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札幌市立大学 学部連携演習2022 -藤野地区-
~札幌市立大学の学生による健康づくりに関する地域への提案~
藤野しか勝たん!みなぎるパワー体操(高齢者の運動不足の解消に向けたコンテンツの提案)
札幌市立大学(南区芸術の森1丁目)では、デザイン学部と看護学部の学生たちが連携し、
南区内10地区における地域の課題に関する調査を行ったうえで、その解決策について考え、
地域への提案を行う3年次必修授業「学部連携演習」の取組を行っています。
今年度、藤野地区を担当した学生たち(17名)が、高齢者の運動不足の解消を目的とした
健康のためのエクササイズを地域へ提案しましたので、その取組内容を紹介させていただき
ます。
<取組の背景など>
活動を開始したのは昨年(令和4年)10月。学生たちは、まず藤野地区に関する調査を行い、高齢化率が区内でも比較的高く、一方で、町内会等の安定したリーダーシップがあり、地区内の複数の老人クラブで健康意識を高める活動が行われており、老人クラブ間の交流も盛んである、といった地域の特性を知りました。
さらに、地域の高齢者から話を聞いていく中で、新型コロナウイルス感染症の影響により老人クラブ等の活動頻度が低下しており、また、それ以前からも、遠方の家族に会いに行くときくらいしか外出機会がない、あるいは体調面の不安などから外出を控えがちな高齢者もいる、ということも分かりました。
<調査の結果を踏まえて>
高齢者の外出機会の減少に伴う運動量の低下による、フレイルや体力低下、転倒による骨折の危険性が増加する可能性に着目し、感染への警戒のために運動量が低下していることから、「自宅で運動をすることによって運動不足の解消が可能なのではないか」と学生たちは考えました。
<地域への提案「運動不足解消のためのエクササイズ」>
外出機会の少ない高齢者が運動不足を解消できるよう、自宅で気軽に取り組める体操を提案することとしました。
動画(DVD)製作のほか、エクササイズの内容を7日に分けた1週間分の日めくりカレンダーとして継続性を意識した媒体を作成することで、高齢者が始めやすいようハードルを下げ、めくる楽しさも感じながらエクササイズを継続してもらえるように工夫しました。
エクササイズのこだわり
まず、看護学部の学生が、身体の部位ごとに身体的機能を向上させる効果のある動きを選出し、その中から上半身と下半身のエクササイズに分け、1つずつの動きがスムーズに繋がるように各メニューを構成しました。また、身体の機能向上だけでなく、頭を使う脳トレも組み合わせ、認知症予防も兼ねるようにしました。
全身バランスよく鍛えられるエクササイズとし、また、どの身体レベルの人でもできるように、安全に椅子に座ってできるものとしました。
<地域の人たちの反応>
エクササイズの内容が概ねまとまった段階で、学生が地域の会合に出向き、地域の高齢者に動画を見てもらい、実際にエクササイズも行ってもらいました。
「温まっていいね」「これならできそう」「カレンダーにしたのは良い」などの意見があり、一方で「むずかしい」といった声もあったものの、全体としては効果を実感してもらえそうな感触を得ることができました。
また、このエクササイズに当初名付けた「藤野いきいき体操」という名称がありふれており、もっと独自性・若者感が欲しいとの意見もあり、再度検討した結果「藤野しか勝たん!みなぎるパワー体操」としました。
こうして地域の人たちとの意見交換などを経てようやく完成したDVDとカレンダーは、学生たちから老人クラブなどに配付され、また、地域の交流イベントでも展示されて参加者からの好評をいただくことができました。
<取組を終えて>
今回の取組のメンバーの一人で、エクササイズの実演で動画にも出演しているデザイン学部3年生の江良武蔵さんは、「視聴者にわかりやすいように動きを大きく、また、同じリズムで各メニューをこなすよう心がけました。」「私自身が出演したので、動画には愛着があります。少し照れくさい気もしますが、地域の方から『毎日できそう』といった言葉もいただけて、とても嬉しかったです。」と取組の感想を述べていました。
DVD
収録においては、動きの見やすさと清潔感を重視して白背景や服装にこだわり、またパッケージのデザインはカレンダーと統一感を持たせるよう工夫しています。
カレンダー
体操のプロセスが分かりやすいよう、一つ一つの動作について番号を振り、さらに、それぞれのエクササイズの効果についてミニコラムを掲載しました。カレンダー(PDF:3,786KB)
エクササイズ動画は、Youtubeでも配信されいます。Youtubeチャンネル(外部サイト)
(注:この記事は、令和4年12月20日に札幌市立大学において実施された「学部連携演習2022発表会」での発表内容などを要約して作成しております。)
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