生物多様性さっぽろ実践ハンドブック
今、地球上では多くの生き物が絶滅の危機にあり、失われつつある生物多様性は、温暖化と並ぶ深刻な地球環境問題になっています。私たちは、生物多様性を守るため、日常生活を見直し、できることから行動することが求められています。
札幌市では、子どもから大人まで、生物多様性を守るために今すぐにできる行動をまとめた「今、できることからはじめよう!!~生物多様性さっぽろ実践ハンドブック~」を作成しました。
ハンドブックの作成にあたっては、市内中学生による子ども企画委員会で内容を検討し、一般向けに開催したワークショップでいただいた意見も反映させました。
今、できることからはじめよう!!~生物多様性さっぽろ実践ハンドブック~
「今、できることからはじめよう!!~生物多様性さっぽろ実践ハンドブック~」は、生物多様性を守るため、日常生活の中ですぐに取り組むことのできる30事例を紹介しています。
このハンドブックでは、子どもから大人まで、多くの方に活用してもらえるように次のような工夫をしています。
- 私たちの暮らしと生物多様性の関係について、マンガでわかりやすく解説しています。
- 「触れあおう!」から「広めよう!」まで6つの分類にわけ、それぞれ5つずつ、全部で30事例を紹介しています。
- 取り組んだものにチェックを入れられるように、チェックリストを掲載しています。
- 各項目ごとに、取り組むためのヒントを掲載しています。
- 子ども企画委員のコラム「中学生の視点から」を掲載しています。
- 札幌にいる生き物に関する「いきものクイズ」を掲載しています。
- 生物多様性について学ぶことのできる札幌市内の施設を掲載しています。

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できることからやってみよう!
ちょっとした工夫や心がけで、日々の生活の中で私たち一人ひとりにできることはたくさんあります。
あなたも、今、できることから始めてみませんか?
“できることからやってみよう”リスト
触れあおう!
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- 近所の公園や緑地を歩いてみよう
木や花、草を眺めて、季節の変化や身近な自然を感じてみよう。
- 身近な生き物を探してみよう
庭にくる鳥や小さな虫の姿を探してみよう。
- 森や山、川に行ってみよう
札幌市には自然豊かな森や山、川があります。まだ知らない自然の魅力を見つけてみよう。
- 自然の中で遊んでみよう
山登りや川遊び、竹とんぼや笹船など、自然のめぐみを利用して遊んでみよう。
- 動物園や植物園、博物館に行ってみよう
札幌市には生き物に出会えたり、生き物について学べたりする施設がたくさんあります。
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調べよう!
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- 普段目にする植物や虫の名前を調べてみよう
日頃、何気なく目にしている植物や耳にする虫や鳥の声。名前や特徴について調べてみよう。
- 身近な野生動物について調べてみよう
ヒグマやエゾシカ、エゾリスをはじめ、札幌市にはさまざまな野生動物が生息しています。
- 外来種とその問題点について調べてみよう
札幌市ではアライグマやオオハンゴンソウなどの外来種の存在が問題となっています。
- 生き物と人とのつながりについて調べてみよう
普段食べているものや使っているものの中には、意外な生き物と関係しているものがあります。
- 自然を大切にするアイヌの文化を調べてみよう
北の大地に先住し、自然と共生する独自の文化を育んできたアイヌ民族の生活や自然観を調べてみよう。
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活かそう! |
- 「いただきます」で感謝しよう
私たちは動物や植物の命をいただいて生きています。好き嫌いをせず、大切な自然からのめぐみに感謝して食べよう。
- 地元のものや旬のものを食べよう
地元でとれた旬の野菜や果物を味わい、季節の移り変わりを感じよう。地産地消は、輸送や生産エネルギーの削減にもつながります。
- 手作り堆肥で野菜を作ろう
生ゴミも堆肥にすることで、資源に生まれ変わります。できた堆肥を使い、自分で野菜を育ててみよう。
- 緑のカーテンを作ろう
緑のカーテンは、室温の上昇を抑え、冷房の使用を減らす効果があります。また、チョウやハチなどの生き物も集まってきます。
- 環境にやさしい商品を選ぼう
きちんと管理され、生産された商品を選ぶことは、森林や農産物、水産資源を守ることにつながります。
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無駄をなくそう! |
- 水を大切にしよう
生活に欠かせない水は、自然がもたらす大切なめぐみの一つ。無駄遣いを控えたり、川や海を汚さないようにしよう。
- 節電を心がけよう
温暖化の進行は、多くの生き物の生息環境を悪化させます。節電の取組は、生き物たちを守ることにつながります。
- 公共交通機関や自転車を利用しよう
自家用車の利用を控えることは、二酸化炭素の排出を抑制する地球温暖化対策の大切な取組の一つです。
- 食品を買いすぎない・作りすぎないようにしよう
食材は使い切り、食べ残しなどの食品廃棄物を減らすことで、大切な資源の無駄遣いをなくそう。
- 4Rに取り組もう
リフューズ(こみを出さない)、リデュース(ごみを減らす)、リユース(くりかえし使う)、リサイクル(再生利用する)の4Rに努め、限りある資源を大切に使おう。
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守ろう!
