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更新日:2017年12月5日

【医師の皆様へ】ペストについて

ペストに関する基本的事項

市民向け本市ホームページのほか、本ページ下部のリンク等を御確認ください。

ペストの臨床症状(国立感染症研究所)

ペストは、腸内細菌科に属する通性嫌気性のグラム陰性桿菌Yersinia-pestisに起因する全身性の侵襲性感染症で、ノミやエアロゾルを介して伝播する。感染ルートや臨床像によって腺ペスト、肺ペスト、および敗血症型ペストに分けられる。

1)腺ペスト

腺ペストはヒトペストの80~90%を占め、ペスト菌含有ノミの咬傷や、稀に、感染したヒトあるいは動物への接触により、傷口や粘膜から感染する。侵入部位にほとんど変化を起こすことなく、近くの局所リンパ節に伝播する。リンパ節は壊死、膿瘍を形成し、クルミないしアヒルの卵大に腫大する。その後、リンパ流、血流を介して脾臓、肝臓、骨髄を経て、心臓、肺臓など全身に伝播して敗血症を起こす。

臨床症状としては、通例3~7日の潜伏期の後、40℃前後の突然の発熱に見舞われ、頭痛、悪寒、倦怠感、不快感、食欲不振、嘔吐、筋肉痛、疲労衰弱や精神混濁などの強い全身性の症状が現れる。通例、発症後3~4日経過後に敗血症を起こし、その後2~3日以内に死亡する。なお、稀に、ノミの刺咬部位の皮膚、または眼に化膿性潰瘍や出血性炎症を形成する場合がある。その場合は特に皮膚ペスト、眼ペストと呼ぶこともある。

2)敗血症型ペスト

ヒトペスト全体の約10%を占め、局所症状がないまま全身に伝播して敗血症を引き起こす。臨床症状としては急激なショック症状、および昏睡、手足の壊死、紫斑などが現れ、その後、通例2~3日以内に死亡する。

3)肺ペスト

非常に稀な事例ではあるが、最も危険なタイプである。腺ペスト末期や敗血症型ペストの経過中に肺に菌が侵入して肺炎を続発し、肺胞が壊れて、痰やペスト菌エアロゾルを排出するようになると、この患者が感染源になってヒトからヒトへと素早く伝播する肺ペストが発症する。潜伏期間は通例2~3日であるが、最短12~15時間という報告例もある。発病後12~24時間(発病後5時間の例も記載あり)で死亡すると言われている。臨床症状としては、強烈な頭痛、嘔吐、39~41℃の発熱、急激な呼吸困難、鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示す。

ペストの判断基準(国立感染症研究所)

1)疑似患者

  1. ペスト流行地への渡航歴や、バイオテロに巻き込まれた可能性がある場合で、ペストの臨床症状を示し、さらに、臨床材料からグラム陰性で両端染色性を示す桿菌や、診断用抗原(莢膜抗原)に対する抗体、蛍光抗体に対して陽性を示す菌が検出された場合
  2. ペスト菌に特異的なプライマーを用いたPCR法で、特異的なバンドが検出された場合
  3. 患者血清中の抗Fraction1抗体価が、passive-haemagglutination-testで16倍以上を示した場合

2)確定患者

  1. 臨床材料から分離した菌が、顕微鏡所見で明らかな極小体を示すグラム陰性桿菌で、莢膜抗原に対する抗体、蛍光抗体に陽性を示し、ペスト菌に特異的なプライマーを用いたPCR法で陽性を示し、ペスト菌特異ファージに対して感受性を示し、生化学的性状がペスト菌の性状と一致することなどから総合的に判断し、ペスト菌(Yersinia-pestis)と同定された場合
  2. Passive-haemagglutination-testで、診断用抗原に対する回復期の抗体価が、感染初期の抗体価の4倍以上上昇している場合

治療

抗菌薬(※)による治療(特に肺ペストでは早期治療が重要)。

※アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、ゲンタマイシン)、テトラサイクリン系(ドキシサイクリン)、キノロン系薬(シプロフロキサシン)、等

詳細については本ページ下部リンク「ペストとは(国立感染症研究所)」をご確認ください。

ペストの主な発生状況

市民向け本市ホームページのほか、本ページ下部のリンク等を御確認ください。

関連通知

【通知】「ペストに係る注意喚起について」の廃止について(平成29年11月30日_健感発1130第2号_厚生労働省健康局結核感染症課長通知)(PDF:6KB)

※廃止【通知】ペストに係る注意喚起について(平成29年10月4日_健感発1004第10号_厚生労働省健康局結核感染症課長通知)(PDF:49KB)

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このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局保健所感染症総合対策課

〒060-0042 札幌市中央区大通西19丁目 WEST19ビル3階

電話番号:011-622-5199  内線:353

ファクス番号:011-622-5168