ホーム > 新型コロナウイルス感染症について > 寒冷期における有効な換気手法の実証実験について
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新型コロナウイルス感染症の感染対策としては、換気が有効です。しかし、寒冷期には、室温の低下により十分に換気を行うことができず、感染拡大に繋がる懸念があります。
札幌市では、寒冷期であっても室温をあまり変化させない有効な換気の手法について、札幌市立大学デザイン学部 齊藤雅也教授の御協力のもと、実証実験を行いました。
この度の実験では、市内でも集団感染が多く発生した、学校・高齢者福祉施設の2つの場面を想定しております。
実験の報告書をご覧いただき、寒冷期に換気を行う際の参考としてください。
※このページに掲載されている報告書の著作権は、札幌市立大学に帰属しています。
報告書の無断転載は禁止です(札幌市は札幌市立大学の許可を得て掲載しています)。
※本実証実験は、科学研究費補助金 基盤研究C「小中学校の新型コロナウィルス等感染症を防ぐ為に環境・行動特性から捉る建築計画研究(研究代表者:西村伸也、課題番号:21K04426)」の補助を受けて実施したものです。
今回は、札幌市内にある中学校1校と特別養護老人ホーム2施設で室内の空気・熱環境の調査を実施しました。各施設ではCOVID-19感染予防のための換気対応が適切に取られ、有効に機能していることが確認できました。中学校では、授業時間よりも登校直後・授業の合間の休み時間・給食時・下校時などの生徒の発話量が増える時間帯で、特別養護老人ホームではデイサービス専用空間のCO2濃度がそれぞれ高まる傾向があり、機械換気と定期的な窓開け換気が有効であることがわかりました。
今回調査した施設はいずれも建築の築年数が浅く断熱・気密性が高い空間で機械換気設備が有効に働いていましたが、築年数が20年以上の場合は断熱・気密性が十分でない施設や機械換気設備がない場合もあるので確認が必要です。具体的には、居住者・使用者の活動状態に見合った窓開け換気の頻度やタイミングに留意する必要がありますが、冬期間の場合は寒冷曝露による健康への影響が懸念されます。冬に窓開け換気を行なう場合は窓から入る外気(冷気)を一時的に遮断する衝立(パーティション)を設けて、一旦、ストーブなどの暖房器具で加温する、「二段階換気+加温」が有効です。
札幌市立大学デザイン学部・教授
齊藤 雅也
2023年3月26日
COVID-19感染予防のための 換気手法の効果検証 学校教室編(PDF:5,511KB)
COVID-19感染予防のための 換気手法の効果検証 高齢者福祉施設編(PDF:2,627KB)