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更新日:2022年12月22日

GEL-COOまの意義、その誕生と広がりを振り返る

※以下の内容は、平成19年のものになります。(株)GEL-Design解散のため、平成29年より「GEL-cooま」の製造・販売元は(株)三好製作所となっております。 

ウェブシティさっぽろがつないだ札幌市経済局が応援する札幌スタイルな企業と円山動物園のコラボレーション

平成19年の春、一つの事件が起きました。
札幌スタイルという札幌で、私たちの暮らしから産まれた発想、企画をもとに商品を開発し、広める活動。
札幌スタイルの活動に関わる企業と情報発信に関わるNPO、応援する札幌市経済局との人間で札幌スタイルのホームページを真剣に考えて、創っていこうとする打ち合わせから、札幌円山動物園を応援する商品の企画が生まれました。しかもその商品は発売後大反響を呼び、実際に札幌円山動物園でイベントまで行い、現在完売しています。
商品の名前はGEL-COOま。GEL-COOまの誕生と広がりを振り返りながら、GEL-COOまが教えてくれたことをまとめて見たいと思います。


GEL-COOまの意義、行政の立場から見ると

「札幌スタイル」に関わる企業と円山動物園のコラボレーションによって生まれたGEL-COOまが、シティプロモーションを進め、住みよい札幌を創っていくための舞台を目指して民間と行政が創っているウェブシティさっぽろをベースに生まれたこと自体が非常に札幌らしいコラボレーションだったと思います。

円山動物園にとっては、円山動物園を応援する地元の企業とのパートナーがみつかり、なおかつ、円山動物園が発信する命の大切さ、環境問題についてのメッセージをこの商品を通してなかなかない切り口で道内・全国に発信された事例になりました。
また、ウェブシティさっぽろという、札幌市が提供してきた情報の集積物であるウェブという知のインフラに基づいて、生まれた企画に対し、札幌市経済局が果たした役割というのは次のようなものでした。そもそも札幌スタイルのホームページを企業と市民と行政で創りあげて行こうという打ち合わせの場を用意したこと。イラストの版権を持つ企業(パルコーポレーション)がどこかを円山動物園にリサーチし、円山動物園とパルコーポレーションに企画の事情を話し、この企画をやりたいという想いを持った企業(GEL-Design)と話をつないだこと。GEL-Designとパルコーポレーションが企画の実現に奔走し、実際に商品の発売が決まったとき、そして円山動物園でのイベントの開催が決まったとき、情報発信の後押しをしたこと。つまり、きっかけの場の提供と人と人をつなぐ結節点(コーディネート)の役割と情報発信のサポートをすることが出来ました。このことは、産業振興は誰のため、何のためのものなのか、また、行政が産業振興のために果たすべき基本的な役割とは何かをシンプルに伝える事例になったのではないでしょうか。

そうはいっても端的に、GEL-COOまの企画に関わることができて本当に楽しかった!!企画の誕生から、実現化、多くの人の共感を得てイベントまで行われて完売するという一連の過程に関わらせていただいたことが出来て嬉しく思いました。

この企画に真剣に取り組んでくれたGEL-Designの皆さん、ピリカのイラストのパル・コーポレーションのデザイナーや営業の方、コラボレーションの相手方となった円山動物園の皆さん、一緒に楽しみ、応援した札幌スタイル・ホームページ運営委員会のメンバー、GEL-COOまを取り巻く過程で関わったたくさんの方々、上司や同僚にも感謝しています。本当にどうもありがとうございました!!

GEL-COOまの誕生と広がり

平成19年4月5日、札幌スタイルの情報発信を札幌スタイルに関わる企業当事者((株)GEL-Design、佐藤デザイン室、山内ビニール加工)、ウェブシティさっぽろ、ようこそさっぽろを運営する情報発信の専門家(NPO法人シビックメディア)、行政の人間(札幌市経済局)と共に皆で考えて行動していこうという打ち合わせ(札幌スタイル・ホームページ運営委員会)が行われました。

平成18年の11月から、札幌スタイルのウェブ上の情報発信をウェブシティさっぽろと連携して取り組んでいたところ、アクセス数が上昇するということだけでなく、ウェブシティさっぽろに掲載されていたことがきっかけで取材を受ける、さらには、実際的な連携のきっかけにつながるという事例が起こっていました。この日は情報発信自体を札幌スタイルに関わる企業当事者と一緒に考えていこうという打ち合わせの記念すべき第1回目だったのです。

そもそも札幌スタイルって何?札幌スタイルのホームページは何を目指していけばいい?そういう白熱した議論の途中、円山動物園を応援する企画で何かできないかしらと皆で盛り上がっていました。

最初はシロクマ顔の白いプリン、白いティラミス、杏仁豆腐はどうだろう等と意見が出ていました。そのうち、シビックメディアの杉山さんがウェブシティさっぽろのさっぽろの横顔というコーナーで紹介されていたクマ担当飼育員葛西さんの記事をスクリーンに映しながら、円山動物園は平成12年以降ツヨシ、ピリカとホッキョクグマの自然繁殖に成功している全国的にも稀な動物園と説明してくれました。さらに、記事中で葛西さんが着ていたピリカ顔のTシャツに皆が注目。佐藤斎さんが即座にノートにイメージをスケッチしながら、保冷ができるお弁当箱GEL-COOL(札幌スタイル認証製品)のふたがピリカの顔になったら楽しいよねという雑談を、(株)GEL-Designの附柴さんが、それやります!といきなりその場で宣言!!

