資料だと、なかなかわかりづらいと思います。他に配っているパンフレットやホームページ、また「広報さっぽろ」でも紹介していますが、もう少しわかりやすくなっているものもあると思います。それについても、必ずしも見やすいかどうかはわかりませんが、そちらもぜひ見ていただいて、もし見づらいのであれば、ここをこのように直してほしいという形で上げていただけたらと思います。

それから、全国の方で言うと、たしか、手をつなぐ育成会で、支援費制度のことについて、知的障がいを持っている本人たちが、自分たちや、自分たちの仲間にわかりやすく支援費制度を紹介するためにはということで本をつくっております。そちらは、かなりわかりやすく紹介されているので、ごらんになることをお勧めしたいと思います。ひょっとしたら、ここの資料センターにあるかもしれませんが、なければ、私の方に直接問い合わせていただければと思います。

それでは、そのほかの方、いらっしゃいませんか。

どうぞ。

参加者

先ほど質問をした者です。

私は、障害者職業センターに9年くらい前に通ったことがあります。今は内容が変わっていると思いますが、そのときは、ボールペンの組み立てなどの軽作業をやっておりました。

この障害者職業訓練センターが札幌市に1ヵ所では足りな過ぎます。各区に1ヵ所くらいほしいです。

僕は、障害者職業訓練センターに通いながら、2回就労しました。まだ景気のよいころでしたので、障がいを明かしても働くことができたのです。最初の仕事は納豆の製造補助業務で、とてもきつい仕事だったため、1ヵ月間で体重が17キロ減りました。当然、給料は安いので、健常者の人であれば働きません。ただ、そのころはジョブコーチという制度がなかったのですが、もしジョブコーチがいてくれればもっと長く働けたかもしれません。この仕事は、1ヵ月半くらいしかもちませんでした。結局、連絡帳をつけるだけで終わりました。

2回目は肥料屋でした。このときも、障がいを明かして働きましたが、このときも連絡帳だけでした。忙しくて休みがない状態で、やはり半年くらいで終わってしまいました。

ですから、ジョブコーチをもう少し普及させて、当事者と一緒に朝起きるところから始まって、精神障がいだということを明かして、理解してもらえて働けるような制度をつくってほしいというのが1点です。

それから、先ほどありました企業の雇用率のことについて、雇用率が上がっているということですが、精神障がい者の雇用率は全く上がっていません。精神障がい者はどうかわかりませんが、企業に何らかの反則金を払うというのがあったような気がします。それは定額なので、精神障がい者を雇うよりも、払ってしまうとお聞きしています。ですから、その額をボンとはね上げて、雇わざるを得なくしていただければ、精神障がい者も就労できると思います。

それから、8時間労働はきついです。短時間でもいいので、ワークシェアリングで回り番で働くとか、そういう方向性も検討した上で取り組んでいただきたいと思っております。

以上です。

我妻

ありがとうございました。

先ほど資料の中で紹介がありましたが、北海道障害者職業センターは1ヵ所では足りない。また、ジョブコーチがもっともっと充実していれば、就職した方の安定化につながっていくということ。それから、障がい者雇用率の部分についてもっと厳しく取り締まってほしいというお話がありました。

それから、仕事の部分につきましては、ワークシェアリングといいますか、時間を細かく区切って、分業のような形で時間時間でやっていく方法も提案すべきではないかというお話がありました。

国の方の取り組みに関連してくる部分もかなりありますので、これはどういう形がよいのかわかりませんが、私どもの方でお受けして、札幌市の方から国に上げてもらう形になるのか、それは何とも言えないところですけれども、とりあえず、いただいたご意見につきましては以上のような整理で私どもの方でお受けしたいと思います。

それでは、そのほかの方、どうぞ。

参加者

先ほど支援費のことについてご質問した者です。

先ほど、なぜこの資料の横の方に介護保険制度との比較があるのかと質問したときに、担当の方から忘れても結構ですという話がありました。しかし、私どもの作業所に入った情報では、支援費というのは、とにかく利用者が多過ぎて、財政的にアップアップだと、これを何とかするために介護保険制度とドッキングして打開しようという動きがあるということを聞いています。

