2014/9/2 第4回計画検討会議 資料2 さっぽろ障がい者プラン 改定案 平成26年8月27日現在 第1章 障がい者プランの目的と位置付け 1 障がい者プランの目的 障がい者プランは次の計画で構成しています。 ・障がい者保健福祉計画 ・障がい福祉計画(第4期) (1)障がい者保健福祉計画 根拠法:障害者基本法 障がいのある方の自立や社会参加のための支援等について、その基本的な施策を定めるものです。 (2)障がい福祉計画(第4期) 根拠法:障害者総合支援法 障害福祉サービス等に係る提供体制の確保に関し、サービスごとの必要な量の見込みなどについて定めるものです。 2 障がい者プランの位置付け 障がい者プラン(障がい者保健福祉計画・障がい福祉計画)は、「札幌市まちづくり戦略ビジョン」を上位計画とし、他の部門別計画及び個々の施策・事業に関する中期実施計画との整合を図りながら定めた札幌市における障がい福祉施策に関する部門別計画です。 また、国で定める「障害者基本計画」などとも整合を図りながら策定しております。 <参考:保健福祉に関連する計画> ◆地域福祉社会計画(平成24年3月策定) 市民、事業者、行政の協働のもとで、「安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会の実現」を目的としています。福祉のまち推進事業を始めとする地域での支え合い活動への幅広い市民の参加の促進や、地域における福祉サービスの適切な利用の推進等に関する事項を内容としています。 ◆高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(平成27年3月策定) 今後も進展する人口構造の高齢化に際し、27年度から29年度までの間に札幌市が取り組むべき施策を明らかにするとともに、介護保険制度の円滑な運営を計画的に実現するため策定したものです。 ◆第2次自殺総合対策行動計画(平成26年3月策定) 「ひとりでも多くの命を救う」ことを目的とし、自殺対策基本法、自殺総合対策大綱及び自殺対策加速化プランに基づき、関係機関との連携・協力を図りながら、自殺対策を総合的かつ効果的に推進するための具体的な取組・計画を策定したものです。 ◆健康さっぽろ21(第二次)−札幌市健康づくり基本計画(平成26 年3月策定) 国が策定した「健康日本21」の札幌市版です。21 世紀の札幌市民の生涯を通じた健康の実現に向けて、健康づくりに対する目標を設定し、市民一人ひとりが主体的に健康増進を図っていくことを目指すための指針です。 ◆さっぽろ医療計画(平成24年3月策定) 市民が生涯を通じて健康で安心して暮らすことのできる社会の実現に向けた望ましい医療体制の構築を基本理念として策定したものです。 3 計画期間 障がい者プランの計画期間は次のとおりです。 ◆障がい者保健福祉計画 6年間 (平成24年4月から平成30年3月まで) ◆障がい福祉計画    3年間 (平成27年4月から平成30年3月まで) 前計画における計画期間は、障がい者保健福祉計画は平成15年4月から平成25年3月、障がい福祉計画は平成21年4月から平成24年3月としておりました。 この2つの計画を「障がい者プラン」とし一体的なものとして改定を行い、平成24年4月から開始しました。(障がい者保健福祉計画は、計画期間を1年前倒しして改定いたしました。) このたび、第3期障がい福祉計画の計画期間終了に伴い、新たに第4期障がい福祉計画を策定するとともに、関係法令の成立や改正等を踏まえ、障がい者保健福祉計画の一部改定を行い、平成27年4月から開始いたします。 4 障がい福祉を取り巻く現状と課題 (1)国における障がい者制度改革の動き 平成15年から始まった「支援費制度」は、ノーマライゼーションの理念に基づき、「施設から地域へ」という障がいのある方の地域生活を重視する大きな流れが作り出されました。 その後、就労支援の強化や地域移行の推進を図ることを目指して、平成18年に「障害者自立支援法」が施行され、福祉サービス体系の再編など、障がいのある方が地域で安心して暮らせるよう、福祉サービス提供体制の強化等が図られてきたところです。 同法の施行後、内閣府に設置された障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、地域社会における共生の実現に向けて新たな障がい保健福祉施策を講ずることを目的として、平成25年4月から、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」が施行されました。 また、平成23年には「障害者虐待の防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)」がされるとともに、「障害者基本法」が改正されました。 さらに、平成25年6月には、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が公布されるとともに、平成26年1月、「障害者の権利に関する条約」を批准したところです。 (2)ニーズの高度化・多様化 障がいのある方が地域で安心して生活していくことができるよう、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを中心に、様々な取組を実施しているところですが、個々の障がいの程度や状況に応じたきめ細かな支援、出生から学齢期、成人に至るまで、ライフステージに応じた切れ目のない支援などが求められています。 これらの高度化・多様化したニーズには、障害者総合支援法などによる法定サービスのみでは対応が難しいため、札幌市独自の取組も併せて実施するなど、支援のあり方について引き続き検討していく必要があります。 (3)市民自治の推進 国における障がい者施策が大きく変わっていくなかで、障がいのある方のニーズに応じた質の高い支援を行っていくためには、行政による取組のほかに、市民自治の考え方に基づき、地域のボランティア・関係団体、事業者等の地域の福祉力を活用するなど、障がいのある人を地域全体で支え合う体制づくりが必要です。 (4)札幌市における施策展開 平成15年3月に「札幌市障害者保健福祉計画」を策定し、以後10年間にわたる障がい福祉施策の方向を定めました。 また、平成19年3月には「障がい福祉計画(第1期)」を、平成21年3月には「障がい福祉計画(第2期)」をそれぞれ策定し、障がいのある方の地域生活への移行や、就労支援を一層推進し、誰もがいきいきと暮らせるような元気あふれるまちづくりを進めてきました。 (5)障がい者施策に関する主な動向 平成15年 支援費制度の施行 札幌市障害者保健福祉計画の策定 平成18年 障害者自立支援法の施行 平成19年 札幌市障がい福祉計画(第1期)の策定 障害者の権利に関する条約への署名 平成21年 札幌市障がい福祉計画(第2期)の策定 内閣府に障がい者制度改革推進本部を設置 平成22年 障害者自立支援法の改正 平成23年 障害者基本法の改正 平成24年 さっぽろ障がい者プランの策定 障害者虐待防止法の施行 平成25年 障害者総合支援法の施行 障害者差別解消法の成立(平成28年4月施行予定) 平成26年 障害者の権利に関する条約の批准 さっぽろ障がい者プランの改定 【参考】障害者基本法による障害者の定義について 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものいいます。 (障害者基本法第2条) なお、平成25年4月に施行された障害者総合支援法では、制度の谷間のない支援を提供する観点から、障がい者の定義に新たに難病等を追加し、障害福祉サービス等の対象としました。 【参考】ノーマライゼーション 高齢者や障がい者などを施設に隔離せず、障がいのない人と一緒に助け合いながら暮らしていくのが正常な社会のあり方であるとする考え方。また、それに基づく社会福祉政策。 障がい者保健福祉計画の部 第2章 障がい者保健福祉計画の体系 1 計画体系図 (1)基本理念・計画目標・分野 基本理念の実現に向け、4つの計画目標を11の分野に分けて施策展開していきます。 基本理念 障がいのある人もない人も、市民誰もが互いに人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現 計画目標 1 地域社会の障がいのある人に対する理解促進 2 施設、病院から地域への移行推進とサービスの自己決定のための支援 3 地域生活を支えるためのサービス提供基盤の一層の充実 4 市民、地域、事業者との連携強化による地域の福祉力の向上 分野 1 理解促進   2 生活支援  3 保健・医療   4 生活環境   5 教育・発達支援  6 雇用・就労 7 情報・コミュニケーション 8 スポーツ・文化  9 安全・安心   10 差別の解消・権利擁護 11 行政サービスにおける配慮 (2)分野ごとの基本施策 11の分野それぞれに基本施策を設定し取組を推進していきます。 