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更新日:2013年4月10日

講演とワークショップ - 講演12

12.協働コーディネーターの必要性

協働の評価の前提となる枠組み、行政とNPOとの関係を整理すると、行政は行政改革と地域への分権、つまり、市民セクターへの分権が不可欠だ。協働をやるためには自己改革プログラムをすすめないと協働は達成できないということだ。NPO枠だけ作って優遇政策をとるというのを支援政策とは言わない。自分たちの役割、自分たちの仕事を整理して、どこをどう渡していくのか、どこを自分たちがやるのかを決める。つまり、市民参加型の社会では、行政の役割はもっと大きくなるのかもしれない。大きくというより、強くならないといけない部分もあるし、手放す部分もある。縮小するだけではないということだ。

 NPO側は、自立性、独立性、自主性を強めなければならない。ただし、資金的な意味での自立性、独立性、自主性を高めるためには、社会的資源の配分、税政の改革を進める必要がある。ほとんどの人が「税金を取られる」と言うが、その発想をやめて、自分に必要な負担をするという発想に変えないと、NPOにまわるお金も出てこないのかもしれない。税金とは、公共的公益的な事業をしていくための、私たちの負担金だから、NPOだから全部、税制優遇が必要だとは思わない。公共的公益的な指標で、きちんと評価して、非常に公益性が高いというところは、優遇する必要があるかもしれない。そのための評価システムが必要だ。

 また真の参加協働型社会づくりにおいては、協働のコーディネーターという専門的職能を持った人材が必要だ。今までの協働や参加がうまくいっていない大きな原因は、当事者である行政が、コーディネーター役までやっている場合が多いからだと思う。これでは行政側の主張も中途半端になる。だから、中立の、独立したコーディネーターを職能をもつ人を養成することが必要だと思う。私は実験的にNPO研修・情報センターがその役割を担おうと思っている。要するに、要になる人材は片手間にやるのではなく、弁護士や公認会計士などの職能があるように、コーディネートするための職能をつくり、その人たちが中立的にやれるように担保できる仕組みを作ることが必要だ。また、それを支える仕組みやルールづくり、つまり、協働もどういう領域として、守備範囲をやるのかというのは、自治体ごとに決めなくてはならない。すでに多くの自治体で自治体基本条例をつくろうという動きが出てきている。

 ちなみに、協働コーディネーターは、市民社会に1人いればいいというのではない。行政の中にも、縦割り行政の弊害を越えて、繋いでいく役割としてコーディネーターが必要だ。しかも、コーディネーター役が順番に回ってくればいいというものではなく、専門家である必要がある。また、市民の中にも行政の中にも行政・NPOの協働をすすめるためにも協働コーディネーターは必要だ。例えば札幌市の中で、必要なファンドを調整しようとしたら、コーディネーター組織が要る。いくら協働といっても、自立の基盤になるお金がまわってこないと無理なので、資金調達も、NPOの自主性に不可欠で、お金を作る仕組みやマネージメントを学ぶことも必要になる。そういう底力をつけていくことが、協働型社会を作る第一歩になる。NPOを立ち上げて法人格取りましたというだけでは駄目で、そこをどう運営していくか、NPO自身がいろいろお互いに協働しあい、札幌市をどんな市民社会にしていくのか、というミッションに基づいた協働というのが、必要だと思っている。

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