本来、このような支援費の制度と介護保険というのは相入れないものがあります。なおかつ、この動きの中で、本来、支援費は応能負担、つまり本人の支払い能力に応じた負担だったものが、ドッキングすることによって、応益負担、つまりサービスの量に応じた負担をしよう、さらに利用者の利用料の上限をとっぱらってしまおうという提言さえ出ているとお聞きしています。

このような安易な妥協策で利用者に大きな負担を強いるようなことはやめていただきたいと私は考えています。

以上です。

我妻

ありがとうございました。

ご意見ということで伺っておきたいと思います。

ご存知かと思いますけれども、今、国の方で、もちろん当事者も入った委員会等の中で、このあたりの議論が盛んにされているところですので、皆さん方におきましても、ぜひ、こちらのニュースや動きについては注目していただきたいと思います。

しかしながら、残念なことに、現状、私どもができることというのは、国、もしくは、その委員会のメンバーの方々に向かって、この辺の統合について地方にいる私たちがそのような方々に意見を上げるというのが精一杯です。とりあえず情報を入れて、果たしてそれでいいのかどうかということを議論して、また国に上げるというところが精一杯かと思います。

ただ、ここら辺につきましては、恐らく、札幌市もいろいろな形で国に向かって様々な意見を言う場面もあるでしょうから、ご意見としていただきたいというふうに思います。

そのほか、ございますか。

参加者

私は、小規模授産所、作業所に1年半前から通っておりますが、ほかの視覚障がい者の仲間もぜひそこに入所したいということで3人も4人も来られるのですけれども、場所、建物が小さいから入れない等々の理由でなかなか入所できない状況なので、何か考えていただきたいと思います。

それから、仕事そのものも、ほかの作業所では箱の組み立てのようなことをやっているらしいのですが、私たちの作業所には視覚障がい者が5人いるのですけれども、ほとんど手作業でできる仕事がないのです。

それで、今、機織りというようなことをやっております。その機織り機も、新聞などに寄せられた中古品などを使っていまして、今は3台を交代で使っております。それで、仕上げたものはバザーなどで売っております。しかし、材料費は全て自己負担でして、売れるものといえばシルクとか綿のものですので、そうなると糸代が非常に高く、自分の持ち出しが多くなります。そして、それによって作業所から私たちに入るものは一つもなくて、今はお弁当も持参という形です。それから、レクリエーションがある場合は、ことしから補助金が削減されましたので、それも自己負担ということで、年2回のそのようなお楽しみも自分で会費を払うという形になりました。

もし、そのようなバザーをする場合、場所がほしいのですが、安いところや無料のところですと交通が不便なところが多く、たくさん来てもらえないので売れないということになります。ですから、ぜひ、市の中心部で場所の提供をしていただければなというふうに思います。

我妻

ありがとうございました。

小規模作業所に関連することで話をいただきました。

まず、小規模作業所運営上、補助金が削減され、非常に厳しい状況の中にあると。また、つくった品物を販売する場所も限られ、なかなか便利のいいところ、人が多く集まるようなところで販売するということも難しいということでした。それで、その販売の部分について、できれば札幌市のサポートをというお話だったと思います。

販路の問題と補助金の問題、それから作業所の運営の問題もあるかと思いますが、そこについてのお話だったと思います。

それでは、ほかにいらっしゃいますでしょうか。

参加者

政策提言ということで、関連してお話します。

今の方の意見を聞きましても、聞くに耐えないような支援の乏しさを感じられました。

参議院の選挙も近いですが、立候補する方は、福祉に力を入れているようなことを言っておりますけれども、実際はどうなのかと疑問に思っています。

口先だけという言い方はよくないとは思いますが、実際そういう方が多いと思います。イラクなどのほかの国には莫大なお金が支援されるのに対して、我々への福祉の支援が全く乏しく、日本は福祉では貧困の国なのではないかと思います。