分野1 理解促進 1 啓発・広報活動、福祉教育などの推進 2 公共サービス従事者などに対する理解促進 3 ボランティア活動・社会貢献活動の理解促進 分野2 生活支援 1 個々のニーズに対応した支援体制、サービス提供基盤の整備 2 施設入所者・精神科病院入院患者の地域生活への移行推進 3 福祉用具などの普及促進・利用支援・研究開発支援 4 地域福祉を担う人材育成・確保 分野3 保健・医療 1 障がいの原因となる疾病の予防対策、早期発見 2 障がいに対する適切な保健・医療サービスの充実 3 精神保健・医療の充実 分野4 生活環境 1 バリアフリーに基づくまちづくりの推進 2 住まいの確保 分野5 教育・発達支援 1 ライフステージに応じた相談支援体制の充実 2 早期療育の充実 3 学校教育の充実 4 卒業後の支援 分野6 雇用・就労 1 個々のニーズに対応した就労相談支援体制の充実 2 雇用の場の拡大(一般就労、福祉的就労) 3 福祉的就労における工賃向上 4 福祉施設から一般就労への移行推進 分野7 情報・コミュニケーション 1 情報バリアフリー化の推進 2 情報提供の充実 3 意思疎通支援体制の充実 分野8 スポーツ・文化 1 スポーツ・文化芸術活動・生涯学習活動に対する支援 分野9 安全・安心 1 雪や災害に強いまちづくりの推進 2 災害時における要配慮者への支援の推進 3 地域における見守り活動の推進 4 消費者被害の防止 分野10 差別の解消・権利擁護 1 障がいを理由とする差別の解消 2 権利擁護等の推進 3 障がい者虐待防止の推進 分野11 行政サービスにおける配慮 1 行政サービスにおける配慮 2 情報提供の充実(再掲) 第3章 障がい者保健福祉計画の施策展開 分野1 理解促進 <現状と課題> 共生社会の実現のためには、市民や企業など広く社会全体に、障がいのある人に対する理解促進を一層進める必要があると考えられます。 そのためには、障害者基本法をはじめとした障がい福祉に関する制度等の普及を図るほか、障がい当事者による普及・啓発活動を一層推進するとともに、子どもの頃から、障がいに対する理解が深まるような取組を進める必要があります。 <平成25年度障がい児者実態等調査から> 障がい者への理解が深まるために必要なこと   ・福祉教育の充実(障がい者調査 45.9%、障がい児調査 64.5%、難病患者調査 70.8%)   ・ボランティアの育成(障がい者調査 35.9%、障がい児調査 35.3%、難病患者調査 53.0%) ・障がいのある人とない人が一緒に教育できる場(障がい児調査 70.6%) ◆基本方針 基本方針1 障がいのある人もない人も、市民誰もが互いに人格と個性を尊重し支え合う共生社会の理念の普及を図ります。 基本方針2 地域社会に、障がいのある人に対する理解を促進します。 基本方針3 市民や企業の自主的な福祉活動を支援・推進し、理解促進を図ります。 ◆基本施策 基本施策1 啓発・広報活動、福祉教育などの推進 基本施策2 公共サービス従事者などに対する理解促進 基本施策3 ボランティア活動・社会貢献活動の理解促進 基本施策1 啓発・広報活動、福祉教育などの推進 ○ 市民が地域と関わりを持ち、障がいのある方を地域全体で支えていくという意識が高まるよう、様々な手法を用いて、広く地域社会に対して障がい福祉に関する理解促進を図ります。 ○ 子どもの時から、障がいのある人に対する理解が深まるよう、福祉教育の充実を図ります。 <重点取組> ◆広報誌、広報番組、ホームページなどを通じた広報 広く地域住民に対して、障がい福祉に関する理解促進を一層進め、障がい福祉施策等について積極的に広報することで、障がい者福祉の向上を図ります。 ◆出前講座や普及啓発用冊子等を活用した啓発・広報 市職員が地域に出向いて、障がい福祉に関する取組などについて紹介することで、市民のみなさんと情報提供・情報共有を行い、障がい福祉について一緒に考えていきます。 また、普及啓発用冊子をさまざまな機会で配布することにより、障がい者理解の促進を図ります。 ◆福祉教育のための教材の作成・配布(福祉読本など) 学校教育において障がいのある人に対する理解を深めてもらうため、福祉読本を作成し、市内の小学校に配布し、授業に役立てます。 ◆障害者週間記念事業の実施 障がい者福祉についての関心と理解を深めるとともに、障がい者の社会参加を一層促進するため、障害者週間(12月3〜9日)の期間中、啓発事業等を行います。 基本施策2 公共サービス従事者などに対する理解促進 ○ 公共サービス事業者等に対して、地域福祉に関心と理解を深めてもらうため、各種研修の実施など理解促進の取組を進めます。 <重点取組> ◆福祉サービス提供事業者等に対する研修の充実 福祉サービス提供事業者を対象に、サービス提供に係る技術的支援な支援や質の向上を図ることを目的とした研修を実施します。 ◆障がい当事者の講師派遣 障がい当事者を講師として養成・登録し、その講師の方を学校、企業等に派遣して、講義やディスカッション等を行う機会を拡充することで、障がいのある人に対する理解促進を図ります。 基本施策3 ボランティア活動・社会貢献活動の理解促進 ○ 各種研修の実施や様々なボランティア活動を市民に紹介することにより、地域福祉活動の普及・啓発に努めます。 <重点取組> ◆ボランティア振興事業 地域福祉活動を担う人材の育成・資質向上を図るため、各種研修の実施や調査、情報提供、ボランティアに関する相談・支援などを実施します。 ◆まちづくり活動への支援(市民活動サポートセンターの運営・さぽーとほっと基金) 障がいのある方などを対象に保健・医療・福祉分野の活動などを行う市民活動団体に対して、支援を実施します。 ※ さぽーとほっと基金(市民まちづくり活動促進基金) 市民からの寄附を原資に、市民団体への事業助成を行うとともに、寄附文化の醸成を図ります。 関連計画(分野1:理解促進) ◆札幌市地域福祉社会計画 ◆札幌市市民まちづくり活動促進基本計画 分野2 生活支援 <現状と課題> 福祉サービスに対するニーズの多様化に伴い、個々のケースに応じた支援や、ライフステージに応じた一貫した支援が求められているほか、これからの地域福祉を担う人材の育成が求められています。 重度障がいのある人、発達障がいのある人が地域で生活していくための支援体制や、障がいのある人が高齢になっても安心して暮らすことができるような支援体制を充実する必要があると考えられます。 障がいのある人の社会参加促進のため、必要な移動手段の確保が求められています。 <平成25年度障がい児者実態等調査から> 希望する生活のためにあればいいこと ・高齢になっても安心して生活できること(障がい者調査 45.7%、障がい児調査 38.0%、難病患者調査 52.7%) ・困ったときに相談できて教えてくれる場所(障がい者調査 36.9%、障がい児調査 34.9%、難病患者調査 39.8%) ◆基本方針 基本方針1 障がいのある人の自己決定、自己選択を尊重し、個々のニーズに対応した支援体制の整備と、サービス提供基盤の一層の充実を図ります。 基本方針2 障がいのある人が地域で安心して暮らすことができるよう、関係機関、事業者、ボランティア等の地域の福祉力との連携により、ライフステージに応じた切れ目のない相談支援・サービス提供体制の充実を図ります。 ◆基本施策 基本施策1 個々のニーズに対応した支援体制、サービス提供基盤の整備 基本施策2 施設入所者・精神科病院入院患者の地域生活への移行推進 基本施策3 福祉用具などの普及促進・利用支援・研究開発支援 基本施策4 地域福祉を担う人材育成・確保 基本施策1 個々のニーズに対応した支援体制、サービス提供基盤の整備 ○ 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等の円滑な提供に努めます。 ○ 個々のニーズに対応し、ライフステージに応じた一貫した支援ができるよう、相談支援体制や関係機関との連携の充実を図るほか、ボランティア等の地域福祉力を活用するなど、支援体制の充実に努めます。 ○ 重度障がいのある方、医療的ケアが必要な方に対する支援の充実について検討を進めます。 ○ 発達障がいのある方やその家族の方に対して、関係機関の連携を図りながら、ライフステージに応じた一貫した支援の充実に努めます。 ○ 難病患者の方に対して、難病等の特性(病状の変化や進行、福祉ニーズ等)に応じた障害福祉サービス等の提供に努めます。 ○ 障がいのある方が高齢になっても地域で安心して生活できるよう、地域生活支援拠点等の整備など、必要な支援体制について充実を図ります。 ○ 移動支援事業については、その対象となる外出の範囲等の拡充について引き続き検討を進めます。 <重点取組> ◆相談支援事業の充実 障がいのある方が地域で安心して生活することができるよう、相談支援事業の充実を図ります。 相談支援事業所においては、地域支援員を配置して、区役所をはじめとする関係機関や地域福祉関係者との連携を図ったり、地域で生活する障がいのある方をピアサポーターとして配置し、当事者主体による活動を支援します。 また、基幹相談支援センターにおいては、相談支援事業所に対する専門的な助言、計画相談支援や地域移行・地域定着支援の推進、ピアサポーターの活動支援を行います。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**ページ)もご覧ください。   ◆関係機関の連携体制の強化 各種事業の実施にあたっては、自立支援協議会における各部会(地域部会、専門部会)を中心に、情報の共有、研修の開催、地域課題の発掘・検討等を通じて、関係機関相互の連携体制の強化を図ります。 ◆障害福祉サービスをはじめとした各種サービスの円滑な提供 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの提供基盤の充実のほか、障がいのある方に対する交通費助成、機能回復・訓練、特別障害者手当等の支給など、円滑なサービス提供に努めます。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**ページ以降)もご覧ください。 ◆重度の障害のある方に対する支援(パーソナルアシスタンス事業) 重度障がい者の個々の状況やニーズに対応したきめ細かな支援を提供し、地域で安心して暮らしていくことができるよう、有償ボランティア等の地域福祉力を活用した仕組を取り入れるなど、介助制度の充実を図ります。 ※ パーソナルアシスタンス事業(札幌市独自の制度) 在宅で生活する重度の身体障がいのある方が、地域住民等から介助を受けた場合に必要となる費用を支給します。 ◆医療的ケアが必要な重度の障がいのある方に対する地域生活支援の充実の検討 医療的ケアを必要とする重度の障がいのある方が安心して日中活動等に参加しながら、充実した地域生活を送ることができるよう、サービス提供基盤の整備について検討します。 ◆障がいのある方の高齢化に対する支援の検討 高齢化により心身の機能が低下した方が地域で安心して生活できるよう、地域生活支援拠点等を整備するとともに、障害者総合支援法や介護保険法のサービスを中心に、ボランティア等の地域福祉力も活用するなど、支援体制のあり方について引き続き検討し、支援の充実を図ります。 ◆移動支援事業の拡充の検討 移動支援事業については、利用対象となる外出の範囲等について、市民ニーズを踏まえ、その拡充に向けた検討を引き続き進めます。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**ページ)もご覧ください。 ◆ボランティア等の地域福祉力を活用した支援体制の充実の検討 障がいのある方が地域で安心して生活できるよう、ボランティア等の地域福祉力を活用した支援体制のあり方について検討します。 ◆障がい児・者支援施策の再整理・一元化 平成27年4月(予定)から、障がい児・者に関する施策展開を保健福祉局に統合し、児・者一貫した切れ目のない支援の実現を目指します。 ◆要介護者等ごみ排出支援事業(さわやか収集)【→新規追加】      ごみステーションにごみを排出することが困難な高齢者や障がいのある方などに対して、生活ごみや大型ごみの収集を支援します。 ◆発達障害者支援体制整備事業 個別支援ファイル(サポートファイルさっぽろ)の作成と周知、支援者への人材育成、親の相談役となる人(ペアレントメンター)等の活用による家族支援、普及啓発冊子の作成・配布などの取り組みにより、発達障がいのある人たちが社会で十分活躍できるよう、支援の体制づくりに取り組んでいます。     ※ サポートファイルさっぽろ       札幌市が作成する、保護者が子どもの成長を記録し、関係者がその子どもの個性や特徴、これまでの発達の経過を共通理解するためのファイル。 基本施策2 施設入所者・精神科病院入院患者の地域生活への移行推進 ○ 障がいのある方が地域で安心して暮らすことができるよう、相談支援体制をはじめ、障害福祉サービス等の提供基盤の充実を図ります。 ○ 地域移行・地域定着に向けた支援体制の充実を図るほか、地域における住まいの場の充実を図ります。 <重点取組> ◆地域移行支援・地域定着支援 入所施設や精神科病院への訪問による相談、障害福祉サービス事業所等への同行支援、住居を確保するための入居支援、連絡体制や緊急対応など、地域移行・地域定着に向けた取組を推進します。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**、**ページ)もご覧ください。 ◆グループホーム等の整備推進 グループホームの整備費の一部に補助を行うことにより整備を推進し、地域における居住の場を充実します。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**ページ)もご覧ください。 ◆地域生活の体験支援 施設・自宅以外の場所(地域生活体験室)に宿泊して地域生活を体験していただくことで、身体に障がいのある方の地域移行を促進します。 ◆住宅確保要配慮者に対する居住の安定確保の取組(再掲) ⇒ **ページ参照 ◆入所施設等との情報共有・連携 地域移行の推進を図るため、入所施設の施設長等と課題や先駆的事例等に係る情報・意見交換会を行うことで、関係機関相互に地域移行に関する知識を高めます。 基本施策3 福祉用具などの普及促進・利用支援・研究開発支援 ○ 補装具・日常生活用具などの福祉用具の普及と、適切な支給に努めます。 ○ 教育・研究機関と連携し、福祉・介護器具の開発など、地域特性を活かした新技術・新製品の開発を促進します。 <重点取組> ◆補装具費の支給、日常生活用具の給付 障害者総合支援法に基づき、身体に障がいのある方の身体機能を補完または代替し、職業その他日常生活の能率向上を図るため、補装具・日常生活用具を適切に支給します。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**ページ)もご覧ください。 ◆福祉用具の普及(展示、リサイクルなど) 福祉用具の常設展示コーナーの設置や、不用になった福祉用具等のリサイクルに関する情報の橋渡しを行うなど、普及に努めます。 ◆福祉産業共同研究事業 医療・介護・看護・福祉分野の産学官による共同研究、研究開発の促進を図ります。 基本施策4 地域福祉を担う人材育成・確保 ○ 各種研修の実施やボランティア活動に対する支援などを通じて、地域福祉活動を担う人材の育成に努めます。 <重点取組> ◆ボランティア振興事業(再掲) ⇒ 16ページ参照 ◆福祉サービス提供事業者等に対する研修の充実(再掲) ⇒ 15ページ参照 ◆ボランティア等の地域福祉力を活用した支援体制の充実の検討 (再掲) ⇒ 22ページ参照 ◆元気なまちづくり支援事業 区や地域の特性を活かした元気で魅力あふれる地域づくりの推進を目的として、区の創意工夫や裁量によって、障がいのある方をはじめ市民が主体的に行う地域課題解決に向けた取組に対する支援を行います。 関連計画(分野2:生活支援) ◆札幌市地域福祉社会計画 ◆札幌市住宅マスタープラン2011 ◆札幌市市民まちづくり活動促進基本計画 ◆札幌市産業振興ビジョン 分野3 保健・医療 <現状と課題> 子どもが健やかに育つよう、障がいの原因となる疾病の早期発見が図られる体制や、きめ細かに相談を受けられる体制が必要であると考えられます。 障がいのある人が身近な地域で安心して適切な医療を受けることができるよう、医療体制の充実や、障がいについての理解を医療機関に対して一層促進する必要があると考えられます。 精神に障がいのある人が安心して地域生活を送ることができるよう、精神科医療における救急医療体制の整備を図る必要があると考えられます。また、精神障がい者に対する医療費について、その負担軽減を求める声が寄せられています。 ◆基本方針 基本方針1 健康づくりや各種検査に関する普及・啓発を推進し、障がいの原因となる疾病の予防、早期発見・早期療育を図ります。 