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- ゴミのポイ捨てはやめよう
私たちがポイ捨てしたビニールなどを間違って飲み込んで死んでしまう野生動物がいます。
- 野生動物にエサをあげないようにしよう
餌付けをすると、野生動物の自然の中で生き抜く力が弱まったり、生態系のバランスがくずれてしまう可能性があります。干渉せず、自然のまま見守るのも生き物への愛情です。
- 自然のものは採りすぎないようにしよう
山菜採りやきのこ狩りなど、自然のめぐみをいただくときは、根こそぎ採らずに、必要な分だけ採るようにしよう。
- ペットは最後まで責任をもって飼おう
ペットの中には、元々札幌に生息していない生き物もいます。野外に放すと、在来の生き物に影響を与える可能性があります。
- 身近な緑を増やそう
ベランダや庭で野菜を育てたり、花壇をつくることは、生き物の生息環境を増やすことにつながります。
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広めよう! |
- 家族や友達と話し合ってみよう
生き物たちとのつながりや生物多様性の大切さについて、家族や友達と話し合ってみよう。
- みんなに教えてあげよう
生物多様性や生き物たちに訪れている危機など、調べたことをみんなに教えてあげよう。
- 詳しい人に聞いてみよう
地域に昔から住んでいるお年寄りや自然保護活動をしている人に、生き物や自然のことについて聞いてみよう。
- イベントや自然保護活動に参加しよう
自然観察会などのイベントや川の清掃、植樹など身近なところで行われている自然保護の取組に関わってみよう。
- 自然や生き物を守る団体や企業を応援しよう
生物多様性を守るため、日々取り組んでいる団体や企業を応援したり、商品やサービスを買ったりしよう。
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平成25年9月~12月に3回の委員会を開催し、市内の中学1,2年生11名のメンバーは、大学生サポーターと一緒に、生物多様性とは何か、生物多様性を守るために自分たち一人ひとりに何ができるかを考えながら、ハンドブックの作成に向け検討しました。
委員会では、生物多様性を守るための行動例をリストアップしたり、子どもから大人まで、多くの市民に興味をもってもらえるようなアイデアを出し合いました。
子ども企画委員
- 宮の森中学校・・・佐々木 亮太朗さん、鈴木 智久さん、柳橋 勇仁さん
- 屯田北中学校・・・伊藤 綾里さん、加藤 正峰さん、仲谷 蒼祐さん、星屋 沙弥佳さん
- 米里中学校・・・梅津 健広さん、寺内 健斗さん、原田 翔之助さん(明園中学校に転出)、分銅 将大さん
サポーター
子ども企画委員会では、動植物、環境、生態系など、生物多様性に関する研究に携わる大学生にサポーターとして参加してもらい、レクチャーやアドバイスをいただきながら委員会を進行していくことで、子ども委員一人ひとりが生物多様性に対する知識を深めながら自らが考えられる場を提供しました。
- 山中 聡さん (北海道大学大学院農学院森林生態系管理学研究室)
- 吉井 千晶さん (同上)
子ども企画委員会の開催
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