【概要版】(仮称)札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例(素案) 1 条例制定の背景 国の動き ・共生社会の実現に向けて、バリアフリー法、障害者差別解消法、アイヌ施策推進法のほか、認知症基本法やLGBT理解増進法など、個別の分野における立法例が続いている ・平成30年には、「ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律(ユニバーサル社会実現推進法)」を制定し、国を挙げ て様々な視点から共生社会の実現に向けた取組を強化 札幌市の状況 ・札幌市では、これまで共生社会の実現に向けて様々な取組を進めてきたところだが、依然として 主に次のような課題を抱えている。これらの多様な課題はそれぞれが絡み合い、複雑化・複合化し ているところ  ・高齢者人口の増加への対応  ・障がいのある方への理解  ・地域意識の希薄化  ・子どもの権利への理解  ・支援を要する外国人市民の増加  ・男女の地位の平等感の偏り  ・アイヌ民族への理解  など 国の動きや札幌市の状況、昨今の価値観やライフスタイルの多様化等を踏まえ、 〇「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン(ビジョン編)」において、多様性と包摂性のある都市を目指すことを掲げた。 〇まちづくりを進めていく上での重要概念の一つとして「ユニバーサル(共生)」を定め、年齢、性別、国籍、民族、障がいの有無等を問わず、「誰もが互いにその個性や能力を認め合い、多様性が強みとなる社会」を実現していくことを明記。 2 条例の制定目的 ・札幌市が目指す多様性と包摂性のある都市とは、「差別や偏見がなく、誰もが互いにその個性を尊重され、能力を発揮できる、多様性と包摂性が強みとなる社会」(共生社会)の実現によりつくり出される都市であると考えており、共生社会の実現に当たっては、社会を構成する主体である市(行政)・市民・事業者の協働が不可欠 ・市(行政)・市民・事業者それぞれが異なる方向性の下で取組を進めていくことのないよう、共生社会の実現に向けた基本理念等を共有することが重要 制定目的 共生社会の実現に関し、基本理念を定めるほか、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、市の施策の基本事項を定めることにより、市・市民・事業者が一体となって共生社会の実現に向けた取組を進め、多様性と包摂性のある都市をつくること 多様性と包摂性のある、「誰もがつながり合う共生のまち」をつくり、これを次世代に引き継いでいく 3 条例素案の概要 基本的な考え方 ・多様性を尊重したまちづくり〜誰もが自分らしく暮らし、能力を発揮できるよう、多様性の尊重がこれまで以上に求められる ・包摂的なまちづくり〜社会的障壁を取り除き、誰もが社会から孤立することなく安心して生活できるよう、生きづらさを社会全体で解決していく ・市民・事業者との協働による共創〜それぞれが自らの責務や役割を相互に認識し、社会のあらゆる場面において、連携・協働の上で取組を進めていく ・未来につながる取組の推進〜多世代による取組を進め、特に次世代を担う子どもも参画しやすい取組を継続的かつ発展的に展開していく 条例素案の概要 前文〜条例制定の背景や条例制定に対する思いなどを規定 目的〜条例の制定目的を規定 定義〜共生社会(差別や偏見がなく、誰もが互いにその個性を尊重され能力を発揮できる、多様性と包摂性が強みとなる社会)等の定義を規定 他の条例等との関係性〜総合計画その他まちづくりに関する計画及びまちづくりに関する条例、規則等は、この条例に定める事項との整合を図らなければならない 基本理念〜共生社会の実現に向けた取組は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない  @誰もが、基本的人権を享有する個人としてその個性や能力を認められること  A誰もが、互いにその違い等を理解し、支え合い、及び助け合うことで、社会から孤立することなく安心して生活できること  B市、市民及び事業者が、それぞれの責務や役割を相互に認識し、連携・協働して取り組むこと 市の責務〜市は、基本理念にのっとり、共生社会の実現に向けた施策を総合的かつ計画的に推進しなければならない 市民及び事業者の役割〜市民・事業者は、基本理念にのっとり、共生社会の実現に向けた取組を行うよう努める。また、市が実施する共生社会の実現に向けた施策に協力するよう努める 基本的施策〜市は、共生社会を実現するため、次に掲げる施策を実施するものとする  @誰もが安全で安心な生活ができる多様性に配慮した施設等の整備  A市民又は事業者が行う多様性に配慮した施設等の整備への支援  B日常生活又は社会生活上配慮を要する者の状況に応じた必要な支援  C個別の事業及び各種制度に係る分かりやすい情報提供  D誰もが互いにその違い等を理解し、支え合い、及び助け合う意識の醸成その他共生社会の実現に向けた取組を推進するための啓発、広報活動等  Eその他共生社会の実現に向けて必要な施策 推進体制の整備・財政上の措置〜市は、施策の推進体制を整備するほか、施策の実施に必要な財政上の措置を講ずるよう努める 附属機関の設置〜附属機関として、「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり委員会」を設置 施行期日〜令和7年4月1日から施行予定