基本方針2 障がいのある人に対する保健・医療サービスの充実を図り、地域生活を支援します。 ◆基本施策 基本施策1 障がいの原因となる疾病の予防対策、早期発見 基本施策2 障がいに対する適切な保健・医療サービスの充実 基本施策3 精神保健・医療の充実 基本施策1 障がいの原因となる疾病の予防対策、早期発見 ○ 保健・医療・福祉の連携により、障がいの原因となる疾病の予防、早期発見を図ります。 <重点取組> ◆妊婦支援相談事業 妊娠届出書を提出した全妊婦を対象として、障がいの原因となる疾病の予防及び出産後の児童虐待予防のために、母子健康手帳交付時に妊婦と面接し、リスクアセスメント(危機評価)を実施することでハイリスク妊婦を早期に把握し、安心・安全な妊娠、出産のための継続的な支援を行います。 ◆母子関連マス・スクリーニング検査 新生児、乳幼児、妊婦を対象とした母子保健全般にわたる病気の早期発見のためのマス・スクリーニング検査(集団検査)を行い、早期治療に結びつけるとともに、母子保健情報の共有化を図るため、医療機関、関連大学医学部、保健所・保健センターとの緊密な連携により、迅速かつ適切な患者の診断・治療に結びつける体制の構築を図ります。 ◆乳幼児健康診査 4か月児、10か月児(再来)、1歳6か月児、3歳児、5歳児の子どもに対して健康診査を実施することにより、運動機能、視聴覚等の障がい、精神発達の遅滞等を早期に発見し、適切な指導を行い、心身障がいの進行を未然に防止するとともに、育児に関する指導を行い、もって乳幼児の健康の保持及び増進を図ります。 ◆子どものこころとからだに関する医療提供体制の充実 障がいの原因となる疾病の早期発見、早期療育や重複障がい児への適切な医療支援体制を構築するため、平成27年4月児童心療センターと発達医療センターの機能を統合した新医療機関を開設します。 基本施策2 障がいに対する適切な保健・医療サービスの充実 ○ 心身の障がいの軽減を図る医療や、医療費負担の軽減を目的とする各種給付事業を引き続き行い、障がいのある方に対する医療の充実を図ります。 ○ 難病法に基づき、難病患者の方に対する医療の充実を図るとともに、福祉施策等との連携により、相談支援体制の充実に努めます。 ○ 医療的ケアが必要な重度障がいのある方に対する保健・医療・福祉の連携体制の充実を図ります。 ○ 札幌市独自の望ましい医療体制の構築に向けた取組を進めます。 <重点取組> ◆自立支援医療費の支給 障がいのある人に対し、その心身の障がいの軽減を図り、自立した日常生活を営むために必要な医療について、自立支援医療費の適切な支給を行います。 また、自立支援医療に係る適正な費用負担のあり方について、障がいのある方の医療費の負担軽減が図られるよう、国に対して働きかけてまいります。 ◆重度心身障がい者医療費助成 重度心身障がいのある方に対して医療費の一部を助成し、もって重度心身障がいのある方の保健の向上に寄与するとともに福祉の増進を図ります。 ◆医療的ケアが必要な重症心身障がいのある方に対する地域生活支援の充実の検討(再掲) ⇒ 20ページ参照 ◆さっぽろ医療計画の推進 市民が生涯を通して健康で安心して暮らすことのできる社会の実現に向けた医療体制の構築を基本理念とするさっぽろ医療計画に基づき、基本理念の実現に向けた施策の推進に取り組みます。 ◆健康さっぽろ21(第二次)の推進 「市民が地域とのつながりの中で、すこやかに心豊かに生活できる社会の実現」を基本理念としている札幌市健康づくり基本計画「健康さっぽろ21(第二次)」において、全体目標の一つに「健康格差の縮小」を掲げ、疾病や障がいの有無等にかかわらず、生涯にわたりその人らしくすこやかに生きがいのある社会の実現を目指します。 基本施策3 精神保健・医療の充実 ○ 通院による精神科医療に係る自立支援医療費の支給を行い、精神に障がいのある方に対する医療の充実を図ります。 ○ 精神科医療における救急医療体制の充実を図ります。 ○ 精神に障がいのある方やその家族に対する相談支援体制の充実を図ります。 <重点取組> ◆自立支援医療費(精神通院医療)の支給 精神に障がいがあり、通院による精神医療を継続的に要する病状にある方に対し、その通院医療に係る自立支援医療費の支給を行います。 また、自立支援医療に係る適正な費用負担のあり方について、障がいのある方の医療費の負担軽減が図られるよう、国に対して働きかけてまいります。 ◆精神科救急情報センター運営 精神障がいのある方やその家族から、電話により精神科受診に係る緊急相談を受け、かかりつけ精神科病院又は精神科当番病院の紹介などを行います。また、精神科救急の円滑な推進のため、警察・消防・医療機関等の関係機関との調整を図ります。 ◆ほっとけない・こころ推進事業(自殺総合対策事業) 札幌市において年間400人を超える自殺死亡者を一人でも多く減らすため、面談や電話による相談支援、人材養成、普及啓発等の各事業を行います。 ◆精神科救急医療体制の充実 緊急的に精神科医療を必要とする市民が、迅速かつ適切な医療を受けることができるように、整備された精神科救急医療体制の安定的な維持と、さらなる充実を図ります。 特に、精神科初期救急医療の取組として平成26年度から札幌市で導入した全国初の取組となる「こころの安心カード」の普及啓発や、より円滑な精神科救急医療体制のあり方などを検討します。 関連計画(分野3:保健・医療) ◆札幌市子ども未来プラン ◆さっぽろ医療計画 ◆健康さっぽろ21(第二次) ◆札幌市自殺総合対策行動計画 分野4 生活環境 <現状と課題> 平成18年に制定されたバリアフリー新法をうけ、平成21年に新・札幌市バリアフリー基本構想を策定し、市内53の重点整備地区を設定し、施設のバリアフリー化を推進しています。 また、地域生活を送るうえで、市営住宅やグループホームなどの住まいの場の確保が求められています。 ◆基本方針 基本方針1 全ての市民が安心して快適に暮らせるまちづくりを進めます。 ◆基本施策 基本施策1 バリアフリーに基づくまちづくりの推進 基本施策2 住まいの確保 基本施策1 バリアフリーに基づくまちづくりの推進 ○ すべての市民が四季を通じて安心して安全に暮らすことができるよう、バリアフリー新法や札幌市福祉のまちづくり条例に基づき、建築物や道路のバリアフリー化を進めるとともに、より多くの人が安全・快適に利用できるユニバーサルデザインによるまちづくりを進めます。 <重点取組> ◆福祉のまちづくり推進会議 全ての市民が安心して快適に暮らせるまちづくりを進めるため、市民や事業者等から幅広く意見を聞き、ともに考えながら、福祉のまちづくりを総合的に推進します。 ◆優しさと思いやりのバリアフリーの推進 札幌市が新たに施設を整備する際に、障がいのある方、高齢の方の力を借りて、人の目や感覚で確認していく「公共施設のバリアフリーチェックシステム」と、多くの人が利用する建築物の事故を未然に防ぎ、障がいのある方、高齢の方にとって安全で使いやすい施設となるように、危険な施設を早期に発見するための「危険施設等通報システム」の運用を行います。 ◆バリアフリー基本構想に基づく整備推進 新・札幌バリアフリー基本構想に基づき、すべての人々が安心に暮らし、分け隔て無く社会活動に参加できるまちづくりを目指し、総合的かつ一体的なバリアフリー化をさらに促進します。 ◆交通バリアフリー推進事業 障がいのある方や高齢の方等が公共交通機関を利用して移動する際の利便性及び安全性の向上の促進を図るため、公共交通事業者が行うバリアフリー化整備について補助を行うことで、各管理者と連携しながら取組を進めます。 ◆歩道バリアフリー整備事業 誰もが安心して歩行できる歩道を提供するため、重点的に整備するべき地区の生活関連経路の歩道バリアフリー化を推進します。 ◆安全・安心な公園再整備事業 障がいのある方や高齢の方など誰もが快適に利用できる公園整備を進めます。出入口・園路段差解消や階段の手すり設置、ベンチなどの休養施設、身障者対応型便所の改修等を行います。 ◆市有施設の保全改修に併せたバリアフリー改善の推進 オストメイト対応トイレの設置や点字ブロックの敷設など、既存の市有施設の保全改修に併せて、バリアフリー改善を進めます。 ◆地下鉄における安全対策 地下鉄駅ホームに可動式ホーム柵を設置し、ホームからの旅客転落事故や列車接触事故などを防止することに努め、障がいのある方や高齢の方等が安全で安心して地下鉄を利用できるよう取組を進めます。 ◆安全な自転車利用環境の推進 歩道上における歩行者との交錯や迷惑駐輪による歩行環境の悪化などの課題解消を目指し、障がいのある方をはじめ市民の方にとって「安全な自転車利用環境の実現による魅力的なまちづくり」を目標として、自転車・歩行者・自動車それぞれが安心・安全に通行できる環境を実現するため、「自転車走行空間の明確化」、「総合的な駐輪対策の推進」、「ルール・マナーの効果的な周知と啓発」を図ります。 ◆車椅子使用者向け市営住宅の整備(再掲) ⇒ 38ページ参照 ◆福祉のまちづくり施設整備資金融資(民間施設改善資金貸付金等) 民間事業者による公共的施設の整備、改善を推進するため、障がい者対応エレベーター、車いす使用者用トイレ、外部出入口の自動ドア設置等のバリアフリー化工事に対して、金融機関との協調融資を行います。 【参考】バリアフリーとユニバーサルデザイン ●バリアフリー 建物や道路などにおいて、障がいのある方や高齢の方の利用にも配慮した設計のこと。 ●ユニバーサルデザイン 障がいのある方や高齢の方のための特別な仕様をつくるのではなく、最初から多くの人の多様なニーズを反映してつくられた建物・製品のこと。 基本施策2 住まいの確保 ○ 障がいのある方が地域で安心して暮らすことができるよう。住まいの場の充実を図ります。 <重点取組> ◆あんしん賃貸支援事業の普及 民間の住宅関係事業者に対して「あんしん賃貸支援事業」の周知を行い、高齢の方や障がいのある方などを受け入れる民間賃貸住宅の登録を促します。 ※ あんしん賃貸支援事業 高齢の方や障がいのある方、外国人の方及び子育て世帯に対して、入居を受け入れる民間賃貸住宅、仲介をサポートする協力店、入居者の居住支援を行っている支援団体の情報を提供することで、民間賃貸住宅探しや居住支援を行う事業。 ◆グループホーム等の整備推進(再掲) ⇒ 24ページ参照 ◆住宅確保要配慮者に対する居住の安定確保の取組 市営住宅抽選時の優遇や、あんしん賃貸支援事業の普及などにより、公的賃貸住宅と民間住宅の市場全体で住宅セーフティネット(安全策)を構築し、高齢の方、障がいのある方など住宅確保要配慮者の居住の安定確保を目指します。 ◆車椅子使用者向け市営住宅の整備 恒常的に車椅子を使用している障がいのある方のための住戸を、市営住宅の一部に整備します。 関連計画(分野4:生活環境) ◆新・札幌市バリアフリー基本構想 ◆新・札幌市バリアフリー特定事業計画 ◆札幌市交通事業経営計画 ◆札幌市住宅マスタープラン2011 ◆札幌市自転車利用総合計画 分野5 教育・発達支援 <現状と課題> 不安を抱える親の心情に寄り添いながら、障がいの原因となる疾病の早期発見・早期療育に取り組む必要があると考えられます。 障がいのある子どもが、幼稚園、保育園、児童会館などにおいても、必要な支援を受けながら障がいのない子どもとともに過ごせるような体制に努める必要があると考えられます。 また、住み慣れた地域の学校で、一人ひとりのニーズに応じた適切な支援が受けられる環境づくりを進める必要があると考えられます。 障がいのある子ども本人に対する支援のほか、親に対する精神的なフォロー(ペアレントメンター)を行うなど、療育面での相談支援体制を充実することが必要との意見が寄せられております。 <平成25年度障がい児者実態等調査から> 今後の教育や療育について力をいれるべきこと ・義務教育終了後の進路(就職先)の確保(障がい児調査 49.0%) ・障がいに応じた教育内容の充実(障がい児調査 45.9%) ・通常の学級、保育所、幼稚園での受入の充実(障がい児調査 33.1%) ◆基本方針 基本方針1 療育、教育、医療、福祉、雇用等の関係機関の連携のもと、乳幼児期から学校卒業後まで一貫した支援体制の充実を図ります。 基本方針2 障がいのある子どもが障がいのない子どもとともに、住み慣れた地域で、個々のニーズに応じた適切な支援が受けられる環境づくりを推進します。 ◆基本施策 基本施策1 ライフステージに応じた相談支援体制の充実 基本施策2 早期療育の充実 基本施策3 学校教育の充実 基本施策4 卒業後の支援 基本施策1 ライフステージに応じた相談支援体制の充実 ○ 療育や教育について、家庭が抱える多様なニーズに対応した様々な相談窓口を設置し、相互に連携しながらライフステージに応じた相談支援体制の充実を図ります。 <重点取組> ◆幼児教育相談 発達に心配のある幼児や子育てに関して、幼児教育センターにおける来所相談のほか、各区の市立幼稚園を会場とした「地域教育相談」を実施します。 ◆一人一人が学び育つための教育的支援の充実(再掲) ⇒ 44ページ参照 ◆児童福祉相談・支援体制の強化 児童相談所の施設・設備の拡充や専門職の増員を視野に入れた機能強化を進めるほか、児童福祉に関する様々な機関との効果的な連携が図られるよう、児童相談所及び区における児童福祉相談・支援体制を強化していきます。 ◆子どもの権利救済機関の運営 いじめや差別などの深刻な権利侵害だけでなく、子どもに関わる様々な悩みを受けるとともに、救済の申立て等に基づき、公的第三者の立場で、関係機関への事実確認の調査や関係者間の調整等を行います。 ◆発達障害者支援体制整備事業(再掲) ⇒ 23ページ参照 基本施策2 早期療育の充実 ○ 子どもの障がいの状況に応じた配慮をしながら、障がいのない子どもとともに成長していく環境づくりを進めます。 ○ 児童福祉法に基づく障害児通所支援サービスの円滑な提供に努めます。 ○ 児童発達支援センターを地域における中核的支援施設と位置付け、児童発達支援事業所等との連携による重層的な支援を推進します。 ○ 障害児入所施設において、虐待を受けた障がい児への対応を含め、様々なニーズへの対応を図ります。 <重点取組> ◆私立幼稚園特別支援教育事業 私立幼稚園に支援員を派遣し巡回相談を行う「幼稚園訪問支援」を実施するなど、特別な教育的支援を必要とする幼児の円滑な受入を推進するとともに、教育の充実を図り、適切な保育環境を提供します。 ◆障がい児保育巡回指導 保育に欠ける心身に障がいのある児童を、障がいのない児童とともに集団保育をすることにより、成長発達を促進するとともに児童福祉の増進を図ります。実施保育所においては、障がい児保育の充実を図るため、巡回指導を行い、必要に応じて保育者または保護者に対して指導、助言を行います。 ◆放課後児童クラブ等における障がい児の受入れ 障がいのある児童の健全育成及び保護者に対する支援として、障がいのある児童を受け入れている館に指導員を加配できるようにするなどし、子どもの障がいに応じた配慮をしながら、障がいのない児童と同じように児童会館及びミニ児童会館を利用できる環境づくりを進めます。 また、民間児童育成会についても、保護者が就労等している障がいのある児童を登録している場合は助成金を加算するなど、各会における受入れの促進を図ります。 ◆療育指導(療育支援事業、先天性障がい児早期療育事業) 発達に心配のある子どもを対象に、子どもの状態に応じた療育を実施すると同時に保護者の複雑で不安な気持ちを受け止め、障がいの気づきができるように働きかけ、個々の子どもに合った進路を共に考え必要な情報を提供します。 また、ダウン症などの先天性障がいのある乳幼児についても、保護者の不安な気持ちを受け止め、子どもの心身の発達を促すとともに、育児全般に必要な情報の提供を行います。 ◆障害児通所支援サービスの円滑な提供 児童福祉法に基づき、身近な地域における通所支援として「児童発達支援」、放課後等の居場所づくりとして「放課後等デイサービス」、保育所等の安定した利用を促進するための「保育所等訪問支援」を円滑に提供します。 ◆児童発達支援センターの機能充実 児童福祉法に基づき、肢体不自由児や知的障がい児に対する身近な療育の場として機能訓練や療育指導などを行うとともに、地域の障がい児や保護者に対して支援を行います。 また、地域における中核的支援施設として、児童発達支援事業所等との連携による相談・支援機能の充実を図ります。 基本施策3 学校教育の充実 ○ 特別な教育的支援を必要とする児童生徒が地域の学校で学べるよう、教育環境の整備を推進します。 ○ 障がいのある子どもとない子どもができるだけ同じ場で共に学ぶことを目指したインクルーシブ教育システム構築に向けた国の取組を踏まえつつ、一人一人の教育的ニーズに応じた指導を提供できるよう、多様で柔軟な仕組みづくりを進めていきます。 <重点取組> ◆一人一人が学び育つための教育的支援の充実 特別な教育的支援を必要とする児童生徒が、個々のもつ力を最大限に発揮できるよう、「サポートファイルさっぽろ」や、通常の学級における「学びのサポーター」の活用により一人一人に応じた一貫した教育的支援の充実を図ります。 ◆地域で学び育つための教育環境の整備 特別な教育的支援を必要とする児童生徒が居住する身近な地域で適切な支援を受けることができるよう、特別支援学級や通級指導教室の整備を推進します。 ◆市立高等養護学校における教育の充実 市立高等養護学校において、就労促進を図るための教育内容の見直しについて検討を進めます。 