今問題になってる、道警の裏金問題などを見ましても、大変なお金が使われています。テレビなどで見ていますと、そのことについて本部長は知らぬ存ぜぬの姿です。

それに対して、皆さんの誠意ある姿には大変立派だ、それこそ本当の真実であると思いました。我々は皆、おとなしくしないで、選挙に関しても遠慮なく十分に発言していけばよいと思います。

また、上田市長も、弁護士として、福祉の世界でも長らく活躍されたと聞いておりますが、ますます我々の支援のために誠心誠意頑張っていただきたいと思います。

政策提言サポーターの方々にも、遠慮なく、忌憚なく発言なさることを期待申し上げています。

我妻

ありがとうございました。

我々サポーター、今日会場にいらっしゃっている方、今日は会場にいらっしゃることができなかった障がい当事者の方々に対する激励、エールだったというふうに受けとめさせていただきたいと思います。

おっしゃるとおり、我々が声を上げることが重要だと思いますし、そのためのサポーターだと思います。具体的に何をどのように変えられるのかはわかりませんが、まず声を上げて気づいてもらわないことには変わるきっかけになっていきません。そこから少しずつ変えていきたいといいますか、時としては大胆に変えることも必要なのかもしれません。

ぜひ、多くの仲間の方にも、きょうの会議の様子や、こういう制度があるので、あなたの意見を上げてほしいというようなことも伝えていただければと思います。

ありがとうございました。

それでは、そのほかの方、いらっしゃいませんか。

参加者

今回のテーマとは全く関係ないのですが、過去3回、この会議に来ていまして、市長の回答なり、改善内容が全く聞こえてきません。ですから、そういう機会をつくっていただきたいのですが、いかがなものでしょうか。

私は3回来ていますが、意見ばかり言っていても、何も回答がないとやっている意味がないのではないかと思います。

我妻

ありがとうございました。

このような場で意見を上げていても、なかなか市長なり市側からの回答がないと、どのような取り組みが札幌市側の方でなされているのかわからないというお話だったと思います。

政策提言サポーターの提言につきましては、これからまとめる作業に入りまして、市長の方には9月に上げることになっています。当然ですが、市長や市の担当の方と何度かやりとりをしながら、来年の3月、4月ごろに、今回のまとめたものが皆さん方にオープンになる予定です。それで、こういうような取り組みがなされる、具体的な部分について、札幌市の新年度の事業、現在行っている事業の中では拡大部分、継続部分など、そのような区分けの作業が行われてオープンになるかと思います。

ただ、なかなか時間がかかりますので、そこまで待たなければいけないのかと言われますとちょっと辛いところですが、オープンになる春の段階に注目していただきたいと思います。そこからまた、さらに重要な部分、取り組みが遅い部分につきましては声を上げていって、重点項目として優先順位を上げていくということなども考えられると思います。

いずれにしても、ここでいただいた意見が、市側でどうなるのかということにつきましては、もう少しお待ちいただきたいと思います。よろしくお願いします。

そのほか、どなたかいらっしゃいますか。

参加者

以前、テレビ塔のところで福祉ビアガーデンというものがありました。そのようなビアガーデンとかバザーのようなイベントを育成会と市が連携してやっていただきたいと思います。

我妻

福祉ビアガーデンは、札幌市は応援はしていますけれども、民間の団体が中心に実行委員会をつくってやっていたかと思います。それがなくなってしまったので、同じようなものをやってほしいということですね。

要望ということで承っておきます。

そのほか、どなたかいらっしゃいますか。

参加者

先日、NHKの「クローズアップ現代」という番組で、障がい者の雇用に関する内容を放送していました。

東京や愛知の方では、雇用促進協会などが、知的障がい者にある程度の業種に適した技術を教えて、企業にあっせんし、雇用を促進するという方法をとっているようですが、北海道、札幌ではそのようなところはあるのでしょうか。実際にそのようなことが行われているのでしょうか。

もし、そのようなところがあるのでしたら、もっと作業所や養護学校などに広く知らしめていただければと思います。

香川

サポーターの香川でございます。

実は、私もあの番組を見ましたし、そのことについては以前から大変関心を持っていまして、調査をいたしております。北海道内並びに札幌市内の概要について、知っている範囲でお答えします。