早速翌日には附柴さん直筆イラストのシロクマ顔お弁当箱写真が私のところに届き、かなりノリノリになっていることが分かりました。

後日私は円山動物園の鈴木課長と北川係長に相談をして、ピリカのイラストの権利を持っている会社を紹介してもらい、その会社(株)パル・コーポレーションに事情を伝え、(株)GEL-Designの国重さんに話をつなげました。(株)パル・コーポレーションはたまたま、経済局の卸売業を支援する部署で応援している企業だったので、偶然ですが経済局内で応援する企業同士のコラボレーションにもなりました。
附柴さんや国重さんは関係会社との調整を急ピッチで進めながら、商品コンセプトを詰めていきました。食べ物を冷たい状態に保てる弁当箱の特徴と動物園の人気者シロクマのイメージが合うという発想に加え、絶滅危惧種なので製造個数を限定する。円山動物園応援企画として、1個につき1匹のお魚を円山動物園のホッキョクグマにプレゼントする。さらに、実際にいるララ、デナリのペアに併せオスメスを用意する等といった設定のほか、円山動物園の北川係長から、ホッキョクグマのことを聞きながら、GEL-COOまに丁寧にストーリー付けし、プロモーションに活用しました。

アイデアが出て1ヶ月半で5月22日には発売することが決まりました。札幌スタイルホームページ運営委員会のメンバーは(株)GEL-Designの速さにびっくりしていました。

私は円山動物園とパートナー企業への橋渡しののち、プレスリリースの面でPRのサポートをしました。GEL-COOまのニュース性は高いと思っていたからで、案の定、ほとんどの主要マスコミが紹介しました。そして、発売初日は200個売れるという嬉しい悲鳴が起こりました。

佐藤デザイン室、山内ビニール加工のメンバーは、自ら積極的にGEL-COOまを購入するだけでなくプロモーションの協力パートナーをGEL-Designチームに紹介し、GEL-COOまのプロモーション機会を増やす等、仕事上でも協力パートナーになっていました。また、ウェブシティさっぽろ上でもこのGEL-COOまの紹介を行ったところ、後で非常に閲覧数の高い記事になっていることが判明しました。

6月中旬にはGEL-COOまの元になったピリカ顔のTシャツも売上の一部が動物のエサ代としてプレゼントされる企画として、販売を開始しました。後から聞いた話ではピリカ顔のTシャツは一度製造が中止されていたそうですが、GEL-COOまの大人気にピリカのイラストの版権を持つ(株)パル・コーポレーションもピリカのイラスト関連グッズに力を入れることになったそうです。
そして、6月30日、GEL-COOま1,000頭の売上の一部からお魚を円山動物園のホッキョクグマにプレゼントするというイベントが行われました。ホッキョクグマに生のウグイをプレゼントし、いきいきと食べる様子をお客さんに見せてもらいながら、葛西さんからホッキョクグマのことを説明してもらい、ホッキョクグマのこと、環境問題のことを考えてもらうイベントになりました。
当日は、ピリカTシャツを着た子どもたちと大人が100名弱と一般のお客さんが多数集まって、このイベントを楽しみました。札幌スタイルホームページ運営委員会のメンバーはピリカTシャツを着てこのイベントに参加しましたが、大人でも楽しく、かつホッキョクグマのことを深く知れて本当にいいイベントになったと思います。
このイベントの感想やレポートを札幌スタイルホームページ運営委員会のメンバーが書いて後日ウェブシティさっぽろで紹介しました。

後から聞いた話だと、このイベントの準備は(株)GEL-Designの大垣さんと円山動物園の北川係長が打ち合わせをして、イベントの内容や演出を考えていきましたが、円山動物園からも企業主催でこんなに雰囲気がいいイベントは今までにないものだったとお褒めの言葉をいただけたそうです。その後7月28日、(株)GEL-Designのウェブ販売でGEL-COOまがついに完売しました。
なお、GEL-COOまは、マスコミ以外に環境CSRという側面から注目され、環境省が主催する「環境広場さっぽろ2007」にて「COOLに環境CSR~シロクマさんとのパートナーシップ~」というタイトルのセミナーの題材になりました。(出演者は附柴さんと北川係長。)
また、札幌スタイルの活動を伝えるトークショーでも題材としてGEL-COOまを取り上げ、その意義や裏話を改めて当事者に語っていただきました。

 

打合せの様子の写真

シロクマ顔お弁当箱のアイデアが誕生した瞬間の打ち合わせ。

円山動物園の飼育員、河西賢治さん。
(写真提供:ウェブシティさっぽろ)

GEL-COOま

 

円山動物園で行われた「お魚贈呈式」
(写真提供:ウェブシティさっぽろ)

ピリカ顔のTシャツ来ている人たち

 

(平成19年8月31日・札幌市経済局産業企画課 石崎明日香)

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