基本施策4 卒業後の支援 ○ ハローワークなどの関係機関との連携のもと、卒業後、就労につなげるための支援の充実を図ります。 ○ 卒業後も地域で安心して生活することができるよう、福祉サービスの利用につなげるなど、相談支援体制の充実を図ります。 <重点取組> ◆市立特別支援学校における教育の充実(再掲) ⇒ 44ページ参照 ◆就労相談支援体制の充実(障がい者就業・生活相談支援事業)(再掲) ⇒ 47ページ参照 ◆相談支援事業の充実(再掲) ⇒ 20ページ参照 関連計画(分野5:教育・育成) ◆札幌市幼児振興を図るための新たなしくみづくり ◆札幌市教育振興基本計画 ◆札幌市子ども未来プラン ◆札幌市児童相談体制強化プラン 分野6 雇用・就労 <現状と課題> 障がい者雇用を促進するには、国の障がい者雇用施策を中心に、関係機関が連携して取り組む必要があると考えられます。 障がいのある人が当たり前に働けるよう、企業等に対する障がい者雇用についての情報提供の充実や、理解促進を図るなど、雇用の場の確保に向けた取組が求められております。 また、就労支援事業所などの福祉的就労の場の充実や、工賃水準の向上が求められています。 <平成25年度障がい児者実態等調査から> 仕事を続ける(あるいは始める)うえで必要なこと  ・自分に合った仕事や働く場を見つけてくれるところがある(障がい者調査 39.8%、難病患者調査36.4%)  ・勤務時間が調整できる(障がい者児調査 25.3%、難病患者調査40.9%) ・職場で仕事がしやすいよう支援してくれる(障がい者調査 28.5%) ◆基本方針 基本方針1 障がいのある人それぞれに合った就労支援を、雇用・福祉・教育等の関係機関と連携して取り組み、支援の充実・強化を図ります。 基本方針2 障がいのある人の一般就労への移行を推進し、雇用の定着を図るほか、福祉的就労への支援を充実し、工賃水準の向上を図ります。 ◆基本施策 基本施策1 個々のニーズに対応した就労相談支援体制の充実 基本施策2 雇用の場の拡大(一般就労、福祉的就労) 基本施策3 福祉的就労における工賃向上 基本施策4 福祉施設から一般就労への移行推進 基本施策1 個々のニーズに対応した就労相談支援体制の充実 ○ 国の障がい者雇用推進部署(ハローワーク等)などの関係機関と連携し、障がいのある方の雇用促進に向けた相談支援体制の充実を図ります。 <重点取組> ◆就労相談支援体制の充実(障がい者就業・生活相談支援事業) 障がいのある方の雇用の促進と就労の安定を図るため、就業や日常生活の支援を行うとともに、ハローワーク等の関係機関と連携して、ジョブサポーターや支援員による雇用促進・職場定着支援を図ります。 ◆障がい者就業支援事業 国との共催により、障害者就職面接会を開催し、より多くの企業との情報交換の場を提供することにより、障がいのある方の就職活動を支援し、雇用促進を図ります。 基本施策2 雇用の場の拡大(一般就労、福祉的就労) ○ 国の障がい者雇用施策と連携し、障がいのある方の雇用の場の確保に努め、就職や職場定着のための支援の充実を図ります。 <重点取組> ◆障がい者協働事業 障がいのある方を5人以上雇用し、他の従業者からサポートを受けながら共に働くことにより、事業としての収益性を確保しつつ、障がいのある方の継続した雇用の場となる「障がい者協働事業」の運営経費に対する補助を行います。 札幌市役所や札幌市社会福祉総合センター、中央図書館のロビーに設置している「元気カフェ」は、この事業を活用して運営しています。 ◆資源選別センターにおける雇用の場の提供 容器包装廃棄物の再資源化を図るにあたり、地域福祉社会の推進に寄与することを目的に、「びん・缶・ペットボトル選別業務」に従事する一部の方に知的障がいのある方を雇用し、就労の場を提供しています。 ◆就労支援サービスの円滑な提供 障害者総合支援法に基づき、一般企業等への就労を希望する方や一般企業等での就労が困難な方に、知識及び能力の向上のための必要な訓練を行う就労支援サービスを円滑に提供します。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**、**ページ)もご覧ください。 基本施策3 福祉的就労における工賃向上 ○ 障害者総合支援法の就労支援サービスのほか、札幌市独自の取組により、障がい者施設(福祉的就労)における工賃の向上を図ります。 <重点取組> ◆製品の販路拡大支援 地域活動支援センター、地域共同作業所などの運営強化等を図るために、製品のレベルアップや運営面に対する指導等を行います。 また、障がいのある方が施設等でつくった製品を販売する常設店舗として「元気ショップ」を設置運営し、製品の購入を通じた市民の障がいに対する理解促進や、障がいのある方の工賃の増額を目指します。 ◆発注機会の拡充、受注調整支援(元気ジョブアウトソーシングセンター運営事業) 障がい者施設等で行っている清掃・印刷などの役務提供サービスや封かんなどの軽作業について、民間企業等への営業や、各施設への受注調整等を行うセンター機能を設置・運営し、障がいのある方の工賃向上を目指します。 ◆障がい者施設等からの優先調達の推進【→新規追加】       障害者優先調達推進法に基づいて、札幌市における障がい者施設等からの調達方針を毎年度策定し、庁内の各部局において調達を推進します。 ◆元気デザイン向上事業【→新規追加】       障がい者施設等の製品価値を向上させるため、障がい者施設等とクリエーターをマッチングし、デザイン向上の取組を支援します。 基本施策4 福祉施設から一般就労への移行推進 ○ 障害者総合支援法の就労移行支援サービスのほか、札幌市独自の取組により、障がいのある方の一般就労への移行を推進します。 ○ 障がいのある方の職場実習等の機会の充実を図ります。 <重点取組> ◆障がい者の就労・雇用に対する理解促進(障がい者元気スキルアップ事業) 障がいのある方の一般就労の機会を確保し、職場定着率を高めるために、障がいのある方、福祉サービス事業所(特に就労支援系)、民間企業等に対して、より充実した研修を行うなど、障がい者雇用の推進を図ります。 ◆就労移行支援サービスの提供 障害者総合支援法に基づき、一般就労のために必要な知識及び能力向上のための訓練を行う就労移行支援サービスを円滑に提供します。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**ページ)もご覧ください。 ◆就労に向けた訓練・就労体験 札幌市役所において、市内の特別支援学校から生徒を受け入れて、職場実習・就労体験の機会を設け、就労に向けた支援を行います。 分野7 情報・コミュニケーション <現状と課題> 障がいの特性に配慮した方法による情報提供、意志疎通支援が求められています。 障がい当事者自らが福祉サービスを選択できるように、福祉に関する情報提供を充実する必要があると考えられます。 ◆基本方針 基本方針1 情報バリアフリー化を推進し、障がい特性に応じた情報提供や意思疎通支援の充実を図り、自立と社会参加を支援します。 ◆基本施策 基本施策1 情報バリアフリー化の推進 基本施策2 情報提供の充実 基本施策3 意思疎通支援体制の充実 基本施策1 情報バリアフリー化の推進 ○ 障がいのある方が支障なく情報伝達や情報取得ができるよう、点字や音声、情報通信の活用など、障がい特性に応じた配慮に努めます。 ※情報バリアフリー 誰もが等しく情報通信を有効利用できる環境をつくること。 <重点取組> ◆補装具費の支給、日常生活用具の給付(再掲) ⇒ 25ページ参照 ◆障がいのある方の情報通信に関する支援(障がい者ITサポートセンター) 障がいのある方の情報通信技術の利用機会や活用能力の格差是正を図るための総合的なサービス提供拠点として、「障がい者ITサポートセンター」を設置し、自立と社会参加を促進することを目的に、ITに関する利用相談や情報提供、パソコン講習の開催、パソコンボランティアの養成及び派遣を行います。 ◆選挙における配慮(再掲) ⇒ 72ページ参照 ◆会議等における配慮(再掲) ⇒ 72ページ参照 基本施策2 情報提供の充実 ○ 冊子、音声、ホームページなど、様々な手段・媒体を活用し、障がい特性に配慮した情報提供の充実を図ります。 <重点取組> ◆広報誌、広報番組、ホームページなどを通じた広報(再掲) ⇒ 14ページ参照 ◆札幌市公式ホームページの管理運営 障がいのある方がホームページから情報を得やすいよう、アクセシビリティ(使いやすさ)の更なる向上を図るなど、ホームページ全体の使い勝手の向上に努めます。 ◆福祉ガイド等の作成・配布、各種相談窓口の紹介(再掲) ⇒ 69ページ参照 ◆点字・音声による情報提供 視覚に障がいのある方のために、広報さっぽろの市政情報の点字版「点字さっぽろ」、録音版「声のさっぽろ」を発行します。 ◆様々な障がいに配慮した情報提供 特に、障がい福祉に関するパンフレットやガイドブックなどは、分かりやすい表現に心がけ、漢字へのルビ、専門用語等への注釈、二次元コードを付けるなど、読みやすくする工夫に努めます。 基本施策3 意思疎通支援体制の充実 ○ 障がい特性に応じた意思疎通支援体制の充実に努めます。 <重点取組> ◆意思疎通支援事業の円滑な提供 障害者総合支援法に基づく意思疎通支援について、適正かつ円滑なサービス提供に努めます。 ⇒ 障がい福祉計画の部(**ページ)もご覧ください。 ◆テレビ電話を活用した消費生活相談 聴覚障がいのある方が消費生活相談に訪れた場合に、テレビ電話を利用し手話通訳者を介して相談を行うことで、迅速な対応を図ります。 障害福祉サービス事業所等に関する空き情報の紹介について 市内所在の障害福祉サービス事業所等に関する空き情報をホームページで紹介することで、障がいのある方が事業所を選択する際の利便性の向上を図ります。 ホームページの運用については、各サービス提供事業所において情報を随時更新していただくなど、各サービス提供事業所の協力を得ております。 空き情報は、キーワード、事業所番号、法人名又は事業所名、事業所の所在区、サービスの種類など、様々な条件で検索することができます。 愛称 元気さーち ホームページアドレス http://www.sapporo-akijoho.jp/ 分野8 スポーツ・文化 <現状と課題> 自らの意思と選択によって、人生のあらゆる成長過程で、それぞれの人の興味・関心や生活領域に応じ、さまざまな活動や学習を続けていくことは重要であると考えられます。 障がいのある人がスポーツや文化芸術活動等を行う際には、必要となる配慮や支援等が提供されるための環境の整備が求められています。また、活動を通じて、障がいのある人と障がいのない人が交流し、障がいのある人に対する理解を深めることが重要であると考えられます。 ◆基本方針 基本方針1 スポーツや文化芸術活動等を通じて、障がいのある人と障がいのない人との交流の機会を充実し、障がいのある人に対する理解促進を図ります。 基本方針2 障がい者スポーツ、障がい者の文化芸術活動を支援し、心豊かな地域生活を支援します。 ◆基本施策 基本施策1 スポーツ・文化芸術活動・生涯学習活動に対する支援 基本施策1 スポーツ・文化芸術活動・生涯学習活動に対する支援 ○ 障がいのある人がスポーツや文化芸術活動に気軽に参加できるよう、施設のバリアフリー化や活動機会の充実に努めます。 <重点取組> ◆障がい者スポーツの振興 障害者スポーツ指導員の養成やスポーツ教室、クラブの紹介など、障がい者スポーツ団体が行う活動を支援することにより、障がい者スポーツの普及・振興を促進します。 ◆障がい者スポーツ大会の開催 札幌市障がい者スポーツ大会を開催し、障がいのある方がスポーツを通じて、体力の向上や自立更生への意欲を高めるとともに、市民の障がいのある人に関する理解促進を図ります。 ◆既存体育施設のバリアフリー化の推進 障がいのある方が広く気軽にスポーツ施設を利用できるようにするため、車いす対応エレベーターの設置及び身障者用多目的トイレへの改修を行います。 ◆さっぽろ市民カレッジ 総合的、継続的な学習機会を市民に提供するとともに、学習成果が評価され、社会に生かされる仕組をつくることにより、市民の自主的な学びや社会参加を支援し、本市のまちづくりを促進します。 ◆文化芸術活動に対する支援 市民誰もが様々な場面において、文化芸術に触れる機会の充実や、文化芸術活動に対する支援など、文化芸術振興のための環境づくりを進めます。 ◆障がいのある方を支援する読書サービスの検討 身体障がいや発達障がいなど、様々な障がいのある方を支援するための読書サービスや図書館施設のあり方について検討を行います。 ◆知的障がい者のための成人学級事業 特別支援学校または中学校の特別支援学級などを修了し、社会参加しているまたはしようとする方を対象に、一般社会知識の習得や体力づくり、人間関係等、集団生活や体験の場を通して社会生活によりよく対応できる人間形成を目指し、実生活に即した学習を行います。 ◆特別支援学校・地域連携事業 学校休業日に特別支援学校の学校施設を活用し、児童・生徒の特性に応じた活動を促す場を提供することを目的として、各種行事の開催やボランティアグループとの交流等を行います。 ◆札幌市健康づくりセンターの利用促進【→新規追加】       障がいのある人が健康づくりに取り組む機会を提供するため、札幌市健康づくりセンターの利用を促すとともに、運動指導員や理学療法士による健康づくりの支援を行います。 関連計画(分野8:スポーツ・文化) ◆札幌市生涯学習推進構想 ◆札幌市文化芸術基本計画 ◆第2次札幌市子どもの読書推進計画 ◆札幌市健康づくり基本計画 ◆札幌市スポーツ推進計画 分野9 安全・安心 <現状と課題> 平成23年3月に発生した東日本大震災を契機として、災害時の安全対策についての関心が高まっており、障がいのある方をはじめ要支援者の避難支援の取組を充実する必要があります。 また、地域の見守りや支え合いなどを通じて、障がいのある方の孤立を防ぐ環境をつくる必要があります。 <平成25年度障がい児者実態等調査から>   防災に関して不安に感じること ・避難場所でうまく生活できるか不安(障がい者調査53.7%、障がい児調査71.4%、難病患者調査65.2%) ・災害時に手助けしてくれる人がいない」(障がい者調査 20.7%、障がい児調査 32.4%、難病患者調査 29.2%) ◆基本方針 基本方針1 障がいのある方が地域で安全・安心に生活することができるよう、防災対策や災害時における要援護者対策を推進します。 基本方針2 障がいのある方が地域で孤立しないよう、地域の共助による重層的な見守り体制を構築します。 ◆基本施策 基本施策1 雪や災害に強いまちづくりの推進 基本施策2 災害時における要配慮支援者対策の推進 基本施策3 地域における見守り活動の推進 基本施策4 消費者被害の防止 基本施策1 雪や災害に強いまちづくりの推進 ○ 冬期間も安心して生活を送れるよう、雪対策の取組や、冬の暮らしをサポートする新たな福祉・介護器具の開発を促進します。 ○ 市民の生命や財産を守り、災害に強いまちづくりをすすめ、大災害にも対応する防災体制の確立を目指します。 <重点取組> ◆冬のみちづくりプランの推進 市民・企業等との協働の推進、多様なソフト施策の導入、施策の選択と集中によるメリハリをつけた事業の展開を基本方針として、障がいのある方も安心して生活を送れるよう、雪対策を推進します。 身近な取組の一例としては、凍結防止剤等の散布、砂箱の設置、砂入りペットボトルの作成・配置などを行います。 ◆福祉産業共同研究事業(再掲) ⇒ 24ページ参照 ◆住宅防火対策の推進 住宅防火訪問、福祉事業従事者を対象とした研修会等の実施、住宅用火災警報器の設置及び維持管理に係る普及啓発等、住宅防火対策を推進します。 ◆障がい児者施設の修繕等に対する支援の検討 入所施設等の居住の安全を図るための施設修繕等に対して支援を行うことを検討します。 ◆社会福祉施設等の安全対策の推進 社会福祉施設における安全安心を確保するため、消防局・保健福祉局・都市局の関係部局の連絡協議の場として「札幌市グループホーム等安全安心連絡協議会」を設置し、情報交換を図りながら、施設関係者を対象とした研修会の実施、合同立入検査等を実施するほか、訓練チェックリストを活用した自衛消防訓練の実施など、さらなる安全安心に向けての取組を推進します。 基本施策2 災害時における支援の推進 ○ 災害時における、障がいのある方などへの避難支援に関する仕組みづくりを促進します。 ○ 避難場所について、バリアフリー化や、静かに過ごすことのできる空間の確保など、障がいのある方に配慮した環境の整備を進めます。 ○ 災害発生時や避難場所において、さまざまな障がい特性に応じた配慮や支援ができるよう、障がいのある方への理解促進を図ります。 <重点取組> ◆札幌市地域防災計画における支援 災害時に自力では避難できない障がいのある方や高齢の方などの手助けを、地域が主体となって実施する仕組づくりを促進します。 さらに、災害対策基本法に基づき、避難行動要支援者名簿の整備を進めるとともに、運用方法について早急に検討を進めます。      