実は、あそこに特例子会社制度というものが出てきましたけれども、これは1978年、今から26年ほど前にできたものですが、26年たった現在、北海道でこれを適用して申請した会社は2社しかありません。

それでは、どこにあるのかと思って調べましたら、渡島管内に1社と北見に1社だけです。残念ながら、札幌市内には、このような障がい者の雇用開発並びに雇用促進という形で子会社制度を申請している会社はございません。これが現状です。26年たって、このような状況です。

後ほど、この関連でお話しようと思ったのですが、いろいろなところで障がい者の雇用促進、開発などの言葉がたくさん並んでおりますが、現実にはなかなか障がい者のところまで届いていません。

それでは、この管轄はどこかと申しますと、北海道労働局であり、国になります。これにつきましては、北海道並びに札幌市は直接関与していません。実は、北海道庁にこのセクションがあるわけですけれども、何をしているかといいますと、啓蒙活動、いわゆる宣伝だけです。札幌市も同じように啓蒙活動だけです。

こういう問題が我々必要としている人たちに届かないという現実をきちんと知ることが大事ですし、今のような意見から現実を知って活動していただくということが大事なのだろうと思います。

これは余談になりますが、皆さま方の声というのは非常に大事なことで、今回で提言サポーター懇談会の3回目になりますけれども、1人の市会議員の方もここに見えられていないのです。まさしく、そのような声を吸い上げて、選挙のときだけ皆さん方と同じ目線でとか弱い者の味方などと言わないで、こういう声を聞いて自分たちの行政に生かしていくということがなければ、宣伝倒れ、PR倒れ、活字だらけで、実際には皆さん方は恩恵にあずからないというのが現状なのだろうと思います。

以上です。

参加者

札幌市は、政令指定都市ですね。市が独自に強制力を発動してやりなさいと言うことはできないのでしょうか。

香川

これは市の方が説明するといいのでしょうけれども、私が、札幌市の担当者、北海道庁では労働厚生省から局長できている方とお話をした限りでは、現状では、道庁並びに政令指定都市である札幌市が直接担当する窓口にはなっていません。それでは、どこが直接の窓口なのかとお聞きしましたら、ハローワークだということです。これが現実です。

私は、北海道大学の大学院で、人とか物とか制度、こういうもので障がい者の自立促進並びに地域でのノーマライゼーションという理念のもとに働けるための阻害要因は何なのかということを研究しておりますが、たくさんございます。

ぜひ、このような声を上げていただきたいと思います。

我妻

ありがとうございました。

冒頭にお話しするのを忘れていたのですが、何度か懇談会に出席をされている方は既におわかりだと思いますけれども、我々サポーターが演台の上から下におりています。

これは、サポーターの中で議論がありまして、ステージの上に上がっているより、会場の皆さんと同じ目線で考え、皆さん方と一緒に考えて行動するのだ、その意思表示をするために演台からおりようではないかという話が出てきました。それで、3回目の懇談会にして初めて演台からおりたということです。

また、香川さんから市議会議員の方がだれも来ていないとお話がありましたが、実は、定期的に通ってくださる方がお一人いらっしゃいます。それはどなたかとか、どこの政党の方ということはここでご紹介いたしませんけれども、お一人、この会議にまじめに通ってくださる方がいらっしゃいます。お一人しかいないというのも寂しいところですが、そういう現状にあります。

それでは、サポーターの皆さんから、きょうの感想、コメントをいただいていきたいと思います。

まず、高嶋さんからお願いします。

高嶋

職業問題についてはいろいろと悩むことも多いかと思いますが、例えば、精神障がいの方だけではなくて、聴覚障がい者にも同じ部分があります。

今、札幌は経済的にとても低迷しています。なかなか雇用されず、無職の方がふえ、悩みは精神障がい者の方と同じように私たちも持っております。問題は、国の方で企業に対しての反則金制度が問題だと思っております。こちら側も要望をして、もっと厳しくしてほしい、厳しいルールに変えてほしいという要望を出したいなというふうに思いました。

