第9期サポーター会議(第9回)議事概要 開催日時  令和8年5月28日(木曜日)午後2時~午後4時30分 出席者(計9名・敬称略) (サポーター7名)荒木・大井・佐藤(純)・鹿野・古川・光永・山田 (事務局2名)布施・田中 主な議事と概要 ※詳細は下記「会議の内容」を参照 1.開会およびメインテーマの再確認 ・「防災を切り口にして、障がい者の社会参加について考える」というメインテーマの再確認 2.防災、社会とのつながりに関する事例報告 ・災害時における障がい者のリスクと日常の繋がりの重要性に関する事例報告 ・マンション管理組合における防災とコミュニティ活動の変遷に関する事例報告 ・障がい者の社会参加に関する取組 ・避難支援に関する課題と取組 3.その他の取組・課題 ・民生委員の活動の現状と限界 ・地域店舗における地域とのつながり・取組 ・イベントへの参加ハードルとアプローチについて ・既存資源を活用した場づくり ・地域における事例 ・就労継続支援事業所同士の連携 ・まとめ 4.事務局からの事務連絡 ・次回のサポーター会議は7月開催を予定 会議の内容 1. 開会およびメインテーマの再確認 ・今期の障がい者によるまちづくりサポーター会議のメインテーマについては、「防災を切り口にして、障がい者の社会参加について考える」ということについて改めて全体で共有した。 2.防災、社会とのつながりに関する事例報告等 (1)災害時における障がい者のリスクと日常の繋がりの重要性に関する事例報告 ・災害時のリスク:西日本豪雨や東日本大震災の事例から、障がい者など要援護者の死亡率や犠牲の割合が非常に高いことが共有された。 ・地域生活とリスク:地域(在宅)で暮らす障がい者が多い地域ほど発災時の犠牲者が増えるデータがあり、「住みたい場所を選ぶ自由」と危険性が隣り合わせである現実が示された。 ・共助の現実:阪神・淡路大震災では救出者の約4分の3が「ご近所の人」に助けられており、公的機関を待つだけでは間に合わないため、初期救助において日頃からの声掛けや安否確認が命を分ける。 ・受援力の向上:福祉の側からも「助けて」と言える力(受援力)を育てる必要があり、普段からの顔見知りづくりが不可欠である。 (2)マンション管理組合における防災とコミュニティ活動の変遷に関する事例報告 ・居住者名簿の刷新:地震発生を機に、30年以上更新されていなかった名簿の再提出を全世帯へ求め、ほぼ全世帯からの回収に成功した。 ・データベース化と避難計画:高齢者や車椅子利用者のリストをデータベース化し、災害時に誰がどこにいて、どのような支援が必要か即座に出力できる体制を整えた。 ・避難訓練の復活と設備強化:中断していた避難訓練を再開し、消防署との交渉により各階の踊り場に計40本の消火器を安価に設置した。 ・コミュニティづくり:集会室を活用してお正月飾りの製作イベントを開催し、良好な交流の場を作った。 ・役員の資格条件と理解促進:精神障がい等の特性を持つ候補者についても、「対話ができるか、お互いに補い合えるか」を重視し、理事会で承認して選任した。 (3)障がい者の社会参加に関する取組 ・障がい者の社会参加という点において、教育環境が分離されていることで、18歳まで健常者と障がい者が関わる機会が少なく、地域での繋がりが薄くなってしまうという背景がある。「函館コレクション(ファッションショー)」などのイベントを立ち上げ、障がい者と健常者が共に楽しむ場を開催。 ・内閣府が推進する「男女共同参画の視点からの防災・減災」と連動し、防災マルシェを運営するスタッフがファッションショーの運営にも関わっている。障がいのあるモデルたちと関わることでスタッフ側の障がい理解が深まり、モデルたちには防災意識が伝播するという、良い循環が生まれている。 ・「ウォーリー・ウォーク」というイベントを開催。参加者全員がウォーリーの格好(赤白のボーダー)をして街を歩くイベント。ウォーリーは「杖(魔法の杖)」を持っており、車椅子や杖を使っている障がい者も、イベントの衣装の一部として自然にコミュニティに溶け込み、「障がい者だから杖をついている」という垣根がなくなり、全員で同じ目線で楽しむことができた。 (4)避難支援における課題と取組 (岡山市) ・過去の豪雨災害時、知的障がいのある娘とその母親に対し、周囲の支援者や施設関係者が何度も避難を促したものの、障がいの特性(突発的な状況判断の難しさなど)から「大丈夫」と応じ続け、結果的に避難が遅れて水没し亡くなるという痛ましい事例あり。