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更新日:2016年2月18日

アット゜シ【attus】

アット゜シ【attus】木の皮で作る、衣服
画像:アットシ(トに○)

木の内皮で作った衣服のことです。材料はオヒョウやシナノキが使われます。作り方は、取ってきた内皮を水につけ、やわらかくします。そして、皮を薄くはがし、細くさき、よりをかけ、一本一本を結び合わせて長い糸にします。これを織る道具にかけ、布を織ります。布ができると、それで衣服を作り、仕上げに刺しゅうで文様を入れます。

◆糸をとる

アイヌ民族の代表的な衣装である画像:アットシ(トに○)の製作は、まずオヒョウの内皮の採取からはじまる。山の中を歩き、剥(は)ぎごろのオヒョウをみつけて、木の皮を少し取り、口の中で噛んで粘りを確かめる。粘りが少ないものほど、よいアット゜シができる。

良い木が見つかったら、皮は立ち木のまま、7~8cm位の幅で下から剥ぎ上げて取る。剥いだ皮はその場で外皮を取り除き、内皮を温泉や沼などに持っていき、10日間ほどそこに浸す。

内皮が柔らかくなったら、流水でぬめりを取りながらよく洗い、何重にも重なっている内皮を1枚1枚剥がしていく。剥がし終わった後は、天日で干し、よく乾燥したら細かく割いて、軽く撚りをかけて糸にする。

◆織る

糸が出来上がると、アット゜シ織り機に糸をかけ、織りはじめる。アット゜シ織り機は7つの部品から構成されている。糸はアット゜シペラ(ヘラ)で締められ、おさは織手から一番遠い所にあり、経糸(たて糸)を平列するだけのものである。居座機(いざりばた)とは異なり、織り手が前進しながら織り上げていくのが特徴である。アット゜シ織り機は、糸をかけるとき、必要な分を全部まっすぐ伸ばすため、広いスペースを確保しなければならない。そのため、布を織る作業は外で行われた。

布が出来ると、次に着物を仕立てる。織りあがった布を身頃(みごろ)2枚、袖2枚に切り分ける。身頃は縦長の状態で並べて置き、半分だけを縫い合わせる(この部分が背中になる)。次に、縫っていない部分を手前に折り、袖を通すところだけを開け、脇部分を縫い合わせる。出来上がった身頃に袖を縫い付けると完成である。

画像:アッニ(オヒョウ)「アッニ」(オヒョウ)

布を織る材料となる木。北海道、東北地方北部の山に自生する木です。アイヌの人々は、この木の皮を使って、衣服などを作る布を織ります。オヒョウの皮は、春先に取りにいきます。アイヌの人々はよい布になる木を知っていたので木をみつけると、木の皮を少し取って口の中で噛んでみて、皮を取ってよいかをたしかめました。

 

 

画像:「アッ」(オヒョウの木の皮、左)と、「イテセカ」(編糸玉)「アッ」(オヒョウの木の皮、左)と、「カタク」(糸玉)

 

 

 

 

 

 

画像:アットシカラペ(トに○、シ、ラは小さい)布を織るための道具。
「アット゜シカラペ」布を織るための道具。7種類の小さな道具を組み合わせてゆかの上にすわり、たて糸のはしを柱などに固定して手で、ひと織りひと織りたんねんに織っていきます。

 

 

 

 

画像:織りあがった布

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