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更新日:2022年12月1日

【市民の皆様へ】ペストについて

 

ペストに関する基本的事項

ペストは、ペスト菌による全身性の侵襲性感染症で、リンパ節炎、敗血症等を起こし、重症例では高熱、意識障害などを伴い、治療しないと高確率で死に至る感染症です。

流行地域では、本ホームページの予防方法などを参考に、感染リスクのある行動は控えましょう。

また、感染地域から帰国し、疑わしい症状が出現した場合には、早期に医療機関を受診し、適切な診断及び治療を受けることが重要です。

ペストの分類

感染ルートや臨床像によって「腺ペスト、敗血症型ペスト、肺ペスト」に分類されます。

  • 腺ペスト(ヒトペストの80~90%を占める)
    潜伏期は2~7日。感染部のリンパ節が痛みとともに腫れる。菌は血流を介して全身のリンパ節、肝や脾でも繁殖し、多くは1週間くらいで死亡する。
  • 敗血症ペスト(約10%を占める)
    時に局所症状がないまま敗血症症状が先行し、皮膚のあちこちに出血斑が生じて全身が黒色となり死亡する。
  • 肺ペスト
    潜伏期は1~4日。非常に稀な事例ではあるが、最も危険なタイプ。ペスト菌による気管支炎や肺炎を起こし、強烈な頭痛、嘔吐、39~41℃の弛張熱、急激な呼吸困難、鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示し、2~3日で死亡する。

感染ルート

ペスト菌含有ノミの咬傷や、稀に、感染したヒトあるいは動物への接触により、傷口や粘膜から感染します。また、肺ペストでは、患者の咳によって、容易に人から人へと感染します。

予防方法

流行地域では以下の点にお気を付けください。

  • 患者や動物(ネズミ、犬、猫)の体液や排泄物への接触を避ける。
  • 肌の露出を避け、虫除けを使う。
  • 肺ペスト流行地では人込みを避け、医療機関などでは必要に応じマスクを着用する。
  • 肺ペストが疑われる患者と濃厚接触した場合には抗菌薬の予防内服が勧められる。1週間は体温の測定をして高熱が出た場合には速やかに医療機関を受診する。

治療

できるだけ早く抗生物質を投与することで治療できます。また、ペストの患者に接触した人には予防のために抗生物質を投与します。

ペストの主な発生状況

アフリカ、アジア、アメリカ大陸の山岳地帯などを中心に発生がみらます。現在、最も流行している国は、マダガスカル、コンゴ民主共和国、ペルーの3か国です。

詳細については、厚生労働省検疫所ホームページ(ペスト)のほか、本ページ下部の関連リンク等を御確認ください。

マダガスカル共和国(平成29年)平成29年11月30日更新情報

2017年8月1日から11月24日までに、マダガスカル114郡のうちの57郡(50%)で、感染の確定患者、可能性の高い患者、疑い患者が合せて2,384人が報告されました。死亡者は207人(致死率9%)となりました。

マダガスカル保健省は、11月25日に、都市型の肺ペストを封じ込めたことを、公式に発表しました。しかし、マダガスカルには、ペストが常在しており、ペストの流行期が9月から4月までは続くことから、2018年4月までは、腺ペストや散発的な肺ペストのさらなる患者が報告されることが予想されます。

11月27日月曜日に、WHOは、「流行は減速してきているものの、その対策は維持されていかなければならない」という声明を発表しました。

最新情報は、厚生労働省検疫所ホームページ(新着情報)を御確認ください。

主な関連通知

【通知】「ペストに係る注意喚起について」の廃止について(平成29年11月30日_健感発1130第2号_厚生労働省健康局結核感染症課長通知)(PDF:6KB)

※廃止【通知】ペストに係る注意喚起について(平成29年10月4日_健感発1004第10号_厚生労働省健康局結核感染症課長通知)(PDF:49KB)

 

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このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局保健所感染症総合対策課

〒060-0042 札幌市中央区大通西19丁目 WEST19ビル3階

電話番号:011-622-5199  内線:353

ファクス番号:011-622-5168