本事例は、「声をかけるだけでは実際の避難行動に結びつかないことがある」という教訓を残し、これをきっかけに岡山市では要配慮者向けの防災ガイドブックが作成された。 (前田ゆたか町内会) ・高齢者の一人暮らし世帯などを月1回訪問し、見守りマップを作成。ゴミカレンダーや季節の絵手紙を配布することで、訪問時の会話のきっかけにしている (その他) ・公民館のロビーに無料の麦茶や安価なコーヒーを置き、住民が自然と集まる仕組みを構築。また、地域の支援事業所やカフェを併設したコミュニティスペースを設け、一般住民も気軽に立ち寄れる環境を作成。 ・町内会活動をさらに発展させてNPO化し、有償ボランティアによる生活支援(草刈りや模様替えの手伝い)、送迎バスの運行、配食サービスなどを組織的に実施している地域もある。 ・障がいのある特定の住民を想定したリアルな避難訓練(夜間・暗闇・寒冷期など)を実施。訓練前の会議に区役所、社協、地域包括支援センター、デイサービスなどの専門家を交えることで、本人の状態や必要な支援を地域全体で共有するきっかけとしている。 3.その他の取組・課題 (1)民生委員の活動の現状と限界  ・民生委員には高齢者等の名簿が共有され、定期的な訪問調査が行われているが、これは強制力がないため拒否されることもある。  ・障がい者の情報に関しては、個人情報保護の観点から民生委員であっても事前に詳細を把握することが難しく、「何か手助けが必要」と分かっていても、本人側からの具体的なSOSやアクションがない限り、立場上それ以上踏み込んだ介入がしづらいというもどかしさ(ハードル)が存在する。 (2)地域店舗における地域とのつながり・取組 ・鍼灸院・治療院を営む中で、開業当初に地域とのつながりを作るため町内会イベントに積極的に参加していた。現在でも、患者からの依頼でヨガ教室の案内やコンサートのチラシを院内に掲示するなど、地域の情報発信の場として機能している。また、地元の商店街振興組合が運営するスペースを活用し、子ども食堂などの地域活動のチラシを置いてもらうといった連携も行われている。 (3)イベントへの参加ハードルとアプローチについて ・町内会のイベントは、顔見知りがいない住民にとっては参加の心理的ハードルが高い。特に男性高齢者などの参加を促すためには、スポーツ観戦、ゲーム(ボードゲームやeスポーツ)、料理教室など、生活の質を高める趣味に特化した少人数のサロン活動やサークル活動をきっかけにするのが有効ではないか。 (4)既存資源を活用した場づくり ・音楽など共通の趣味を持つ5〜10人の少人数サークルを、個人宅をベースに開催するというのはどうか。運営コストを抑えられるメリットがある。 ・マンション集会室の活用について、営利目的(ハンドメイド作品の物販等)の利用規約を緩めるなど、住民がより使いやすいローカルルールへ変更・工夫していくのはどうか。 ・南平岸の事例を参考に、空き店舗を町内会で居抜きで借り上げ、子ども食堂や地域の拠点として活用するアイデアについて意見あり。 ・各町内会にあるスペースと、就労継続支援事業所等が運営するカフェなど、既存のものを組み合わせて、地域の交流の場・居場所を作るとよいのではないか。 (5)地域における事例 ・函館の事例として、月1回固定で「誰でも来ていいカフェ」を開催。看護師を配置して生活相談に乗るほか、子ども食堂のように食事を提供してSOSをすくい上げる仕組みがある。 ・スーパーの中には、買い物ついでに立ち寄れる2階スペースを使い、曜日ごとに健康体操やヨガを開催している事例がある。 (6)就労継続支援事業所同士の連携 ・就労継続支援事業所には製品の製造等に関する優れた知識や経験等を持った方がいるが、そのスキルを十分活かせていない可能性が指摘された。 ・事業所同士の技術交流などは内々で行われているが、発表の場が少ない。地域交流の場・イベント等における障がいの有無にかかわらず参加しやすい形での販売機会の確保や、販売方法の工夫・向上が必要。 (7)まとめ ・カフェなどの場を設けて、食べ物や人を通してつながっていくほか、高校卒業後に居場所や活動の場が減少する若い障がい者のため、障がいの有無に関わらず参加できる地域の趣味サークルを「生涯学習の場」として機能させ、スキルを継続・共有できる仕組みを作ることで、つながりを増やしていくなどの仕組みづくりが重要。 4.事務局からの事務連絡 ・次回日程:令和8年7月頃開催予定。6月中に日程調整を行う。