とても勉強になりました。ありがとうございました。

我妻

続きまして、河西さん、お願いします。

河西

支援費、就労支援ということで、今日この懇談会において考えましたのは、情報開示の件と法定雇用率の件です。

情報開示の件では、最近読んだアメリカの文献、バイオソシオロジーという著作の中で偏見のことが話題になっておりました。偏見のアメリカ社会の当たり前ということに関する研究調査において、人間が持っている社会関係の意識、人間生物学的なことなどについて触れられております。

情報開示については、これから研究が進んでいくと思いますが、今研究の部分では、スティグマということで、昔の言葉で言えば刻印といいますか、恥辱の刻印というのは文献で読んだことがあります。〔テープ交換〕

……うまく自分なりに調整できるか、親戚、家族、世間、地域の共同体の人たち、例えば、町内会の人などにうまく適応できるか、世間体、もしくは世間知という言葉がありますが、生き方の部分での世なれというか、世間に適応していけるかどうかという問題も、雇用の問題では大きなウエートを占めるのではないかと、歳をとるごとに強く感じております。

情報開示と雇用の件について、そういった面を強く思い直しました。

我妻

続きまして、小林さん、お願いします。

小林

就労のことについてですが、今、不況で新規の採用を控えるという状況があると思います。でも、実際にはサービス残業と言いまして、働いている人はかなりの長時間労働をしているわけです。そういうものをなくして、企業は平均に働く人を雇用していくというようにしていかないと、解決しないのではないかと思います。

これは、国の施策があることでして、札幌市ではどうかといいますと、札幌市でも民間企業の法定雇用率が1.8%となっていますが、札幌圏では1.56%で、やはり下回っています。これをもっと行政的に指導してきちんとやらせることが必要なのではないかと思います。1.8%と決まっている枠内までには持っていくというか、雇用率を上げていくということが大事なのではないかと思います。

私は精神障がい者ですが、精神障がい者の雇用というのは、8時間労働はできないですし、先ほど意見があったように、ワークシェアリングや、ジョブコーチをつけて短時間の労働を組みながらやっていけるようなスタイルの工夫が要ると思います。

私は、障がい者の雇用率が上がらないというのはおかしいと思うのです。障がい者であっても働く権利があるということを私たちは確認しなくてはいけないと思います。私たちには働く権利がありますので、障がいに応じて働けるような社会でなければいけないと思います。そういうことを切り捨てていく社会というのはどうなのかなということを問題提起したいと思います。

支援費の問題につきましては、支援費という制度そのものが私たち精神障がい者には除外されてきました。きょうは、皆さんから意見を聞いて、措置制度から支援費に変わって実際に対応がよくなっているのかどうか、利用者が利用しやすいような制度になっているのかどうかということを知りたかったのですが、一部の意見の中に、施設に入所している人で、ガイドヘルパーをつけるのに支援費制度が利用できないという方がいらして、これは少し不備なのではないかと思いました。そういうことをもっともっと充実させていくことが今求められていることであって、この支援費制度そのものを変えるというのはおかしいのではないかと思います。どこに問題があるのかということをもっとはっきりさせてほしいと思います。

施行されてからまだ1年程度で、すぐ介護制度、介護保険に移行するというのは、ちょっと早まっているのではないかと思います。もっと動向を見据えながら、支援費制度に変わってどのようになっているのか、もう少し状況を見て判断し、足りない部分を補っていくということにもっと力を尽くすべきであると思います。

介護保険になってどのようになるかということはまだはっきりしていませんが、福祉の予算が削られるということは予想できます。

ヨーロッパなどの外国と違いまして、日本の場合は公共事業にかけるお金の割合と福祉にかける割合がヨーロッパとは逆立ちしていますから、日本の制度そのものを、福祉へのお金の使い方そのものを変えていかなくてはいけないのかもしれません。福祉のお金をどんどん削って受益者負担にし、消費税も導入していくというようなやり方は、本当に底辺に生きている私たちの首を絞めるようなものではないかと思います。

