○札幌市公衆浴場法施行条例
平成24年10月3日条例第47号
札幌市公衆浴場法施行条例
(趣旨)
第1条 公衆浴場法(昭和23年法律第139号。以下「法」という。)の施行については、別に定めるもののほか、この条例の定めるところによる。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 普通浴場 公衆入浴施設(温湯又は温泉を使用し、多数の男女をそれぞれ一の浴室に同時に入浴させる施設をいう。以下同じ。)であって、その利用の目的及び形態が地域住民の日常生活においてその健康の保持及び保健衛生の確保に必要不可欠のものとして使用される公衆浴場をいう。
(2) 福利厚生浴場 国、地方公共団体、社会事業団体その他の団体又は会社等が設置する公衆入浴施設であって、特定人の福祉又は福利厚生を目的とする公衆浴場をいう。
(3) その他の浴場 普通浴場及び福利厚生浴場以外の公衆浴場をいう。
(4) 営業者 法第2条の2第1項の営業者をいう。
(5) 原湯 浴槽内の湯を再利用せずに浴槽に直接注入される湯(温泉を含む。)をいう。
(6) 原水 原湯の原料に用いられる水及び浴槽内の水を再利用せずに浴槽に直接注入される水をいう。
(7) 上がり用湯 洗い場及びシャワーに備え付けられた湯栓から供給される湯をいう。
(8) 上がり用水 洗い場及びシャワーに備え付けられた水栓から供給される水をいう。
(9) 浴槽水 浴槽内の湯水をいう。
(10) 飲料水 水道法(昭和32年法律第177号)第3条第9項に規定する給水装置により供給される水その他飲用に適する水をいう。
(11) 貯湯槽 原湯を貯留する槽をいう。
(12) ろ過装置 浴槽水を再利用するため、浴槽水中の微細な粒子、繊維等を除去する装置をいう。
(13) 集毛器 浴槽水を再利用するため、浴槽水に混入した毛髪及び比較的大きな異物を捕集する網状の装置をいう。
(14) 調節箱 上がり用湯の温度を調節するための槽をいう。
(15) 循環配管 湯水を浴槽とろ過装置等との間で循環させるための配管をいう。
一部改正〔令和2年条例54号〕
(設置の場所の配置の基準)
第3条 法第2条第3項に規定する公衆浴場の設置の場所の配置の基準は、次のとおりとする。
(1) 公衆浴場を設置しようとする場合(法第2条第1項に規定する営業の許可(以下「営業許可」という。)に係る公衆浴場の種類(前条第1号から第3号までに掲げる種類をいう。)を変更して他の種類の公衆浴場にしようとする場合を含む。)は、当該公衆浴場の浴場本屋と既設の普通浴場の浴場本屋との直線による最短距離が500メートル以上離れた場所であること。ただし、推定利用者の数、人口密度、土地の状況等を考慮し、市長が住民の健康の保持及び保健衛生の確保に特に必要があると認めたときは、この限りでない。
(2) 家族風呂(主として同一の世帯に属する者又はこれに準ずる者が一時的に占有して使用することを目的とした温湯又は温泉を用いる形態のその他の浴場をいう。以下同じ。)を設置しようとする場合は、前号本文に定める基準によるほか、その設置により既設の普通浴場の存立に影響を与えないと市長が認める場所であること。
(適用除外)
第4条 前条第1号の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
(1) 福利厚生浴場を設置しようとする場合
(2) その他の浴場(家族風呂を除き、当該その他の浴場の入浴料金が物価統制令(昭和21年勅令第118号)に基づく公衆浴場の入浴料金の統制額の5倍以上の額であるものに限る。)を設置しようとする場合
(3) 既設の普通浴場に家族風呂を併設しようとする場合
(4) 温泉を加温しないで使用する公衆浴場(家族風呂を除く。)で市長が認めるものを設置しようとする場合