併せて、災害が発生した場合には、関係機関との連携により各施設の状況及び避難した障がいのある方の把握を行うことや、避難後は、障がいのある方への情報提供、ニーズを把握し、ボランティアや避難者に支援を要請するとともに、収容避難場所での生活が困難な方を社会福祉施設等に移送するなどの支援を推進します。 また、「札幌市避難場所基本計画」に基づき、市立小中学校の大規模改修・改築に併せて、玄関スロープや車いす対応トイレの設置など、避難場所の環境整備を推進します。 ◆障がいのある方の避難訓練等への参加促進【→新規追加】    災害時において、障がいのある方が自らできることや、周りの人が手助けできることなどを確認するため、障がいのある方に対し、地域等で行われている避難訓練等への参加を促進します。 ◆災害時の緊急受入れに関する関係機関との協定 関係機関と協定を締結し、地震、風水害等の大規模な災害が発生した場合に、避難所での生活の継続が困難な障がいのある方などを、民間の障害者支援施設等へ受け入れる体制を構築します。 基本施策3 地域における見守り活動の推進 ○ 障がいのある方の地域における孤立を防ぐため、住民組織などによる地域福祉活動の充実を図ります。 <重点取組> ◆知的障がいのある方の見守り事業【→新規追加】      障害福祉サービスを受けていない知的障がいのある方の現況を把握し、福祉ガイドを活用したサービス等の利用案内や、民生委員などと協力して見守り活動を実施することで、地域や福祉サービスとのつながりを拡大・強化するとともに、市民の知的障がいに対する理解を深めます。   ◆相談支援事業の充実 ⇒ 20ページ参照 ◆企業などとの連携推進【→新規追加】      多様な社会資源を地域の見守りに活用するため、宅配事業者などとの見守り協定の締結を推進するとともに、企業やNPOなどが事業活動の中で要支援者の異変を発見した際の確認・通報体制の充実を図ります。 基本施策4 消費者被害の防止 ○ 障がいのある方の消費者被害の防止のため、関係機関との連携による早期発見や、相談体制の充実に努めます。 <重点取組> ◆消費者被害防止ネットワーク事業 地域に消費者問題に精通する消費生活推進員を配置し、関係機関とのネットワーク体制により、障がいのある方や高齢の方の消費者被害の早期発見と救済、未然防止を図ります。 ◆テレビ電話を活用した消費生活相談(再掲) ⇒ 55ページ参照    ◆権利擁護等に係る相談支援の充実(再掲) ⇒ 68ページ参照 関連計画(分野9:安全・安心) ◆札幌市冬のみちづくりプラン ◆札幌市地域防災計画 ◆札幌市避難場所基本計画 ◆札幌市避難場所基本計画実施プラン ◆札幌市地域福祉社会計画 ◆札幌市災害時要援護者対策避難支援ガイドライン ◆第2次札幌市消費者基本計画 分野10 差別の解消・権利擁護 <現状と課題> 平成25年6月、障害者差別解消法が公布され、平成28年4月に施行されます。この法律により行政機関等や民間事業者に障がいを理由とする差別的取扱いが禁止されるとともに、障がいのある人が必要とする社会的障壁の除去の実施ついて必要かつ合理的な配慮が求められます。 また、障がいのある人に対する虐待の防止や早期発見のため、通報・相談体制を充実するとともに、虐待が起こった時には、関係機関等との連携による適切な支援を行っていく必要があります。 ◆基本方針 基本方針1 障害者基本法及び障害者差別解消法に基づき、障がいを理由とする差別の解消の推進に取り組みます。 基本方針2 障害者虐待防止法に基づく障がい者虐待の防止等、障がいのある人の権利擁護を進めます。 ◆基本施策 基本施策1 障がいを理由とする差別の解消 基本施策2 権利擁護等の推進 基本施策3 障がい者虐待防止の推進 基本施策1 障がいを理由とする差別の解消 ○ 国の基本方針に基づき、障害者差別解消法の円滑な施行に向けた準備を進めるとともに、施行後の適切な運用に努めます。 ○ 障害者差別解消法の啓発・広報に努め、市民や民間事業者等の理解を促進します。 <重点取組> ◆障害者差別解消法の円滑な施行【→新規追加】       国の基本方針等に基づき、職員対応要領や相談体制の整備等を進め、障がいのある人の差別の解消の推進と、合理的配慮の提供に取り組みます。 基本施策2 権利擁護等の推進 ○ 各種の相談窓口の紹介など権利擁護に係る啓発・広報に努めます。 ○ 障害者基本法、北海道障がい者条例など制度の普及を図り、障がいのある人に対する権利擁護に係る啓発に努めます。 <重点取組> ◆権利擁護等に係る相談支援の充実 障がい者あんしん相談運営事業、成年後見制度利用支援事業の一層の推進により、障がいのある方の権利擁護のための相談支援体制の強化を図ります。 ◆北海道障がい者条例の普及 北海道や関係機関と連携し、障がいのある方々の権利の擁護と障がいのある方々が暮らしやすい地域づくりの推進を図るために制定された「北海道障がい者条例」の普及に努め、地域における権利擁護を含めた相談体制の充実を図ります。 ◆福祉ガイド等の作成・配布、各種相談窓口の紹介 福祉ガイド等を作成・配布し、権利擁護に関する窓口を紹介するほか、権利擁護に係る啓発・広報に努めます。 ◆障がい当事者等の意見反映 障がいのある方をはじめ、広く市民の意見が市政に反映されるよう、市民の声を聴く機会の充実を図ります。 ◆子どもの権利救済機関の運営(再掲)  ⇒ 41ページ参照 【参考】北海道障がい者条例について 「北海道障がい者及び障がい児の権利擁護並びに障がい者及び障がい児が暮らしやすい地域づくりの推進に関する条例」(略称:北海道障がい者条例)は、障がいがあっても安心して地域で暮らすことのできる社会づくりを目指し、障がいのある方の権利擁護と暮らしやすい地域づくりを推進するための条例です。 主な施策の柱は次の3つです。 1 障がいのある方の暮らしやすい「地域づくり」を進めます 2 地域で生き生きと暮らせるよう働く障がい者を応援します 3 障がいのある方の虐待や差別等をなくし、権利擁護を進めます 札幌市におきましても、北海道障がい者条例に基づき、障がいのある方も障がいのない方も、共に暮らしやすいまちづくりを目指していきます。 基本施策3 障がい者虐待防止の推進 ○ 障害者虐待防止法に係る啓発・広報に努めるとともに、障がい者虐待に関する相談体制の充実及び関係機関との連携による適切な支援を進めます。 <重点取組> ◆障がい者虐待防止対策等の推進 障害者虐待防止法に基づき、障がい者虐待相談窓口において虐待通報・相談の受付を行うとともに、夜間・休日における緊急連絡先を設置することにより、24時間365日での通報受付を行います。       また、通報受付後は、相談支援事業所をはじめとする関係機関との連携により、適切な支援を行うとともに、緊急一時保護が必要な事案については、市内の入所施設等との連携により、速やかな保護を行います。 その他、セミナー等の開催、啓発リーフレットの配布等により、障がい者虐待防止に関する普及・啓発を行い、虐待予防や早期発見に努めます。 分野11 行政サービスにおける配慮 <現状と課題> 平成28年4月に施行される障害者差別解消法により、障がいのある方が必要とする社会的障壁の除去の実施について、行政機関等が必要かつ合理的な配慮を行うことは、法的な義務となります。 職員の障がい者理解の促進に努めるとともに、窓口等における障がいのある方への配慮の徹底や情報提供の充実を図る必要があります。 ◆基本方針 基本方針1 行政サービスの提供等にあたっては、障がい特性に応じた合理的な配慮に努めます。 ◆基本施策 基本施策1 行政サービスにおける配慮 基本施策2 情報提供の充実(再掲) ○ 行政サービスの提供等にあたっては、職員に、障がいのある方への理解を促進するとともに、合理的な配慮に努めます。 <重点取組> ◆職員に対する障がい者理解の促進  研修等を通じ、職員に対する障がい者理解の促進に努めるとともに、窓口等における障がいのある方への配慮の徹底を図ります。      また、職員によって説明や配慮のしかたに隔たりが生じないよう努めます。 ◆選挙における配慮 札幌市議会議員選挙では候補者等を紹介した点字版の選挙のお知らせを、札幌市長選挙では選挙公報全文を点訳した選挙のお知らせ・音読した音声版を、関係世帯に配布します。 また、投票所における介添えや、点字の候補者名簿・点字器・老眼鏡・文鎮等の常備など、障がいのある方に配慮した投票環境を整備するとともに、成年被後見人の選挙権の回復等を行う公職選挙法の改正を踏まえ、選挙人が自らの意思に基づき投票できるよう、様々な配慮を行います。 ◆会議等における配慮 障がい当事者が参加する会議等においては、障がい種別に応じた情報提供やコミュニケーションに配慮するよう努めます。 ◆テレビ電話を活用した消費生活相談(再掲) ⇒ 55ページ参照 基本施策2 情報提供の充実(再掲) ⇒ 53ページ参照