そういうやり方ではなくて、税金の使い方の根本を考え直す必要があるのではないかと思います。

以上です。

我妻

続きまして、鈴木さん、お願いします。

鈴木

きょうは、皆さん、どうもありがとうございました。

きょうの懇談会ですごく感じたのは、本日配られた資料の中で、精神障がい者の方が、支援費にしても、就労問題についても、数字としてほとんど入っていなかったり、対象になっていないということに驚きました。

就労支援の問題等もそうなのですが、ほとんどの管轄が国なのです。国が関係しているということは、市は一体何をやっているのだろうかと。

私も、今回のような資料をきちんと見たのが初めてで、本当に全部国ですから国ですからと言うのではなくて、どんどん自分たちが声を上げていかないと、本当に変わらないですし、支援費制度なども、中では使えるのだけれども、外では使えないなど、まだまだ介護保険と一緒になるのは早いのではないかという気がしました。

きょうは、皆さん、本当にありがとうございました。

我妻

浅香さん、お願いします。

浅香

皆さん、きょうはご苦労さまでした。

私たち全員、皆さんと同じように障がい者当事者です。私も、数年間、就職浪人をしていましたし、介護保険についても、利用する側の立場になってもまだまだわからないことがたくさんあります。できるだけわかりやすいような、利用する側と行政側も含めての接点がスムーズにいくように、皆さんのいろいろなご意見を反映させていただきたいと思います。

きょうは、ご苦労さまでした。

我妻

続きまして、場崎さん、お願いします。

場崎

貴重な、そして本当に身近な切実なお話をありがとうございました。

就職に関しては、新卒者でも大変なご時世で、ハンディーを持っての就職戦線は地獄の就職戦線です。日々の暮らしもまさに地獄です。でも、ハンディーを持っていても文化的な生活をする権利はあると思います。ですから、少しでも明るく楽しく暮らせるように一生懸命考えたいと思います。

ありがとうございました。

我妻

続きまして、冨田さん、お願いします。

冨田

皆さんのお話を聞いていて、障がいを持って就労するということは、私たちにとって、ただお金をもらえるということではなくて、こんなこともできるんだという自分自身を発見していける大切な社会参加の形だと思います。そういう意味では、就労などを支援する制度というのは、それぞれ皆さんより輝ける、自分自身の能力を発揮できるような制度であってほしいと思います。

しかし、なかなかそのようにはなっていなくて、特に精神障がい、知的障がいを持たれている方にとっては、自分たちは働けるのに周りが働けると認めてくれない、支援さえあれば働けるのに行政もそのようにとらえてくれていない、制度が整っていないということがあると思います。私たちの側も、支援があれば十分働けるのだということをこれから皆さんと一緒に訴えていく必要があると思います。

私の場合も、介助を受けながら就労していますと支援費が使えなくなっていまして、とても矛盾しているなという印象を持っています。その辺の制度が札幌市でもなかなか整っていないのが現実ですので、皆さん、これからも声を一つにして訴えていきましょう。よろしくお願いします。

我妻

香川さん、お願いします。

香川

まず、先ほど3回にわたって開催されている懇談会に市会議員の方が見えていないということを申し上げましたが、来られているということを聞いてほっとしました。ただ、まだまだ少ないですね。来ている方には大変ご無礼を申し上げたことをおわびいたします。

二つだけ、どうしても皆さん方に考えていただきたいと思います。

一つは支援費制度のことです。まず、利用者が選択できるという言葉が随分ありまして、この資料の中にもありますが、業者の方々がどういうサービスをしているかという情報が入ってきません。これがあると、同僚並びに家族の方が業者のサービス内容を選択して、その中でこの業者を利用しようということになるのですが、情報開示がまだまだで、役所からも一切ありません。

私は、業者として登録した際に、自分のところでは何時から何時までこういうサービスを提供できますという資料があるわけですから、それをハローワークにある職業紹介書のような形のファイルにして、どなたでも見られるような形にすれば選択肢がずいぶん広がるのではないかと思います。