(5) 普通浴場の営業者が、天災、事変、火災その他の事由により、同一の場所に普通浴場を新築し、増築し、又は改築して引き続きこれを経営しようとする場合
(6) 普通浴場の営業者が生前においてその営業を相続人に譲渡し、当該相続人が引き続き同一の場所で当該普通浴場を経営しようとする場合
(7) 法人である営業者が解散した後、その法人の解散の際代表者であった者が、引き続き同一の場所で当該公衆浴場を経営しようとする場合
(普通浴場及び福利厚生浴場における措置基準)
第5条 普通浴場及び福利厚生浴場における法第3条第2項に規定する換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置の基準(以下「措置基準」という。)は、次のとおりとする。
(1) 浴室及びサウナ室には、湯気抜き、換気扇その他の換気を適切に行う設備を設けること。
(2) 夜間においては、適当な照明を行うとともに、停電その他照明事故のために、懐中電灯、非常照明等の予備設備を備えること。
(3) 浴槽水については、随時温度計で検温し、常に適温に保つこと。ただし、温泉を加温することなく使用する浴場については、この限りでない。
(4) サウナ室又はサウナ設備を設ける場合にあっては、次に掲げる保温等に関する措置を講ずること。
ア サウナ室及びサウナ設備には、その利用基準温度を表示し、温度調節装置及び温度計を適当な位置に設置するとともに、必要に応じて湿度計を設置すること。
イ サウナ室には、非常警報装置を備えること。
ウ サウナ室には、ボイラーを設けないこと。
(5) 冬季の間、脱衣室に適当な防寒装置を備えること。
(6) 清潔保持のため、脱衣室、浴室、入浴者用の便所、サウナ室、サウナ設備及び露天風呂について、次に掲げる措置を講ずること。
ア 常に清潔を保つように毎日清掃し、定期的に消毒すること。
イ 24時間以上取り替えないで循環させ、及びろ過している浴槽水(以下「連日使用型循環浴槽水」という。)を用いる浴槽は、アの規定にかかわらず、1週間に1回以上清掃し、及び消毒すること。
ウ 気泡発生装置等(気泡発生装置その他の大気中に多数の液体の微粒子を発生させる設備(シャワーを除く。)をいう。第20号及び第23号において同じ。)を1週間に1回以上清掃し、及び消毒すること。
エ 浴槽水のろ過装置を1週間に1回以上洗浄し、及び消毒すること。
オ 循環配管を定期的に洗浄し、及び消毒すること。
カ 水位計配管を1週間に1回以上洗浄し、及び消毒すること。
キ シャワーを1週間に1回以上内部の水が置き換わるように通水し、並びにシャワーヘッド及びホースを6か月に1回以上点検し、並びにそれぞれの内部を1年に1回以上洗浄し、及び消毒すること。
ク 集毛器を毎日清掃し、及び消毒すること。
ケ 貯湯槽を1年に1回以上清掃し、及び消毒すること。
コ 調節箱を1年に1回以上清掃し、及び消毒すること。
サ ねずみ、衛生害虫等を防除すること。
シ 月1回以上は建具及び全部の窓を開放し、十分乾燥させること。
(7) 脱衣室の床面については、不浸透性材料(石、コンクリートその他湯水が浸透しないものをいう。)を用い、清掃に適する構造とすること。
(8) 脱衣容器等については、入浴者の衣類その他携帯品を安全に保管でき、かつ、衛生保持に適する構造とすること。
(9) 浴室又は脱衣室の利用しやすい場所に、飲料水を供給する設備を設けること。
(10) 浴室及びサウナ室については、汚水が公衆衛生上支障のないように排出され、及び処理される構造とすること。
(11) 浴室内においては、入浴者に排便その他不潔な行為をさせないこと。
(12) 浴室には、衛生上及び危害予防上適当な洗い場及び浴槽を設け、上がり用湯及び上がり用水を備え付けて、常に入浴者の使用に応ずることができるようにすること。
(13) 原湯、原水、上がり用湯、上がり用水及び浴槽水については、規則で定める水質基準に適合するよう管理すること。
