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○映像の力により世界が憧れるまちさっぽろを実現するための条例
平成26年5月30日条例第36号
映像の力により世界が憧れるまちさっぽろを実現するための条例
札幌の映像産業は、南西部に広がる森林地帯などの豊かな自然、鮮明な四季の移り変わりが美しい北の都市としての景観といった豊富な映像素材の活用及びIT・コンテンツ産業の振興を目指した取組により、映像産業の担い手である企業等の雇用創出や観光客の増加などの効果を生みながら、札幌の経済成長に寄与してきた。
こうした流れを、札幌の経済の持続的な発展に結び付けていくためには、映像産業を支える人材の育成や、市内の様々な産業による映像の力の活用をこれまで以上に促進することにより、更に映像に対する需要の拡大を図り、それがより魅力的な映像の制作・発信につながるという好循環を生み出す必要がある。
また、今日までの情報通信技術の発展により、個人が気軽に映像を制作し、発信することを可能にする環境が整ってきており、そのような中で制作・発信された映像が社会に与える影響力も拡大しつつある。更に、映像の制作が地域と共に行われるなど、市民が映像に触れ、制作に参加する機会も増加している。こうした状況は、札幌の魅力が国内外により認められるための好機であり、市民の映像文化活動を一層促進する取組も求められる。
加えて、映像の力を活用したまちづくりを進める中で、札幌の自然、景観、歴史、文化、経済その他様々な魅力が国内外に広く認知され、市民が札幌の魅力を再発見することは、市民が札幌に暮らすことに更なる誇りを持つことにつながるものである。
このような認識の下、市民、事業者及び市が協力・連携しながら映像の力を活用したまちづくりを進めることで、札幌をより豊かで魅力的なまちとし、世界が憧れるまちさっぽろを実現するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、映像の力を活用したまちづくりに関し、基本理念を定め、市並びに市内において事業を営む企業、団体及び個人(以下「事業者」という。)の役割並びに市民の理解と協力を明らかにするとともに、市の施策の基本的な事項を定め、映像の力を活用したまちづくりに係る施策(以下「映像活用施策」という。)を戦略的かつ総合的に推進することにより、本市経済の持続的な発展及び札幌の魅力の認知を図り、もって市民が誇りを持って暮らす、世界が憧れるまちさっぽろを実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 映像の力 映像の直観的かつ効率的な情報伝達効果並びにそれに基づく宣伝効果及び訴求効果
(2) 映像の力を活用したまちづくり 映像産業の振興を図る取組、市内の様々な産業の映像に対する需要の拡大を図る取組並びに市民による自発的な映像の制作及び発信を促進する取組
(基本理念)
第3条 映像の力を活用したまちづくりは、次に掲げる事項を基本として、市民、事業者及び市がそれぞれの役割等を認識し、相互に協力・連携することにより推進されなければならない。
(1) 市民並びに事業者のうち映像の制作及び発信に係る事業を営むもの(以下「映像事業者」という。)の主体性及び創造性が十分に尊重されること。
(2) 映像が国内のみならず海外から札幌が魅力的なまちとして認められるための有効な手段となるものであるとの認識に立つこと。
(3) 映像産業を始め、市内の様々な産業の発展を目指すものであること。
(市の役割)
第4条 市は、前条に定める基本理念にのっとり、映像活用施策を戦略的かつ総合的に実施するものとする。
2 市は、市民による自発的な映像の制作及び発信を促進するため、市民が映像に親しみ、映像の制作及び発信に取り組む契機となる機会の充実が図られるよう積極的な役割を果たすものとする。
3 市は、施策を企画及び実施するに当たっては、その施策が映像を通じて発信されることにより、札幌が魅力的なまちとしてより一層国内外に認められる可能性があることを考慮するものとする。
4 市は、映像事業者が主体的及び創造的に映像の制作及び発信に取り組むために、必要な支援と環境整備を行うものとする。
5 市は、映像事業者以外の事業者による事業活動における積極的な映像の活用を促進するために、必要な支援と環境整備を行うものとする。
(事業者の役割)
第5条 映像事業者は、この条例の趣旨の理解を深め、主体的及び創造的に映像の制作及び発信に取り組むものとする。
2 映像事業者以外の事業者は、この条例の趣旨の理解を深め、それぞれの実情に応じ、事業活動における積極的な映像の活用に協力するよう努めるものとする。
3 事業者は、市が実施する映像活用施策に協力するよう努めるものとする。
(市民の理解と協力)
第6条 市民は、自ら映像を制作及び発信することが札幌の魅力の認知に資することを理解するとともに、市が実施する映像活用施策並びに映像事業者による映像の制作及び発信に協力するよう努めるものとする。
(基本計画)
第7条 市長は、映像活用施策を戦略的かつ総合的に実施するため、映像活用施策に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 映像活用施策に関する目標
(2) 映像活用施策に関する基本的な方針
(3) 前2号に掲げるもののほか、映像活用施策を戦略的かつ総合的に実施するために必要な事項
3 市長は、基本計画を定めるに当たっては、市民の意見を適切に反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。
4 市長は、基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
(財政上の措置)
第8条 市は、映像活用施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(連携)
第9条 市は、映像活用施策を実施するに当たっては、市、国、他の地方公共団体、事業者、市民その他の映像活用施策に関係するものの間の連携が図られるよう配慮しなければならない。
第10条 市は、市、事業者等が、映像活用施策に関し、互いに自由かつ率直に意見の交換を行うことができる仕組みの整備を図るものとする。
(委任)
第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。



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