ホーム > くらし・手続き > 環境・みどり > 環境保全 > エコライフの推進 > SAPPORO未来デザイントーク~10人のエバンジェリストが語る~ > SAPPORO未来デザイントーク 家電の買いかえ時期と選び方 Part2
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藤山 哲人(ふじやま てつひと)
技術系家電ライター
家電コーディネーター
あらゆる家電を使い込んで比較し、性能を数値やグラフにする技術系家電ライター。「家電おじさん」、「体当たり家電ライター」の異名を持つ。
ライターのかたわら電子回路や機械設計、またプログラマとしても活動し、家電の使いやすさや便利さ、内部から見た作り込みや問題点なども紹介。
TBS「マツコの知らない世界」番組史上最多の6回をはじめ、テレビ出演番組100本以上。「家電Watch」「文春オンライン」「現代デジタル」などのWeb媒体やラジオのレギュラーを持つ。
※本動画は、令和5年度に実施した、さっぽろ 省エネ家電で家計を応援キャンペーン事業で作成したコラム動画です。補助金情報など古い情報が含まれている場合がありますのでご容赦ください。
●家電の寿命は13年が大きな目安
家電を長く使うことは「地球環境に良い」と思われがちですが、あまり長期間使っていると電気のムダ使いが多くなってしまいます。エアコンや冷蔵庫などの寿命は13年が大きな目安。たとえば20年前に買った冷蔵庫を動いているから「もったいない」とそのまま使っていると、電気代で年間約1万円の損になってしまいます。
また、2011年の東日本大震災よりも以前に作られた家電はエネルギーや電力への関心が低かったため、省エネ性能があまり高くありません。震災後の2011年、2012年に各メーカーが省エネに向けて開発を進め、2013年以降のモデルからは省エネ性能がぐんと上がりました。
●10年を過ぎたら買いかえを検討
物を大切に長く使うことは良いことですが、家電の場合電気代を考えるとそうとも言えません。冷蔵庫やエアコンなら、まずは寿命の13年が過ぎているかを確認しましょう。だいたい10年からが買いかえ時期で、あとの3年は「今年はお金がないから来年」というように、執行猶予のように考えると良いと思います。
●「しんきゅうさん」で比較
環境省のWebサイト「しんきゅうさん」で、家電を買いかえると電気代がどれくらいお得になるかを比較することができます。今使っている製品の情報(購入年、型番など)と買いかえたい製品の情報を入力すると、年間の消費電力、電気代、CO2排出量が表示されます。新と旧を比較するので、しんきゅうさん。お店に行かなくても簡単に比較ができて便利です。
●温かい家電も要チェック
もう一つ、家電の買いかえ時期を知る隠れた方法に、手で触ってみることがあります。昔のテレビはブラウン管付近がとても熱く、ラジカセのACアダプターなどはほんのり温かく、これらは待機電力を熱エネルギーとしてムダに放出していた証拠です。触ってみて、必要のないときもほんわりと温かい家電、熱い家電は、あやしいと思って調べてみましょう。なかでもよくわかるのが白熱電球です。白熱電球は光エネルギーにもなっていますが、ほとんど熱エネルギーとして放出しているため、触れないほど熱いのです。一方LED電球は電気のエネルギーをほぼ光に変えているため、触っても全く熱くありません。
●緑色のラベルに注目
お店に並ぶ冷蔵庫やエアコンなど消費電力の高い家電には、「統一省エネラベル」というシールが貼ってあります。シールの星マークが多いほど、省エネ性能が高いことを示しています。また、特に注目したいのが「省エネ基準達成率」の数字です。これは経済産業省資源エネルギー庁が毎年基準とする省エネ技術に対し、その製品が何%まで達成しているかを示しています。省エネ基準達成率50%など極端に低いものは要注意。年間の目安電気料金なども表示されています。くわしくは店員さんに聞きましょう。
近年電気代が高くなっているので、皆さん省エネへの興味関心が高まっていると思います。しかし、夏に冷房をつけずに過ごしたり、冬に暖房を節約して厚着をしても寒いなどの無理やガマンはせず、健康を第一に考えて、省エネの工夫をしていただければと思います。人の生活を快適にサポートしてくれるのが家電です。13年前の家電や東日本大震災前の古い家電を買いかえると、自宅の電気代がお得になりますし、地域全体でみると電力の消費量やCO2排出量が大きく下がります。家電を味方に、快適な省エネ生活を実現しましょう!