私は、これはスタートした時点から言っていますが、昨年の5月からスタートして、いまだに実施されないのは大変残念だなというふうに思います。

このことは、皆さん方が地域で声を出していっていただきたいと思います。

それから、就労関係についてですが、札幌市はどうなっているのか、北海道はどうなっているのかということも大事ですが、もっと身近なことで考えてみましょう。

例えば、障がい者という名のつく団体がたくさんありますし、福祉関係の団体もたくさんありますが、果たしてこういうところで障がい者の方はどの程度採用されているのでしょうか。1.8%という数字はトータルです。

私はこれから実態調査をする予定ですが、実は、前障がい福祉課長に、障がい福祉課で障がい者が雇用されていますかということを聞いたのですけれども、障がい者が私の課で働けると思いますかという答えが返ってきて、大変ショックを受けました。

なぜ働けないのかと聞くと、毎日12時過ぎまで仕事をしているので、その中で障がい者が仕事をできるわけがないと言いました。

こういうスタンスを持った方が障がい担当の責任者でいることに、障がい問題に対する取り組みの問題があるのではないかと思います。

いろいろな中から自分で選択できればいいのですが、実際には選択できません。

一つの例を申しますと、きょうは視覚障がい者の方が来ていますので申し上げますが、点字ブロックはある意味では道路なのです。これは、目の悪い方は2本も3本も道路があれば、それを何回も歩いている間に自分で学んでどこを通れるかということもできるのですが、1本しかない点字ブロックが途中で切れていたり、どこにつながっているのかわからない状態では選択ができないのです。選択ができないのは障がい者の一番大きな問題です。これをなぜ解決できないのかということが不思議で仕方ありません。

私は、障がい者政策というのは、理念とかポスター、あるいは枕ことばを並べることではなくて、当事者の障がい者が利用できて初めて障がい者対策であるということを申し上げます。

今日ご参加の皆さん方にお礼を申し上げます。

以上です。

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≪まとめ≫

我妻

会場の皆様、ご意見、ご提案をいろいろいただきまして、本当にありがとうございました。

政策提言といいますと、なかなか難しく、かたい、とっつきづらいとお考えになる方がいらっしゃると思いますが、要は、私たちが生活していて不便なこと、不都合なこと、また現在の制度の中で不満に思っていること、ここを上げていただくことから始まっていくのではないかと考えています。そして、それらの声をまとめていくのが我々サポーターの役割ではないかというふうに思っております。

その部分では、上田市長は主役は市民だということをおっしゃっておりましたけれども、この場でいいますと、この場の主役は会場にいらっしゃっている皆さん、それから、残念ながらきょうは会場にいらっしゃることができなかった多くの障がいを持っておられる皆さんたちであります。ですから、これらの方々にいろいろなご意見やご提案を上げていただけることが一番だと思っております。

きょうは意見を上げることができなかった方もいらっしゃると思います。ぜひファックスや郵便等でお送りいただければと思います。

また、きょうはこちらの会場にいらっしゃることができなかった方々についても、きょうのことをお知らせください。また、その方々からもご意見をいただいて、きょうも代弁されていた方がいらっしゃいましたが、それを会場に来られた方が代弁してくださる、またお送りくださる、そういうことにぜひとも取り組んでいただければというふうに思います。

もちろん、プライバシーに配慮して、皆さん方からいただいたご意見については慎重に扱っていることも申し添えておきます。また、お名前、ご住所、障がい名、障がいの等級についても強制はしていません。差し支えなければ書いていただいて結構ですし、省略していただいても結構です。

また、個別に市役所で行う意見聴取もございますので、そちらの方でご意見をお寄せいただくか、先ほどから何度もお話していますとおり、メール、ファックス、郵便等でもお寄せください。それから、私どもサポーターにどこかで会う場面もあるかと思います。そういうところでまとめた用紙のようなものをいただいても結構です。ぜひご意見をお寄せいただければと思います。

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≪閉 会≫

我妻

本日は、長時間にわたり、本当にありがとうございました。

以上をもちまして第3回の懇談会を終了させていただきます。

ありがとうございました。(拍手)

以上

このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局障がい保健福祉部障がい福祉課

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎3階 

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