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ホーム > 動物紹介 > アフリカゾーン > マサイキリン > マサイキリン「ナナコ」の死因について

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更新日:2017年4月13日

マサイキリン「ナナコ」の死因について

ナナコ

マサイキリン「ナナコ」

  8月30日に死亡しましたマサイキリンの『ナナコ』について、北海道大学獣医学部(比較病理学教室)に協力いただき病理検査を実施いたしました。この結果を踏まえ、当園では最終的な死因について下記のとおりまとめましたのでご報告いたします。9月24日まで設置いたしました献花台には市民の皆様からたくさんの御献花をいただきました。この場をお借りし感謝申し上げます。

 

 

1 死亡原因

  直接の死因:胃内容を誤嚥したことによる窒息死

  8月30日に実施した解剖の段階で、胃内容が肺の気管支まで及んでいることを確認しており、死因は「胃内容の誤嚥による窒息死」と診断しておりました。

   この度の病理検査結果においても、全身の脂肪が少ないことや心臓に部分的な萎縮が見つかったほかは、臓器の基礎疾患は特段見つからず、胃内容の誤嚥による肺の所見(誤嚥性肺炎)が主なものであったことから、最終的な死因についても「胃内容の誤嚥による窒息死」といたしました。

   なお、誤嚥はキリンが転倒し、腹部に圧がかかり胃内容が口腔内に戻ったことにより発生したものと考えられます。転倒の原因は次の2点を推定しております。

 

2 転倒について(推定)

1)足の状態によるもの

   ナナコは来園した平成21年時点から過長蹄(蹄が日常生活の中で均一に削れず、徐々に先が伸びていくこと)があり中等度の跛行(歩様の異常)を示しておりました。

   そこで当園では、平成24年から徐々に過長蹄のケアを進め、平成27年1月には足をひきずるといった歩様が見られなくなっており、改善が図られておりました。

   しかしながら、最近、座り胼胝(すわりだこ)が目立つようになり、座る時間が増えていたことを考えると、跛行状態が長時間経過していたことによる起立バランスの悪化を来し、転倒の原因になったことが考えられます。

 

2)全身の状態によるもの 

   最近の健康状態で特に異常や食欲低下は見られておりませんでした。しかしながら、過去に当園で飼育していた雌に比べ、もともと小型で少食傾向の個体でした。

   餌は乾草を中心に、余るように与えておりましたが、成長面で課題があったことが全身の脂肪の少なさや心臓の一部萎縮などに関係し、転倒の原因となったことが考えられます。

 

●マサイキリン ナナコについて●

  生年月日 2004年(平成16年)8月26日 熊本市動植物園生まれ

  来園日  2009年(平成21年)10月15日

  死亡年月日 2015年(平成27年)8月30日 未明(11歳) 

 

≪参考≫

1 実施してきた過長蹄ケアについて

  キリンの麻酔は他の動物と比べてもリスクが高いことから、麻酔による削蹄は避けて、下記の対策を実施していたところです。

 (1) 床材の選定

 当園では屋内・屋外ともに放飼場に砕石(5~8ミリ)敷き、歩行のたびに自然に蹄が削れるようにしておりました。

  (2) 蹄のケア

  平成24年夏より、無麻酔での削蹄を試行実施し、平成25年5月に先進的な取り組みを行っている秋田県大森山動物園に職員を派遣し、「ハズバンダリートレーニング(受診動作訓練)」※の基礎を習得後、本格的な削蹄を開始いたしました。

   そこで毎日、少しづつ削蹄することが可能になり、平成27年1月には、歩様も安定し、跛行は改善をしておりました。

※トレーニングについては、キリンの体に職員が触れることに馴れさせることも行っており、前胸部にできていた座り胼胝から少量の出血・滲出液が見られ、患部の細菌汚染も認められたことから、トレーニング時に患部に抗生剤軟膏を塗布するなどの治療も行っていたところです。

 

2 ナナコの状態について 

   ナナコは来園時より体が小さく(来園時推定体重600㎏)、なかなか太ることができない体質であったことから、来園時から出産に至る平成23年夏までは、ナナコの嗜好性を最大限考慮して、マメ科牧草の他に根菜類(人参、イモなど)や果物(リンゴなど)をある程度与えておりました。

   一方で、キリンは栄養価の高い樹葉(繊維質としてペクチンを多く含む)を主食としていることから、キリンの飼料としては、樹葉またはマメ科の牧草を主食とし、補助的に濃厚飼料を与えることが望ましいとされています。

   そこでナナコの健康管理のために飼料の改善を検討しましたが、急激な餌の質の変化は、キリン自身及び胃の中の微生物にも悪影響を及ぼす可能性があると判断し、餌の変更は気候の温暖な夏場に限定し、一月に数パーセントずつ時間をかけて餌を変更することといたしました。具体的には、出産後の哺育がある程度一段落した平成23年秋から、長期的に飼料改善を行い、マメ科の牧草の給餌量を増量するとともに、根菜類及び果物の量を減量いたしました。

   これにより、平成27年度夏に至るまで徐々に餌を改善し良好な採食がみられておりました。マメ科牧草については、余るように与え、室内にいるときは好きな時に食べられるように配慮しており、食欲については安定していることを確認しておりました。

 

 3 死亡前日までの健康状態について

    アフリカゾーンへの移動を控え、5月28日に輸送用の檻を屋外放飼場内に設置し、檻への慣らし(馴致)を行っていたところですが、好みのエサで誘導するなどして徐々に馴致を進め、檻に入ったまま落ち着いて採食できるところまで慣れてきていました。

   前日(8月29日)も、採食の様子や、普段の行動などの観察結果から、全身的な健康状態に問題はなかったと考えています。また、前日(8月29日)は夜の動物園の開催日であり、夜間開園しておりました。16時に屋内展示場に収容した後もナナコの様子はいつも通り落ち着いて餌を食べておりました。その日はカバのドンがやや落ち着かないそぶりを見せていたため、熱帯動物館屋内草食獣舎前を人止めし、キリンを含めて落ち着いて休息できるようにしておりました。

 21時の閉園まで飼育担当者らが定期的に様子を観察しておりますが、その際も餌を食べている様子が見られており、特段の異常はみられておりませんでした。

 

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