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更新日:2016年2月18日

ニス【nisu】

ニス【nisu】臼

イユタニ【i-yuta-ni】杵、毎日使われた大切な道具

画像:ニス(臼)とイユタニ(杵)。この写真のニスは高さ56センチ、直径50センチ。イユタニの長さは95センチ。アイヌの人々のニスとイユタニは生活になくてはならない大変大切な道具でした。
かつてはアイヌの男たちは、ニス、イユタニ、ムイ(箕)の三つを自分で作って、はじめてお嫁さんをもらえたということでした。
昔、アイヌの主要な穀物であったピパヤ(ヒエ)やムンチロ(アワ)は脱穀してしまうと長い間保存できないため、穂のまま貯蔵していました。そのために脱穀はほとんど毎日、日課の作業で行い、お粥などにして食べていました。
脱穀などに使用するだけでなく、アイヌのご馳走であるシト(団子)を作るときも使用しました。
ピパヤ、ムンチロ、トゥレプ(オオウバユリ)などを、ニスとイユタニで搗(つ)きます。女の人が、2、3人で向き合って「ヘッサオーホイ、ヘッサオーホイ」と掛け声をかけながら搗きました。
アイヌはニスをニスカッケマッ(臼の淑女、臼の女神)と大切に取り扱い、ニスを使いそのまま立てておくと、天の神々がニスの淑女のふところ深く隅々まで見えるので、ニスの淑女は大変恥ずかしい思いをし、そのことをうらんでその家の主婦を病気にさせるなど悪いことが起こると考えました。
そのため、ニスを使った後は横に倒し、すだれなどを掛けておくものだと、女の子は特に祖母や母親から教えられました。
また、お産の重いときに、ニスにピパヤ(ヒエ)を入れて「ニスフチアコアスラニ」(臼の老婆にお願いする)と言いながら妊婦に搗かせて、お産を軽くしてもらうようにお願いすることもありました。ニスも、フシコニス(古い臼)ほど霊力があると信じられてきました。
ユタニは穀物を砕いて粉にすることができるくらい重くて力のあるものということで、ある意味では男性というように考えられ、ニスと同様に大切にされました。
【使われた木】
ニス:ランコ(カツラ)、ペロ(ナラ)
イユタニ:トペニ(イタヤカエデ)、セイェカパラ(アサダ)、ペロ
【参考】画像:ニス(臼)とイユタニ(杵)
ピパヤとムンチロ・夫婦の穀物
ピパヤとムンチロは、儀式のときに出すシト(団子)やトノト(神酒)の原料としても用いられ、アイヌの人たちにとって、とても大切なカムイでもありました。
ピパヤとムンチロは夫婦の穀物といわれ、ピパヤは女の人の穀物、ムンチロは男の人の穀物としてとても大切にされていました。

この写真のニスは高さ56センチ、直径50センチ。イユタニの長さは95センチ。

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