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更新日:2013年4月10日

講演とワークショップ - 講演5

5.行政から公共の担い手への分権

今までお金や情報と言う公共的公益的なものは、まず行政に集中する仕組みをとってきた。札幌市も別に独自にやれている訳ではなくて一度国に行ったものを配分してもらったりしている。今まで日本の社会構造のなかで、当たり前に思ってきた構造そのものを、今問い直す時期にきている。聖域なき構造改革は行政が今までやってきたから行政の領域だと考えずに、社会的公共的公益的な仕事はどんなふうにあるのだろう、それをやるのに相応しい主体はどこだろうかともう一度考える必要が出てきたと言うことだ。これが本当の分権の議論だと思う。分権は行政に限界があって行政の出来ないところを市民にやってもらうという話ではない。元々は行政には向かないが、今まで公共の主体というのが個人のボランティアと行政しかなかった時代がずっと続いたので、行政には向かないものも行政が引き受けざるを得なくてやっているものも多い。それを市民の中で担い手が出来たので行政から切り離して市民に任せようという分権の議論にならなければいけない。行政に限界が出たのではなくて元々行政には限界がある。つまり公平平等のサービスをやるという限界だ。公平平等のサービスをやる、おまけに収益をあげられない予算制によって縛られている。そういう中で公共的公益的な事業なり枠組みの中でやる仕事だ。だから突発的にいろいろな物事が起きた時、例えば大地震が来た時に対応すべき予算などが十分ではない。

今ようやく新しい公共を担う社会的仕組みとして、市民社会の核としてのNPO法人ができてきた。従来活動してきた団体よりも新しくNPO法人になったところは法人格が取れることが分かって取組はじめた所が多い。つまり、公共的公益的なことの担い手が出てきたのが、ようやくここ1、2年だ。だから行政からこれらの担い手への分権はまだ進んでいない。ただしこれから協働を考える時に市民の方と協議して決めなくてはいけないのは、どこを誰がやるのかという守備範囲を決める議論をしていかなければならない。何も育っていないし、まだ基盤もできていないのにもう行政には向かない仕事だからNPOでやってくださいという訳にはいかない。

 もともと企業が参入しないほど利益を生み出しにくいところに参入してNPOがやるのでNPOの経営は難しい。税金の仕組みは、全部行政に入る仕組みで、配分の仕方も行政が決めるから、「仕事だけあげます、お金はあげません」では困る。それは国の分権でも一緒だ。市民に分権するときは、人、物、金を分権する。恒常的に考えるというのが、これからの考え方だ。

 情報の公開も不可欠だ。例えば予算は、翌年の3月の市議会で決まる。しかし、決まったことを知らされるのは必要条件ではあるが、十分条件ではない。だから早い段階から行政と一緒に今後のことを考えていないとその後の枠組みはできない。3年くらい前から話しをして、仕事をお互いが作る。それが協働だ。行政の体質を問うとよく言うが、その前に自分たち市民も公共の担い手だとしたら、行政実務の進め方・決定の仕組みを知る必要がある。行政の中身や方法論を知った上で参加をしなくてはならない。

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