(14) 浴槽水の消毒については、規則で定めるところに従って行うこと。
(15) 洗い場には、適当な数の洗いおけ及び腰掛けを備え、毎日清掃し、定期的に消毒すること。
(16) 入浴者にタオル、くし又はヘアブラシを貸与する場合は新しいもの又は消毒したものとし、かみそりを貸与する場合は新しいもののみとすること。
(17) 浴槽水については、常に豊富に補給し、かつ、毎日取り替えること。
(18) 連日使用型循環浴槽水の取替えについては、前号の規定にかかわらず、1週間に1回以上行うこと。
(19) 原則として、オーバーフロー水(浴槽からあふれ出た湯水をいう。以下この号において同じ。)及びオーバーフロー水を回収するための水槽(以下この号において「回収槽」という。)内の湯水を浴用に供する構造になっていないこと。やむを得ず当該構造にする場合には、次に掲げる措置を講ずること。
ア 回収槽を地下に埋設しないこと。
イ オーバーフロー水を回収槽に集めるための配管(エにおいて「還水管」という。)を直接循環配管に接続しないこと。
ウ 回収槽の内部を頻繁に清掃し、及び消毒すること。
エ 還水管の内部を頻繁に洗浄し、及び消毒すること。
オ 回収槽内の湯水を塩素系薬剤等で消毒すること。
(20) 気泡発生装置等には、連日使用型循環浴槽水を使用しないこと。
(21) 打たせ湯及びシャワーには、循環している浴槽水を使用しないこと。
(22) 貯湯槽内の原湯の温度は、60度以上を保つこと。ただし、貯湯槽内の原湯の消毒を行う場合は、この限りでない。
(23) 気泡発生装置等を設置する場合には、点検、清掃及び排水を容易に行うことができ、空気の取入口から土ぼこり、浴槽水等が入らない構造にすること。
(24) 公衆浴場法施行規則(昭和23年厚生省令第27号)第1条第3号の薬湯を使用する場合は、同条の申請書に付記した配合分量を常に維持すること。
(25) 屋内の浴槽については、配管を通じて露天風呂の浴槽水が混入しない構造とすること。
(26) 第6号、第13号、第14号、第15号、第19号(ア及びイを除く。)及び第22号の規定による清掃、消毒等の実施状況を記録し、3年間保管すること。
(27) 入浴者用の便所については、脱衣室に併設し、はえ及び臭気を防ぐ装置を備えるとともに、手洗い設備を使いやすい位置に設けること。
(28) 営業許可に係る構造設備を変更して、公衆衛生上支障を来すおそれがあるものにしないこと。
(29) 保護を必要とする高齢者、幼児等で適当な保護者がいないものは、入浴させないこと。
(30) 蒸気パイプ等については、直接入浴者に接触しないようにすること。
(31) 入浴者用の出入口、脱衣室、洗い場、浴槽及び便所を、男子用と女子用とに区別して設けること。ただし、福利厚生浴場であって、市長が男子用と女子用とに区別して設ける必要がないと認めたものについては、この限りでない。
(32) 脱衣室、洗い場及び浴槽については、外部から見通しができず、かつ、男子専用のものと女子専用のものとの相互間にも見通しができないようにし、浴槽については、男子浴槽内の湯と女子浴槽内の湯が直接通じないようにすること。
(33) 7歳以上の男女を混浴させないこと。ただし、市長が風紀上支障がないと認める場合は、この限りでない。
全部改正〔令和2年条例54号〕、一部改正〔令和4年条例58号〕
(個室を設けるその他の浴場における措置基準)
第6条 個室を設けるその他の浴場(その他の浴場の一部に個室を設けるものの当該個室を設ける部分を含む。)における措置基準は、前条各号(第4号ウ、第12号、第17号、第18号、第27号、第31号及び第32号を除く。)に掲げる基準によるほか、次のとおりとする。
(1) 個室には、浴槽又はサウナ設備その他の設備のほか、脱衣場及び洗い場を設けること。ただし、浴槽を設けない個室にあっては、シャワー等を設けること。
