第9期サポーター会議(第10回)議事概要 開催日時 令和8年7月24日(金)午後2時~午後4時30分 出席者(計9名・敬称略) (サポーター8名)荒木・大井・佐藤(純)・鹿野・古川・道下・森・山田 (事務局1名)布施 主な議事と概要 ※詳細は下記「会議の内容」を参照 1.災害時に役立つ防災グッズについて   各サポーターそれぞれの障がい特性や生活習慣に合わせた防災の備えを共有 2.いざというときの備えについてのワーク  各自が急な事態に備えて日頃から持ち歩くものや、いざというときの持ち出しバッグ等の内容について、シールを貼って分類するワークを実施 3.「障がい者のための防災手帳」の検討  岡山県の「災害時サポートブック(私の避難プラン)」を参考に、札幌市版の防災手帳を作るとした場合の議論を行った。 4.5月実施「アンケート結果」の報告   前回の会議後の各サポーターへのアンケート結果を踏まえた課題等を共有 5.その他 6.事務局からの事務連絡   次回会議は9月末~10月上旬を予定。 会議の内容 1.災害時に役立つ防災グッズについて  参加者それぞれの障がい特性や生活習慣に合わせた、防災の備えを共有 Aさん(精神障がい) ・物資・荷物の搬送用に、ポケットが多く機能的なUber Eatsで使われているようなフードデリバリーの配達バッグを安価に購入して活用。 ・階段を登りやすい、おにぎり型に3本のタイヤがついたキャリーカートを用意。 ・移動や物資運搬用にバイクをカスタム(30~40Lのコンテナを自分で装着)。 ・結束バンド(100均の水筒に収納)や梱包用ストレッチラップは、止血や腕を吊る固定具として多用途に使えるため便利。 ・ポータブル電源はコンセント充電が必要なためすぐに切れるが、ガソリンがあれば電気が作れる発電機の方が災害時に強い。カセットガスストーブは寒冷地の冬には暖房能力が不足するため過信は禁物。 ・町内会向けに、折りたためる使い捨てタイプのストレッチャー(約2,000~3,000円で購入可能)を用意しておくことも有効。 Bさん(難病) ・バッグを購入する前に、まず中に詰めたい荷物をまとめてから全体のサイズや形状などを決めるべき。 ・小麦アレルギーがある人に配慮して「大豆」の非常食を用意。また、「美味しすぎない非常食」のほうが、すぐに食べ尽くしたり飽きたりしないため無難。 ・両手を塞がないヘッドライト(強すぎる光は相手を幻惑するので注意が必要)や、携帯浄水器、2年程度保存できるパック餅などを備蓄。 Cさん(難病) ・外出先での被災を想定し、常に身につけておくべきものの視点で選定。 ・慣れない環境やパニックを避けるため、嫌な音や雑音を遮断して落ち着くためのノイズキャンセリングヘッドホンやイヤーマフを常備。 ・手ぬぐいは、三角巾や止血帯代わりに使え、背中に入れて汗を吸い取ることで体温調節にも役立つ多用途グッズ。 ・急なエネルギー切れを防ぐため、SOYJOYなどのエナジーバーや飴などを携帯。 ・水、飲み薬、湿布などの医薬品を常備。 Dさん(聴覚障がい) ・補聴器と予備の電池、眼鏡、および筆談用のメモとペンは必須携帯品。 ・体質的に合わない薬があるため、おくすり手帳を常備。 ・コンビニ等では店員とスマホの文字入力で会話するか、レジの「耳マーク」や指差しカードで意思疎通を図る。以前近所のコンビニで指差しカードが剥がされた際、聴覚障害者協会などを通じて貼り戻してもらった経験を共有。 ・閉じ込められた際に声を上げられないため、ホイッスルやライト付きのペンを携帯。 ・今年6月に職場のB型事業所で雷雨による停電が発生し、1時間以上暗闇になった経験から、急な停電対策の備えの必要性を痛感。 Eさん(肢体不自由) ・排泄の我慢は困難であるため、食料より何より携帯トイレを常時1個は持ち歩くべき。 ・障がいが外見で分かっても電車で席を譲ってもらえない経験から、弱い立場であることを表明するヘルプマークより、「おせっかいです(お手伝いします)」 というポジティブな意思を表明する「コミュニケーションチャーム」を使用している。 ・車椅子が破損した際のリスクを考慮し、避難所ではなく基本的に自宅にとどまる「在宅避難」を想定して備えている。 ・コンサート会場において車椅子専用エリアが健常者の「お立ち台」にされてしまった経験から、ハード面だけでなく、意識のバリアフリーの浸透が重要。 Fさん(知的障がい) ・胆振東部地震の際、スマホが繋がらずラジオから情報を得た経験から、電池式ラジオの備えが重要。 ・災害時にパニックになる特性があるため、いざという時は消防や職場などに連絡することを想定。 Gさん(精神障がい) ・自宅に水は常備しているが、防災グッズを揃える金銭的負担は高いハードルであることを指摘。 ・刺激対策としてのサングラス、パニック時に落ち着くためのタオルや香水(コロン)、イヤホンを携帯。 ・速効性の高い液体の水薬を小さなポーチに分散させ、どのバッグでも必ず持ち歩けるよう徹底。 ・ヘルプマークは常時掲げることに抵抗があるため、「ちら見せ」で対応。意識低下やパニックで動けなくなった際、救急隊に見てもらえるよう「119番のお願い、病名、かかりつけ病院名」を記載している。 Hさん(視覚障がい) ・北海道胆振東部地震の教訓から、毎月6日を「防災を見直す日」と決め、備えを定期的にアップデート。 ・白杖、スマホを常に携帯しているほか、予備のモバイルバッテリーを職場と自宅の複数箇所に配備。 ・ラジオを「今手の届く場所」「職場のトイレ」「自宅の寝室」「玄関先」に計4台配置し、揺れたらすぐに情報が取れるよう工夫。 ・現金(特に公衆電話や買い物に必要な小銭)、呼び笛、厚手の手袋(指先をケガから守るため)を常時身につける。 ・災害用伝言ダイヤル(171)を無料体験日に家族で実際に操作して確認・練習している。 ・札幌市の防災アプリ「備え」が音声ガイドに非対応だったため利用を断念しており、全国で広がる「音声ハザードマップ」の札幌市での導入に期待を寄せる。 2.いざというときの備えについてのワーク  各自に配られた台紙に、常に持ち歩くべき防災グッズのシールを重要な順番に貼るワークを実施。 ●3つの分類の定義: ・防災用の備蓄品(大):日頃から家に蓄えておくもの。 ・非常時の持ち出し品(中):家を離れて避難所や車中泊をする時に持ち出すバッグ。 ・マイポーチ(小・常に持ち歩くもの):出先での急な大雨、大雪、エレベーター閉じ込め、体調不良などの不測の事態に、数時間〜1日をしのぐための最小限の備え。 3.「障がい者のための防災手帳」の検討  岡山県の「災害時サポートブック(私の避難プラン)」を参考に、札幌市版の防災手帳を自分たちで作るための議論を行った。 ●背景: 岡山県の手帳は、過去の豪雨災害で避難が遅れ、知的障がいのある親子が亡くなったという悲劇的な事例をきっかけに生まれたもの。札幌市でも「個別避難計画」の策定が進められているが、障がいの重い方や高齢者が優先であるため、自分たちで手帳を作って備えることが重要。 ●防災の準備をするだけでなく、いざという時に周りの人に助けを求められるものにできるとよい。 ●叩き台の構成: 自己情報、ヘルプカード、警戒レベル別の行動(マイタイムライン)、持参品リスト、避難所等の配慮お願い、医療情報(おくすり手帳や救急隊向け情報)をコンパクトにまとめたもの。 ●各自叩き台と他都市の防災手帳を確認の上、内容の修正等について考えておく。 ●参加者からの意見・アイデア ・「自分の心構えや準備(内向き)」と「周囲への配慮のお願い(外向き)」が混在すると見づらい。そのため、「前から読んだら自分の準備」「後ろから読んだらお願いすること」という、直感的に使える両開き(逆開き)の構成にすると良いのではないかとの提案があった。 ・マイナンバーカードに避難情報を集約できれば便利だが、個人情報の漏洩リスクがあり、何より避難所に専用カードリーダーがないと機能しない。そのため、「避難所で都度説明しなくても、渡すだけで状況が伝わるアナログな自己表明カード(手帳)」を持っておくことこそが現実的であるとの意見があった。 ・「災害時は真っ先に電気が止まる」ことを前提にすべきであり、スマホやモバイルバッテリーだけでなく、「紙に印刷してファイルに保存しておくアナログな備え」が必要であると指摘。また、道具の準備だけでなく、「実際に土鍋でご飯を炊いてみる」などの日常的な訓練(生活体験)が災害時の備えになる。 4.5月実施「アンケート結果」の報告  前回の会議後のメンバーへのアンケートから、当事者が抱える以下の5つの傾向と課題が判明。 ①挨拶はすれど共助に至らず:近所の人と挨拶する接点はあるが、いざという時の「共助」(頼れる人がいるか)には繋がっておらず、回答者の半分以上が災害時に頼れる人が近所にはいない。 ②物理的支援より「情報と安心感」:物資運搬や入浴補助などの物理的支援以上に、情報遮断や孤立に対する不安が強く、「声をかけてもらうことによる安心感」や「情報」を求めている。 ③自己開示(障がいの開示)に対する葛藤:近所に認知される努力をしている一方で、「障がいを知られたくない」「弱みはできるだけ吐きたくない」という強い心理的葛藤が存在する。 ④参加意欲と伴走支援の必要性:地域活動に参加したい意向はあるが自信がない。手話通訳の同伴や「一緒に行こう」という具体的な働きかけがあれば参加しやすい。 ⑤個別避難計画の認知不足:9名中6名が「わからない」と回答(個別避難計画に関する制度そのものがわからないのか、個別避難計画を作る相談をしたいかどうかがわからないのかは不明)。制度の認知度が低く、地域で誰が助けてくれるかのイメージが湧いていない可能性がある。 ●アンケート結果まとめ:各自努力はしているが、具体的な共助には至っていない。 ●今後に向けた計画:上記のような傾向が世間一般の障がい者にも見られるのか確認するため、アンケート用紙を改訂し、札幌市のLINE公式アカウント等も活用して、より広く障がい者に向けてアンケートを実施する。 ●参加者より、近所で相談等ができる知り合いを作ることについては、民生委員に相談することができれば解決するのではないかとの意見があった。 5.その他 ●公衆電話の有用性: 携帯回線が繋がらない場合でも、「公衆電話」が災害時に繋がる可能性を指摘。自分の生活圏で公衆電話がどこにあるか把握しておくべき。 ●バリアフリーマップアプリ「WheeLog!(ウィーログ)」の紹介:GPSログを活用して車椅子で移動可能なルートやバリアフリートイレの情報をユーザー間で共有・更新するアプリの有効性を紹介。 6.事務局からの事務連絡 ●次回会議は9月末~10月上旬を予定。会議終了後に日程調整を行う。