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更新日:2015年12月22日

価格設定の考え方

実際に価格改訂した認証製品の例
実際に価格改訂した認証製品の例

札幌スタイル認証製品販路拡大支援部会では、認証製品の販路拡大支援のため継続的に情報収集と分析を進めてきました。その結果、販路拡大のためには生産に係るコストだけでなく、流通に係るコストを適切に見込んだ価格設定が重要であることを再認識しました。そのため、中小企業診断士の方を交え、過去のセミナーで判明した実際の認証製品のデータを参考にしながら原価計算や価格設定の考え方をまとめることとしました。
ここでは、価格設定の考え方について、一連の流れに沿って紹介していますので、これから商品開発をする予定のある方や、既に取り組んでいる等さまざまな立場の方の参考になれば幸いです。
なお実際にこの内容に基づき札幌スタイル認証製品を持つ企業等が認証製品の価格を改定するなどの動きが起こっています。
印刷用・価格設定の考え方(PDF:48KB)

出荷価格編

価格設定にあたっては、長期的な視点から「実際に支出しなければいけない費用」を詳細に把握するとともに、「人件費を含めた会社の適正な取り分」を計算し、ベースとなる出荷価格を決定していきます。

販売価格の内訳例(PDF:104KB)

(STEP1)企画・開発・生産・出荷に必要な経費を洗い出す

商品開発にかかった費用、商品の生産にかかる費用、出荷や広告にかかる費用を、できるだけ詳細に把握しましょう。

(企画・開発時)市場調査費、研究開発費、デザイン費、試作費など
(生産時)材料費、印刷費、梱包資材費、光熱費、運送費、広告宣伝費など

(STEP2)商品の管理に必要な経費を洗い出す

商品の生産・出荷に当たり間接的に発生する費用も忘れずに考えましょう。規模が小さいうちはあまり問題になりませんが、一般流通を目指す上ではこれらを念頭に置いて価格設定をしていくという考え方が重要となります。

たとえば・・・
<在庫管理費>
商品を適正な状態で保管しておくための場所の確保などが必要になります。また商品によっては、保管状態の維持にも費用が必要なケースも考えられます。
<金利負担>
潤沢な自己資金がある場合を除けば、金融機関からの借入などを行いながら、運転資金の確保を行っていくことになります。これらの金利負担も価格に上乗せしておく必要があります。

(STEP3)企画・営業・販売などを考慮した適正な人件費を計算する

人件費は、「利益」ではなく「必要経費」です。安定した収入を確保し、継続的に事業を実施していく上で必要なだけの人件費(給与+通勤費+福利厚生費など)を計算してください。

人件費は、生産時だけでなく、企画、営業、販売、経理など事業活動全般にかかります。事業全体から得たい(得なければならない)収入(給与)を適正に見積もることが重要です。もちろん、人件費を圧縮することで価格を安くすることはできますが、それでは事業の継続性は見込めません。事業活動に携わる全ての人が、提供する価値や労働に見合った給与を得られるよう、慎重に検討することが必要です。

○スタッフ2人、1ヶ月あたり販売数1,000個の製品を販売するケースを例にとると・・・
スタッフの給与をそれぞれ15万円の収入を見込む場合、
150,000円×2人÷1,000個=300円/個
となり、1個あたり300円を原価や管理費に加えて価格に乗せる必要があります。

(STEP4)その他の固定費(一般管理費等)も合わせて計算する

このほかにも、事務所やオフィス機器の賃貸費用、電話代や切手代などの通信費、インターネット回線の利用料、各種税や法定福利費などの保険料など、製品生産とは関係なく必要となる人件費以外の固定費があります。これらの一般管理費についても計算し、価格に上乗せをしていくことが必要です。

[STEP1~STEP4で計算した経費に純粋な利益を上乗せした金額が基本的な出荷価格となります。]


販売価格編

販売価格も作り手側で決める場合には、消費者の手元に届くまで製品を届けてくれる卸売業、小売業の手数料も計算に入れて決定する必要があります。

(STEP5)流通サイドの経費を上乗せして販売価格を決める

出荷価格のみを固定して、流通側に販売価格の設定を委ねる「オープン価格」という考え方もありますが、販売価格も作り手側で決める場合には、消費者の手元に届くまで製品を届けてくれる卸売業、小売業の手数料も計算に入れて決定する必要があります。
(流通経費を想定せずに上代を設定してしまうと、流通に乗せられず非常に限られた場所でしか販売できない製品になってしまいます。)

雑貨の場合、商品や売り先による違いはありますが、卸売業者の手数料が出荷価格の20%前後、小売業者の手数料が出荷価格の70~80%程度というのが一般的です。
つまり、出荷価格の倍程度の価格が、一般流通を経由した際の販売価格となるというのが、一つの目安になると言えます。

販売形態としては、大きく「買取販売」と「委託販売」の2種類があります。販売形態によって手数料も変わりますので、商談の際の参考としてください。

<買取販売>
販売側が商品を買い取り、自己責任で販売してもらう方法です。
販売側が売れ残りのリスクを負うため、一般的に委託販売に比べて高い手数料が必要となります(売れ残った場合、セールで売り切るといった対応が必要となるため)。
<委託販売>
商品が売れた数・額に応じて、販売側に手数料を支払う方法です。
売れ残りは返品してもらうことになるので、販売側のリスクが少なく商品を取り扱いやすいことがメリットです。ただし、買取に比べると販売条件は悪くなります。

卸売・小売の役割

卸売、小売は、商品を売るための専門的なノウハウと、そのための場所を生産者に提供してくれます。

(卸売)

・製品を「商品」へ変える調整役
生産者、小売からの情報を集約・編集し、製品が「商品」となるようプロデュースしてくれます。
・多くの店舗へ商品を結ぶ「ハブ」
生産者の意向を踏まえ多くの小売と商談を進め、商品の販路拡大に努めてくれます。
・売れ残りも含め、在庫リスクを負担
在庫による金利負担のほか、売れ残りなどの処理リスクを負担し、生産者の負担を軽減してくれます。

(小売)

・人通りの多い「売れる場所」で販売
生産者単独では難しい「売れる場所」に陳列して、販売チャンスを高めてくれます。
・品揃えの豊富さなどによる集客力
商品ラインナップにより店舗の特長を出し、関心の高そうな消費者に訴求してくれます。
・スタッフ常駐による細かな接客
店員が常駐し、消費者の質問や要望に応えてくれるとともに、消費者の声や反応を収集してくれます。

一般流通に乗せることで、販路は大きく広がります。
一般流通を意識した価格設定が、市場に認められる第一歩となります。


販売価格の内訳例

一般的な雑貨の販売価格に含まれる費用内訳を、わかりやすく単価1,000円の商品を例にみてみます。価格設定の参考としてください。

画像をクリックすると詳細を見ることができます。
販売価格の内訳例
販売価格の内訳例(PDF:104KB)

協力;田島誠也(中小企業診断士)・山内ビニール加工株式会社(資料提供)

(平成22年2月19日・記)

 

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