(2) 個室には、畳、じゅうたん等を敷き、又はエアマット、スポンジマット、座布団等を置かないこと。
(3) 個室には、ボイラーを設けないこと。
(4) 浴槽水については、入浴者ごとに取り替えること。ただし、浴槽水を循環し、及びろ過する場合については、1週間に1回以上取り替えること。
(5) 入浴者の使用に供する衣類については、入浴者ごとに消毒すること。
(6) 入浴者用の便所を設け、はえ及び臭気を防ぐ装置を備えるとともに、手洗い設備を使いやすい位置に設けること。
(7) 入浴者に接する従業員には、清潔で、かつ、風紀を乱すおそれのない衣服を着用させること。
(8) 個室には、その内部を見通すことができる窓を設け、当該窓以外からは内部の見通しができないようにし、出入口に鍵を設けないこと。
(9) 個室には、風紀を乱すおそれのある文書、図面その他の物を展示しないこと。
(10) 個室の照明の点滅装置は、当該個室の内側に設けないこと。
(11) 洗い場の床面積は、浴槽の大きさに応じた広さを有すること。
一部改正〔令和2年条例54号〕
(個室を設けないその他の浴場における措置基準)
第7条 個室を設けないその他の浴場における措置基準は、第5条各号(第4号ウ及び第12号を除く。)並びに前条第1号から第3号まで、第5号、第7号、第9号及び第11号に掲げる基準とする。この場合において、第5条第31号ただし書中「福利厚生浴場であって、市長」とあるのは「市長」と、前条第1号中「個室」とあるのは「浴室」と、「脱衣場及び洗い場」とあるのは「洗い場」と、同条第2号、第3号及び第9号中「個室」とあるのは「浴室」とする。
一部改正〔令和2年条例54号〕
(営業者の責務)
第8条 営業者は、前3条に定めるもののほか、公衆浴場について、適切な衛生管理に努めるとともに、利用者から健康被害(その症状が、当該公衆浴場に起因する、又はその疑いがあるとの医師の診断を受けたものをいう。)に関する情報の提供を受けたときは、速やかに、その旨及び当該情報を市長に報告しなければならない。
(手数料)
第9条 営業許可を受けようとする者は、その申請の際に、1件につき24,500円の手数料を納付しなければならない。
2 市長は、特別の事由により必要があると認めるときは、前項に規定する者からの申請に基づき、同項の手数料を減額し、又は免除することができる。
3 既納の手数料は、申請事項を変更し、又は申請を取り下げることがあっても、これを還付しない。
(委任)
第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第8条の規定は、平成25年1月1日から施行する。
(次のよう略)
附 則(令和2年条例第54号)
1 この条例は、令和3年1月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
2 次に掲げる者に係る公衆浴場の構造設備が第1条の規定による改正後の札幌市公衆浴場法施行条例第5条第7号、第19号(ウからオまでを除く。)及び第23号並びに第6条第10号のいずれかの規定に適合しない部分を有する場合には、当該適合しない部分に対しては、これらの規定は、当該適合しない部分について構造設備の変更を行うまでの間は、適用しない。
(1) 施行日において現に公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第2条第1項の規定による許可を受けて営業している者
(2) 施行日前に前号の許可の申請を行った者のうち、施行日において現に当該申請に対し、許可又は不許可の処分がされていないもの
(3) 前2号に掲げる者から当該許可又は申請に係る公衆浴場を譲り受け、又は借り受けた者のうち、施行日以後に営業許可の申請を行うもの
附 則(令和4年条例第58号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。