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更新日:2012年6月12日

動物園の森のコンセプト

画像:円山の森

動物園の森・概要

動物園の森はどこにあるの?

画像:円山航空写真
写真提供:札幌市市民まちづくり局都市計画部

 

動物園の森は天然記念物である円山原始林と動物園の境界部分に位置しています。全体が長方形のような形で、広さは約2ha(おおよそ40m×500m)です。
190万都市札幌の中心部から地下鉄で10分、地下鉄駅から徒歩15分に位置し、お隣が特別天然記念物の円山原始林。
国内でもこれだけ利便性が良く、自然豊かな動物園は他にはありません。

動物園の森はどんなところ?

動物園の森

 

1880年(明治13年)に養樹園がこの付近一帯に設立されました。
北海道ではどのような樹木が育つのかを調査するために、スギなどの産業樹木が試験的に植えられました。その名残が動物園内には数々残されており、それが現在大木となって点在しています。
これまでこのエリアは、動物園の作業場として、落ち葉や剪定した枝を堆積する場所(バックヤード)として利用され、ほとんど人の手がつけられていませんでした。
そのため、もともとこの土地に生えていた在来種の草花や大きな樹木などが残存しており、約230種類(平成22年度調査時)確認されています。
春、雪解け後にはエゾエンゴサク、キバナノアマナが可憐な花を咲かせ、夏には、ハルニレやカツラの木々の葉が緑鮮やかに生い茂り、晴れた日中でも涼しいと感じるほどです。
エゾリスやアオダイショウ、エゾサンショウウオも棲んでおり、夏にはオオムラサキやルリボシカミキリなど色鮮やかな昆虫もやって来ます。
最近では出会う機会が減ってしまった生き物たちが、この森には今なお生息しています。
しかし、緑豊かなこの森にも、オオハンゴンソウなどの外来植物が増えています。人間生活に影響を受け外国から日本全国に持ち込まれた外来植物は、道路や公園などからタネなどが飛んで来て、根付いたのでしょう。

 

「ビオトープ」としての動物園の森

円山動物園では、これまで以上に北海道の生物や環境に関して力を入れていこうという方針を定め、野生動物復元プロジェクトとして、野生動物の保護、復元に取り組み始めました。
そのうちのニホンザリガニやオオムラサキなどに代表される身近な動物に関する活動の拠点となるのが動物園の森です。
平成19年度から本格的に植物や動物などの調査を始め、どのような植物がどれくらいあるのか、どのような動物が棲んでいるのかを専門家の方々が調べ、より生き物が棲みやすく、また、市民が身近な環境を学ぶ場所となるように、園路や池を造る計画を作成しました。
そして平成20年度には整備工事を行い、自然体験ゾーンとして「ビオトープ」と呼ばれるエリアに生まれ変わりました。
「ビオトープ」とは、もともとは「生き物が生息する空間」という意味であり、学校や公園などにいくつも造られています。土があり、水があり、樹木があり、生き物が生息する場所は、人工的であるか、自然度が高いか低いかに関わらず、ビオトープと位置づけることができます。

目指す森の姿

動物園の森

目指しているのは、およそ50年前の札幌の身近な自然です。それは、様々な在来種の草花に囲まれて、ニホンザリガニやオオムラサキをはじめとした様々な身近な生物が棲む森です。
この立地ですから、動きまわっている昆虫や動物は、自然豊かな円山原始林からやってきてくれるはずです。
もちろん、外来植物の除去作業や、間伐などの管理作業を行いながら、人手が加わったことで植物環境がどのように変化するかも注意深く観察しなければなりません。バランスの取れた自然環境は、人工的に作り出せるものではありません。
在来の植物や生き物が生息する環境を目指していますので、花苗や芝生を植える普通の公園や花壇とは異なります。そのため、現在は植物の種まきや除草など、じっくり時間をかけて取り組み、時間や季節を限定して公開することにしています。生物の専門家による調査を続けながら、焦らずに時間をかけて環境を整えていきます。

自然環境について考える場

動物園の森は、自然度が高い状態で皆さんにご覧いただき、生き物や植物について学び、森づくり作業なども実践しながら、身近な自然環境について考えるきっかけを作る場となることを目指しています。

現在は、森のボランティアが中心となってガイドを行う「森の散策タイム」と題したミニツアーや、この森が生き物で豊かになるような環境整備作業を実施し、市民の方々に身近な自然環境について考えるきっかけとなる場を目指しています。

このページについてのお問い合わせ

札幌市円山動物園

〒064-0959 札幌市中央区宮ケ丘3番地1

電話番号:011-621-1426

ファクス番号:011-621-1428